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【北米エンタメニュースまとめ】「漫画はホットな分野」「仏「古本市場の急拡大」で出版社に大打撃」「中国ショートドラマを集中取り締まり」「Spotify、Patreon型の有料サブスク発表」「紀伊國屋書店、バングラデシュに初進出」「講談社がインドに出版社」

エンタメビジネスをリサーチするlibroによる日々の北米エンタメ市場などのニュースなどのまとめです。今週は

  • 漫画はホットな分野 クールな子供たちを図書館に呼び込む

  • フランス「古本市場の急拡大」で出版社に大打撃…「海賊版」の大幅な普及も問題に

  • 中国ショートドラマを集中取り締まり、ネットでは「半分以上が消える」と懸念も

  • Spotify、Patreon型の有料サブスク発表 ポッドキャスターに大きなチャンス紀伊國屋書店、バングラデシュに初進出

  • 講談社がインドに出版社 日系大手初、まず「進撃の巨人」など200作

です。



漫画はホットな分野 クールな子供たちを図書館に呼び込む

日本のMANGAは米国の図書館員からも注目されています。ホットなカテゴリーであり、クールな子供たちが図書館に来る動機になっています。漫画はすっかり主流カルチャーになりましたが、その背景には熱心に漫画を支援してきた図書館員の力もあります。

もともと漫画はティーン向けでしたが、最近はもっと下の世代や大人も同様に図書館に来る理由になっています。「続きがある」というのも来館の動機に。こうした人たちがリクエストすることでさらに図書館の漫画蔵書が充実していきます。人気として挙がるタイトルは「光が死んだ夏」など書店でも人気の作品です。

移民の多い米国では日本とは違う受け取られ方をする作品も。「ドラゴンボール」の孫悟空は宇宙人として「自分の移民としてのステータスと結び付けて読む人もいる」とのこと。しいたげられた立場から出世するNARUTOの人気もわかる。

図書館ということで書店のように新作を売らなくてもいいので「君に届け」や「桜蘭高校ホスト部」とかも人気とか。

とはいえ新作の購入、棚の制限には課題もあり。レーティングの課題も。「チェンソーマン」はティーンに人気ですがレーティング上、大人向けにカテゴリーされています。


フランス「古本市場の急拡大」で出版社に大打撃…「海賊版」の大幅な普及も問題に

フランスで物価高騰もあり古本市場が急拡大。出版社にも影響しているようです。なんと電子書籍やオーディオブックの海賊版の利用者も多い。漫画やアニメも同様です。飯田さんの「コンテンツ摂取に積極的な層なわけであって、求めるものの多さと自分が払える金額が不釣り合いということなのだろう。」というのは納得です。確かに紙の本は貸し借りできて、デジタル版はだめというのは答えがだせない。


「ジャパンエキスポタイランド2027」はバンコク・セントラルワールドで2月26日(金)~28日(日)開催

タイの日本文化イベント「JAPAN EXPO THAILAND」が2027年は2月に開催。日タイ修好140周年ということで盛り上がりそう。


ナイジェリアを席巻する日本アニメ ― 西アフリカ最大の国で「オタク」が国民文化になるまで

アフリカで人口の多いナイジェリア。実はナイジェリアは日本アニメが受け入れられている国でもあります。ブラウン管時代から「るろうに剣心」と海賊版時代を経て、配信時代へ。もちろんCrunchyrollもサービスを提供しています。公用語が英語というのも大きい。

ただしこの配信の月額料金制はナイジェリアの所得からすると若者には高いらしい。コアファンと、非正規版を楽しむ人たちがコミュニティに共存していることになります。

そして「アンダードッグ」や仲間との絆に共感するのはナイジェリア特徴的だな、と。北米のスペイン語圏やなどにも近い。たぶん「ガチアクタ」も受け入れられる。

人気作品で上位10作品は少年漫画だけれども11位以下に「ヴァンパイア騎士」「赤髪の白雪姫」「会長はメイド様!」が入ってくるのが興味深い。


集英社は100周年で漫画の未来に目を向ける

100周年の集英社。記念で過去を振り返る展示ではなく、未来に目を向けて漫画のデジタル化やオーディオ化を進めるところが評価されています。


Romantasy専門の「Bad Girl Books」、英オックスフォードにオープン

英国の「mini summer romantasy festival」にあわせて、オックスフォードにRomantasy専門の書店がオープン。人気はまだ続きます。


仏書店、2000年来の出版物の急増に直面

https://www.lesechos.fr/tech-medias/medias/edition-les-librairies-font-face-a-lexplosion-des-publications-depuis-2000-2235470?Reseaux+sociaux+=CM_News_Twitter

