芋出し画像

ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』がすごすぎる。チェコ倧統領が発する珟代瀟䌚ぞの譊告

Amazon商品玹介ペヌゞはこちら

ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』あらすじず感想チェコ倧統領による必読゚ッセむ知らぬ間に党䜓䞻矩に加担する私たち

今回ご玹介するのは幎に人文曞院より発行されたノァヌツラフ・ハノェル著、阿郚賢䞀蚳『力なき者たちの力』です。

たず蚀わせおください。この本は衝撃的な冊です。私がこれたで読んだ本の䞭でもトップクラスのむンパクトを受けた䜜品でした。元々プラハの春に関心を持っおいた私でしたが、この本を読み、あの圓時のプラハで䜕が起こっおいたのか、そしおそこからどうやっお゜連圏厩壊たで戊い、自由を勝ち取ったのかずいう流れを改めお考え盎させられる䜜品ずなりたした。

この本はコロナ犍を経お生きにくい䞖の䞭ずなっおしたった日本においおも非垞に重芁な芖点を䞎えおくれたす。今こそこの本が評䟡されるべき時ですこの蚘事では少し長くなっおしたいたすがこの本がいかに䟡倀ある本か、そしおハノェルが蚀わんずしおいるこずに぀いおお話ししおいきたいず思いたす。

では、この䜜品に぀いお玹介する前に、著者のノァヌツラフ・ハノェルの経歎を芋おいきたしょう。

ノァヌツラフ・ハノェル1936-2011Wikipediaより

戯曲家であったハノェルは反䜓制知識人ずしお「プラハの春」埌共産党政暩に抗議掻動を行ない、幟床ずなく逮捕・投獄された。1989幎、ビロヌド革呜を率いお民䞻化を成し遂げ、チェコスロノァキア共和囜倧統領に就任圚任1989~92。さらにチェコ共和囜初代倧統領圚任1993~2003も務めた。

第二次䞖界倧戊埌、チェコスロノァキアの人々は40幎にわたる共産䞻矩の圧政に苊しんでいた。もはやその䞍自由さは圓たり前の苊しみずしお生掻に入り蟌み、ポスト党䜓䞻矩䜓制ずなっお人々を疲匊させおいた䞀。1989幎、プラハの孊生たちが火付け圹ずなり、ハノェルは「垂民フォヌラム」を率いお圌らを支揎。誰もが䞍可胜ず思い蟌んでいた革呜を成し遂げた。

1989幎11月、䞭䞖の面圱を残す銖郜プラハのノァヌツラフ広堎に5䞇人を超す垂民が集い、ハノェルは囜の䌝統的な信念を衚す蚀葉「真実は勝぀」を甚いお民衆に勝利宣蚀。それは流血を䌎わず、滑らかなビロヌドのように遂行されたため「ビロヌド革呜」ず呌ばれた。垂民は「ハノェルを城ぞHavel na Hrad」を合蚀葉に、プラハ城にある倧統領の怅子ぞずハノェルを抌し䞊げた。

NHK出版、阿郚賢䞀『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」より 

ノァヌツラフ・ハノェルは元々劇䜜家でありたしたが、埌にチェコの倧統領ずなった人物です。

ハノェルはプラハの春も経隓し、䞀貫しお゜連の介入や自由を抑圧する党䜓䞻矩ぞの抵抗を瀺しおいたした。その掻動の根本思想ずもいうべきものがこの『力なき者たちの力』で曞かれるこずになりたす。

ではこの䜜品に぀いお芋おいきたしょう。

無力な私たちは暩力に察しおどう声をあげるべきか チェコの劇䜜家、倧統領ノァヌツラフ・ハノェルによる党䜓䞻矩をするどく突いた䞍朜の名著。
真実の生をいきるために私たちがなすべきこずは䜕か。

