せうゆ色の蜃気楼
料理のさしすせそ。
醤油は「し」かと思ったら、「せうゆ」と表記して「せ」なのはややこしいし無理があるだろうと毎回思う。
しかし私の地元富山県では落ち着きがないことを意味する「忙しない」を「しょわしない」と言う。
じゃあ「せ」って「しょ」でいいのか。
勝手に納得してしまったがそれはさておき、私は子供の頃によく「しょわしないっ!!」と怒られたものだ。
自分で言うのもおかしいし信じられないが、しょわしない元気な少年だったと思う。
夏なんて毎朝ラジオ体操で友達と遊ぶ約束を取り付け日中はほとんど家にはいないし、宿題もギリギリまでやらないやんちゃっぷりだった。
プール、公園、町内会のキャンプ、実家の農作業の手伝い。
半袖半ズボンで駆け回る私はあっという間にせうゆ色に染まり、肌色は網の上で転がされるせんべいのように日に日に濃くなっていった。
何をしていたか思い出せないほど一瞬一瞬を全力で生きていたような気がする。
それが今はどうだろうか。
肌を出したくないと夏でも長袖長ズボンであるどころかUVカットパーカーや日傘で日焼け対策をしているではないか。
照り照りのせうゆせんべいはサラダせんべいになってしまった。
もっと言うなら白くて細長いのでもやしだ。
日中にくねくねとしようものなら見た者の精神に異常を来たす怪異と間違われるかもしれないので家からほとんど出ずに一人でスマートフォンを見ている。
このありえない変貌ぶりはなんなのか。
あの思い出は本物なんだろうか。
気がつかぬ内に暑さで頭がやられて幻を語っているだけかもしれない。
かろうじて確かな感覚が残る手に握られたスマートフォンの通知にふと、目をやる。
ばらんさん〜!エッセイ書こうぜ〜!
とんでもない豪速球が届いていた。
さっきの煩悶がどうでも良くなるほどありえなくて面白い現実に、私の心は急激に色めきたった。
思わず日本人に刻まれしDNAに従ってバットとグローブを探したが、そんな物は家に無いしエッセイを書くには必要ない。
この彩りをなんと表現しようか。
「せ」と「ぜ」を脳内でこねくり回しながらスマートフォンを握り直す。
次は誰の番?
終わりに近づく夏に、
私の中で新たな色が加わりそうだ。
こちらの記事は、
「#エッセイしりとり」コンテスト
として繋いでいただいたバトンを受け取り書かせて頂きました。
↓マイキーさん主催の、コンテスト概要
今回、私にぜ(せ)で繋いでくださったのは、猫杓子さんでした。
旦那様からの無茶ぶりも、地球を釣り上げるほどの腕っぷしで見事にエッセイに仕立てあげる文豪からめり込む勢いで渡されたバトンでしたがなんとか書けました。
フォローさせて頂いている方がこの企画に参加されているのを何度か読んで楽しませて頂いていましたが、まさか自分に回ってくるとは思ってなくてびっくりしました。
貴重な機会をありがとうございます!!
次は誰の番?で締めましたがバトンを渡す方を決めるのは私でしたね。
私がバトンを渡して書いて頂きたいのはこの方々です。
・Chikuwaさん
人間大好きChikuwaさん。
いつもお世話になっております。
バトンを回す方を考えていたら真っ先に思い浮かびました。
文章のリズム、言葉選びが個性的で思わず唸るような表現を使いこなすChikuwaさんがこのテーマにどういうエッセイを書かれるか気になります。
・オルカさん
勝手に姉御!っと尊敬しているオルカさん。
ちょうど今日投稿された記事にも書かれていましたが、旅行記、コラム、エッセイ、雑記、ブチ切れ、ラジオ、ショートショートなど多彩なジャンルで投稿されています。
パワフルで人間味が溢れる記事を書かれる印象が強いので、何らかの賞に入選するような大立ち回りをついつい期待してしまいます。
・zarinamoさん
私にとってnoteでエッセイと言えばzarinamoさんというくらい、いつも楽しく読ませて頂いております。
ただ雲の上のような存在なのでこういうバトンを回していいものかすごく悩みました……
まぁ言うだけならタダなんで……
私からのバトンは「う」です。
強制ではありませんし、企画の締め切りが8月31日までと期間が短いのでご都合つけばで大丈夫です。
お時間に余裕がありましたら、「う」から始まるタイトルのエッセイを一本お願いいたします。
●バトンを渡した人の記事のタイトルの最後の文字をタイトルにつける(今回はう)
●本文140字〜3000字
●締め切りが8月31日まで
●「#エッセイしりとり」のタグをつける
●3名以内で次の人に繋げる(繋げなくてもいい)
私的には参加出来て楽しかったです。
他の方の作品もこれから読もうと思います!
よろしくお願いします!
