人事異動と公務員③:異動がもたらす“リセット感”とその現実
これまでの振り返り
異動シリーズが続いているので、今回ももう一つ異動の話を。
第1回では「異動希望はなかなか通らない」
「激務部署に続けて配属される人が多い」という現実を踏まえ、
激務部署に置かれた職員には最低1年のクーリング期間を設けてほしい
という提案を書きました。
第2回では、希望が通りにくい中でも、
少しでも行きたい部署に近づくためにできることを
ランキング形式で紹介しました。
今回は、異動があるときの流れや、
そしてその時にありがちなことなどについて書いていきます。
異動は“知識・経験・人間関係のリセット”に近い
公務員の異動は、単に席が変わるだけではありません。
特に「部」をまたぐような大きな異動の場合、
別の会社に転職するくらいの感覚に近いものがあります。
たとえば、福祉分野の会社に勤めてにいた人が、
土木分野の会社に転職するようなイメージです。
私自身も何度か経験しましたが、
行った先で専門用語がわからない、誰に聞けばいいのかもわからない。
そんな状態からのスタートで、最初は本当に苦労しました。
もちろん、公務員としての基本的な作法や起案の流れ、
人間関係も一部は知っている人がいる可能性はあるので、
完全なリセットではありません。
それでも、「積み上げてきたものが一度ゼロに戻る感覚」は、
多くの職員が経験するものだと思います。
異動がわかるタイミングは?
異動の内示がいつ出るかは自治体によって異なりますが、
一般的には次のような傾向があります。
部をまたぐ大きな異動 → 4月異動なら2月頃に内示
課内・係内などの小さめの異動 → 3月中旬以降のギリギリで判明
異動のサイクルもまちまちですが、
私の自治体では2〜3年で異動になることが多いです。
そのため、3年以上同じ部署にいると「そろそろかな」と心の準備をし、
引継ぎ資料を少しずつ整え始めます。
しかし、想定外の異動となると話は別です。
突然の内示に慌てて資料を作り、片付けをし、引継ぎをし…と、
年度末の忙しさに拍車がかかります。
管理職はさらに“予測不能”
管理職になると、異動はさらに読めなくなります。
組織の都合が優先されるため、1年で異動になることも普通ですし、
時期も4月に限りません。
8月に突然異動
1月に急に異動
こうしたケースも珍しくありません。
当然、そんな時期に異動を想定している人はほとんどいないので、
引継ぎや年度末の整理、部下への指示など、
短期間で一気に対応する必要があります。
大きな異動の前には“面談”があることも
部をまたぐ異動の場合、私の自治体では面接があります。
理由は大きく2つです。
異動先の管理職が、その人の人となりや経験を把握するため
本人の家庭事情など、配慮すべき点を確認するため
異動は組織の都合だけでなく、
本人の事情を聞いたうえで配置を考えるという側面もあります。
想定外の異動は誰でもショックを受ける
先日、私の部署でも、
直属ではないものの部間異動の内示が出た職員がいました。
全く想定外だったうえに、忙しいと評判の部への異動だったため、
本人はかなりショックを受けていました。
ただ、忙しいと言われる部でも、
配属される係によって忙しさは全く違うこともあります。
実際に行ってみたら「意外と良かった」というケースも多いので、
内示の段階で落ち込みすぎる必要はないのかもしれません。
次回予告:異動があったときの“心の整え方”
長くなってきたので、今日はこの辺で。
次回は、異動があったときにどう心を整え、どう動けばいいのかについて、私の経験も踏まえて書いていきます。
異動は避けられないものですが、向き合い方次第で大きく変わります。
そのヒントを次回、じっくりお伝えします。