すべおはロックミュヌゞシャンの逮捕から始たった――。かれらの問題は自分たちの問題だず共鳎した劇䜜家は、党䜓䞻矩の暩力のあり様を分析し、「真実の生」、「もう䞀぀の文化」の意矩を説く。この゚ッセむは、冷戊䜓制䞋の東欧で地䞋出版の圢で広く読たれただけでなく、今なおその圱響力はずどたるこずを知らない。圢骞化した官僚制床、技術文明の危機を蚎える本曞は、私たち䞀人ひずりに「今、ここ」で䜕をすべきか、ず問いかける。無関心に消費瀟䌚を生きる珟代の私たちにも譊鐘をならす䞀冊。解説、資料「憲章77」を付す。

Amazon商品玹介ペヌゞより

幎のプラハの春以降、チェコでは自由が倱われ、人々の間では無力感が広たっおいたした。少しでも反䜓制の姿勢を芋せれば逮捕されるような䞖界。い぀しか人々は䜓制偎が䞎える指瀺に䞍服ながらも埓順に埓うようになっおいきたした。

そんな䞖界の䞭でハノェルは抵抗を続けたす。それも、文化の力で。

もちろん、圌は苊難をなめ続けるこずになりたす。しかし、それでも圌は屈せず幎のビロヌド革呜に倧きな圹割を果たすこずになったのでした。

ハノェルは゜連抑圧䞋のプラハで䜕が起こっおいるのかを冷静に分析しおいきたす。

ただ単に䜓制が暩力を駆䜿しお垂民を抑圧しおいるように芋えるが、実際には垂民もその䜓制維持に協力しおしたっおいるこずをハノェルは芋抜きたす。それを圌はポスト党䜓䞻矩ず定矩したした。

ここから少し長くなりたすが阿郚賢䞀著『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」を参考にこの本を芋おいきたす。今を生きる私たちにずっおも非垞に重芁な芖点をハノェルは説いおいたす。これはぜひご玹介したい内容ずなっおいたす。

では、始めおいきたしょう。

青果店のスロヌガンは䜕を意味するのか

「ポスト党䜓䞻矩」、「むデオロギヌ」ずいった蚀葉を論じようずするず、ややもすれば議論が抜象的になっおしたいたすが、ハノェルは日垞生掻の具䜓䟋を挙げお論じおいきたす。それが「青果店の店䞻」の話です。

青果店の店䞻は、「党䞖界の劎働者よ、䞀぀になれ」ずいうスロヌガンをショヌりむンドりの玉ねぎず人参のあいだに眮いた。なぜ、かれはそうしたのだろうそうするこずで、䞖界に䜕を䌝えようずしたのか䞖界䞭の劎働者が団結するずいう考えにほんずうに熱狂しおいたのだろうか熱狂したあたり、理想を公共の堎で衚明したいずいう抑えがたい必芁性を感じたのだろうかどうすれば劎働者が団結し、それが䜕を意味するか、ほんの䞀瞬でも考えたのだろうか

ここでの「青果店の店䞻」は、垂堎で野菜や果物を自分の刀断で仕入れお販売する、私たちに銎染みのある青果店の䞻人ずは少し異なっおいたす。圓時のチェコスロノァキアは、蚈画経枈の原理に埓っおいたため、青果店ずいっおも個人経営の店ではなく、囜営䌁業のネットワヌクに属しおいたした。そのため、店で販売する商品も、店䞻の裁量で垌望する分量を仕入れるこずはできず、決たった分量、決たった商品しか入手できないずいうこずもしばしばありたした。青果店を営むこずには、「ある皮の組織の䞭で」ずいう条件が付いおいたのです。

そのような環境では、野菜を仕入れるだけではなく、商品を販売するに圓たっお政治的なスロヌガンを掲げるこずが求められおいおも、䞍思議ではありたせん。「党䞖界の劎働者よ、䞀぀になれ」ずいうスロヌガンは、『共産党宣蚀』の結びの蚀葉であり、瀟䌚䞻矩䜓制䞋ではよく目にする暙語の䞀぀でした。その理念を青果店でも衚明するこずが求められたのでしょう。

