見出し画像

ランニングシューズで爪が黒くなる、小指が当たる?|2E・3E・4Eで選ぶおすすめ4足

こんにちは。元・大手スポーツ用品店マネージャーの佐伯です。20年以上、売り場でお客様の道具選びをお手伝いしてきました。

「走り始めたら、足の親指の爪が黒くなってしまって」「小指のあたりが当たって痛い」。ランニングを始めた方から、こういうご相談を本当によくいただきました。

そして話を伺っていくと、多くの場合、サイズ(長さ)は合っているのに、幅が合っていないんです。日本人には甲高・幅広の方が多いのに、シューズは長さだけで選ばれがち。今日は、この見落とされやすい「ワイズ(足幅)」の話と、幅別に選んだ4足をご紹介します。

長さは合っているのに痛い。その原因は「幅」かもしれません

シューズを選ぶとき、ほとんどの方が気にするのは「何センチか」です。でも、足には長さ(足長)と、もうひとつ「足囲・足幅」という寸法があります。

同じ26センチの足でも、細い方と幅広の方では、指の付け根まわりの太さがまったく違います。ここは体格や体重だけで決まるものでもなく、細身の方でも足だけ幅広ということは珍しくありません。

幅の合わないシューズを履くと、長さが合っていても、指が横から圧迫されます。爪が当たって黒ずんだり、小指や親指の付け根が擦れたりするのは、これが原因になっていることがあります。

売り場でご相談を受けたとき、まず足の幅を測らせていただくと、原因がはっきりすることがよくありました。

逆に、幅が広すぎるシューズも問題です。足が中で泳いでしまい、着地のたびに足が前後に動いて、爪先を打ちつけることになります。「大きめを買っておけば安心」とはいかないんですね。

ワイズは「E」の数で表されます

そこで覚えておいてほしいのが、ワイズという表記です。シューズの箱や商品名に、2E・3E・4Eといった記号が書かれているのを見たことがあるかもしれません。

ざっくり言うと、Eの数が多いほど幅広です。日本のメーカーでは、2Eが標準的、3Eがやや幅広、4Eがかなり幅広という位置づけになっていることが多いです。海外ブランドは日本ブランドに比べて細めの作りの傾向があるとも言われますが、モデルによって差があるので、同じブランドでも一足ずつ確認するのが確実です。

自分のワイズが分からない方は、スポーツ用品店の計測器で測ってもらうのがいちばん早いです。足長と足囲の両方を測ってくれるお店なら、その場で自分のワイズが分かります。

家での測り方や、サイズ選びの考え方そのものは、別の記事にまとめました。まだ自分の足を測ったことがない方は、そちらを先に読んでいただくと、ここから先の話がすっきり入ってくると思います。

どのくらい走るのかで、選ぶものは変わります

幅とあわせて考えたいのが、自分がどのくらい走るのかです。ここがはっきりすると、候補はぐっと絞れます。

週に2〜3回、30分ほどのジョギングから始める方なら、今回ご紹介するような手に取りやすい価格帯のモデルで十分です。むしろ最初から高価なモデルを買うより、走る習慣がついてから買い替えたほうが、自分に必要なものが見えています。

一方で、将来的にハーフマラソンやフルマラソンを目指したいという方も、最初の一足はここから始めて大丈夫です。走行距離が伸びてきて、脚の疲れ方が気になってきたタイミングで上のクラスに買い替えるほうが、自分に必要な性能がはっきりしています。

売り場でも、まず「どのくらい走る予定ですか」と伺うようにしていました。目的が決まると、迷いはかなり減ります。

知っておきたい、ワイズ展開の「偏り」

ここからが、実際に買うときの話です。売り場で困るのは、ワイズが広いモデルほど、選べる商品がぐっと減るということでした。

2E(標準)のモデルはたくさんあります。ところが3E、4Eと広くなるにつれて、扱っているシリーズもカラーも一気に少なくなる。「デザインで選びたいのに、幅で選ぶと候補が3つしかない」という声は、本当によく聞きました。

