芋出し画像

24GHzの民俗孊

――移動䜓怜知センサヌず電波を食べる民――

前線

本皿は、前線「ISMの颚土蚘」[1] に続く、ISMバンド呚蟺の民俗孊の締めくくりである。

ただし、この埌線は䞀本の䞀本道ではなかった。
前線から分岐する埌線は耇数あった。

䞊立する埌線

2.4GHz、13MHz、433MHz、6.78MHz。
それぞれの呚波数には、それぞれの生掻圏ず䜜法があった。

そしお本皿で扱う24GHzは、気配を読む土地である。

ここでは、人は名乗らない。
カヌドもかざさない。
SSIDも掲げない。

ただ、動く。
あるいは、動かない。

そしお機械は、その差を読む。

ただし、24GHzの近くに䜏む民は、気配を読む者だけではない。
電波を食べる小さな機械もいれば、返事を埅぀無線の民もいる。

この高い呚波数の土地では、電波は問いにもなり、糧にもなり、挚拶にもなる。

本皿の目的は、24GHz垯を単なるセンサヌ甚呚波数ずしおではなく、気配を読み、電波を食べさせ、返事を埅぀者たちが集たる土地ずしお描くこずである。
そこでは電波は、通信の声である前に、反射を聞く耳であり、機械を逊う糧であり、法芏に瞁取られた䜜法でもある。


1. 24GHzずいう、気配の土地

24GHzは、日垞語ずしおはあたり有名ではない。

2.4GHzならば、Wi-Fiの蚭定画面に珟れる。
13.56MHzならば、亀通系ICカヌドやNFCの「ピッ」ずいう音に珟れる。
433MHzならば、小さな無線機噚の䜎い声ずしお珟れる。
6.78MHzならば、ワむダレス電力䌝送の磁界ずしお、近くの機噚を満たす。

しかし24GHzは、たいおい黙っおいる。

自動ドアの䞊。
照明噚具の䞭。
廊䞋やトむレの倩井。
駐車堎の入口。
工堎の搬送路。
スポヌツ緎習堎の片隅。
ベッドサむドの小さな箱。

そこに24GHzの民がいる。

圌らは、人に名前を尋ねない。
顔を写さない。
カヌド番号を読たない。
磁界で抱えもしない。
䜎い声で遠くぞ合図するのでもない。

ただ、空間ぞ電波を出し、戻っおくる反射の倉化を読む。

24GHzの移動䜓怜知センサヌは、通信機噚ずいうより、芋えない觊芚である。


2. 移動䜓怜知センサヌずは䜕か

移動䜓怜知センサヌずは、䞻ずしお移動する人たたは物䜓の状況を把握するための無線蚭備である。察象物の存圚、䜍眮、動き、倧きさなどに関する情報を埗るための、無線暙定の装眮である。[6]

この定矩は、なかなか味わい深い。

存圚。
䜍眮。
動き。
倧きさ。

いずれも「誰であるか」ではない。
「そこに、どのようにあるか」である。

この装眮は、通信の民ではない。
暙定の民である。

声を届けるのではない。
盞手に名乗らせるのでもない。
そこにあるものの気配を読む。

ただし、移動䜓怜知センサヌは、ISMバンド本来の䜏人ではない。

ISMの叀い䜏人は、工業、科孊、医療のために高呚波゚ネルギヌを䜿う者たちである。
加熱する。
溶かす。
反応させる。
凊理する。

それに察しお、移動䜓怜知センサヌは、電波を出し、反射を読み、察象物の存圚、䜍眮、動き、倧きさを知る。
これは通信でも、加熱でもない。
無線暙定である。

぀たり圌らは、ISMの炉端に昔から座っおいた民ではない。
あずからやっお来お、反射を読むために䜏み始めた民である。

日本でその戞籍がはっきり珟れるのは、2001幎である。
ARIB STD-T73「特定小電力無線局 移動䜓怜知センサヌ甚無線蚭備」は、2001幎9月6日に策定された。[6]
この芏栌によっお、10.5GHzを超え10.55GHz以䞋、たた24.05GHzを超え24.25GHz以䞋の電波を䜿甚する移動䜓怜知センサヌ甚無線蚭備が、制床䞊の居堎所を埗た。[7]

24GHzの怜知民は、ISMの叀い土着民ではない。
二十䞀䞖玀の入口で戞籍を埗た、反射を読む新䜏民である。

この民は、倧声で叫ぶわけではない。

移動䜓怜知センサヌ甚の特定小電力無線局は、その名のずおり、埮小な出力で働く無線局である。
十mW玚の小さな電力。
しかし、その小さな電力は、近くの空間ぞ問いを投げるには足りる。

誰かいるか。
䜕か動いたか。
近づいおいるか。
遠ざかっおいるか。

そしお、その小さな問いにも、制床䞊の戞籍がある。
芏栌があり、呚波数範囲があり、空䞭線電力があり、空䞭線利埗があり、䜿っおよい䜜法がある。

Low Power であっおも、無法ではない。
小さな声にも、䜏む土地の掟がある。

このため、24GHzの移動䜓怜知センサヌは、日垞生掻の䞭でさたざたな圹を担う。

乗り物の速床を枬る。
球技のボヌルの速床を枬る。
人や物の接近を知る。
郚屋に人がいるかを知る。
䟵入を怜知する。
距離を枬る。
角床を知る。
機械や車䞡の衝突を防ぐ。
長く動きがないこずを知る。
堎合によっおは、呌吞や埮小な䜓動のような、生存のリズムを探る。

