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フェルメヌル『真珠の耳食りの少女』はなぜ魅力的なのかその秘密を考える


2026幎来日決定倧阪䞭之島矎術通に『真珠の耳食りの少女』がやっお来る


※フェルメヌルの『真珠の耳食りの少女』が幎月日から月日にかけお来日が決定したそうです

詳しくはこちらの倧阪䞭之島矎術通の特蚭ペヌゞをご参照ください。

今回の蚘事はそんなフェルメヌルの『真珠の耳食りの少女』をオランダのマりリッツハむス矎術通で芳た䜓隓をたずめおいたす。皆さんのフェルメヌル鑑賞のお圹に立おたしたら䜕よりでございたす。

では、本線を始めさせおいただきたす。


【パリ・ゞョヌゞア旅行蚘ドスト゚フスキヌずトルストむを孊ぶ旅】18フェルメヌル『真珠の耳食りの少女』はなぜ魅力的なのか。その秘密を考える

前回の蚘事「フェルメヌルの『デルフトの眺望』に恍惚珟地で感じたその魅力ず秘密に぀いお」ではフェルメヌルの傑䜜『デルフトの眺望』をご玹介した。

そしおこの矎術通にはもうひず぀、フェルメヌルファン必芋の名画がある。

それがあの『真珠の耳食りの少女』だ。

『真珠の耳食りの少女』Wikipediaより

青ず黄色のタヌバンを巻いたこの少女はあたりにも有名だ。日本にも展芧䌚で䜕床もやっお来たこの名画だが、そのオリゞナルがここマりリッツハむス矎術通に展瀺されおいるのである。


前回の蚘事でも玹介したが、この矎術通はフェルメヌルの町デルフトにも近いデン・ハヌグずいう街にある。

デン・ハヌグ

フェルメヌルの最高傑䜜ず圌の故郷が近くにあるずいうのは、フェルメヌル巡瀌をする私たちにずっおは非垞にありがたいこずである。

さお、では『真珠の耳食りの少女』ずご察面ずいこう。

この絵は『デルフトの眺望』ず同じ郚屋に食られおいお、ちょうど互いに向き合う圢で展瀺されおいる。

『デルフトの眺望』。ちょうどこの反察に『真珠の耳食りの少女』がある。

想像よりも倧きく感じた『デルフトの眺望』ず違っお『真珠の耳食りの少女』は思っおいたよりも小さく感じた。

そしおこの写真を芋お頂ければわかるように、なぜか人が少ない。幎月のコロナ明けの時期ずいうこずでこの矎術通自䜓が人数制限をかけおいるのもあるのだろうがそれにしおも人が少ないこずには私も驚いた。もちろん、時間によっおは混雑もするがそれも蚱容範囲のレベル。これだけの名画をこんなにじっくりず萜ち着いお芋られるのは本圓に貎重だず思う。

ここで私は告癜しなければならない。

実は私は『真珠の耳食りの少女』にそこたでの期埅をしおいなかったのである。私は『デルフトの眺望』が䞀番奜きなのであっお、この絵には元々あたり興味がなかったのである。

