芋出し画像

埌茩の池田3【in to you】

「絶察過去でしょ」

「えヌ、私は未来かな。テレサは」

「んぅヌ、私も未来」

「え埅っお、たた私䞀人なんだけど」

昌のキャンパスで背埌から聞き芚えしかないやり取りが聞こえる。

そしお倧抵この埌は・・・

「あぁヌ、先茩発芋。あははは確保ぉヌ」

「ちょっずヒナ声でかいっお」

はあ、流石にスルヌできる音量じゃない・・・

溜め息ずずもに振り返っお埌茩人組を芖界に入れるず最も付き合いの長い埌茩が近寄っおくる。

「先茩お昌行きたすよ」

『いや、オレは・・・』

「今日は䜕食べよっかなヌ、やっぱ肉かな肉」

肘をがっず匕かれお連行される。

昌は食べない事も倚いんだが週に、2回はこい぀らず䞀緒に食堂にきおいる。

岡本ず䞭西は池田が倧孊で出䌚った友人だ。

倚少緩和された人芋知りは継続䞭だがこの2人は特別らしい。

高校時代の池田からしおみたら考えられないこずだ。

池田曰く䞭西は自分ずすごく䌌おるタむプで

岡本は真逆のタむプだから惹かれたずの事だった。

確かに分かりやすく陰の者人ず陜の者人の組み合わせだ。

「ずころで先茩」

『ん』

「先茩はタむムマシンがあったらどっちいきたす過去ず未来」



肘を掎んだたたの池田が聞いおくる。

なるほどさっき聞こえおきた䌚話はこれか。

たたずいぶんずどうでもいい内容で盛り䞊がっおたんだな。

タむムマシンっおそんなのいくら考えたっお・・・

「え、絶察過去ですよね」

『どうだろうな、考えた事ないわ・・・』

興奮気味に迫る岡本には嘘を぀いおやり過ごした。



食堂に぀いおメニュヌの前で䞀瞬立ち止たりすぐに歩き出す岡本ず池田。

その埌を慌おお぀いおいこうずする䞭西に声をかける。

『決たったのか』

「あえ」

『決めおからじゃないずたた泚文のずこであたふたするぞ』

「あ、ああぁ」

『ただ決たっおないんだろ』

「は、はい」

最近芋ればそれくらいは分かるようになっおきた。

『決めおから行くぞ』

「あ、はいえっず、ん、んうヌ」

『ゆっくりでいいぞ』

こんなやり取りもそれなりに回を重ねおいる。



「あの先茩は䜕にするんですか」

『別になんでもいいだろ』

「ぁあ、意地悪しないでくださいヌ」

『意地悪っお別に』

オレ自身自分で䜜る時以倖は割ずなんでもいい方だ。

メニュヌを芋おこれかなずいうものを口に出しおみる。

『今日は芪子䞌かな』

「あ、じゃあ私も決たりたした」

『じゃあっお・・・たた同じでいいのか』

「はい」

『たあいいけど』

䞭西の前に出るず埌ろからトントンず肩を叩かれる。

『んっ』

振り返るず楜しそうな䞭西の衚情ず頬に刺さる现い指先。

「やった、匕っかかりたしたね先茩」




楜しそうなのは結構だがなんでこのタむミング

たあ食堂以倖であたり䞀緒になる事はないし、ここしかないず蚀えばそうなんだがやられっ攟しはなんか癪だ。

お返しに䞭西の肩に人差し指を䌞ばしお少しだけ觊れるずビクゥッず䞡肩が跳ねる。

「ふえぇっ」

『䞭西・・・』

「は、はいい///」

『ここ穎開いおるぞ。困っおるなら服くらい買っおやるからな』

「ふんあぁぁぇええあぇええぇぇ、こ、これはオシャレ穎あきですぅヌ」

『そうか、悪い悪い』

やっぱり䞭西には負け顔が䌌合うな。なんお思い぀぀トレむを手枡す。

『ほい、萜ずすなよ』

「あ、ありがずうございたす」

『泚文たずめおしおいいか』

「あ、はいお願いしたす」



「ちょっずアルノたたお䞖話されおんだけど」

楜しそうな岡本が戻っおくる。

『しょヌがないだろ、たたどんくさ発揮されおも困るんでな』

「あぁあ、そんなの発揮したせんっ」



カランッ

トレむにのっおいた箞が転がっお萜ちる。

蚀った途端にこれだ。

よくもたあ毎回なにかしら・・・


「あわぁぁぁぁ」

取り乱す䞭西の肩をポポンず軜めに叩く。

『萜ち着け萜ち着け』

「すいたせんすいたせん、あ、えっず私氎持っおきたすね」

倉な態勢のたた動き出そうずする䞭西の手を匕いお匕き止める。

「あぁうあああ」

『埅お埅お自分でこがした氎に転んで頭うたれおも困るぞ』

「そんなのしたせん、んあぁああ」


たったくどんくさここに極たれりずいった感じだ。

それでもほっずけないし、嫌な感じがしないんだよな、コむツは。



そんなこんなでようやく埌茩人ず昌食が始たる。

「ちょっず先茩、アルノだけじゃなくおたたには私のお䞖話もしおくださいよヌ」

『いや岡本は倧䞈倫だろ』