぀たり24GHzの民は、動きの圹人である。

ただしこの圹人は、名簿を持たない。
戞籍を問わない。
顔写真も撮らない。

かわりに、反射を読む。


3. ドップラヌの耳、䜍盞の目、IFの音

24GHzのセンサヌでよく知られるものに、ドップラヌセンサヌがある。

ドップラヌ効果ずは、動くものに反射した波の呚波数が、わずかにずれる珟象である。救急車のサむレンが近づくず高く聞こえ、遠ざかるず䜎く聞こえる。あれず同じこずが、電波でも起きる。

センサヌは電波を出す。
その電波は、人や車やボヌルに圓たり、反射しお戻っおくる。
察象が近づいおいれば、戻る電波の呚波数はわずかに䞊がる。
遠ざかっおいれば、わずかに䞋がる。

この差を読むこずで、センサヌは動きを知る。
速床を知る。
そこに移動䜓があるこずを知る。

さらに、反射波の䜍盞を読むこずもできる。
戻っおくる波の䜍盞が、時間ずずもにどちらぞ進むか。
IずQ、すなわち互いに90床ずれた二぀の成分を取り出せば、䜍盞の回り方が芋える。
するず、察象がこちらぞ接近しおいるのか、それずも遠ざかっおいるのかを刀定できる。[21]

呚波数のずれは、動いたこずを告げる。
䜍盞の回転は、どちらぞ動いたかを告げる。

ここでセンサヌは、単に「動いた」ず蚀っおいるのではない。
動きの向きを読んでいる。

近づく。
離れる。
止たる。
たた動く。

そしお、さらに面癜いこずに、このセンサヌ出力は耳に近い。

ドップラヌセンサヌのIF、すなわち䞭間呚波出力は、察象物の速床によっおはAF、぀たり可聎呚波数の領域に珟れる。[21][22]

24GHzの波長は、およそ12.5mmである。
察象が秒速1mで近づく、あるいは遠ざかるだけで、ドップラヌ呚波数はおよそ160Hzになる。
これは、人の耳で聞ける䜎い音である。

ゆっくり歩く人なら、䜎い揺れずしお聞こえる。
速く走るものなら、より高い音になる。
車やボヌルなら、さらに鋭い音になる。

もちろん、これは音そのものを聞いおいるのではない。
聞いおいるのは、空気の振動ではなく、電波の反射が生んだ差の呚波数である。

しかし、その差の呚波数は、増幅しおスピヌカヌに぀なげば、人の耳で聞くこずができる。

反射䜓が倧きければ、返っおくる信号は匷くなる。
小さければ、かすかになる。
近づけば、䜍盞は䞀方ぞ回る。
遠ざかれば、逆ぞ回る。
速ければ音は高くなり、遅ければ䜎くなる。

぀たり、慣れた耳なら、IFの音を聞くだけで、反射䜓の倧きさや速さを、ある皋床、感芚的に知るこずができる。

倧きなものが近づく音。
小さなものがかすめる音。
ゆっくり動く身䜓の䜎い揺れ。
速く通り過ぎる物䜓の鋭い倉化。

それは、枬定噚の数字になる前の、電波の手觊りである。

24GHzのセンサヌは、空間の䞭の小さな倉化を、呚波数のずれずしお聞き、䜍盞の回転ずしお読み、IFの音ずしお耳に萜ずす。

それは芖芚ではない。
聎芚に近い。
いや、もっず正確には、反射を聞く觊芚である。

24GHzの民俗孊は、この「芋ないで知る」䜜法から始たる。


4. 速床を数字にする民

乗り物、投球、球技、速床蚈枬

24GHzの電波は、速床を枬るこずができる。

自動車。
フォヌクリフト。
搬送装眮。
工堎内を動く台車。
野球の投球。
投手の球速。
ゎルフの打球。
テニスやサッカヌの球。

動くものは、反射波にずれを残す。
センサヌはそのずれを読み、速さを数字にする。

ここで起きおいるこずは、単なる蚈枬ではない。
身䜓感芚の翻蚳である。

か぀お速さは、目で芋お、耳で聞き、身䜓で感じるものだった。
車の唞り。
ボヌルの颚切り音。
捕手のミットの音。
芳客のどよめき。
受け手の手の痛み。

速さは、経隓ずしお語られた。

しかし珟代では、速さは数字ずしお珟れる。

時速䜕キロ。
秒速䜕メヌトル。
球速䜕キロ。
打球速床䜕キロ。
ヘッドスピヌドいく぀。

数字は、身䜓の倖に眮かれた鏡である。

ずりわけ野球では、投手の投球速床がひず぀の物語になる。

時速䜕キロの盎球か。
球速は萜ちおいないか。
倉化球ずの速床差はどれほどか。
その数字は、投手の調子、才胜、疲劎、成長を語る蚀葉になる。

か぀お「速い球」は、捕手のミットの音や打者の反応で語られた。
いたでは、その速さはスピヌドガンの衚瀺に珟れる。
芳客は球速衚瀺を芋る。
遞手は数字を芋る。
コヌチはフォヌムず数字を結び぀ける。

24GHzの民は、投手の身䜓から攟たれた䞀球を、反射波のずれずしお受け取り、速床ずいう数字ぞ倉える。

遞手は、自分の感芚を数字ず照らし合わせる。
コヌチは、フォヌムの倉化を数字で芋る。
芳客は、衚瀺された速床にどよめく。
緎習堎では、昚日の自分ず今日の自分が比范される。

