見出し画像

【居場所と働く③】働くことが社会につながる場所になる「企業組合伊丹市雇用福祉事業団」〜育てることと、支えることのあいだで〜


■最初に


こんにちは!サイボウズのもっちーです😊

伊丹のまちで、働く場を一つひとつ育てながら、
生活のそばで人を支え続けてきた「伊丹市雇用福祉事業団」。
前回は、多様な背景や制度の歴史についてお伝えしました!
今回は、育てると支えることについてです。

▼以前の記事
「気づいたらずっとやっていた」支援のはじまり
安定より心が動くほうへ



■育てることと、支えることのあいだで


〇植物を育てることと、人との関わり


髙木さんは、入社後の翌年、阪神・淡路大震災で被災したといいます。

当日から復興作業に携わり、ブルーシートを近所の屋根に敷く仕事から、
引っ越しや解体、新築の工事に携わり、
5年ほど経つと、復興の仕事が減り、そのときに選んだのが、地場産業の造園業だったそうです。

伊丹・宝塚・川西周辺は、造園発祥の地であり、苗木を生産する職人さんが歴史的に多い地域なんです。
苗木の接ぎ木・挿し木、樹木の管理や剪定、
ほんとに特殊な技術を持っている人が多くいます。

例えば、和歌山のみかん、岡山の桃など、苗木の多くは、伊丹産です。

そういう人たちと一緒に仕事をしていると、将来食べることには困らないだろうと思い、造園業を本格的に始めました。
やっていくうちに、就労支援も並行していると、
植物を育てることと、人を育てることって、すごく似ていると感じるようになります。
植物に水をやりすぎても木は枯れるし、やらなさすぎても枯れる。

シッカリ、様子を見ながら、適度に関わって、成長を待たないと育たない。
それって、人も同じだなと。

当時、ひきこもりだった方に、木登りをしてもらったことがあり、気持ちよすぎて、全然降りてこない、なんてこともありました。
植物や土と関わる中で、落ち着いてくる人も多くて、
自分自身も、気持ちが整う部分は、確かにあると思いました。
その流れで、造園業を営みながら、就労訓練も同時に始めるようになります。


〇多様な仕事が、人を社会につなげる


学校給食の仕事も、昔からやっています。
と、髙木さん。

伊丹市はセンター方式で、つくられた給食を、トラックで学校まで運び、
学校に着いたら、今度は給食の担当者が配膳します。
そうした仕事も事業団がしています。

この義務教育がどれだけ大切なことだろうと実感しています。

たかが1食かもしれませんが、その1食しか無い家庭もありました。
特に、15歳を過ぎると、すべては家庭環境に影響され、周囲からは全く見えなくなり、概ね相談者は痩せています。

事業団でトータルすると毎日150人くらいの方が、地域で働いて、
多種多様な職種を抱えながら、そうした市民のSOSも見逃さないようにしていて、
相談から就労訓練で受け入れている人たちも、
1つの業種だけじゃなく、みなさんに収入を得てもらいながら、
好きなものが買え、食べることができるように考えています。

例えば、もうすぐ衆議院選挙がありますが、
選挙の度に、投票所の設営とか撤去とか、開票所の依頼もあります。

その業務に、市役所職員の方と事業団のスタッフ、
ひきこもりの方や生活に困っている方が一緒に働きます。


投票所の立会人も、去年から始まり、朝6時30分から夜8時までの一日仕事ですが、直接市役所から個人にお給料が出るので、
みなさん仕事に慣れていて「選挙行きます」、「僕できます」と、自分から手を挙げる人たちも、徐々に増えてきています。

これは、市役所職員の皆さん、特にケースワーカーさんが、
就労支援や自立支援の必要性と目的を理解し、複数の公共事業を切り出し、事業団が日払いの賃金を渡せる仕組みをつくっています。


中間山地の生産地では農福連携、観光業が盛んな地域ではインバウンドのマッチングなど、地域資源の活用をされています。
いずれにも当てはまらない地域は公共事業を市民が担うこともありではないかと思っています。

困窮者等のみなさんが、業務に慣れてくると、ひきこもりだった人が、市役所の職員さんへ
「ここはこうしたほうがいいですよ」と、アドバイスする側になることも度々あります。
何度も現場の経験を重ねると、手順や応用も蓄積され、
去年までひきこもっていた人が、「選挙作業に参加します」と言い、
投票締め切りの5分前に、投票所に現れて、自分の一票を箱に投じてから、そのまま20時の撤去作業に従事するなんてこともありました。

その撤去に同席していた支援課の課長さんは、
「彼が、はじめて市役所を訪問した日から、一人の市民として、一票を投じて、効率よく、働いている成長に感激した。仕事を終えて帰る彼の後姿を思わず写真に写した。」と報告がありました。
そうした社会体験の場を、できるだけ重ねてもらいたいと思っています。

そのために自治体と事業団が連携して地域で市民の仕事づくりを、やっています。


〇自立を支える、伊丹モデル


伊丹モデルをはじめて聞きましたとお伝えすると

「伊丹就労モデル」で検索すると詳細が出てくるのですが、
伊丹市さんが、ほんとに、すごく協力してくれてて、
「やっぱり自立するためには、仕事をつくらないとあかん」と考えを持ってくれています。
と、髙木さん。

今はもう、いろんな公共事業をたくさん提供していただき、
伊丹市はマンパワーのある職員さんたちが集まっていると感じています。

常に、いろんな仕事が提供していただけるので、
困っている人が来たときにも、
その日、その場で、直ぐに「じゃあ、今から、この仕事やってみませんか」と職場を案内できて、賃金も渡せ、市民の方も目を丸くして驚きながら、喜んでもらっています。

この仕組みがあるから、実際に自立していく人も多くて、
それが、いわゆる「地域循環の伊丹モデル」です。

制度があっても無くても、必要な物事に対応してきた実績とつながりがあって、それが新しい制度と共に機能して、そこから協力してくれる人たちが地域で増え、救済から、就労支援、自立への流れができました。


■最後に


最後までありがとうございました。

水をやりすぎても、やらなさすぎても枯れてしまう。
その距離感を、植物だけでなく、人に対しても保ち続けてきたことが、これまでの仕事や支援につながっているんだなーとたびたび思い出すことです。

次回は、できるところから一緒に!そんなお話です
次回も見てもらえると嬉しいです😊