ですが、ハノェルはあえお「なぜ、かれはそうしたのだろう」ず問いたす。長幎誰もがやっおいる慣習的な行為の意味を、問い盎すのです。「皆がやっおいるから」「断れば厄介なこずになるかもしれないから」。店䞻はそう考えお、「生掻しおいくために必芁なこず」をしたにすぎないのかもしれたせん。スロヌガンを眮くずいう行為は、比范的安定した生掻を保障しおくれる䜕千ずある「些现なこず」の䞀぀にすぎないからです。けれども、青果店店䞻は、このメッセヌゞが本圓は䜕を意味しおいるかを考えおはいたせん。本圓に劎働者の団結を考えおいるわけでもありたせん。スロヌガンを眮くこずは、せいぜいその蚀葉に察しお倧きな抵抗を感じおいないこず、さらに、異議申し立おはしおいないずいう消極的意芋を提瀺するものでしかなく、ただの「隠れ蓑」にすぎないのです。

NHK出版、阿郚賢䞀『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」P

青果店の店䞻が店に出すスロヌガン。そこからハノェルは話を始めおいきたす。

これを読めば確かに自分が思っおもいないスロヌガンを圓たり前のように掲げおいるこずに違和感が湧いおきたすよね。

匕き続き読んでいきたす。

「劎働者」ずいう䞀般的な衚珟ではなく、䞻語が「私」の文章を掲げなければならないずしたら、青果店店䞻はどう感じるでしょうか。

もし「私は恐怖心を抱いおいるので、ただただ埓順なのです」ずいうスロヌガンをショヌりむンドりに眮くずしたら、青果店店䞻はスロヌガンが意味するものに぀いお無関心ではいないだろう。

自分の匱みを人前にさらけ出すこずは勇気のいるこずです。「私」を䞻語にしたスロヌガンを眮くずしたら、おそらく店䞻は躊躇するこずでしょう。䞀方で、䞻語が「劎働者」のスロヌガンは、躊躇なく眮くこずができる。それは、このスロヌガンが「蚘号」の圢をずっおいるからだ、ずハノェルは説明したす。「劎働者」ずいう倧きな䞻語を䜿ったスロヌガンは、䟋えば「恐怖心を抱いおいる」ずいうような、店䞻「私」の本圓の気持ちを芆い隠したす。その「私」を芆い隠す高いずころにあるものがむデオロギヌです。

むデオロギヌは「䞖界ず関係を築いおいるず芋せかける方法」であり、「ノェヌル」、「口実」だずハノェルは蚀いたす。䞭略

「瀟䌚䞻矩」のため、「囜家」のため、「囜民」のため、「劎働者」のためヌこうした「蚘号」ずしおの衚珟は、内実を䌎っおいないにもかかわらず、それらしい意味のあるこずのように聞こえたす。しかし、実際には䜕を意味しおいるのかが明確ではないため、その衚珟は恣意的になっおいきたす。䟋えば、「囜民の芁望に応える」ずいう衚珟が意味するのは、倧抵の堎合「ある特定の囜民の芁望」であるにもかかわらず、「党囜民」たたは「倧倚数の囜民」ず䞀般化されお甚いられるずいうこずは、どの時代の、どの政治䜓制䞋でも起きるこずでしよう。

NHK出版、阿郚賢䞀『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」P

䞻語をちょっず倉えるだけでその意味するずころがガラッず倉わり、スロヌガンが自分自身に跳ね返っおくる。

なるほど、たしかにその通りですよね。ハノェルは圓たり前のように通り過ぎおしたいがちなポむントに焊点を圓お、その意味するずころを突き詰めおいきたす。

そしおそこから囜民が自発的に䜓制に貢献しおしたうメカニズムを考察したす。

自発的に䜓制に奉仕させるシステムのからくり

さらにハノェルは、その蚘号が䞭身のない空虚なものであるこずだけでなく、目に぀かない存圚になるこずの意味にも目を向けたす。先の青果店店䞻の掲げたスロヌガンの効甚に぀いお、こんなこずも述べおいたす。

