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【午年2026】ピカソなど馬のアート35点から考える、これからの生き方

2026年は午年。
そこで、馬をモチーフにしたアートをたくさん集めてみました。
昨年はヘビのアートを集めましたよ

縁起が良さそうな干支の馬、調べるうちに馬のアートが

「2026年をどう生きるか?」

のヒントになる気がしてきました。

まずは有名?な馬アート5つを紹介します。


1.《ホイッスルジャケット》ジョージ・スタッブス

ジョージ・スタッブス《ホイッスルジャケット》

この絵、少し変です。
飼い主がいない。騎手もいない。背景もない。
あるのは、馬だけ。

本来、人間界で馬は誰かの所有物であり、権力や富の象徴。
でもこの絵はそれらの文脈が感じられず、役割から切り離され、ただ「存在している」

これを見て、どう感じますか?

私たちはもしかしたら、様々な所属や役割に支配されているかも。
もしも所属とか役割がなく、何でもできるとしたら、あなたは本当はどうしたい?
2026年の過ごし方として、そこに目を向けてみるのはどうでしょうか。

2.《青い馬》フランツ・マルク

《青い馬》フランツ・マルク

次はこれ。感情や精神の象徴です。
作家にとって、動物は人間より純粋な存在なのだとか。

この作品では、馬の強さ・速さなどの「機能」は表現されていません。
速いからこの馬!便利だからこの馬!と選ばれる馬じゃないんです。

何かしてくれる人じゃなく、ただそばにいてくれるだけで安心する存在、みたいな感じか。

2026年、正しさや効率とか、知識や物質的なものではなく、自分はどうありたいだろうか?
あれをやりたい、これがほしい、こうなりたい、じゃなく、どうありたいか。

3.《ゲルニカ》パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソ《ゲルニカ》

有名なゲルニカにも、真ん中の上のほうに馬がいますね。
これは特定の戦争だけじゃなく、あらゆる争いや暴力に対する普遍的な抗議のシンボル。

この馬は闘っていない。でも、黙ってもいない。
そんなふうに見えます。

2025年に、苦しかったこと。おかしいと思ったこと。2026年は、どうしますか?

4.《騎手》マリノ・マリーニ

マリノ・マリーニ《騎手》

騎馬像なのに、騎手が落ちそう。
この人間界では人間が馬を支配するものなのに、この作品ではそう見えません。

「全部コントロールできる」という近代の幻想が崩れた姿に思えます。
たとえばコロナの大混乱が記憶に新しい。最近ではAIの発展で想像を超えることが起きています。
物事や人を「コントロールしよう」というのは、エゴかもしれません。

2026年、あなたは何のコントロールを手放しますか?
あるいはその対象について、どう向き合いますか?

5.《Novecento》マウリツィオ・カテラン

マウリツィオ・カテラン《Novecento》

あの、壁にバナナをガムテで貼った人の作品です。
こちらはなんと、剥製の馬を天井から吊るしたインスタレーション。
これを見て、あなたはどう感じますか?

馬は権力や英雄、勝利の象徴。
なのにこの馬は、走れない。立てない。どこにも行けない。

権力の無効化、あるいは宙吊りで行き場のないエネルギーか。
これを2026年の話に置き換えるなら、こんな問いはどうでしょうか。

いま、力はあるのに使えていないことは何か?
あるいは、宙吊りのままにしていることは何か?

共存、あるいは支配について

さてここからは、私が実際にこれまで見てきた馬のアートを30点、紹介します。
iPhoneの写真フォルダを探したら、思いのほかたくさんありました。

写真をざっと見て、気になるものは文章も読んでみてください。

《潮》シャルロット・デュマ

まず最初に思い出した、馬が印象的な映像作品。

撮影が行われた与那国島は120頭ほどの野生の馬が生存しており、自由に歩き回っています。
この映像は、沖縄に生まれた少女と愛馬がどのように接し、共感することができるのかを物語っています。

《依代》シャルロット・デュマ

同じくデュマのこちらの作品も、とても可愛く神秘的。
デュマの愛娘アイヴィが馬の衣装を身に着け、一人でオランダから与那国島までを旅をするロード・ムービーです。

これ、なんと馬の胃結石(ベゾアール)です。
16.5cm × 16cm × 14.5cm、4.11kgあります。11kgを超えるものもあるそうで、人間が手術して取り除いてあげないと死んでしまうのだとか。

こうしたベゾアールには魔術の効力があると信じられ、粉末にして薬に使用されたり、貴族の部屋に飾られていたのだとか。

作家シャルロット・デュマはこう言ってます。

ベゾアールは神秘的なオーラを放っている。
その表面は惑星にも似て
それ故、動物の腹の中からやって来たのに
宇宙からやって来たようにも思われる。
これは、石を抱えていた動物が命題けでこしらえた
生涯の作品であり、抵抗の証でもある。
命とはかくも無常であることを、想起せざるを得ない。


村上早《Stray Child》

横浜美術館の改築中、工事の壁にあった作品。
馬と人間だけでなく、人と人も含めて、痛みを分かち合う、癒やし合う、傷つきながらも再生していく、そんな力の存在を感じます。

