幼なじみの茉央#1(メイド編)【ご主人様は変わり者】
「朝ですよ、ご主人様。そろそろ起きてください」
『うーん・・・ああ、まお。おはよう』
「今日は朝のご奉仕、させていただけますか?」
『うーん・・・そういうのはいいかな』
「そうですか・・・でも何か言っていただかないと困ります」
『いや、そう言われてもこっちも困るんだけど』
「私も立場がありますので、助けると思って何か言っていただけませんか?私の身一つで出来る事で」
『うーん・・・じゃあ。添い寝とか』
「ご主人様がお望みならなんでもやりますが、そんなのでいいんですか?」
『うん、まおが嫌じゃなければ』
「嫌というか、そもそもご主人様の命令は絶対ですから。じゃあ失礼します」
ご主人様に背を向けてザ・メイド服を脱いでいく。
『ちょっと;;まお////なんで脱いでんの?』
「この服のままではご主人様のお布団を汚してしまいますので」
苦しい言い訳をしながら肌着姿でベッドに潜り込む。
少しでもそういう気分になってもらわないと・・・
小賢しい限界メイドの浅知恵だ。

『まお、体温高いね・・・』
「ご主人様が低いんですよ」
・・・・・・
沈黙がやけに長く感じる。
『まお、すごいいい匂いする・・・』
「そうですか」
・・・・・・
もうとっくに覚悟を決めているはずなのに心臓がうるさい。
『あのさ・・・嫌だったら断ってほしいんだけど・・・』
「はい、したい事があればなんでも言ってください」
『じゃあ・・・腕枕してもいい?』
「え、腕枕?私がされるんですか?」
『それはそうでしょ』
「いえ、ご主人様にそんな事させられません。私がします」
『ふふ、なにそれ。でもダメ、これは命令』
「・・・分かりました。じゃあ・・・失礼します」
思ってたのと違いすぎるやろ・・・
細くて引き締まったご主人様の腕に頭を乗せて、高い天井を睨む。
何やってんやろ。私・・・
私がご主人様を癒さなあかんのに・・・
『まお、こっち向いて』
「はい・・・」
『まお、いつもありがとうね』
過去一番近い距離のご主人様の顔が優しすぎて顔が熱くなる。
「な;;ち、近いです////」
『そりゃ、腕枕してるからね////」
『あのさ・・・なんか困ってる事ない?』
「ないです、よくしていただいてます」
『そっか、よかった・・・』
心底安心したように笑う。
なんでご主人様はいつもこんなに優しいんやろ。
このお屋敷に来て困った事なんて一つも・・・いや
「あの・・・」
『ん?』
「ご主人様は私の身体に興味はないんでしょうか?」
『え?』
「私はそういうお世話もするというお話でこのお屋敷にきましたが・・・全然手を出していただけません」
「単純に私に魅力がないからですか?やっぱり胸が大きい女性の方が・・・」
『待って待って;;;めちゃめちゃ興味あるし、まおはすごく魅力的だよ!!』
「でも・・・」
『ごめん、うちに来てくれる時にどういう話をしてるか詳しく聞いとくべきだった』
『とにかくオレはそういう行為を強要したくないよ。一時の快楽の為にそんな事したってお互い虚しいでしょ』
『まおがオレの事好きになってくれたら、いずれはって思うけど////』
『と、とにかくまおはもう大事な家族みたいなもんなんだから、嫌な事なんてしないよ』
『あ、でもオレは家族としてっていうか女の子として見てるんだけど////』
なんなんやろ・・・この人は・・・
今まで私が関わってきた人達とは全然違う。
器の大きさも、優しさの深さも、人としての厚みも、可愛さも全部規格外。
こんな人の近くにいたら、どうしたって魅入られてしまうわ・・・
こういう優しさってあるところにはあるんやなぁ、忘れてたわ・・・
『え;なんかごめん。泣かないで;;』
焦るご主人様の顔がぼやけて自分が泣いている事に気づく。
あれ?まだ私泣けるんや・・・
「・・・すいません、嫌だったわけじゃないので」
『ほんとに?』
「はい、それにしてもご主人様は変わってますね」
『え?そうかな・・・』
「裕福なお金持ちはみんな私利私欲にまみれてるって思ってました」
『それは・・・なかなかの偏見だね』
「少なくとも私が今までの人生で関わってきたのはそういう人達でしたから」
『そうか、大変だったんだよね・・・』
「まあ、それなりに・・・」
『・・・まお』
名前を呼ばれて頭をゆっくりと撫でられる。
まるで壊れ物に触れるように優しく・・・
私の欠けてしまった部分を一つ一つ修復するみたいに丁寧に・・・
『よく頑張ったね』
『もう一人で頑張るのは禁止』
『これも命令だからね』
もうとっくに枯れていたと思っていた涙が、
もう二度と味わう事はないと思っていた感情が、
溢れてぐちゃぐちゃになる。
結局布団汚してるやん・・・
そんな事を考えながら規格外の優しさに包まれていた。
ようやくはっきり見えるようになった天井。
ようやく喋れるくらいに落ち着いた呼吸。
「ご主人様・・・」
『ん?』
「私がご主人様の事を好きになったら手を出していただけるって話でしたよね」
『え;う、うん;;』
上擦った返事をする方向に再び顔を向ける。
「そしたら・・・優しくしてな////」

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『ーーーっていう夢だったんだよ、最高じゃない?』
・・・・・・
『まお聞いてる?』
「うん、最低やな。ホンマに・・・どんなメンタルしてんねん」
「勉強見てもらってる今の状況でようそんなの言えるな」
机越しに興奮状態の幼なじみを睨みつける。
どうやら私の怒りは届いていないらしい。
『いや、ほんとにまおは可愛いしスタイル最強だしメイド服超似合ってたんだよー』
「知らんわ;;アンタのメイドちゃうわ、幼なじみやろ!だいたいモノローグが私視点なのおかしいやろ!」
『そこはファンタジーだから!そういうもんだから!!そっちの方が読みやすいから!』
「隙あらばメタ発言すんのやめろや、また夢オチやし。だいたいエロい夢見た報告なんていらんわ;;;」
『いや、エロくないでしょ。純愛!純愛!』
『さすがに本番してたら言わないよ。それはオレだけの宝物だから!!』
「・・・最っ低やわ、ホンマに」

『いやー、夢の中のまおもめっちゃ可愛かったなー。添い寝してもらいたいなー』
ぐぬぬぅ////コイツ;;;『も』って・・ずるいやん。
こういうとこ昔っから////
『ん、まお大丈夫?耳まっかだけど』
「うっさい、アホ。もう知らん////」
なんでこんなやつの事ほっとけないんやろ・・・私は
【終わり・・・たぶん】
きっきが書きたくなって書きました。
この構成ならなんでも書けますね(笑)
感想もらえたら嬉しいです!
ありがとうございましたー!
