【マンガ業界Newsまとめ】集英社決算IP展開売上が50%超、経産省「ものがたり大国5カ年計画」漫画関連まとめ など|8/30-260
マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガIPの業界カンファレンスIMARTの主催やマンガIP市場調査を行うMANGA総研の代表である筆者が、マンガIP関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。
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集英社第85期決算 版権・物販などの事業収入が売上の半分を超える
集英社の第85期決算が出ました。

全体売上は前期比0.1%減と増減ほぼ無し。
出版売上は、『ヒロアカ』『推しの子』『呪術廻戦』といったメガヒットの連載終了の影響で9.5%減。一方で版権・物販などのいわゆるIP展開の収入が10.8%増で、出版の売上を超え、全社売上の50%も超えており、決算に対するインパクトも、昨年の出版と事業収入の割合がちょうど逆転したようになっています。集英社IP展開の強さがよくわかります。
4大出版社の売上構造を最新版に更新。
— マンディ Mandy|Manga to the World (@daisakku) August 27, 2026
集英社の最新決算では、
出版売上 1,081億円に対して、
版権・物販などの事業収入が1,133億円に。
4社を並べてみると、紙・電子だけでなく、IP・海外・物販の存在感がかなり大きくなっていることがわかります。#出版 #マンガ pic.twitter.com/lqwVSvDin2

コミチ代表萬田さん作成:https://x.com/daisakku/status/2092764278281687436/photo/1
コミチ萬田さんが綺麗にまとめてくださっている資料を引用させていただきますが、これを見ると集英社のIP展開の売上の高さと、会社の全売上に占める割合の高さが突出していることがわかります。
このIP展開の事業売上の読み方なのですが、IP収入の中には大きく、ライセンスアウト(自社以外の会社がビジネスを実施)して、そこから版権収入だけを得る形と、自社でIP展開して、グッズやイベント、映像化を行うケースがあります。
ライセンスアウトでは、一般に権利者が受け取るロイヤルティなどが売上となる一方、自社で物販やイベントを展開する場合は、関連する事業売上をより大きく計上し得ます。ただし、契約条件や収益認識、各社の開示範囲が異なるため、この表の数字は単純比較できない点に注意が必要です。
例えば、コナンやフリーレンなどで大きなIP展開をしている小学館ですが、そのIP展開の一部は小学館集英社プロダクションと言うグループ会社も担っています。この表が小学館単体の決算数値を基にしているため、ShoProなどグループ会社が手掛ける事業の売上は含まれず、小学館に入るライセンス収入などが部分的に表れていると考えられます。
一方で、集英社は2010年代から、その豊富な大ヒット作品群を源泉に、原画展などのイベントや物販などを自社で行っており、その分売上は大きく出ますし、利益総額も上がりやすいです。KADOKAWAはかなり私の推測が入りますが、この表上だと映像関連の売上は乗らず、細かく計算しているなら自社で映像化したもののライセンス収入を、「ライセンス」と呼んでいるところに積んでいることも考えられます。
人事も動いています。漫画系の取締役ということだと、新任に元NARUTO担当編集の矢作さんと、SJ編集部等から宣伝畑に移った伊藤さんが取締役になられています。瓶子さん、今井さんと合わせてマンガ編集部出身が4人になりましたね。
目指すは、日本発IPで海外売上20兆円 経産省が新戦略を発表「ものがたり大国5カ年計画」
「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」を取りまとめました・海外売上高20兆円に向けた「ものがたり大国5か年計画」|経産省
経産省が「ものがたり大国5カ年計画」を発表しました。色んな事を言われているのですが、ここではマンガ業界に関係ありそうな具体的な計画をまとめます。まず、実際の方針や計画は以下のPDFファイルに書かれています。
一言でいうと、海外展開のための産業基盤を5年間で作り直す計画です。
マンガについては、
海外売上:3,200億円 → 1兆円
民間投資:3,000億円 → 9,000億円
基本方針:「海賊版を叩き、正規版を流す」
AIも使った翻訳・ローカライズ
紙・電子・版権グッズの流通拡大
海外ファンへのプロモーション
を掲げています。
マンガそのものの戦略と申しますか、具体策としては、PDFの31Pにて「海賊版を叩き、正規版を紙・電子共に速やかに流す」という趣旨のことを書いています。一時期あった、海外向けに出版社横断型の電子書籍PFを作るという議論は、とても危険な臭いと危惧していたのですが、ここでは紙と電子両面と地に足がついてきてまして、個人的には胸をなでおろしました。
また、AIについては「社会的な受容性」(AIへの反発)に配慮しながら、ローカライズのスピードアップと、権利保護の問題を同時に進めたいとしています。