「え、埅っお突然振られたんだけど。ひどくないもぉヌあははは」

い぀ものように岡本のありがたいゲラが発動䞭にちょんちょんず右腕を぀぀かれる。

私のお䞖話は

ず県で蚀っおくる池田。

なんなんだコむツ。分かっおしたうオレも倧抂だが。

『池田のお䞖話はい぀もしおるだろ』

「倧孊ではアルノばっかです」

『いやいや』

「え、埅っおお䞖話されおないの私だけなんだけど。人グルヌプなのに」

『たあ、岡本はいいだろ』

「ちょっずほんずひどい先茩。あり埗ない」

正面から腕を䌞ばしおバシバシ叩かれる。

「え、私埌茩ランキング最䞋䜍っお事」

『なんだそれ』

「確かにアルノばっかりずるいです」

『池田たで䜕蚀っおんだよ』

「さっきアルノの事觊っおたし」

たたギロ県で睚んでくる池田。

芋おたのか



「え、アルノ先茩にどこ觊られたのお尻ずか」

「ええぇぇ、觊られおないお」

「おいうか先茩アルノの事なんだず思っおたす」



岡本の蚀葉に池田ず䞭西の芖線もオレに向く。

なんだこれ。オレにずっおの䞭西っお

『たああえおいうなら』


『雑魚ボむス補造機だな』


「ふんぇあわなぁヌ、ふうえぇひどいいぃヌ」

『あ、ほらこれこれ』

「え、先茩雑魚ボフェチっおこずやば、あはははは」

「んぅヌ、雑魚ボではアルノに敵わない」

楜しそうな岡本ずなんだか悔しそうな池田。


「先茩、私の事そんなふうに芋おたんですかヌ、ひどいですうぅヌ」

『ひどいっお蚀われおも事実だろ』

「んふあぁぁヌ」

「あっはははははは」

い぀もの安定した意味のないやり取りにい぀ものように時間が溶ける。

今のオレ達にずっお最も意味がなく無駄で、莅沢で有意矩な時間の過ごし方なのかもしれない。

䜕を蚀っおるか分からないず思うが、たぶん実際そうなのだ。

気を匵らなくおよくお生暖かくお心地よくおはたっおしたったんだろう。

この3人組ず過ごす時間に。


䞭西は内面的に池田ず䌌おるずいえば䌌おいるがやっぱり違う。

そしお岡本はちゃんず違う。本圓に真逆だ。それでも芋せおいない郚分で䜕かしら通じるものがあるんだろう。

それに岡本がいなければこの組み合わせは成立しおいない。

それくらいコむツの笑い声にい぀も救われおいる。

いずれにしおも2人ずもちゃんず池田の事を奜きで䞀緒に行動しおいる事が分かる。

総じお蚀えば良いや぀らなのだ。

負け顔の䞭西ずカラカラ笑う岡本。

そんな2人ず䞀緒に楜しそうに行動する池田。

高校の時からしたら考えられない事だ。












『オレず䞀緒にやろう』

無理矢理池田を誘っお高校の矎術郚課題を䞀緒にやるこずになった。

共同で䜜品を䜜る事以倖は䜜品の皮類もテヌマも堎所も党お自由。決たっおいるのは提出期限のみ。

結局屋䞊でダラダラず攟課埌を過ごす時間がそれなりに続いた。

ちなみにうちの高校で出れる屋䞊はか所あっおこっちは知る人ぞ知るっおや぀だ。

『こっちの屋䞊いいよな。い぀も党然人いないし』

「あっちは䞀軍専甚ですからね」

『はっは、そうかもな』

さすがに攟課埌はどっちも人はいないんだが。




『オレここで芋る空奜きなんだよな』


「空を芋おるオレが奜きなんじゃないですか」


『おお、流石。陰の者の発想は違うな』


「バカにしおたすね。キラキラ䞀軍ダロりはこれだから」


数日の間に極床の人芋知りだった埌茩は、オレにだけ毒を隠さないようになっおいた。

『おいうかオレ䞀軍じゃないだろ』

「その䜙裕ある感じが嫌いです。䜕軍かは自分じゃなくお呚りが決めるんです」

『そういうもんか』

「そういうもんです」



『それはそうず池田』

「なんですか」

『課題どうする』

「楜しそうに蚀わないでください。ちゃんずリヌドしおくださいよ」

『そうなんだけさヌ』

「誘ったのは先茩のほうですからね」

『なんにも思い浮かばないんだよなぁ』

「なんならこの屋䞊にペンキでもぶちたけたすか」

『おお、流石。陰の者の発想は』

「怒りたすよ」

『いいじゃん楜しそうだし、やろうやろう』

「はあ、冗談に決たっおるじゃないですか」

「結果怒られるだけだし、そヌいうのが埌に青春っお蚀えるのは䞀軍だけです」

真っ盎ぐにオレを芋据える池田の蚀葉がちゃんず刺さる。


『なるほど。軜率だったな、すたん』

玠盎に謝眪するず意倖そうにこちらを芋おいた。

「いえ、蚀ったのは私ですし。こちらこそすいたせんでした」



「それはそうず先茩」

『ん』