24GHzの民は、ボヌルを枬っおいるようで、人間の欲望を枬っおいる。

もっず速く。
もっず遠くぞ。
もっず正確に。
もっずよくなりたい。

電波はその願いに、黙っお数字を返す。


5. 圚䞍圚ず生存確認

いる、いない、ただリズムはあるか

速床蚈枬が、動きを数字にする働きだずすれば、圚䞍圚確認は、動きを状態にする働きである。

人がいる。
人がいない。
近づいおいる。
離れおいる。
動いおいる。
長く動いおいない。

この単玔な区別が、珟代の建物を倧きく倉えた。

照明は、人がいれば点く。
いなければ消える。
空調は、人の有無に応じお働く。
トむレの䜿甚状況がわかる。
䌚議宀の占有がわかる。
車内に人が残っおいないかを調べる。
斜蚭の通路で、人や物の接近を知る。

そしお、ずきには䟵入を知る。
あるいは、衝突を防ぐ。

倉庫や工堎では、人、台車、フォヌクリフト、搬送装眮が同じ空間を動く。
そこでセンサヌは、単に「いるいない」を刀じるだけではない。
近づきすぎたものを知る。
危険な接近を知る。
人が入っおはならない堎所ぞ入ったこずを知る。

぀たり24GHzの民は、空間の番人でもある。

入口では、䟵入を読む。
通路では、接近を読む。
機械のそばでは、衝突の予兆を読む。

近幎の24GHz電波匏枬距センサヌには、進入怜知、存圚怜知、距離蚈枬、角床怜知を小さなパッケヌゞで扱うものもある。
たずえば゜シオネクストのSC1233AR3は、24.06〜24.24GHzを甚い、モヌション怜知、距離怜知、倖郚MCU挔算による角床怜知に察応する2D怜知モデルずしお説明されおいる。[11]

ここで24GHzの民は、単に「動いた」ず告げるだけではない。
そこにいる。
近づいおいる。
どのあたりにいる。
どの距離にいる。

そうした空間の茪郭を、小さな半導䜓パッケヌゞの䞭で読み始めおいる。

圚䞍圚確認ずは、珟代建築が気配を読むための文法である。
そしおそれは、快適さや省゚ネルギヌのためだけの技術ではない。
安党のために空間を芋匵る文法でもある。

赀倖線人感センサヌは、熱の倉化を芋る。
カメラは、画像を芋る。
ドアセンサヌは、開閉を芋る。
床圧センサヌは、重さを芋る。
それに察しお、24GHzの電波センサヌは、反射の倉化を芋る。

暗い堎所でもよい。
顔を写さなくおもよい。
薄いカバヌの向こうからでも、条件によっおは怜知できる。

だから、センサヌは姿を消しやすい。

倩井の䞭。
壁の䞭。
照明噚具の䞭。
機械の筐䜓の䞭。

芋匵るものが芋えなくなり、怜知だけが残る。

しかし、圚䞍圚確認の先には、さらに重い問いがある。

生存確認である。

この蚀葉は、単に「いるか、いないか」ではない。
「生きおいるか」ずいう問いである。

24GHzを含むマむクロ波・ミリ波レヌダヌは、非接觊で呌吞や心拍、䜓動のような埮小な動きを捉える研究や応甚に甚いられおいる。[16]

胞のわずかな䞊䞋。
皮膚衚面の小さな倉䜍。
寝返り。
呌吞に䌎う呚期的な動き。
眠っおいる人の、ほずんど芋えないリズム。

24GHzバむタルセンサヌの説明では、呌吞や脈のような䜓衚の埮小な倉化を、反射波のドップラヌ効果による呚波数倉化ずしお感知するずされる。[12]
ここで読たれおいるのは、倧きな動䜜ではない。
身䜓の衚面に珟れる、ほずんど芋えない呚期である。

ここでセンサヌは、速く動くものを枬る装眮から、ほずんど動かない身䜓の䞭に残る埮小な動きを探す装眮ぞ倉わる。

自動ドアのセンサヌは、人が近づく動きを読む。
速床蚈枬のセンサヌは、車やボヌルの速さを読む。
圚宀センサヌは、人がいるかを読む。
生存確認のセンサヌは、動かなさの䞭にある、ただ続いおいるリズムを読む。

もちろん、慎重さは必芁である。

センサヌは神ではない。
医垫でもない。
呌吞らしき倉化を読むこずず、生呜を完党に保蚌するこずは同じではない。

それでもなお、非接觊で、暗闇でも、身䜓に觊れずに埮小な運動を探ろうずする技術には、珟代的な祈りの圢がある。

24GHzの民は、動くものを探すだけではない。
動かなさの䞭に、ただ残るリズムを探す。

そこに、ただ呌吞はあるか。
そこに、ただ生掻は続いおいるか。

珟代の建物は、しだいに「気配を読む家」になっおいく。
そしおその家は、ずきに、䜏む人の沈黙に耳を柄たす。


6. 芋守りの倫理

顔を撮らなくおも、暮らしは読たれる

しかし、その問いを誰が、䜕のために、どこたで発しおよいのか。

24GHzセンサヌは、カメラよりも控えめに芋える。

顔を撮らない。
映像を保存しない。
服装も衚情も読たない。
その意味で、プラむバシヌに配慮したセンシングずしお語られるこずがある。

たしかに、寝宀、トむレ、曎衣宀、病宀のような堎所では、画像を䜿わないこずに倧きな意味がある。
人の尊厳は、芋られない暩利によっお守られるこずがある。

しかし、芋えないこずは、垞に無害であるこずを意味しない。

圚宀。
離垭。
滞圚時間。
睡眠。
呌吞。
生掻リズム。
動線。
長時間の無動䜜。

これらは画像ではない。
だが、生掻そのものである。

顔を撮らなくおも、人は読たれる。
名前を聞かなくおも、暮らしは掚定される。
姿を残さなくおも、行動の茪郭は残る。

したがっお、24GHzの芋守りには倫理がいる。

䜕を怜知するのか。
䜕を保存するのか。
誰が芋るのか。
䜕のために䜿うのか。
本人は知っおいるのか。
拒むこずはできるのか。
誀怜知や未怜知は、誰が匕き受けるのか。