個人的にも興味のある市場調査面ですが、まずP69-70あたりで、重点4カ国を含む約10カ国で統計・アンケート調査を行う通常のEBPMに加え、公開情報などを使い、国別・IP別の人気度や海賊版被害をリアルタイムに追う「アジャイルEBPM」も掲げています。
さらにP61あたりでは、そのリアルタイムデータを活用して、漫画に限らずIP全般で取引が進むように、「国際的なIPライセンス取引市場の基盤整備」を目指すとあります。
この辺り、本当に実現に向かうのであればなかなか攻めてるなと思います。個人的にも、そうしたことを考えた場合にキーになりそうな会社が内外に何社か浮かびます。
他にも色々あるのですが、このPDFはAIに入れて、色々質問するだけでも、海外事業に携わる業界関係者には面白いのではと思いました。
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— 経済産業省×IP360 (@metiIP360) February 20, 2026
エンタメ政策5原則
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①大規模・長期・戦略的に支援する。
②日本で創り、世界に届ける取組を支援する。
③作品の中身に口を出さない。
④真っすぐ届ける。
⑤挑戦者を優先する。
詳細はこちら:https://t.co/enpGsPQlkW pic.twitter.com/xMq79NpP5T
経産省からは、今後の取組について5原則がSNSで公開されています。③がこう、実際に現場の人と話したんだろうなぁという形跡を感じます。
関連で、海賊版対策の前進や、文化庁側での支援のことなど、とにかくそうしたニュースが沢山出るタイミングでした。政府予算の概算要求の時期ですしね。
また、SNSなどではクールジャパンの反省関連のことが話題になりました。
【筆者告知】マンガ産業を支えるキープレイヤーを讃える「IMART AWARD 2026」
*: 筆者の携わる事業です。念のため。
今年で7回目の開催となるIMARTでは、業界を支える現場への感謝の意を表するために「IMARTアワード」を開始、その1年目のノミネート対象者を発表しています。
業界全体としても、なかなか複雑な時代になってきている中、少しでも業界を盛り上げて行ければと考えておりまして、皆さんで盛り上がって行ければと考えております。
現在、IMARTアワード投票や来年のノミネートに参加できる、IMARTへのご協賛について、各社様へ私が連絡先を知る限り、ご協賛やメディアへのご案内をさせていただいております。本日時点で、今年は例年に比べてご協賛のお申し込みが少なく、何卒年に1度
国内News
マンガボックスが新レーベル「コミックパンドラ」を青年誌特化で開始とのこと。パニックホラー系のようです。
同じマンガボックスがドリコムと協業で新コミックレーベル「DREボックス(ドリボックス)」をスタート、DREノベルズのラノベコミカライズ中心のようです。
MUGENUPは、レディコミレーベル「SILKupコミックス」を創刊
Amaziaが傘下だったWithLinksをめちゃコミに譲渡。編集部強化のようです。
ソラジマの新編集部『よすみ』、初の紙単行本が重版とのこと。
電子版はこれからだそうで、紙→電子の順番なんですね。
熊本地震と千葉豪雨の被災地域を対象にした、週刊少年ジャンプの無料アクセス企画です。被災地で雑誌を入手しにくい読者に向けた取組ですが、オトコ前ですね。
そして、今回は利用時に位置情報を使うとのこと。Crunchyrollやコンソールゲームのような、国によるリージョンコントロールによる視聴や利用の制限は一般化しましたが、県単位でのコントロールもあるんですね。
私も映画を見に行きましたが、SNSから始まってここに至り、独特なヒット。しかも非常に大きな動きになっておりますね。よく近くを通る東池袋の「ちいかわパーク」も、映画上映中ということもあってか、ずっといっぱいに見えます。
ちいかわのヒットなんかを見てると、そういうことでも無いのではと思うところもありますが、なろう系が海外PF向けの番販で強いのは確かですね。全部じゃないと思いますが。
— オタクペンギン(社長) (@NovelPengin) August 30, 2026
「『アニメは海外のものになった』は本当なのか?」
こちら、BookBase近藤社長の上記記事についての論考なのですが、因果関係の順番の問題と言うのは確かで、なろう原作のコミカライズという流れに良作が多くなった経緯があって、そこがたまたま海外受けしましたという見方も確かにありますよね。
新手の原作開発だと思うのですが、VOD-PFが純文学と言うGap萌えです。
積極的に動いている大垣書店が好決算と言うのは、良い傾向ですね。厳しい状況ですが、頑張ればなんとかなる可能性もあるという証左。
渋好みな内容ですが、興味深いセミナーです。
マンガ制作で画像をクラウド保存することは最早よくあることだと思いますが、Googleドライブに原稿を保存していたら、その画像が原因で規約違反と判定され、アカウント停止につながったとされる事例などを扱うセミナーです。
私もGoogleドライブやGmailアカウントは公私に縦横に使っておりまして、メインアカウントが消えたらとんでもない被害です。傾聴したいところ。
主要マンガアプリ・電子書店の業績を並べてみた。