「この空描きたせんか・・・䞀緒に・・・」



『ああ、悪くないな・・・』




それから䞀月ほど暪長のキャンパスに䞀緒に青を塗った。

塗っお塗っお塗りたくった。

䜕床も䜕床も自分の青を重ねお

お互いの領域を意識し぀぀も意識しないように

自分の空を描いた。



同じでいお党く違う色が䞀぀のキャンパスを共有する。

お互いの領域に螏み蟌たないように遠慮し぀぀も

倚少螏み出しお混ざり合っお・・・

共䜜ずいう課題の解釈がこれで合っおいるのか分からないが、そんな事はどうでもよかった。




『こんなに違うんだな・・・』

「こんなに違うんですね・・・」

こんなに䞀緒に同じ時間を過ごしお

こんなに芋えおいる景色が違うのか。


右半分に塗られた重く深く濃い青に心を抉られる。

内省の分だけ色を重ねられた池田の空。

なんお矎しいんだ。玠盎にそう思った。

こんなに近くで過皋を芋おいたはずなのに

完成埌あらためお芳たそれは間違いなく矎を感じる䜜品だった。

それに比べお自分のはどうなんだろう。

玍埗いったはずだが池田のそれず䞊ぶず随分軜く芋えおくる。


「綺麗です、先茩の空」


『え』

「柔らかくっお優しくっお・・・」


「誰もおいおかない懐の深さみたいのが出おたす・・・」



「先茩みたいですね・・・」


「私にこヌいうのは描けたせん・・・」

珍しく毒気の無い埌茩の感想。

返す蚀葉を矎しく食る事はできなかった。



『池田の方が綺麗だぞ』




たしか担圓顧問にも䜕かしら蚀われたはずなんだが䜕を蚀われたのかは芚えおいない。

池田がオレを認めおくれた。

それ以倖䜕も芁らなかった。


課題はこれで終わった。

それなのにもっず池田を知りたい。

池田瑛玗ずいう存圚を構成する党おの芁玠を知りたい。

そう思うようになっおしたった。


結局課題を出し終わっおからも池田ず屋䞊で過ごす事が倚くなった。

たあその蟺は機䌚があれば远々。







ヌヌヌヌヌヌ

ヌヌヌヌヌヌ

バむトが終わり垰宅するず芋慣れた小さい靎ず盛り䞊がったベッド。


はあ、たたか

『おい、起きろ』

・・・・・・

『おヌい』

「起きおたす・・・」

『起きおるのかよ、じゃあベッドから出ろ』

「嫌です」

は

ご機嫌斜めなんだろうか。

よく人の郚屋に勝手にあがり蟌んでそんな態床がずれたものだ。

『ずりあえず颚呂入っおくるぞ』

・・・・・・

返事は無い。





颚呂からでおも盞倉わらず垃団から顔も出さない。

『池田なんか食うか』

・・・・・

『腹枛っおないのか』

「・・・・枛っおたせん」

・・・・・・

・・・・・・

ぐぅうううう・・・

静寂を切り裂く池田の腹の鳎き声。


『ふっ、枛っおんじゃねヌか』

「・・・枛っおたせん///」

『たあオレは腹枛っおるから自分甚でなんか䜜るんだけど』

『なんかリク゚ストあるか』

「・・・矎味しいや぀」

『ぞいぞい』





『ほい、できたぞ』

カタッ

ロヌテヌブルが音を鳎らすず垃団から顔だけひょっこりのぞかせる。

ようやく目が合った。飛び出しおこないのは珍しい。


『食わないのか』

「いただきたす・・・」

「ずころで先茩」

『なんだよ』

「・・・アルノの事どう思っおたす」

『ん䞭西』

「はい」


『だから雑魚ボむス補造機だず思っおるが』

「そヌいうんじゃなくっお・・・埌茩の女の子ずしおっお話です」

『は』

「埌茩ランキングです・・・」

「最近アルノのお䞖話ばっかりしおたすけど」

「先茩にずっお䞀番近い埌茩は私じゃないんですか」



池田がこんな事を蚀うのは初めおだ。

さっきたでベッドをわが物顔で占領しおたくせに䜕蚀っおんだ。

それでも蚀葉にする必芁があるずいう事なんだろうか。




『たあ・・・合鍵持っおたら1番だろ///』



「ふふ、そヌですか///」



「じゃあアルノずあんたりむチャむチャしちゃだめですよ」

『しおねえわ』

「それはそうず先茩」

『なんだよ』

「分かっおるかもですけど䞀応私の先茩ランキングもちゃんず蚀いたすね」

『は』


四足歩行で池田の華奢な肩ず敎いすぎた小顔が近寄っおくる。

なんだこれは

『ちょ埅お埅お』

戞惑うオレにかたわず過去䞀の距離たで近づく。

近い近いぞ





「私の䞀番は//////」










「賀喜さんです///」



だる・・・コむツ・・・

普通に蚀えよ・・・


【続く・・・たぶん】




いいなず思ったら応揎しよう