青果店店䞻が公的に瀺した芁求は䞀芋したずころ無意味であるように思われる。だがそうではない。人びずはそのスロヌガンに気づかない、だが気づかないのは、そのようなスロヌガンは他のショヌりむンドりにもあり、窓にも、屋根の䞊にも、電柱にもあり、いたるずころにあるからだ。それは、かれらの日垞の颚景、、、、、、、、、のようなものを圢䜜っおいる。この颚景は―党䜓ずしおよく意識されおいる。この巚倧な颚景の小さな䞀郚ずなるものずしお、この青果店のスロヌガン以倖のものがあるだろうか

青果店の店䞻が、あたり意識せずにスロヌガンを眮いおいるのなら、ほかの店、ほかの職堎の人々も、同じこずをしおいるかもしれたせん。ただ「みんなやっおいるから」ずいうだけの理由で。「みんながやっおいる」ずいう意識の䞋で日垞の颚景が圢づくられ、スロヌガンを通しお誰もがゲヌムを受け入れ、みんなで暩カを認めるよう互いに匷制し合っおいる。そんな状況を生み出すこずもたた、スロヌガンを眮くこずの効甚です。青果店の店䞻は、䜓制の犠牲者である同時に、䜓制を぀くる装眮にもなっおいるのです。

このように䜓制から芁求されおいる所䜜を自ら察知し、盲目的に行なっおしたうこずを、ハノェルは「自発的な動きオヌトマティズム」ず衚珟しおいたす。平たく蚀うず、「忖床」や「空気を読む」ずいうこずになるでしょうか。この「自発的な動きオヌトマティズム」は、青果店の店䞻であれ、党の芁職に就いおいる人であれ、立堎に関係なく起こりたす。「むデオロギヌ」を受け入れるこずによっお、党おの人が同じ状況に眮かれ、䜓制に奉仕するこずになるのです。

立堎にかかわらず、ず考えおいるずころに、ハノェルの独自性を感じたす。かれは、䜓制のこずは批刀するのですが、䜓制の䞭にいる個人を批刀するこずはほずんどありたせん。かれ自身、「共産䞻矩ずいうシステムは憎んだけれど、共産党員を憎んだこずはない」ずも蚀っおいたす。ですから、埌にかれが倧統領になった時、か぀おの共産党の関係者で、具䜓的な凊眰を受けた人はほずんどいたせんでした。支配集団に属する個人に眪があるのではなく、システム、制床そのものが問題なのだずいう䞀貫した考えがあったのだず思いたす。

NHK出版、阿郚賢䞀『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」P

青果店店䞻は犠牲者でもありながら同時に䜓制を䜜る装眮になっおいるずいうのは非垞に重芁な指摘ではないでしょうか。

そしお『「みんながやっおいる」ずいう意識の䞋で日垞の颚景が圢づくられ、スロヌガンを通しお誰もがゲヌムを受け入れ、みんなで暩カを認めるよう互いに匷制し合っおいる。そんな状況を生み出す』ずいう郚分。

これはたさしく今も昔も倉わらず日本で繰り広げられおいるこずなのではないでしょうか。

「皆がやっおいるから」あるいは「他人に迷惑をかけるずいけないから」ずいう蚀葉を持ち出されるずもはや有無を蚀わさぬ同調圧力が働き、それに埓わぬ者は「非囜民」扱いされおしたう。それは戊時䞭だけの話ではなく、今もなおそうであるこずはきっず皆さんも感じおいるかず思いたす。

ハノェルはこうした「自発的な動き」が䜓制にずっお非垞に倧きな圹割を果たしおいるず指摘するのです。

良心ず匕き換えに自分の生掻の安定を守ろうずする私たち

では、なぜ、「むデオロギヌ」はこのような力を持っおいるのでしようか。ハノェルによれば、「むデオロギヌ」は、䜓制が目指すものず、人々の生が目指すものの間にある亀裂を隠し、ある皮の「芋せかけ」の䞖界を提䟛するからだず蚀いたす。青果店店䞻がショヌりむンドりに食ったスロヌガンは、たさにこれに盞圓するのです。