民俗孊が芳察するのは、機噚だけではない。
その機噚が眮かれたずき、人々がどのような䜜法を身に぀けるかである。

芋守られるこずに慣れる。
センサヌのある郚屋で暮らす。
動かなければ通知されるこずを知る。
通知されないように、あえお動く。
あるいは、芋守られおいるこずを忘れる。

24GHzの民俗は、安心ず監芖のあいだに生たれる。


7. 呚蟺のレヌダヌ民

Xバンド、車茉24GHz、77GHzぞの移䜏

もっずも、移動䜓怜知センサヌの民は、24GHzにだけ䜏んでいるわけではない。

ISMバンドではないが、Xバンドにもいる。

10.525GHz垯の移動䜓怜知センサヌである。

Xバンドは、おおむね8GHzから12GHz付近のマむクロ波垯を指す。
24GHzがKバンドの入口に近い高い土地だずすれば、10GHz台のXバンドは、もう少し䜎く、波長の長い土地である。

この䜏人もたた、ものを「芋る」のではない。
電波を出し、反射を受け、察象物の存圚や動きの倉化を読む。

しかし、このXバンドの隣人には、重芁な条件がある。

屋内の䜏人である。

10.525GHz垯のドップラヌセンサヌには、電波法䞊、屋倖で䜿甚できず、屋内専甚ずされるものがある。[9]
屋倖には、同じXバンド呚蟺で働く別の無線暙定の䜏人がいる。
速床を枬るレヌダヌである。

぀たり、Xバンドのセンサヌを屋倖ぞ持ち出せば、単に「よく飛ぶ」では枈たない。
譊察の速床枬定レヌダヌなどに干枉する可胜性が高い。

ここで呚波数の民俗は、地理の民俗になる。

同じ呚波数でも、堎所によっお䜜法が倉わる。
屋内ならば、壁ず倩井の内偎で気配を読む。
屋倖では、道路、車䞡、取締、無線暙定の制床ずぶ぀かる。

10.525GHzの民は、ISMの颚土蚘から来た䜏人ではない。
しかし、動きを読むずいう䜜法では、24GHzの遠瞁である。

圌らは、24GHzの隣人である。
同じく反射を聞く。
同じく動きを読む。
しかし、その足元には「屋内」ずいう境界線が匕かれおいる。

Xバンドの隣人は、窓の倖ぞ出ない。
圌は、宀内で気配を読む。
倖の道路には、別のレヌダヌの掟がある。

なお、24GHzの怜知民には、か぀お車のバンパヌに䜏んだ者もいる。

車茉レヌダヌである。

24GHz垯の車茉レヌダヌは、衝突防止、車間距離枬定、死角怜知、車線倉曎支揎、クロス・トラフィック・アラヌト、自動緊急ブレヌキ、アダプティブ・クルヌズ・コントロヌルなどに甚いられおきた。[24]

これもたた、電波を出し、反射を読み、近づくものや離れるものを知る無線暙定の民である。

しかし、この䜏人は、いた匕っ越しの途䞊にある。

埓来、倚くの車茉レヌダヌは24GHz垯を甚いおいた。
しかし24GHz UWBの利甚は欧州や米囜で段階的に停止される方向ずなり、車茉レヌダヌ甚には77GHz垯が開攟されおいった。[24]

24GHz NBは24.05GHzから24.25GHzたでの200MHz幅である。
これに察しお、77GHz垯では77GHzから81GHzたで、最倧4GHzの掃匕垯域幅を䜿える。

この違いは倧きい。

FMCWレヌダヌでは、掃匕垯域幅が広いほど距離分解胜は高くなる。
さらに、77GHzでは波長が24GHzの玄3分の1になる。
そのため、同じ芖野ず利埗を埗るアンテナ面積は小さくできる。[24]

車の䞭ずいう限られた空間では、この小型化も倧きな意味を持぀。

ここにも、呚波数の民俗がある。

ある呚波数垯に䜏んでいた民が、技術の進歩ず制床の倉曎によっお、別の土地ぞ移っおいく。

24GHzのバンパヌの民は、77GHzや79GHzの高い土地ぞ向かった。
消えたずいうより、埌継者に道を譲り぀぀ある䜏人である。

か぀お24GHzは、車の前方や偎方を読むためにバンパヌの䞭にいた。
いた、その圹目の倚くは、77GHz垯、79GHz垯の民ぞ受け継がれおいる。


8. ホヌンず導波管

電波の口を削る民

24GHzの民俗孊を語るなら、ホヌンアンテナにも觊れなければならない。

ホヌンアンテナずは、導波管の先をラッパのように広げたアンテナである。
音のラッパが声を前方ぞ抌し出すように、電波のラッパはマむクロ波を空間ぞ送り出す。
たた、空間から戻るかすかな反射を受け取る。

それは、電波の口であり、耳である。

24GHzのセンサヌすべおが金属のラッパを持぀わけではない。
小型の移動䜓怜知センサヌでは、基板䞊のパッチアンテナやアレむアンテナが甚いられるこずも倚い。アンテナは薄くなり、筐䜓の内偎ぞ隠れ、もはやアンテナらしい圢を芋せない。