日本も漫画含め出版物の多さが指摘されますがフランスも同じような状況に陥っています。


スウェーデンの街角で『魔道祖師』と再会した話。 北欧BL事情レポ

「魔道祖師」強いなー。BLはもちろん書店にもよると思いますが「DANMEI」が独立しているのがすごい。

【in中国】中国BLをネット小説からみる、黎明期から今までの略史

その中国BLの世界がこちら。中国本土での表現は厳しいですがグローバルで成功しつつあるジャンルのひとつです。女性向けの主要サイト「晋江文学城」ではなんと原稿料までもらえる。ただしこちらは性描写はNG。ということで性描写OKの18歳以上限定サイト「海棠文学」も登場しました。


仏パークにNARUTOエリア開業 運営元CEOが語る日本エンタメの未来

とうとうフランスのパークにNARUTOのエリアが開業。感慨深いですね。グローバルでお客さんを呼んでほしい。ついでに漫画も売ってほしい。


トロント公共図書館、「ルリドラゴン」などを2026年の「コミックス&マンガ」リストに選出

トロント公共図書館が公表した2026年の「コミックス&マンガ」リストに「ルリドラゴン」「KAMUDO」などが選ばれました。


U-KNOCK 2026 Japan Summit、日韓コンテンツのコラボに注目

日本と韓国のコンテンツビジネスのコラボレーションを促すU-KNOCK 2026 Japan Summitが東京で開催されます。韓国企業とのビジネスマッチングもあり。


中国ショートドラマを集中取り締まり、ネットでは「半分以上が消える」と懸念も

急成長し雇用を生んできた中国のショートドラマ市場で、政府が取り締まり実施を発表しました。「未成年者への不適切な内容」「ぜいたくの誇示や拝金主義」「低俗なタイトル」「ゆがんだ恋愛・結婚観」「ソフトポルノ的な際どい性的表現」「著作権侵害・海賊版」などが取り締まりの対象とのこと。


グローバルサウス10カ国で知財保護 ルールや人材支援へ課題調査

コンテンツ拡大ではJICAとはぜひ連携してほしい。


米国のオーディオブック市場、2025年は9%成長

足元で成長が続く米国のオーディオブック市場。25年も堅調な成長でした。オーディオ化されるタイトル数も増えています。もともとフィクション市場が中心ですが、25年はヤングアダルト含む児童書市場も伸びが大きかった。すでに「オーディオブックから」という作品も出てきています。「ながら聞き」ができるのは強い。そしてここでも海賊版問題。


ニューヨーク公共図書館×クラフトビールがコラボ

今年は米国が独立宣言採択から250周年記念でいろいろなイベントが開催されています。ニューヨーク公共図書館はクラフトビールとのコラボ。いいなーほしい。


Spotify、Patreon型の有料サブスク発表 ポッドキャスターに大きなチャンス

Spotify、いろいろ言われるかもですがビジネスの広げ方はすごいうまい。音楽配信で人々の「耳」「コンテンツ」を確保してからのオーディオブック(+紙の書籍販売)からのポッドキャスト、有料サブスクへ。Netflixのライバルになりそうなのですよね。「目」と「耳」の取り合いになっているのが面白い。


海外展開の二つの道とこれからの展望 / ハリウッド映画化と、日本が自ら作り届ける挑戦

カンヌ国際映画祭 2026の日本コンテンツ関連のパネルのまとめです。主に映像むけですが、漫画やアニメも大いに参考にできそうな助言が。耳を傾けたい。

彼らの意見を踏まえたうえで、「日本発のコンテンツ」とか「日本が作った」をあまり意識しなくてもいいのでは?という思いもあります。というのも私自身が翻訳小説とドイツ映画とハリウッド映画と漫画で育ってきたのが、個人のフィクションの好みは「どこの国が作った」とかに左右されるものではないと考えているからです。それよりは「こういうテーマやシーンに関心がある人」「〇〇という悩みを持つ人」という普遍的な感情へのアピールが必要なのではと考えています。


紀伊國屋書店、バングラデシュに初進出

https://www.shinbunka.co.jp/archives/13553

バングラデシュの財閥にフランチャイズで店名とノウハウを提供するかたちでバングラデシュに進出です。中心になるのは英語の書籍か。書籍や雑誌に加え、漫画や日本製文具も置く予定。


【イベントレポート】アニメ・マンガ・国内と海外を繋ぐ「横串のデータ分析」はなぜ必要か?分断されたデータが示す日本IPの可能性

非常に面白いし今後市場を拡大。分析していくうえで必須のデータだなと思います。一部はMANGA総合研究所の菊池健さんらが始めています。



YouTube再生数630万回突破の『魔法のない世界で生きるということ』、海外展開を加速 AnimeOshiを活用

英語圏では次のIPを生む場所としてYouTubeに注目が集まっていますがこちらもそうなるのか。

この中でもちろん劇場版アニメも期待したいのですが、英語圏向け推し活サイト「AnimeOshi」の活用が興味深いものでした。

基本はMyAnimeListのような既存アニメのレビューサイトなのです(銀魂がSFに入っていた)が面白いのはこのコミュニティでレビューを書くとかの活動をすると「推し活ポイント」がたまりそのポイントがプラットフォームで使えます。

