「仕事ができる」とは、結局なんなのか
今日も残業。夜のオフィスで、ふと思う。
「自分、いつになったら仕事できるようになるんだろう」
周りには、テキパキ動く先輩。会議で的確な発言をする上司。次々と案件を回していく同期。
それに比べて自分は、目の前の作業を終わらせるだけで精一杯。
メール返信に時間がかかり、資料を作っても修正だらけ。
「自分は向いてないのかもしれない」と落ち込む日もあります。
でも、その悩み。実は多くの人が一度は通る道です。
そして、その答えを導くヒントがあります。
仕事ができる人は、単に“作業が速い人”ではありません。
彼らは、“ある視点”で仕事を見ています。
こんにちは。 サプライチェーン・マニアの瀬崎健です。
「仕事論」をテーマにお届けしているこのシリーズ。
前回は「会社に対する5大欲求」について書いていきました。
マズローの欲求段階説をベースに、私たちが仕事に求めるものは変化していくというお話。
さて、第5回目となる今回のテーマは「仕事ができるとは?」
一緒に考えていきましょう。
テスト100点と仕事の「できる」は、まったく別物
学校のテストでは、100点を取れば「できる人」でした。
ルールはシンプルです。問題があり、正解があり、採点基準も明確。与えられた問いに対して、正しい答えを書けば評価されました。
でも、会社に入った瞬間、その世界は終わります。
仕事には「模範解答」がありません。
「売上を上げる人が優秀なのか」
「仕事が速い人が優秀なのか」
「資料作成がうまい人が優秀なのか」
「上司に気に入られる人が優秀なのか」
どれも一部は正解ですが、本質ではありません。
仕事の本質は、とてもシンプルです。
「誰かの困りごとを解決すること」
これが、仕事の正体です。
会社が私たちに給料を払う理由も、突き詰めればそこしかありません。
お客様の困りごとを解決する。
社内の誰かの困りごとを解決する。
取引先の困りごとを解決する。
だから、「仕事ができる人」とは、問題解決できる人です。
「課題Aをやれ」は、実は命令の表面にすぎない
ここで大事なのが、「指示されたことを終わらせる」と「問題を解決する」は、似ているようで違うということです。
たとえば、上司からこう言われたとします。
「この資料、まとめておいて」
このとき、多くの人は「資料を完成させること」が目的だと思います。
でも、本当にそうでしょうか。
上司が欲しいのは、資料そのものではありません。
その資料を使って、会議を通したいのかもしれない。
部長を説得したいのかもしれない。
トラブルを解決したいのかもしれない。
お客様に安心してもらいたいのかもしれない。
つまり、資料は“手段”です。
本当に解決したい問題は、別の場所にあります。
ここを見抜ける人が、仕事ができる人です。
バスケで考える「できる人」の正体
これは、バスケットボールで考えるとわかりやすいです。
「バスケがうまい人」と聞くと、派手なドリブルや豪快なダンクを想像するかもしれません。
でも、本当に価値があるのは、「チームを勝たせられる人」です。
どれだけ個人技がすごくても、自分勝手なプレーでチームが負けたら意味がありません。
反対に、得点は少なくても、リバウンドを拾い、守備を頑張り、味方が動きやすいようにパスを出し、チーム全体を機能させる選手。
そういう選手が、本当に信頼されます。
仕事も同じです。
会社というチームを勝たせること。それが、仕事の本質です。
会社というチームを「勝たせる」ことが、仕事の本質
では、会社にとっての「勝利」とは何でしょうか。
突き詰めると、企業活動は大きく3つに集約されます。
「売上を上げる」
「費用を下げる」
「会社を存続させる」
このどれかに貢献している状態が、「価値を出している」ということです。
あなたに降ってくる仕事も、必ずどこかにつながっています。
だから、「課題Aを終わらせる」だけでなく、「これは売上アップのためなのか」「コスト削減のためなのか」「リスク回避のためなのか」と一歩引いて考えられる人は強い。
そして、全体像が見える人は、自然と行動が変わります。
「頼まれてはいないけど、関連データも調べておきました」
「この部署にも影響ありそうなので共有しておきます」
「今は問題ないですが、将来的に詰まりそうです」
そんな動きができるようになる。
すると周囲は、少しずつ感じ始めます。
「あいつ、ただ作業してるんじゃないな」
「全体を見てるな」
「任せると安心だな」
これが、「仕事できる人」の正体です。
サプライチェーン・マネジメントは「つなぐ仕事」の塊
特にSCM(サプライチェーン・マネジメント)は、この“全体を見る力”が非常に重要です。
調達、製造、物流、販売。
モノは、長い旅をしながらお客様の元へ届きます。
でも、その途中のどこか一箇所でも詰まれば、全体が止まります。
調達だけ最適でもダメ。
物流だけ頑張ってもダメ。
工場だけ効率化してもダメ。
全体がつながって初めて、価値になります。
だからSCMでは、「自分の担当だけ見ている人」より、「川の流れ全体を見られる人」が強い。
上流で起きた問題が、下流にどう影響するか。逆に、販売現場の変化が、調達へどう波及するか。
そういう“流れ”を見られる人が、組織を前に進めます。
新人のうちから、「自分の仕事は、どこにつながっているのか」を意識してみてください。
それだけで、2〜3年後の成長スピードは驚くほど変わります。
やり直しが多い人ほど、「目的」を見失っている
上司から修正を受けて、夜遅くまで残業。
「ちゃんとやったのに、なぜダメなんだろう」
そう感じた経験、ありませんか。
でも実は、多くの場合、
“作業”しか見えていないことが原因です。
「なぜこの課題をやるのか」
「上司は何を解決したいのか」
「会社にとってどんな意味があるのか」
そこまで見えるようになると、修正は一気に減ります。
次回は仕事論の最終回、「会社とのシナジーを追求する」です。
チームが勝てば、個人も幸せなのか?
組織と自分がハッピーな関係を築くとはどういうことか、深く掘り下げます。
お楽しみに。