小林正人《名もなき馬》

こちらの作家は馬を「画家の肖像」と呼んでいるのだとか。つまり自身の分身として描いています。よく見ると絵筆を口にくわえてますね。

木枠を組み立て、キャンバスを張りながら絵を描くことで、画家と作品が一体に。木枠は骨、キャンバスが皮、絵具が血脈のように絵に命を吹き込みます。


《山の精霊たち》白水ロコ

神戸六甲ミーツ・アート2025にあったこちらは、幼い頃から動物とともに育った作家による、木彫りの精霊。

ジム・マンガン《The Crick》

アメリカ西部にある新興宗教の指導者が投獄された。崩壊しつつあるそのコミュニティの子どもたちを5年間撮った作品。
馬に乗って探検するなど西部開拓時代に倣い、現代生活の慣習の中ではほとんど失われてしまった自然に対する知識と親しみを得て生きる10代の少年たち。

笹岡由梨子《Working Horse - Brown》

一方こちらは、リサイクルの布やパーツでよみがえった動物たち。
2026年2月15日まで開催中の「プラカードのために」(大阪、国立国際美術館) にある作品です。

サイボーグ化した動物たちは、「愛しておくれ」「教えてくれや労働」などと歌い、労働と支配の関係を思わせます。

そういえばヨルゴス・ランティモス監督の映画「哀れみの3章」は、
・職場での支配
・家庭での支配
・宗教による支配
の三章だてで極端に支配が描かれていて、とても面白い。意外と身近なところに支配があるものです。

マーティン・パー

観光客は、旅先の美しい風景やリアルな体験を期待するのに、現実には観光客の人混みに紛れて歩くことになる。そんな皮肉を捉える写真家、マーティン・パーの作品。

馬は権力の象徴であることからも、観光客が場を支配しているように感じられます。

アンリ・ルソー《馬を襲うジャガー》

残酷な場面なのに、青い空と緑の森によって幻想的。
暴力的なシーンを、とても冷静に遠くから眺めてるような。

「遠くへ旅行したことはない」ルソーが想像で描いたせいだろうけど、異国の戦争や事件をテレビで傍観する私たちに通じる感じがします。

デ・キリコ《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》

神戸で見たこの作品。今で言えば「自己ブランディング」?
権力の象徴である馬が背後にいるけど小さく描かれており、自身がより大きく見えるように描かれています。
デ・キリコは合コンに自分よりブサイクを連れて行くタイプ…?

生き方、考え方について

レイモン・デュシャン=ヴィヨン《馬の頭》

マルセル・デュシャンの兄の作品。平面ではなく立体でキュビズムを表現するチャレンジングな作品。

タウス・マハチェヴァ《目標の定量的無限性》

馬はどこ…?
右隅の、「あん馬」ですね。けど、よく見ると変。

正しい体操の訓練をするこの場にあるのは、取手が一つしかないあん馬や、平行じゃない平行棒など。
ここで、何ができるだろう?あなたが体操の練習生なら、どうする?

平行棒を並行にしようとしたり、あん馬に取手をつけようとする?
受け入れるしかないその状況で、自分なりの正解を生み出す?
それとも?

正しさや状況がどんどん変わるこの現代社会での生き方を問われているような。

タカハシマホ《ROCKNG HORSE》

金箔に包まれた、乗り手不在の木馬。
幼少期の「ゆれる」記憶、あるいは大切な思い出かな?

富田菜摘

廃材に命を吹き込むような富田さんの作品は、いつも心奪われます。
消費について、あるいは役割を終えたものに対して、どう向き合うのか。
それは廃材だけじゃなく、人・モノ・時間・エネルギーなど。

Sung Hoon Kang《Wind Horse of Sky》

同じく野外似合ったこれは、韓国の公園で見た作品。
風を切り、空へ飛び立つ聖なる馬です。

玉木宏《Roots》

俳優の玉木宏さんは、103歳目前の祖父が亡くなったことを受けて、祖父の故郷を撮影した展覧会を開催していました。

《what is good?》嶌村吉祥丸

こちらは世界各地を巡る作家が「“good”とはなにか?」という問いへ向き合うことから選ばれた約200点のなかの1点。

横尾忠則

裸の人が馬の背中に片足で立ってる。サーカスの曲芸?
ピンク色のモヤがかかってて、夢の中みたい?
曲芸のように、あるいは踊るように生きるって良いなぁと。

他にも馬アートがたくさん!

藤原聡志

これのどこに馬…?
パトカーと馬をモチーフにしたオブジェらしい。

アルベルト・ジャコメッティ

ジャコメッティのこれは…?
犬でした。

桑田卓郎《つくしんぼう》

つくしは英語で "horsetail" 、馬のしっぽですね。
東京・丸の内にあるパブリックアートです。

石場文子《白のある風景#01_尼崎市道守部区画第6号線》

駐車禁止の「駐」の字に馬がありました。
あまり意識してなかったけど、これってつまり「馬は乗り物」という前提があるからですね。

ツアン・チョウチョイ

香港の地名を羅列した作品らしい。
「馬」が地名に入ってるとこ、多いのかな?
馬喰町、高田馬場、有馬温泉、あと何がある?

ピーター・ドイグ《馬と騎手》
角田麻有
矢部もなみ
《アシュワメーダ》アルピタ・シン
《HORSE RIDING》ONO-CHAN
山中南実

まとめ

伊勢神宮で見た神馬

午年だから馬のように前へ進む、だけじゃなくて。

2026年は、
どんなことに抗うか。
どこの手綱を緩めるか。
どうありたいか。
宙吊りにしてたことをどうするか。
本当はどうしたいか。

そんなことを考える良い機会を、馬のアートたちがくれました。

あなたが気になった馬や、それらの解釈など、ぜひコメントで教えてください。

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