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「意欲を失った」のではなく、「向かう先」を探していた〜ギフテッド2eの息子を理解するヒントになった一冊

ギフテッド・2e傾向の子ども、特に思春期以降の情報がなかなか見つからず、
ヒントを探したいと思っていた頃、

ギフテッドプロジェクト「sprinG(スプリング)」 | NPO法人日本教育再興連盟(ROJEに参加していたことがある。


精神科医が講師をした親の勉強会で、
『ギフテッド・2e傾向の子どもは、思春期になるころ(中学生)に、
「意欲の喪失」となる傾向がある』
とお話していたのを、私は手帳に書き留めていた。

精神科病院で長く働く中で、
私は「意欲」が人の回復に深く関わることを何度も見てきた。

だからこそ、
「思春期に意欲喪失となる傾向がある」という言葉が、とても衝撃的だった。

これをきっかけに、
私は『意欲』について考えるようになった。




息子の不登校がはじまったのが、
ちょうど思春期にさしかかった小6のころ。

抑うつ状態、
意欲低下がとても目立った。


当時の私は、
息子に対して何をしてあげたらよいかわからず、迷子になっていた。


意欲を取り戻すにはどうしたらいいのか?

私は、その答えを必死に探し続けた。



息子が中学を卒業する直前の冬、
私はこの本に出会った。


「ギフテッドとは何か」を説明するだけではなく、
* ギフテッド児によく見られる特徴
* 学校で起こりやすい困りごと
* 不登校や意欲低下との関係
* 2eの子どもの理解
* 家庭や学校でできる支援
まで、かなり実践的に書かれていた。


2e傾向の息子を理解するうえで、大きなヒントになり、特に印象に残ったのが、

「意欲の方向転換の助けとなる6つの実践的ステップ」。

その内容を、簡単にまとめてみた。


(1)環境をつくる
子どもを尊重し、安心して受け入れられる環境をつくること。
耳を傾け、理解しようとする姿勢が、意欲の土台になる。


2)衝突を避ける
親や教師との衝突は、意欲を育む環境を壊してしまう。
子どもが、大人を「敵」と感じない関わりが大切。


(3)良好な関係
意欲に最も影響するのは人間関係。
親子の関係だけでなく、
情熱をもって子どもと関わる「大人の存在」も重要。



(4)興味関心を大切にし、それを学びや挑戦につなげる。


(5)親の価値観ではなく、子どもの価値観に沿った目標を考える。


(6)小さな成功体験を積み重ね、努力そのものを認める。



さらに、

ギフテッド児は、
ほぼいかなる時にも
「何かに対して意欲を持っている」
ということを忘れてはならない。

と書かれていた。



意欲低下は、

「意欲がなくなった」のではなく、

「意欲の向かう先が見つかっていないだけ」

そんなふうに子どもを見る視点を、

この本は教えてくれた。



息子に必要だったのは、

「やる気を出させること」ではなく、

「意欲が向かう先を一緒に見つけること」

だったのだと思う。



良好な親子関係。
衝突を避ける。
子どもの価値観を尊重する。
安心できる環境づくり。
興味関心を大切にする。
小さな成功体験を積み重ねる。

この6つのステップは、
ギフテッドに限らず、
思春期の子どもと向き合ううえでも大切な視点だと思う。



この本は、もうひとつ私の背中を押してくれた。


ギフテッド2e傾向の子どもには、
書字の苦手さを抱えている子も少なくない。

必要であれば、
合理的配慮を積極的に考えてよい。

と書かれていたことだ。


「苦手なことを無理に頑張らせる」のではなく、

「力を発揮できる方法を一緒に考える」。

中学校に入学後、
書字が苦手な息子に対して、
私は「書くこと」にこだわるのをやめて、
タイピングの技術を身につけるように勧めた。

そのエピソードはこちら↓

この経験を肯定してもらえたような気がして、少し救われた。

その後、通信制高校では、年度末試験をパソコンで受ける合理的配慮についても、迷わず前向きに考えることができた。



あとがきには、
検査得点にとらわれず、
親自身の観察眼、判断力も重要だ
と書かれている。

親として観察し、分析してきたことを信じてもいいのだと、私は勇気をもらうことができた。


ページ数が多く、最初から最後まで読むのは大変かもしれない。

それでも、今の悩みに近い章だけでも読んでみる価値はある。

私にとってこの本は、
息子を理解するためのヒントをくれただけでなく、

「この方向でよかったんだ」

と、子育てを振り返る勇気をくれた一冊だった。



不登校がはじまった頃の息子は、
一見、意欲がなくなってしまったように見えていた時期もあった。

でも今は、
クトゥルフ神話TRPGや動画編集など夢中になれるものを見つけ、
自分の好きなことにたくさんの時間を使っている。


あの頃の息子は、
意欲を失っていたのではなく、
ただ、自分の情熱を向けられる場所を探している途中だったのだと思う。



この本に書かれていた、

「ギフテッド児は、ほぼいかなる時にも何かに対して意欲を持っている」

という言葉。

今なら、その意味がよくわかる。


もし今、子どもの意欲がなくなってしまったように見えても、
焦らなくていいのかもしれない。


その子の「やってみたい」は、
きっとどこかで静かに息をしている。

私は、この本から

「子どもの意欲を信じること」の
大切さを教えてもらった。


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