「魔法のない世界で生きるということ」は特設ページを設けて署名募集の活動をしており、いまなら立ち上げ期からの応援メンバーに入れるとPR。さらにレビューを書くなどしてこの推し活ポイントが一定量集まると設定資料とかがみえるようになる。先行情報はもちろん、コミュニティとして情報のフィードバックもできるそうです。


VizMedia、「呪術廻戦≡(モジュロ)」などの2027年春の英語版出版を発表

https://icv2.com/articles/news/view/62610/jujutsu-kaisen-spinoff-new-junji-ito-slam-dunk-deluxe-detective-conan-gets-his-name-back-taiyo-matsumoto-samurai-story?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

VizMediaが2027年春の日本の漫画の翻訳計画を発表しました。「呪術廻戦≡(モジュロ)」などの英訳に加え、目玉は「名探偵コナン」をオムニバス版で出版しなおすというもの。

現在「名探偵コナン」は英語圏で「Case Closed 」というタイトルで出版されているのですが、工藤新一らの名前がローカライズで英語風に変えられています。毛利蘭は「Rachel Moore」になっています。それを「Detective Conan」とタイトル変えて出版しなおすとのこと。もちろん全員日本名のままに。ファンからも歓迎されています。



さらに「SLAM DUNK」も特装版の翻訳版が出ます。カラーページも収録。これは映画も再度上映してほしい。ついでに「ブザービーター」も翻訳版でないかな?

伊藤潤二先生はとうとう研究書の翻訳版が出ます。ジブリクラスになりましたね。


講談社がインドに出版社 日系大手初、まず「進撃の巨人」など200作

出版社がインドに本気に。まずは講談社が出版社を設立します。インドは英語版でも欧米の英語版より割安版が出ているので、ヒンディ語とあわせて狙いはそのあたりでしょうか。大日本印刷も資本を出すので、印刷もインドでしょうか。インドのIJ Kakehashi Servicesも出資します。

出資する大日本印刷はインドに法人持っているのでノウハウが生きてほしい。


この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

Link-UのIP事業は面白いですね。プラットフォームビジネスという観点では米国資本と中国資本の企業が強いですが「キャラクターIP」ベースで考えるとまだ日本のIPは強みがあります。ビジネス面でもこれから広告、グッズなどに活用したい企業はグローバルで出てくることを考えると、ライセンシングをきちんと管理できるプラットフォームの必要性は高まっていると思います。きちんと管理できてこそ、漫画家やアニメーターなどクリエイター側に還元することもできるようになるので。

KADOKAWA関連も目が離せない状態ですね。思わず「そういえばなんでKADOKAWAは上場したのか」と調べてしまいました。


【余談】 作家は印税で生活できるのか問題

「作家は印税で生活できるのか問題」がにわかに私のXのタイムラインで話題になり、読書猿さんのこちらの投稿がすごく勉強になりました。英国の作家団体はすでに登壇や出演を前提に報酬を設定しているもよう。日本でも作家のサイン会が有料になったりするのだろうか。個人的にはトークイベントは好きなので有料でも開催してもらえるとありがたい。

作家経営本としての「The Business of Being a Writer」は面白そう。

こちらは米国の統計ですが、ライターや作家の収入の統計。2024年時点の年収の中央値は7万2270ドル(日本円で約1150万円)。これは小説家だけでなく様々なタイプの書き手を含んでのこと。全米の平均に比べると高いですが、ライターや作家が大卒以上であることを踏まえ、米国の大都市で生活することを考えると十分とはいえず。地方都市であれば十分な生活水準ですが、NYCとかロサンゼルスとかだと厳しい。しかもこの数字は企業勤めのコピーライターや記者が含まれているので純粋な「作家」だともっと低い可能性も。


こちらは米Authors Guildによる作家の収入減の理由の調査です。サブスクからオーディオブック、電子書籍に紙の書籍と「書籍」の入手方法は広がっているものの、作家はその拡大の恩恵を十分に受けていないという指摘です。電子書籍のロイヤルティが低いとの意見もあります。図書館が電子書籍の貸し出しをはじめ利用が急増していることも影響にあるとのこと。

この記事にも詳しいですが「本を読んでいる」と答えていても新刊を買う人は少ないもよう。

一概に米国と日本は比較できませんが、そもそも「原稿料や印税で生活する専業作家」という職業が日本で成立したのはつい最近なのでもしかしたら明治時代のような「兼業作家」制度に一部戻るのかも。


今週はここまでです。引き続きよろしくお願いいたします。

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