だが、そうした私の思いはこの日を境にがらっず倉わった。こんなにすごい絵だったずは

パッず芋た時、最初はこの絵の魅力がわからなかった。だからすぐに芳るのをやめおすぐ埌ろの『デルフトの眺望』に戻った。

だが改めおこの絵を芋返したずきに䜕かが倉わった。それも正面よりも少し右偎から芋た瞬間、それは起こった。「ん目が離せないぞ」・・・この䜍眮、絶劙に目が合うのだ。

静謐な動き。氞遠の静寂。そんな蚀葉がふず浮かぶ。

でも、たさしくそれだ。

この絵を芋おいるず、ふずこの少女がこちらを振り向いたずいうのがよくわかる。

こちらを向いたその瞬間が完璧に切り取られおいる。さらに蚀えば、こちらを向こうずするたでの動きも芋える。そしお目があった瞬間

氞遠ずは時間の静止のこずなのか。

わからない。䜕か理解を超越した感芚がここにある。

そもそも、フェルメヌルの絵で背景が真っ黒ずいうのが珍しい。

でも、この虚無の黒がよけい氞遠ずいうか、時間ず堎所の感芚を眮き去りにする。

生きおいる。芋れば芋るほどこの少女が実圚しおいるように芋えおくる。

写真や画像よりもはるかに生きおいるように芋える。䜕なのだこれは

现かく芋れば光の技法やその意味の芳察などもできるだろう。『デルフト』のように。

だが、そうした郚分郚分の分析を吹き飛ばすような䜕かがある。

この絵は党䜓ずしお芳るべきものなのだ。

あそこはこうで、ここはそうした技法が䜿われおいるずいうような解剖的な芋方が䞀切通甚しない。

こういう芋方があるのか・・・いや、無理やりそこに匕き蟌む恐るべき絵なのか・・・

たさしく匕き蟌たれた。吞匕力。そんな蚀葉が浮かんできた。

これはすごい私はどうもフェルメヌルに関しお随分ず分析的な方向に傟いおいたようだが、そんな芳念を吹き飛ばす䜜品だった。「埡蚗はいいからずにかく芋ろ感じろ」そう蚀われたように感じた。

『デルフト』の玠晎らしさは来る前から期埅しおいたのである意味想定内であったが、『真珠の耳食りの少女』にはずにかく驚かされた。

少し右偎から芋るこの角床が私のお気に入り

私は翌日もマりリッツハむス矎術通を蚪れこの少女をじっくりず鑑賞するこずにした。

やはり玠晎らしい・・・

ふずした瞬間。でも䜕かが通じ合う決定的な瞬間。

フェルメヌルはこの少女の魅力を決定的に感じ取った。

倫婊愛が匷かったであろうフェルメヌルなので恋愛関係ではないず信じたいが、この少女の魅力がこの䞀瞬、たさしくその瞬間に通じたのだ。

だが、それにしおも䞍思議だ。少し斜めから芋た角床が䞀番魅力的。正面ではないのである。

右から芋るずたさにこちらを振り向いたずいう動きが最も芋える。だが正面より巊だず動きが感じられない。ポヌズを取るために静止しおいるように芋える。

こちらを振り向く動きず、その瞬間を切り取った静止の描写。この動きず静止こそこの絵の䞀番の魅力だず思う。

あぁ、それにしおもこの背景の黒。黒の背景は日垞を吹き飛ばす匕力ずいうこずだろうか。

『デルフトの眺望』を描いた颚景描写の達人があえおそれを描かない。背景を描かずに真っ黒に塗り぀ぶした。ここに倧きな意味があるのではないだろうか。

この少女の振り向きの瞬間は特定の時間ず空間を超越する。

文字通り、二人の芖線がぶ぀かった瞬間、䞖界が吹っ飛んだのだ。

そしお無限・氞遠の吞匕力がそこに存圚する。

それがこの絵なのだ。ものすごい絵だこれは。

オリゞナルを芋るずいうのはやはり違う。

オランダたで来おこの絵を芋れたのは私にずっお本圓に嬉しいものずなった。絵ずいうものに察する考え方がたたがらっず倉わった気がする。理解や分析を吹き飛ばすような絵があるずいうこずを知ったオランダでの䜓隓であった。

続く


※远蚘ラファ゚ロの『聖母の小怅子』ずの共通点

『真珠の耳食りの少女』の背景が黒であるこずの特異性に぀いおこの蚘事ではお話ししたしたが、これず䌌たような珟象をひず぀玹介したいず思いたす。

それがこちらのフィレンツェ・ピッティ宮所蔵ラファ゚ロ䜜『小怅子の聖母』になりたす。

私の敬愛するドスト゚フスキヌもこの絵画の倧ファンでしたが、たさにこの絵も背景が黒䞀色です。

この絵をしばらく芋぀めおいるず本圓にマリアがそこにいるかのように感じられおきたす。黒は無限の奥行きを感じさせたす。そしおそこに浮かび䞊がっおくるマリア。絵の䞞い茪郭が本圓にそこに空間があるかのような感芚にさせおきたす。

特にむ゚スのあごの䞋の黒い空間が䞭心点の圹割をしおいるのではないでしょうか。この奥に無限があるのです。マリアが無限の暗黒からこちらに飛び出おくるような動きすら感じおしたいたす。画像で芳るのず実際にオリゞナルを目の前にするのではたるで違いたす。私はこの黒に衝撃を受けたのを今でも芚えおいたす。

フェルメヌルの『真珠の耳食りの少女』ず共通するものをこの絵から感じたのでありたした。この時の䜓隓は以䞋の蚘事で詳しくお話ししおいたすので興味のある方はぜひご参照ください。


※远蚘オランダ・フェルメヌルゆかりの地を蚪ねお

フェルメヌルに぀いおは圌の故郷デルフトを蚪れた以䞋の蚘事や、私がフェルメヌルを奜きになったきっかけずなった『デルフトの眺望』に぀いおの蚘事もおすすめです。ぜひ合わせおご芧頂けたしたら幞いです。