このようにしおポスト党䜓䞻矩䜓制は、人間が䞀歩螏み出すたびに接觊しおくる。もちろん、むデオロギヌずいう手袋をはめお。それゆえ、この䜓制内の生は、停りや嘘ですべお塗り固められおいる。官僚政府は人民政府ず呌ばれる。劎働者階玚ずいう名前の䞋で、劎働者階玚が隷属化される。略衚珟の䞍自由は、自由の最高の圢態ずされる。遞挙の茶番は、民䞻䞻矩の最高の圢態ずされる。略暩力はみずからの嘘に囚われおおり、そのため、すべおを停造しなければならない。過去を停造する。珟圚を停造し、未来を停造する。統蚈資料を停造する。党胜の力などないず停り、䜕でもできる譊察組織などないず停る。人暩を尊重しおいるず停る。誰も迫害しおいないず停る。䜕も恐れおいないず停る。䜕も停っおいないず停る。

このような韜晊のすべおを信じる必芁はない。だが、たるで信じおいるかのように振る舞わなければならない、いや、せめお黙っお蚱容したり、そうやっお操っおいる人たちずうたく付き合わなければならない。

だが、それゆえ、嘘の䞭で生きる、、、、、、、矜目になる。


ポスト党䜓䞻矩は、手袋をはめた芋せかけの姿で人々の生に接觊しおきたす。そしお、その「嘘の生」をただ受け入れるだけで、䜓制を承認するこずになり、そのこずが䜓制を䜓制たらしめるのだずハノェルは考えおいたす。

぀たり、ポスト党䜓䞻矩の本質は「嘘の生」ずいう芋せかけの䞖界であり、それは特定の暩力者が支配する制床ではなく、そこに関係する誰もが倚かれ少なかれ関䞎し、積極的にであれ、消極的にであれ、䜓制を承認しおしたうような䞖界なのです。ハノェルは、このような䜓制が確立しおしたう背景には、「消費瀟䌚」の特性があるず考え、「ポスト党䜓䞻矩䜓制は、独裁ず消費瀟䌚の歎史的遭遇ずいう土台のもずで䜜り䞊げられたのである」ず述べおいたす。青果店の店䞻は、自分の良心のうずきを無芖しおスロヌガンを掲げるこずで、圓局からの介入を逃れるこずができ、絊料ももらえるし、䌑暇を䜿っお海のある倖囜に行くこずもできたす。「良心」や「責任」ずいう倫理的なものず匕き換えに、「物質的な安定」を確保するのです。

今の生掻に倚少の䞍満はあるものの、絊料が倧幅に枛ったり、自分の意図しない堎所で働くのは嫌なので、文句はあるけれどずりあえず蚀うこずを聞いお我慢するか―。

こうなるず、なんだか急に青果店の店䞻が身近に感じられおきたす。みなさんも、他人事ずは思えなくなったのではないでしょうか。「自発的な動き」ずは、個々人がそうしたほうがいいのではないかずいう空気が醞成されるこずであり、そのような空気が挂う背景には、今自分が享受しおいる暩利を倱っおしたう䞍安があるのです。

ハノェルの分析は、ポスト党䜓䞻矩にずどたるものではなく、消費瀟䌚が過床に進んだ西偎瀟䌚、぀たり、珟代の私たちの䞖界をも芖野に入れおいたす。それは党䜓䞻矩における「暩力」の分析をしおいるず同時に、瀟䌚における「カ」の盞をも解きほぐそうずしおいるのです。

NHK出版、阿郚賢䞀『NHK 100分de名著 2020幎2月』「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』」P

私たちは嘘の䞭で生きるしかなく、それに埓うこずで䜓制もより匷化されおいく。

ならばそれに反抗すればいいだけではないか。

いや、そうしおしたったら生掻が倱われる。日々の絊料も、安定した生掻も、レゞャヌに行くこずさえもできなくなる・・・それなら・・・ず私たちは屈しおしたう。

この蚘事を曞いおいる私もこれにはぐさっず来おいたす。これは珟実的に考えおずお぀もない問題ですよね。生掻を倱う危険を犯しお反䜓制運動を続ける勇気が私たちにはあるでしょうか・・・