この展開の幅は、日本のメーカーのほうが手厚い傾向があります。今回3E・4Eで挙げるのがミズノとアシックスなのは、そういう理由でもあります。幅で困ってきた方は、まず国内メーカーから探すと見つかりやすいはずです。

もうひとつ。商品ページにワイズ表記がないモデルも多いです。表記がなければ標準的な作り、と考えておくのが無難で、幅に不安がある方はワイズがはっきり書かれているモデルを選ぶほうが安全です。

クッションは「厚ければいい」わけではありません

もうひとつ、よく聞かれるのがクッションの話です。「厚いほうが脚にやさしいのでは」と思われがちですが、厚ければ厚いほど良い、というものでもありません。

クッションが厚いシューズは、着地の衝撃を吸収してくれる一方で、その分だけ重くなり、足元が不安定に感じられることがあります。走り始めたばかりで脚の筋力がまだこれからという方が、いきなり極端に厚いモデルを選ぶと、かえって走りにくく感じることもあるんです。

売り場では、「これから走り始める方には、まず標準的なクッションのモデルを」とお伝えしていました。長い距離を走るようになって、脚の疲れ方が気になってきたら、そのとき厚めのモデルを検討すればいい。順番としては、そのほうが失敗が少ないと思います。

選ぶ前に、もうひとつだけ

幅と合わせて、試し履きの時間帯にも触れておきます。足は夕方にかけてむくむので、朝に選んだシューズが、夕方にはきつく感じることがあります。走る時間帯が決まっているなら、その時間に近いタイミングで試すのが理想です。

そして、実際に走るときの靴下で履いてみてください。厚手の靴下を履いて走るのに、薄い靴下で試着していたら、当然きつくなります。ランニング用の靴下は普段のものより厚みがあることが多いので、ここは意外と差が出ます。この2つは、売り場で必ずお伝えしていたことです。

では、ワイズ別に4足ご紹介します。いずれも、はじめの一足として選びやすい価格帯のものを選びました。

標準的な幅の方に|アシックス JOLT 4(2E・STANDARD)

まず、標準的な足幅の方に選びやすいのがアシックスのJOLT 4です。ワイズはSTANDARD(2E) で、多くの日本人の方にとって基準になる幅です。

ランニングにもウォーキングにも対応するモデルで、中敷きにORTHOLITE(オーソライト)が使われているのもポイント。踏み込んだときのクッション性と、内部の快適さを支えてくれます。

日本のメーカーは幅の展開を持たせた設計が多く、こうしてSTANDARD(2E)とはっきり表記されているだけでも、選ぶ側は判断しやすくなります。

ランニング専用として作り込まれた上位モデルに比べれば、機能はシンプルです。ただ、走り始めの時期に必要なものは、だいたいここに入っています。まずはこれで走ってみて、物足りなさを感じたときに次を考える。その順番なら、大きく外すことは少ないと思います。

「普通の幅で、まず一足」という方に、素直におすすめできる定番です。

甲高・幅広の方に|ミズノ マキシマイザー27(3E)

「いつも小指のあたりが当たる」という方に見てほしいのが、ミズノのマキシマイザーです。こちらは3Eの設定で、標準より一段階幅が広くなっています。

マキシマイザーは代を重ねている定番シリーズで(現行はこの27)、売り場でも幅で困っている方に案内しやすいシリーズでした。価格も手に取りやすく、はじめの一足として選びやすい位置づけです。

シリーズを通して、「他のメーカーだと小指が当たるけれど、これは大丈夫だった」というお声を何度も聞きました。もちろん足の形は人それぞれですが、幅で困った経験がある方が最初に試す候補としては、有力だと思います。

日本のメーカーは、こうした幅広の展開が比較的しっかりしているのが強みです。2Eだと窮屈に感じた経験がある方は、まず3Eから試してみてください。

かなり幅広の方に|アシックス GEL-CONTEND 9(4E・EXTRA WIDE)