— マンディ Mandy|Manga to the World (@daisakku) August 26, 2026
黒字各社を見ると、営業利益率は概ね5%前後。売上規模は大きくても、意外と利益率は低い。
一方、ピッコマは営業利益100億円超で、収益性が突出。 pic.twitter.com/SbGmRbS8ap

コミチ萬田さんのXより:https://x.com/daisakku/status/2092456410735051097
またまたコミチ萬田さんの制作資料ですが、この感じで横断的に並んだ資料はなかなか貴重では。ポストのレスに情報元がありまして、データ抽出方法が色々ですので、同じ条件で並んではいないのですが、ピッコマの利益率の高さはすごいですね。
過去のまとめで、シーモアの公示決算内容から「流通総額」と「法人売上」の関係性を解説しましたが、そのあたりも色々あるところにはなりそうです。↓にて。
Webtoon・ショート動画関連
ここは、かなり注目したいところですね。今年のIMARTでもテーマにしたいところです。
海外News
タイトル訳:イル・ド・フランス地域に計画されている「ドラゴンボール」テーマパークは、日本の権利保有者からまだ承認を得ていない
仏マクロン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の間で、フランスにも「ドラゴンボールパーク建設!」ということで、今週話題になりました。
どうやら「3つの大型パークがフランスに出来る。」までが正式発表で、フランス側からドラゴンボールの名称を使った発信が先行したものの、公式文書には作品名がなく、権利者の許諾もまだ得ていないと報じられています。現時点では、正式決定前の構想と見るのがよさそうです。
いつか日本にもねぇ。鳥山明美術館が犬山あたりに出来るとよいのでは?と思います。
韓国AIチャットの話題、かなり増えました。
原作閲覧数としての成果も出てるとのことで、次の一手として注目したいところです。
タイトル訳:ウェブトゥーンがAI機能を導入、ビデオゲーム会社を買収、投資ファンドを設立
韓国の次の一手に、AIが強く影響をするのは間違いなさそうですね。
JETROの不定期国際レポートも、今週は韓国が多いです。
輸出品目としてエンタメが12位と言うのは意外でした。もっとありそうですけども。
タイトル訳:LINE WEBTOONに新機能が登場!日本漫画24作品を一挙配信―台湾メディア
台湾版LINE WEBTOONが、横方向にページをめくって読める新機能を導入し、日本漫画24作品の配信を開始したとのこと。
libroさんの北米エンタメニュースまとめです。
有料で読めないんですがタイトルから判断すると、海外でも現地で電子コミックのサービスが立ち上がっているというのは心強い気がしますね。
タイトル訳:コラム|イニシアチブを推進中 ― 流通の未来は今ここに
破綻した米大手取次、米大手取次ダイヤモンドの考察は、破綻理由はもちろん、破綻時の在庫や未払い、直営店舗の問題など、多岐に渡る話題があります。
AI・画像生成関連
購入した電子書籍を、AIにインプットして質問できるサービス。
これ、エンタメよりまずは実用書でしょうけども、なんだかんだいずれはエンタメにも波及しそうですよね。AIがマンガをどこまで正確に読めるか?ですが、いずれ読めちゃうんだろうなとは思います。
Kakao Entertainment、違法Webtoonの24時間追跡システムを公開…累計削除11億件
カカオの海賊版対策、AIエージェントで24時間稼働とのこと。DMCAテイクダウン側もAI受け入れとかし始めたり、海賊版側も自動URL作りとか始めたら、さながら海賊版攻防の電子戦が始まりそうですね。近未来です。
今週の新AIサービス側の色々です。
子どもたちに、その質問もあるんだなと。確かに。
今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等
--セール・キャンペーン
--各種取組
攻殻でメガネコラボならば、バトゥの白いアイカバーを作って欲しいですね。それでもやっぱり前が見えるやつが良いですがw
BL×映像。これは個人的にも気になるところです。
セルシスのイベント協賛、中南米にカナダと広がってます。
これは、面白い観点ですね^^
--新人賞・漫画賞
ヤンジャンの新しい漫画賞2つ。
特に毎月オーディションのほうは、描き下ろしを必須としないタイプのようですね。
記事のみ紹介
タイトル訳:2026年 K-Comics Origin Los Angeles:韓国ウェブトゥーン体験展
ご覧いただきありがとうございます。
お知らせポストに、Rp・いいねなどいただけますと幸いです。
📢【マンガ業界Newsまとめ🆕】8/30-260
— 菊池健 - MANGA総研 (@t_kikuchi) August 30, 2026
・集英社、IP展開売上が出版売上超え📈
・「ものがたり大国5カ年計画」解説🇯🇵
・WithLinks、めちゃコミへ譲渡🤝
・仏DBパーク、権利者許諾は未了🐉
・台湾版LINE WEBTOON、日本漫画24作配信📱
・カカオ、海賊版をAIで24時間追跡🤖
などhttps://t.co/pXlpmNQOF2
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