しかし、電波をある方向ぞ鋭く投げたいずき、戻っおくる反射をその方向から遞び取りたいずき、開口が必芁になる。

波を絞るには、口がいる。
気配を遠くから聞くには、耳の圢がいる。

24GHzの波長は、およそ12.5mmである。
波長が短いぶん、Xバンドより小さな開口でも指向性を埗やすい。
しかし、原理は倉わらない。
指向性を埗るには、波長に察しお意味のある倧きさの構造がいる。

ここで、電波の工䜜は電子工䜜から機械工䜜ぞ寄っおいく。

䜎い呚波数の無線では、フィヌダヌずいえば同軞ケヌブルであり、工䜜ずいえば半田ごおであった。

切る。
むく。
半田を流す。
コネクタを付ける。
導通を確かめる。

そこには電子工䜜の芪しみがある。

しかし24GHzに来るず、事情が倉わる。

フィヌダヌは、しばしば導波管になる。
電気を流す線ではなく、電波を閉じ蟌めお進たせる金属の管である。

寞法を出す。
面を合わせる。
フランゞを締める。
隙間を嫌う。
ねじの締め方をそろえる。
導波管の口を正しく合わせる。
ホヌンの開口を枬る。
段差やずれを気にする。

波長が短くなるず、䞖界の粗さが芋えおくる。

数ミリのずれは、もはや雑では枈たない。
金属片の角、フランゞの段差、ねじ穎の䜍眮、導波管の内寞。
それらが、電波にずっおの地圢になる。

䜎い呚波数では、電波は線を歩く。
24GHzでは、電波は管を通る。

半田ごおの民は、ここでノギスの民になる。

24GHzの工䜜は、電波を飛ばす遊びであるず同時に、電波の通り道を圫る遊びである。


9. 管内マむクロマシン

配管の䞭、身䜓の䞭、電波を食べる民

24GHzの近くには、もう䞀぀奇劙な民がいる。

管内マむクロマシンである。

ここでいう「管内」には、二぀の意味がある。

䞀぀は、工業配管の䞭である。
もう䞀぀は、身䜓の䞭の管である。

移動䜓怜知センサヌは、電波を出し、反射を聞く。
アマチュア無線は、電波を出し、返事を埅぀。
しかし管内マむクロマシンは、電波を受けお動く。

いわば、電波を食べる民である。

ここで、少しだけISMの本来の䜏人に戻っおおきたい。

電力送信は、ISMの本来の䜏人に近い。

ISMの叀い䜏人は、電波を通信の声ずしお䜿う者ではなかった。
電波を゚ネルギヌずしお䜿う者であった。

加熱する。
溶かす。
凊理する。
励起する。
そしお、電力を枡す。

この意味で、6.78MHzのワむダレス電力䌝送は、ISMの血筋をよく保っおいる。
コむルずコむルのあいだで近接堎の磁界を結び、近くの機噚に電力を枡す。
それは、電波で語るずいうより、電波で逊う技術である。[23]

䞀方、24GHzの移動䜓怜知センサヌは、ISMの叀い土着民ではない。
圌らは、電波を゚ネルギヌずしお食べさせるのではなく、反射ずしお読む。
存圚、䜍眮、動き、倧きさを知る。
通信でもなく、加熱でもなく、無線暙定である。

だから、同じISMの土地にいおも、血筋が違う。

6.78MHzの絊電民は、ISMの炉端に近い。
24GHzの怜知民は、その土地に埌から入っおきた、反射を読む新䜏民である。

しかし、管内マむクロマシンの22〜24GHz近傍では、再び電波ぱネルギヌずなる。
ここで24GHz近傍の民は、ISMの叀い血筋に近づく。

デン゜ヌなどによる管内怜査甚マむクロマシンの開発䟋では、盎埄10mmの金属配管が、マむクロ波にずっお円圢導波管ずしお働くこずに泚目しおいる。
盎埄10mmの配管では、22GHzから24GHz付近が導波管モヌドずしお䜿えるため、゚ネルギヌ䟛絊には22GHz、通信には24GHzが採甚された。[17]

ここでは、導波管は郚品ではない。

管そのものが導波管である。

ふ぀う導波管ずいえば、机の䞊の金属管や、枬定噚の前に眮かれたフランゞを思い浮かべる。
しかし管内マむクロマシンでは、機械が走る配管そのものが、電波の通り道になる。

電波は倖から配管ぞ入る。
管の䞭を進む。
小さなマむクロマシンに届く。
搭茉されたアンテナがそれを受ける。
敎流回路がマむクロ波を盎流に倉える。
その盎流が、機械を動かす。

ここで24GHz近傍の電波は、情報であるず同時に、糧でもある。

ここで、6.78MHzのワむダレス絊電ず比べおおきたい。

6.78MHzの絊電は、コむルずコむルのあいだで近接堎の磁界を結び、電力を枡す。
いわば、磁界で抱える絊電である。

これに察しお、22〜24GHz近傍の絊電は、アンテナや導波管を䜿い、マむクロ波ずしお゚ネルギヌを運ぶ。
波長が短いため、小さなアンテナやホヌンでも方向を持たせやすく、管の䞭や狙った堎所ぞ届ける発想ず盞性がよい。

6.78MHzが「磁界で抱える」民だずすれば、24GHz近傍は「波を絞っお届ける」民である。

ここでは深く立ち入らない。
同じワむダレス絊電でも、食卓の圢が違う。

そしお、この「管」は、工業配管だけに限られない。

血管。
消化管。
カテヌテル。
内芖鏡。
䜓内を移動する小さなセンサヌ。
あるいは、将来の䜓内マむクロマシン。

䜓内の管を進む装眮ずしおは、カプセル内芖鏡もこの系譜にいる。

たずえばRFのカプセル内芖鏡「NORIKA」は、盎埄9mm、長さ23mmのピル型CCDカメラずしお説明され、電池を䜓内に長く眮く危険や小型電池の制限を避けるため、無線による電力䌝送を採甚したずされる。[18]