3Eでもまだきつい、という方には、4E(EXTRA WIDE) のGEL-CONTEND 9という選択肢があります。

「幅広のシューズが少なくて困っている」というご相談は、売り場でも本当に多かったんです。とくに足囲が大きい方は、選択肢そのものが限られてしまう。4E展開があるモデルを知っておくだけで、選び方がずいぶん変わります。

こういう方は、これまで「長さを大きくする」ことで幅の窮屈さをしのいできたケースが多いんです。でもそれをやると、今度は足が前後に動いて別の問題が出ます。長さは足に合わせたまま、幅の広いモデルに替える。これが本来の解き方です。

同じアシックスでも、JOLT 4は2E、こちらは4Eと、幅で選び分けられるのがこのブランドの心強いところです。今回の4足のなかでは価格が一段上がりますが、幅で悩んできた方にとっては、その差以上の価値があると思います。

手に取りやすい一足|アディダス ギャラクシー 6

「まずは安く始めてみたい」という方に候補として挙げたいのが、アディダスのギャラクシー6です。今回のなかではいちばん手に取りやすい価格帯で、はじめの一足のハードルを下げてくれます。

ただし、正直にお伝えしておきます。このモデルには、ワイズの表記がありません。つまり、幅で選ぶという今回の軸からは外れる一足です。

ですから、幅で痛い思いをしてきた方には、先の3足をおすすめします。幅の不足を長さで補うのは、この記事の最初に書いたとおり逆効果になりますから、そこは変えないでください。

この一足が向くのは、まだ自分の足幅が分からない方や、とにかく手軽に走り始めてみたい方です。まず走る習慣をつけて、足に不満が出てきたら、そのとき幅で選び直す。そういう入り口としてなら、十分に役目を果たしてくれます。

買ったあと、走り始める前に

最後に、長く快適に走るために。新しいシューズは、いきなり長い距離で使わないでください。まずは短い距離や普段の歩きで慣らして、当たる場所がないか確かめるのが安心です。

そして、靴ひもはその都度きちんと結び直すこと。緩いまま走ると足が中で動いて、幅が合っていても靴ずれの原因になります。かかとをトントンと合わせてから、足首側をしっかり締める。これだけでフィット感がずいぶん変わります。

そして、買い替えの目安も知っておくと安心です。ランニングシューズは、走行距離でおよそ500〜800キロあたりが交換の目安とされることが多いです。見た目がきれいでも、中のクッション素材はへたっていきます。

「最近なんだか脚に響くな」と感じたら、走った距離を振り返ってみてください。ソールの減り方が左右で偏っていないかも、いい判断材料になります。

もし走っていて痛みが続くようなら、無理をせず休んでください。シューズを替えても痛みが取れない場合は、整形外科など専門の医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ|長さの前に、幅を知る

ランニングシューズ選びで、いちばん見落とされやすいのがワイズ(足幅) です。長さだけで選んで痛い思いをしてきた方は、ぜひ一度、自分の足幅を測ってみてください。

標準的な幅ならアシックス JOLT 4、幅が気になるならミズノ マキシマイザー27、かなり幅広ならアシックス GEL-CONTEND 9、細めの方や手軽に始めたいならアディダス ギャラクシー6。自分の足に合う一足が見つかれば、走ることはぐっと楽になります。

はじめの一足は、高いものである必要はありません。自分の足の幅を知って、それに合うものを選ぶ。ただそれだけで、走ることのつらさはずいぶん減ります。

足に合ったシューズで、気持ちよく走り始めてくださいね!

あわせて読みたい

自分の足の測り方と、サイズ選びの考え方は、こちらでくわしくまとめています。まず足を知りたい方は、こちらからどうぞ。

走り始める前の体づくりやケガの予防については、こちらを参考にしてください。

この記事はAmazonアフィリエイトに参加しています。参考になった方はフォロー、スキ、SNSでのシェアをお願いします!

いいなと思ったら応援しよう!