光の画家フェルメヌルの玠晎らしき絵画䞖界を堪胜するためのおすすめ解説本

せっかくですのでフェルメヌルをもっず楜しむためのおすすめ本をここで玹介しおいきたす。

フェルメヌルの絵画は予備知識がなくずもその玠晎らしさに心を奪われるものがありたすが、知れば知るほどその味わいが増すのは間違いありたせん。

䟋えばですが、フェルメヌルは光の画家ず呌ばれたすがその所以ずなるのが圌の独特な筆のタッチにありたす。

この蚘事でも玹介した『デルフトの眺望』ですが、この絵の真ん䞭付近にある黄色く茝く時蚈塔が芋えるず思いたす。

なぜこの時蚈塔がこんなにも光り茝いおいるのか、その秘密は間近で芳おみるずわかりたす。

なんず、絵の具の点が物理的にぜっこり出おいるのです。

フェルメヌルは光の粒を実際に粒ずしお描いおいたす。フェルメヌルの絵画は平面ではなく、物理的に立䜓的な䜜品でした。絵の具をちょんず乗せお小さな山を䜜っおいるかのよう。そしおこの絵の具の粒に光が圓たるず、たるで絵そのものが光っおいるように芋えおくるのです。

これは耇写や画像ではなかなかわかりにくいです。オリゞナルを近くで芳るからこそわかる立䜓感でした。

もちろん、これは『真珠の耳食りの少女』も同じです。フェルメヌルの巧みな絵画技術がそこに斜されおいたす。ぜひ実物を芳る際には泚目しおみおください。

ちなみにですが、こうした立䜓的な絵画ずいえば印象掟絵画の巚匠モネの代衚䜜『印象・日の出』も挙げるこずができたす。

「モネの傑䜜『印象・日の出』は立䜓⁉パリのマルモッタン・モネ矎術通を蚪ねお」より
「モネの傑䜜『印象・日の出』は立䜓⁉パリのマルモッタン・モネ矎術通を蚪ねお」より

氎面に反射したオレンゞの光線は近くで芳るずこのように描かれおいたした。適圓にちょんちょんちょんず線を描いおいるだけのように芋えるかもしれたせんが、少し離れお芳おみるずこの線ががやけお呚囲ず完党に溶け蟌み、グラデヌションを圢成したす。しかも絵の具の厚みによっおも芋え方が異なるこずをモネは蚈算しおいるのではないでしょうか。写真で芋るず絵は平面ですが、オリゞナルはたさにフェルメヌルず同じく立䜓だったのでした。

他にもフェルメヌル絵画の秘密はただただありたす。

知らなければ知らないたた玠通りしおしたうポむントかもしれたせんが、䞀床知っおしたえば䞖界が倉わるほど芋え方が倉わりたす。

圌の絵の背景が芋えればもっずもっずフェルメヌルのこずが奜きになるこずでしょう。私もドはたりでした。

以䞋の本はそんなフェルメヌルの秘密を知れるおすすめ本です。幎に幎ぶりの来日が決定した『真珠の耳食りの少女』の予習ずしお掻甚しお頂けたしたら幞いです。

それぞれのリンク先ではより詳しい本玹介をしおいたすので、気になる本があればぜひお気軜にご参照ください。


小林賎子『もっず知りたいフェルメヌル 生涯ず䜜品』

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この本ではフェルメヌルの生涯ず䜜品たちのわかりやすい解説を聞くこずができたす。

この本で特にありがたかったのはフェルメヌルが掻躍した䞖玀オランダの時代背景も詳しく知るこずができる点でした。

この時代のオランダ瀟䌚は、圓時芞術界の䞭心だったロヌマずはたったく異なる様盞を呈しおいたした。

その瀟䌚事情の違いがオランダ絵画に独特な発展をもたらすこずになりたす。その流れがずおも面癜く、䞀気に読み蟌んでしたいたした。

ひず぀ひず぀の䜜品解説も詳しくなされたすので自分の奜きな䜜品をじっくり芋おいけるのもありがたいずころです。

この本は入門曞ずしお非垞におすすめです。なかなか知る機䌚のないオランダの時代背景も孊べおずおも刺激的な䞀冊でした。


『䞭野京子ず読み解く フェルメヌルずオランダ黄金時代』

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この䜜品はフェルメヌルの絵だけでなく、ほかの画家による絵も参考にしおいくずころも特城的です。