ここで重芁なのは、呚波数そのものではなく、発想である。

身䜓の䞭ぞ小さな機械を入れる。
その機械に電力を送り、姿勢を制埡し、画像や情報を倖ぞ返す。
䜓内デバむスは、電池を抱え蟌むのではなく、倖から電力を受け、倖ぞ報告を返す民になる。

䜓内で圧力、枩床、pH、画像、流量などを枬る装眮は、取埗したデヌタをどこかぞ送らなければならない。
埓来は现い線を通すか、䜎い呚波数の無線を䜿うか、あるいは䜓倖ぞ取り出しおから読む必芁があった。
だが、装眮が小さくなればなるほど、配線は邪魔になり、電池は重くなり、アンテナは小さくならざるを埗ない。

そこで、䜓内甚の小型アンテナや、埋蟌み型デバむスの無線通信、無線絊電、センシングが研究されおいる。[19]

24GHz垯もたた、こうした身䜓呚蟺・䜓内近傍通信の研究文脈に顔を出す。[20]
24GHzは波長が短い。
アンテナを小さくできる。
高いデヌタレヌトも期埅できる。
画像のような情報を送るには、䜎い呚波数より魅力がある。

しかし、身䜓は自由空間ではない。

氎分を含む組織は、マむクロ波やミリ波を吞収する。
䜓内深くぞ飛ばすには損倱が倧きい。
発熱やSARの問題もある。
アンテナは呚囲の組織に匷く圱響される。
小さく䜜れおも、よく飛ぶずは限らない。

぀たり、䜓内の24GHzは、空を飛ぶ24GHzではない。

工業配管の䞭では、金属管が導波管になる。
身䜓の䞭では、血管や消化管は導波管ではなく、むしろ損倱の倚い湿った通路になる。

この察比が面癜い。

金属の管は、電波を導く。
身䜓の管は、電波を匱める。
それでも人は、その䞭ぞ小さな機械を送り蟌み、そこから倖ぞ情報を取り出そうずする。

管内マむクロマシンは、工業の倢であり、医療の倢でもある。

配管の奥で、腐食や傷を調べる。
血管の䞭で、圧力や流れを枬る。
消化管の䞭で、画像を送る。
カテヌテルの先で、枩床や圧力を読む。

そこでは、24GHz近傍の電波は䞉぀の顔を持぀。

機械に力を䞎える。
デヌタを倖ぞ運ぶ。
小さな身䜓の䜍眮や状態を知らせる。

センサヌの24GHzは、動きを読む。
管内マむクロマシンの24GHz近傍は、動くものに力を䞎え、動くものから情報を受け取る。

䞀方は、反射を聞く電波である。
もう䞀方は、機械に食べられ、機械から語り返される電波である。

ここでも工䜜の感芚は、機械工䜜ぞ寄っおいく。

配管の盎埄。
血管の倪さ。
カテヌテルの倖埄。
アンテナの倧きさ。
導波管モヌド。
組織による損倱。
敎流回路。
発熱。
消費電力。
通信ず絊電の分離。

䜎い呚波数の無線では、空間は広がりずしお珟れる。
24GHz近傍の管内マむクロマシンでは、空間は管ずしお珟れる。

金属の管。
暹脂の管。
血の管。
消化の管。

電波は、空ぞ広がらない。
管の䞭を歩く。
あるいは、管の䞭で匱りながら、それでも小さな機械に届こうずする。

24GHzの民俗孊においお、これは重芁な反転である。

電波は、問いであるだけではない。
電波は、挚拶であるだけでもない。
電波は、ずきに食物である。
そしお、ずきに、身䜓の奥から戻る小さな報告である。


10. アマチュア無線の隣人

反射を聞く者、返事を埅぀者

24GHzには、アマチュア無線もいる。

これは、24GHzを単なるセンサヌの土地ずしお語るだけでは芋萜ずしおしたう䜏人である。

移動䜓怜知センサヌは、反射を聞く。
管内マむクロマシンは、電波を食べる。
アマチュア無線は、返事を埅぀。

移動䜓怜知センサヌにずっお、戻っおくる反射は、察象物の気配である。
管内マむクロマシンにずっお、届いおくる電波は、走るための糧であり、あるいは䜓内から倖ぞ向かう小さな報告の道である。
アマチュア無線にずっお、届いおくる信号は、向こう偎にいる人間の気配である。

どれも、芋えない空間の向こうを探っおいる。
しかし、探しおいるものが違う。

センサヌは、匿名の察象を読む。
マむクロマシンは、管の奥で電力を受け取り、あるいは情報を送り返す。
アマチュアは、名乗る盞手を探す。

センサヌは、人や物を蚘号化する。
マむクロマシンは、電波を盎流ぞ倉え、たた䜓内や配管の情報を電波ぞ戻す。
アマチュアは、電波の向こうに人を呌ぶ。

同じ24GHzの高い土地に、無蚀の芋匵り番ず、電波を食べる小さな機械ず、呌びかける実隓者が隣り合っおいる。

ここで面癜いのは、アマチュア無線の24GHzが、䜎い呚波数のアマチュア無線ずは違う身䜓を持぀こずである。

HFのアマチュアは、電離局の気分を読む。
VHFやUHFのアマチュアは、アンテナの高さや芋通しを気にする。
24GHzのアマチュアは、さらに金属加工の粟床を読む。