しかし、ハノェルをはじめ倚くの人たちがそうしおプラハで戊い続けおいたのです。

もちろん、倧郚分の人は䜕もできない無力さにその生掻を受け入れざるをえなかったそうです。しかし幎のビロヌド革呜の時にはそうした抌さえ぀けられた゚ネルギヌが爆発したのも事実。

たずえ少数であっおもハノェルのような人間がいたこずで実際に䞖界は動いたのです。

『力なき者たちの力』ではこの埌、「では私たちはどうしたらいいのか」ずいうこずを述べおいきたす。そしお実際に圌がどのように行動しおいったかも私たちは知るこずができたす。

本圓はそれらもじっくりご玹介したいのですが分量䞊それもできたせん。この先はぜひ実際に読んで頂けたらなず思いたす。そしおこの䜜品においおは、『100分de名著』も非垞におすすめしたいです。

ハノェルがどのようなこずを述べおいるのかの解説も非垞にわかりやすく、さらにチェコが蟿っおきた歎史も知るこずができたす。プラハの春やビロヌド革呜ずは䜕だったのか。抑圧䞋の人々はどんな生掻をしおいたのかずいうこずを孊べたす。これは非垞に玠晎らしい冊です。ハノェルの『力なき者たち』には難しい箇所もいく぀かあるので、先にこちらの『100分de名著』を読たれるこずをおすすめしたす。それほどわかりやすい参考曞ずなっおいたす。

ハノェルの本を読んでいお思うのは、自由や文化が倱われた監芖瀟䌚の恐ろしさ、息苊しさです。

私は今、奜きな本を読み、音楜や映画も楜しみ、自由に蚀葉を発するこずができたす。しかし、もしそれらすべおが奪われおしたったら生きる術も仕事も奪われおしたったら

しかもそれぞの䞍満すら声に出せない、いや、顔に出すこずすらできない。

もしそれが密告されでもしたらすぐに監獄行きです。

い぀どこに秘密譊察がいるかわからない、隣人だっお密告するかもしれない。誰も信甚できない。

そんな生掻が幎以䞊も続くずしたら私は耐えられるだろうか・・・

幎ですよ普通に笑っお楜しめる暮らしではなく、自由が倱われた絶望の幎です。どれほどそれが長く感じるかず想像するず、戊慄するしかないです・・・

私たちの自由は圓たり前のものではない。それが倱われおしたっおからではもう遅いのです。しかもそれは私たち自身の手で招いおしたうのかもしれないのです。その危険性をこの本で譊告しおくれたす。

『力なき者たちの力』は今こそ読むべき名著䞭の名著です。

これはぜひずもおすすめしたい冊です。

以䞊、「ノァヌツラフ・ハノェル『力なき者たちの力』がすごすぎる。チェコ倧統領が発する珟代瀟䌚ぞの譊告」でした。

远蚘 ハノェルゆかりのプラハの老舗ゞャズクラブを蚪ねお

幎月、圓ブログではチェコの倧統領になった劇䜜家ノァヌツラフ・ハノェルの『ハノェル自䌝』を玹介したした。

そしおその本の䞭で、ある「ゞャズクラブ」のこずが曞かれおいたのですが、その箇所を読んだ時私はかなり驚きたした。

ず蚀いたすのも、2019幎私がプラハを蚪れた時にたたたた立ち寄ったのがそのゞャズクラブ「Reduta Jazz Club」だったのです。以䞋レドゥタず呌びたす

私がレドゥタを蚪れたのは、ネットでここが老舗でおすすめなゞャズクラブだずいう情報を芋たからでした。そのレドゥタがチェコの歎史を語る䞊でものすごい圹割を果たしおいたずは本圓に驚きたした。

ずいうわけで、以䞋の蚘事ではその有名な老舗ゞャズクラブ「レドゥタ」に぀いおご玹介しおいきたす。ぜひプラハに行かれる際の参考にしお頂けるず幞いです。

次の蚘事はこちら

関連蚘事


いいなず思ったら応揎しよう