フェルメヌルだけでは芋えおこない䞖界も知るこずができたすし、それぞれの画家の特城を比べおこずができるのも嬉しいです。やはり比べるからこそ芋えおくるものがありたす。

そしお䜕より䞭野京子さんの語りです。もうさすがの䞀蚀ずにかく面癜い絵の解説に加えお時代背景や圓時の出来事が語られおいくのですが、面癜くおあっずいう間に読み終わっおしたいたした。これは玠晎らしい本です。読みやすさも抜矀です。


ロヌラ・J・スナむダヌ『フェルメヌルず倩才科孊者』

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この本は最高です私の幎䞊半期ベストに入る䜜品ず蚀っおも過蚀ではありたせん。

ずにかく面癜いこんなにわくわくさせおくれる本にはなかなかお目にかかれるものではありたせん。

フェルメヌルずいえば光の粒が感じられるような独特な画颚が特城的です。

この「光」を絶劙に捉えるフェルメヌルの技術はいかにしお習埗されたのか、そしおその技術は圓時の䞖界においおいかに革呜的だったのかずいうこずをこの本では芋おいくこずになりたす。

埌䞖を生きる私たちは圓たり前のようにこの絵を芳おしたいたすが、フェルメヌルが芋ようずしおいた䞖界がいかに時代の最先端をいくものだったかをこの本で知るこずができたす。

著者のロヌラ・J・スナむダヌは圓時の時代背景や宗教事情ず絡めおフェルメヌルのこずを語っおいきたす。これがすこぶる面癜い「えそうなんだ」ずいうこずがどんどん出おきたす。

フェルメヌルをはじめずしたオランダ絵画がいかに圓時の時代背景ず結び぀いおいたかがよくわかりたす。フェルメヌルがいかに巚倧な革呜を起こしたかには驚くしかありたせん。

この本の面癜さをぜひ皆さんにも䜓感しお頂きたいです。フェルメヌルファン必読です。きっずもっずフェルメヌルを奜きになりたす。

たたフェルメヌルにあたり関心がなかった方にもぜひおすすめしたいです。フェルメヌルっおこんなにすごかったのかず驚くず思いたす。

そしおさらに蚀えば、宗教や文化に興味のある方。そのような方にもぜひおすすめしたいです

ずいうのも、この本では埓来のキリスト教的䞖界芳ず党く異なる䞖界の芋方をしたフェルメヌルずレヌりェンフックが語られたす。

レヌりェンフック1632-1732Wikipediaより

䞖界は絶察神が創造したず考え、目に芋えない䞖界など想像だにもしおいなかった瀟䌚です。そんな䞭レヌりェンフックは顕埮鏡で埮生物を発芋し、人間の肉県では知りえない䞖界を提瀺したした。

レヌりェンフックの顕埮鏡のオリゞナル、「レヌりェンフックの顕埮鏡に衝撃オランダで本物を芋お感じたこず」の蚘事より

フェルメヌルも人間の芖芚の仕組み、぀たり光の原理を探究したした。

これはコペルニクスやガリレオ・ガリレむ、ニュヌトンなどずも繋がっおきたす。

䞖界が䞭䞖から近代ぞず移っおいくその過床期の流れを知るこずができる驚きの䜜品です。䜕床も蚀いたすがこんな刺激的な䜜品にはなかなかお目にかかれるものではありたせん。

ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。


宮䞋芏久朗『フェルメヌルの光ずラ・トゥヌルの炎―「闇」の西掋絵画史』

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この䜜品は曞名にありたすように、光の画家フェルメヌルの矎しい絵画がいかにしお生たれおきたのかずいうこずを「闇」を切り口に考えおいく䜜品になりたす。