そしお、空の氎も読む。

24GHzの電波は、雚雲にも反射する。
より正確に蚀えば、雲の䞭の氎滎、雚滎、雪片、氷晶、霰のような粒子によっお散乱され、枛衰も受ける。

䜎い呚波数では、雚はただの倩気である。
しかし24GHzでは、雚は䌝搬路の䞀郚になる。
雲は背景ではなく、反射䜓になる。
空暡様は、無線の盞手になる。

晎れおいれば届く。
雚が降れば匱る。
だが、雚粒や雲の粒子が、思わぬ反射面になるこずもある。

ここで24GHzのアマチュアは、金属の面だけでなく、空の䞭の氎の面も読む。
導波管のフランゞを合わせ、ホヌンの向きを定め、そしお雲の腹をうかがう。

地䞊の工䜜粟床ず、䞊空の氎粒子。
その䞡方が、24GHzの亀信を巊右する。

24GHzのアマチュア無線は、机の䞊の機械工䜜であり、同時に空の気象芳察でもある。

導波管。
フランゞ。
ホヌン。
ねじ。
開口。
寞法。
面の合い。

そこでは、亀信の前に、たず圢が問われる。

管は合っおいるか。
口は正しい向きを向いおいるか。
隙間はないか。
損倱は蚱せるか。
反射は少ないか。

24GHzのアマチュア無線は、電子工䜜の趣味でありながら、同時に機械工䜜の趣味でもある。

このこずは、民俗孊的には倧きい。

同じ「無線」ずいう蚀葉の䞭で、身䜓の䜿い方が倉わる。
耳を柄たすだけでなく、金属を削る。
半田を流すだけでなく、面を合わせる。
回路を読むだけでなく、管の内偎を読む。

24GHzのアマチュアは、空に向かっお呌びかける前に、たず電波の通り道を敎える民である。


11. SLPR24G

Specified Low Power Radio の24GHz民

この境界に、SLPR24Gが珟れる。

SLPRずは、Specified Low Power Radio のこずである。
日本語にすれば、特定小電力無線局である。

SLPR24Gのペヌゞでは、これを24GHz Bandを䜿甚した特定小電力無線局ずしお玹介しおいる。[8]
甚いられおいるのは、ARIB STD-T73「特定小電力無線局移動䜓怜知センサヌ甚無線蚭備暙準芏栌」準拠品の無線蚭備である。

ここで面癜いのは、SLPR24Gが、最初からアマチュア無線機ずしお䜜られたものではないこずである。

もずの身䜓は、移動䜓怜知センサヌである。

電源を入れれば、24GHzの電波を出す。
同時に、反射波を受ける。
移動䜓に反射すれば、ドップラヌ効果による呚波数差をIFずしお取り出す。

぀たり本来は、反射を聞く装眮である。

ずころが、その装眮には、通信機のような顔が䞀瞬芋える。

SLPR24Gの蚘述では、IFに信号を入力するず、24GHz波が倉調されお送信されおしたうこずが刀明したずされる。[8]
぀たり、回路ずしおは、センサヌが声を出しかけるのである。

しかし、そこから先には法芏の壁がある。

この蚭備で認められおいた電波圢匏はN0Nである。
N0Nずは、無倉調で、倉調信号を持たず、䌝送情報を持たない電波である。

したがっお、ここでいう「CW」は、アマチュア無線でいう通垞のモヌルス通信ずしおのCWずは違う。

無倉調キャリアを出す。
必芁なら電源を断続する。
しかし、その断続に笊号ずしおの意味を持たせすぎれば、それはもはやN0Nの無情報ではいられない。

点ず線が、蚀葉になった瞬間。
無倉調の沈黙は、A1Aの電信ぞ近づいおしたう。

぀たり、SLPR24Gは「CWで通信した」䟋ではない。
むしろ、通信にならない範囲で、キャリアを出すずころに留たった䟋である。

ここに、24GHzの民俗孊らしい境界がある。

回路ずしおできるこず。
工䜜ずしお詊せるこず。
電波ずしお出せるこず。
そしお、法芏ずしおしおよいこず。

それらは、同じではない。

Low Power であるこずは、自由であるこずを意味しない。
Specified であるこずは、あらかじめ定められた䜜法の䞭にいるずいうこずである。

SLPR24Gは、センサヌが通信機になった䟋ではない。
センサヌが通信機になりかけ、Specified Low Power Radio ずいう制床䞊の名札を胞に、法芏の前で立ち止たった䟋である。

センサヌが声を出しかけたずころで、電波法が咳払いをする。
その咳払いは、倉調だけでなく、点ず線にも及ぶ。

沈黙は蚱される。
しかし、沈黙を笊号にしお喋り出すず、別の身分になる。


終章 反射を聞く、電波を食べる、返事を埅぀

24GHzには、いく぀もの民がいる。

移動䜓怜知センサヌの民。
速床を数字にする民。
圚䞍圚を刀じる民。
生存確認の民。
芋守りの倫理に揺れる民。
ホヌンアンテナを持぀民。
導波管を削る工䜜民。
管の䞭で電波を食べるマむクロマシン。
身䜓の奥から小さな報告を返そうずする䜓内デバむス。
アマチュア無線の実隓者。
そしお、法芏の境界で立ち止たるSLPR24G。

さらにその隣には、Xバンドの屋内怜知民もいる。
ISMの民ではないが、同じく反射を聞く遠瞁である。
ただし圌は、窓の倖ぞ自由には出られない。
倖の道路には、別のレヌダヌの掟がある。

たた、か぀お24GHzのバンパヌに䜏んだ車茉レヌダヌの民もいた。
圌らの倚くは、いた77GHzや79GHzの高い土地ぞ移っおいる。
呚波数の民俗には、䜏み替えもある。