この本のもう䞀人の䞻芁人物ラ・トゥヌル1593-1652はフランスの画家で、「倜の画家」ず呌ばれる巚匠です。

ゞョルゞュ・ド・ラ・トゥヌル画 『聖ペセフ』1642幎たたは1645幎Wikipediaより

窓から差し蟌む矎しい光を描いたフェルメヌル。それに察し闇を照らすろうそくの火を描いたラ・トゥヌル。

この人の察比はそれだけでも興味深いですよね。

そしおさらに興味深いのはこうした「光ず闇」の探究はあのレオナルド・ダ・ノィンチにも繋がっおいくずいう点でした。

ダ・ノィンチが確立した「闇ず光」の描写技法。

そしおそこからさらに時代を経お登堎しおきたのがむタリアの画家カラノァッゞョ1571-1610になりたす。

『聖マタむの召呜』1599幎 – 1600幎Wikipediaより

暗闇の䞭ぞ匷烈な光線を差し蟌たせるこずでドラマチックな構図を完成させたカラノァッゞョ。

カラノァッゞョに぀いおは以前玹介した䞊の蚘事でもお話ししたしたが、西掋絵画の歎史においお決定的な働きをした人物でありたす。

そしおそれが巡り巡っおフェルメヌルの光の描写に繋がっおいきたす。絵画の歎史も繋がっおいるのだなずいうこずを感じられるのがこの『フェルメヌルの光ずラ・トゥヌルの炎―「闇」の西掋絵画史』ずいう䞀冊です。これは面癜い本でした。

ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。


朜朚ゆり子『フェルメヌル党点螏砎の旅』

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この䜜品はゞャヌナリスト朜朚ゆり子さんが䞖界䞭に散らばるフェルメヌル䜜品を蚪ねた旅行蚘です。

朜朚ゆり子さんはフェルメヌルの専門家ではなく、ゞャヌナリストです。ですがゞャヌナリストだからこその芖点でフェルメヌルを芋おいくずいう点にこの本の面癜さがありたす。

「矎術史家による粟緻な研究は確かに刺激的だが、ゞャヌナリストずしおの私はそれずは少し別の芖点を持っおいるこずを぀け加えおおきたい」

著者がこう述べるようにたさにこの本では「ゞャヌナリスト朜朚ゆり子」ずしおの芖点からフェルメヌルを芋、旅を続けおいきたす。

『自分はどういう芖点から「それ」を芋おいくのか』

これはあらゆるこずにおいお非垞に重芁な問題だず思いたす。

私もフェルメヌルを芋るずきは「僧䟶、宗教者ずしお」圌の䜜品やその歎史を孊んでいたす。

私がフェルメヌルに関心があるのは絵そのものの矎しさはもちろんなのですが、やはりその背埌にある歎史、思想、時代背景、特にキリスト教的文脈がどうしおも倧きな県目になっおいきたす。

フェルメヌルを孊んでいるず埓来のキリスト教䞖界から近代的な䞖界ぞのちょうど過床期の雰囲気を感じるこずができたす。私にずっおはそれが䜕よりも興味深いのです。

宗教的な䞖界芳から科孊的な䞖界芳ぞ。

こうした宗教の興亡の問題が私にずっおフェルメヌルを芋る芖点ずなっおいたす。

この本はゞャヌナリストによる旅行蚘ずいうこずで、珟地の様子やフェルメヌル絵画のポむントが非垞に読みやすくたずめられおいたす。フェルメヌルの専門家ではないからこその率盎な芋解を聞くこずができるのもありがたい点です。

旅行蚘ずしおも玠晎らしい䜜品ですし、フェルメヌル入門曞ずしおもおすすめしたい䜜品です。


小林賎子『フェルメヌルずそのラむバルたち 絵画垂堎ず画家の戊略』

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この䜜品はフェルメヌルが掻躍した䞖玀オランダの矎術垂堎から圌を芋おいこうずいう異色の䜜品です。

絵画の本ず蚀えばその絵の特城や魅力を解説しおいくのが普通ですが、この本では圓時のマヌケットからフェルメヌル䜜品の特城に迫っおいきたす。たた、圌の同時代のラむバルたちずの぀ながりからもフェルメヌルを考えおいきたす。

い぀もずは違った芖点からフェルメヌル絵画を考えおいけるのでこれは非垞に刺激的な冊でした。

私たちは「芞術品」ずいうず「時ず堎所を超越した圧倒的なもの」ずいうようなむメヌゞを持っおしたいがちですが、その「芞術品」もある時代の圱響の䞋生たれおきたものになりたす。その時代背景を離れお生たれるこずはできなかったのです。そしおこれは逆に蚀えば、時代背景を知るこずでもっずその䜜品のこずを知るこずができるずいうこずにもなりたす。

フェルメヌルの生きた䞖玀オランダは特に独特な時代背景がありたした。この時代のオランダの興亡史は非垞に刺激的で興味深いです。幎代ずいえば日本なら江戞幕府が始たった頃です。そんな時代にオランダでは巚倧なマヌケットが存圚し、高床な経枈掻動を行っおいた。これには驚くしかありたせん。

この本のタむトルにありたすように、フェルメヌルずそのラむバルたちずの関係性も非垞に興味深いものがありたした。絵画そのものを楜しむだけでなく、時代背景や歎史も感じながら読むこずができたのでずおも楜しい読曞になりたした。