前線「ISMの颚土蚘」から始たった、ISMバンド呚蟺の民俗孊は、ここでいったん締めくくられる。

2.4GHz、13MHz、433MHz、6.78MHzには、それぞれの民俗があった。

通信する民。
かざす民。
小さな信号を遠くぞ送る民。
磁界で近くの機噚を満たす民。

そしお24GHzでは、電波は気配を読む問いになる。

誰かいるか。
䜕か動いたか。
近づいおいるか。
遠ざかっおいるか。
どれほど速いか。
ただ呌吞しおいるか。

しかし24GHz近傍の電波は、問いであるだけではない。

管内マむクロマシンにずっおは、糧である。
導波管ずなった配管の䞭を進み、アンテナに受け取られ、敎流され、盎流ずなり、小さな機械の脚を動かす。

䜓内の小さな装眮にずっおは、報告の道でもある。
圧力、枩床、画像、流量。
身䜓の奥で埗られた情報が、倖ぞ戻ろうずする。

そしおアマチュア無線の民にずっおは、挚拶である。

誰か聞いおいるか。
こちらの電波は届いおいるか。
返事はあるか。

反射を読めば、センサヌである。
電力に倉えれば、糧である。
デヌタを運べば、報告である。
返事を埅おば、無線である。

それぞれの呚波数は、単なる数倀ではなかった。
それぞれに、身䜓があり、䜜法があり、暮らし方があった。

そしお、どの堎合も、人は芋えない空間ぞ向かっお、䜕かが戻っおくるこずを埅っおいる。

この地、声少なし。
されど反射あり。
ずきに、糧あり。
ずきに、報告あり。
ずきに、返事あり。


蚻釈

[1] 前線「ISMの颚土蚘」
URL: https://note.com/lopra_lab/n/n3c8616a4ed74

[2] 「2.4GHzの民俗孊」
URL: https://note.com/lopra_lab/n/n5254ab719a7c

[3] 「13MHzの民俗孊」
URL: https://note.com/lopra_lab/n/n3b29ce952cce

[4] 「433MHzの民俗孊」
URL: https://note.com/lopra_lab/n/n62b4fcdaede0

[5] 「6.78 MHzの民俗孊」
URL: https://note.com/lopra_lab/n/n185fd4d00609

[6] ARIB「暙準芏栌抂芁STD-T73 特定小電力無線局移動䜓怜知センサヌ甚無線蚭備」
URL: https://www.arib.or.jp/kikaku/kikaku_tushin/desc/std-t73.html

[7] ARIB STD-T73 䞀郚閲芧PDF
URL: https://www.arib.or.jp/english/image/std_tr/sample/sample-std-t73-2.0.pdf

[8] KashiwaFX886「SLPR24G」開発プロゞェクト
URL: https://www.lowpowerradiolab.org/FX886/SLPR24G.html

[9] 秋月電子通商「マむクロ波ドップラヌセンサヌ・パヌツセット」
URL: https://akizukidenshi.com/catalog/g/g100255/

[10] 秋月電子通商「24GHz垯ドップラヌセンサヌモゞュヌルDIP化キット NJR4265 J1」
URL: https://akizukidenshi.com/catalog/g/g107776/

[11] ゜シオネクスト「24GHz 電波匏枬距センサヌ 2D怜知モデル SC1233AR3」
URL: https://www.socionext.com/jp/products/assp/radar-sensor/SC1233/

[12] 株匏䌚瀟ミオ・コヌポレヌション「24GHzバむタルセンサヌず60GHzバむタルセンサヌの比范」
URL: https://mio-corp.co.jp/news/comparison/

[13] JARL「コンテスト䜿甚呚波数垯」
URL: https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/frequency.html

[14] Qualwave “Rectangular Waveguide Sizes Table”
URL: https://www.qualwave.com/resources/rectangular-waveguide-sizes.htm

[15] TOTOKU “What is coaxial cable loss?”
URL: https://en.totoku.co.jp/special-contents/column/coaxial_5/

[16] Steven Marty, Federico Pantanella, Andrea Ronco, Kanika Dheman, Michele Magno, “Investigation of mmWave Radar Technology For Non-contact Vital Sign Monitoring,” arXiv, 2023.
URL: https://arxiv.org/abs/2309.08317

[17] デン゜ヌテクニカルレビュヌ「ワむダレス管内マむクロマシンの開発」
URL: https://www.denso.com/jp/ja/-/media/Global/business/innovation/review/05-1/05-1-doc-dissertation3-ja.pdf

[18] RF「カプセル内芖鏡NORIKAノリカ」
URL: https://rfsystemlab.com/sayaka/norika/system/001.html

[19] K. Aliqab et al., “A Comprehensive Review of In-Body Biomedical Antennas,” Micromachines, 2023.
URL: https://www.mdpi.com/2072-666X/14/7/1472

[20] M. Ali, “24 GHz wearable antenna design for wireless body area networks,” University of Kent, 2024.
URL: https://kar.kent.ac.uk/106484/

[21] Nisshinbo Micro Devices “Radar Sensor Method: Doppler”
URL: https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/en/design-support/micro/sensor/doppler.html

[22] FCL Components “24GHz Doppler Radar Sensor FWM7RAZ01”
URL: https://www.fcl-components.com/downloads/MICRO/fcai/wireless-modules/fwm7raz01.pdf

[23] AirFuel Alliance “Frequency Choice”
URL: https://airfuel.org/frequency-choice/

[24] Texas Instruments「車茉レヌダ・システムが24GHzから77GHzに移行しおいる理由」
URL: https://e2e.ti.com/blogs_/japan/b/automotive/posts/24ghz-77ghz


ほかの蚘事も甚意しおいたす。よろしければ、
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