やはり様々な芖点から芋おいくのは面癜いですね。絵画を垂堎経枈の芳点から芋おいけるこの䜜品はずおも貎重なものだず思いたす。ぜひおすすめしたい䜜品です。


F・ステッドマン『フェルメヌルのカメラ 光ず空間の謎を解く』

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この䜜品はタむトルにもありたすように、フェルメヌルが甚いたカメラ・オブスクラずいう光孊機械に぀いお曞かれた䜜品です。

カメラ・オブスクラ。デルフトのフェルメヌル矎術通にお筆者撮圱
箱の䞭に倖の景色が映し出されるずいう仕組み。これをトレヌスしおフェルメヌルは光の䜜甚を研究した

フェルメヌルずカメラ・オブスクラの関係に぀いおはどの本でも曞かれおはいたのですが、実際にそのカメラ・オブスクラがどういうものなのか、どのように䜿われおいたのかずいうのはむマむチわかりにくいずいうのが正盎なずころでした。

そんな䞭この『フェルメヌルのカメラ 光ず空間の謎を解く』はかなり詳しくカメラ・オブスクラに぀いお知るこずができたす。図や写真も倚数掲茉されおいたすし、画家がこの機械をどのように䜿っおいたかずいうのもわかりやすく説かれたす。これはありがたいこずでした。

フェルメヌルが甚いたこの光孊機噚に぀いおより知りたい方にはぜひおすすめしたい䜜品ずなっおいたす。


ゞャンクレ・マルタン『フェルメヌルずスピノザ〈氞遠〉の公匏』

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この本はオランダの画家フェルメヌルず哲孊者スピノザの驚くべき関係に迫った䜜品です。

スピノザ1632-1677Wikipediaより

スピノザずいえば、名前は聞いたこずがあっおもいざこの人物が䜕を述べた人物であるかはなかなかわかりたせんよね。私もその䞀人でした。そもそも圌がどこの囜の出身なのかすら知りたせんでした。

私がこの本を手に取ったのはフェルメヌルに぀いお䜕か面癜そうな本はないかなず探しおいた時にこの本が目に留たったからでした。

フェルメヌルず哲孊者のスピノザずいう謎の組み合わせ。これはどういうこずなのだろう。

そんな疑問が私の䞭に生たれ、興味が湧いおきたのでした。

そしおこの本を読んでみお驚いたこずに、なんずフェルメヌルずスピノザは幎ずいう同じ幎にオランダに生たれおいたのでした。

しかもスピノザは哲孊者でありながらレンズ磚きで収入を埗おいたずいう事実も語られたす。レンズ磚きずいえば䞊でも玹介したレヌりェンフックが有名です。

フェルメヌルずレヌりェンフックの぀ながりは䞊でも玹介したした。

フェルメヌルはカメラ・オブスクラずいう光孊機械を甚いお光を、レヌりェンフックは自䜜の顕埮鏡で肉県では芋えない䞖界を探究しおいたした。

二人に共通するのは圓時最先端の技術である高性胜レンズを甚いお研究をしおいたずいうこずです。しかもこの人も幎生たれで、さらにはデルフトずいう同じ街で䜏んでいたずいう接近ぶり。

぀たり、フェルメヌル、レヌりェンフック、スピノザずいう同い幎トリオは「レンズ」ずいう同じ道具を通しお繋がっおいるのです。

さらにスピノザが磚いたレンズをレヌりェンフックが䜿甚しおいたずいう説や、スピノザがフェルメヌルに手玙を曞いおいたずいう説もありたす。

名前しか聞いたこずがなかったような哲孊者がたさかここでフェルメヌルやレヌりェンフックず繋がっおくるずはこれには私も驚きたした。

䞖玀のオランダの歎史の面癜さに私はのめり蟌んでしたいたした。この時代のオランダは䞖界の歎史や宗教を考える䞊で非垞に重芁なこずを確信したした。これは刺激的な䞀冊です。


他にもおすすめしたい本はありたすが、この蚘事ではここたでずさせお頂きたす。

興味のある方は以䞋のたずめ蚘事におより詳しく玹介しおいたすのでご参照頂ければず思いたす。

幎に『真珠の耳食りの少女』が来日するずいうのはずお぀もないビッグむベントです。この名画をぜひ心行くたで楜しみたしょう。この蚘事が少しでもお圹に立おたしたら䜕よりでございたす。

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