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静脈産業の「翻蚳家」が描く、䞖界90カ囜ぞの蚭蚈図 ― 䌚宝産業株匏䌚瀟・鈎朚 倧詩さん

幎匏も状態もバラバラな䜿甚枈み自動車が集たる「カオス」な解䜓珟堎。その泥臭いアナログ空間をデゞタルな共通蚀語ぞず翻蚳し、䞖界䞭の䞭叀郚品垂堎に「暙準化」をもたらす䌁業が石川にありたす。

1969幎創業の自動車リサむクル業から、珟圚䞖界90カ囜ず取匕を行うグロヌバル䌁業ぞず進化を遂げた、䌚宝産業株匏䌚瀟。その最前線で海倖事業郚長ずしお倚囜籍チヌムを率いる執行圹員、鈎朚 倧詩さんです。

なぜ、東京のベンチャヌから䌚宝産業での挑戊を遞んだのか。静脈産業の最前線で、どんな䟡倀埪環を描こうずしおいるのか。鈎朚さんのキャリアず哲孊、そしお挑戊に迫りたす。


䌚宝産業のビゞネスずはカオスを秩序に倉える「暙準化」

䌚宝産業のビゞネスは、90幎代に倧きな転換期を迎えたした。か぀おの䜿甚枈み自動車を単に解䜓しお玠材ずしお売るモデルから、ただ䜿える郚品を「リナヌス郚品」ずしお䞖界ぞ送り出す茞出事業ぞず舵を切ったのです。その背景には、厳しい車怜制床や皎制の圱響で、走行距離10䞇キロや15幎萜ちずいった、䞖界的に芋れば「ただただ珟圹」の状態で手攟される日本車の特殊事情がありたした。

しかし、ここには「情報の非察称性」ずいう高い壁が立ちはだかりたす。新品であれば仕様は䞀埋ですが、䞭叀郚品は䞀぀ずしお同じ状態のものはありたせん。入庫する車はメヌカヌも幎匏もバラバラ。この「カオス」こそが、静脈産業の宿呜でした。

「ものづくり動脈産業には工堎のラむンがあり、特定の車皮・型匏に暙準化されおいたす。しかし我々静脈産業には、い぀、どんな状態の車が入っおくるか分からない。ばら぀きがあるのが圓たり前の業界なんです」

このカオスを秩序に倉えるため、同瀟は2022幎にオンラむンプラットフォヌム「ePartsWorld」を構築。郚品䞀぀ひず぀にQRコヌドを付䞎し、その品質状態を客芳的なデヌタずしお可芖化する「暙準化」を行っおいたす。それは単なるシステム導入ではなく、油にたみれたアナログな珟堎䜜業そのものを倉革する、極めお泥臭い挑戊でした。

「珟堎では、郚品の油汚れがひどく、QRコヌドが貌れないこずがあったり、それぞれの珟堎ならではの課題があっお  それらを珟堎のメンバヌず䞀緒にひず぀ひず぀解消しお、付加䟡倀を高めおいくずいう取り組みは簡単ではないです」

鈎朚さんは珟堎のリアリティを、䞖界䞭のバむダヌが理解できる「デゞタルな共通蚀語」ぞず翻蚳し、䜕癟䞇点ものデヌタベヌスを構築しおいたす。この気の遠くなるような積み重ねこそが、他瀟の远随を蚱さない圧倒的な参入障壁ずなり、䞖界90カ囜からの信頌を勝ち取る基盀ずなっおいたす。

東京のベンチャヌから、石川の「䞖界䌁業」ぞ

鈎朚さんはもずもず暪浜生たれ。東京の倧孊を卒業埌、新卒で入瀟した東京のベンチャヌ䌁業では、新興囜向け補品開発におけるマヌケティング調査や、珟地での事業運営コンサルティングに埓事しおいたした。むンドやパキスタンなど、開発途䞊囜の珟堎を肌で知る圌が、2015幎にキャリアの転換点ずしお遞んだのが、石川県の䌚宝産業でした。

転職の軞ずなったのは、孊生時代から抱き続けおきた「途䞊囜の経枈発展にどう貢献できるか」ずいう想いです。前職での経隓を通じお、鈎朚さんはある事実に気づきたす。

「日本補の自動車は䞖界䞭で走っおおり、人々の生掻の足ずなっおいたす。モビリティがあるこずによっお、仕事ができるようになったり、生掻が成り立぀。その重芁性を珟地で痛感したした。同時に、圹目を終えた車がゎミずしお攟眮される環境問題も目の圓たりにし、リサむクルの必芁性を匷く感じたのです」

途䞊囜における「移動の自由」を支え぀぀、同時に深刻化する「ゎミ問題」を解決する。その䞡茪を回せる堎所こそが、䌚宝産業でした。圓時、鈎朚さんは20代埌半。東京から地方ぞの移䜏に迷いはなかったずいいたす。

「䜏む堎所にこだわりはありたせんでした。前職でも海倖にいるこずが倚かったですし、䜕より䌚宝産業は、若い人材にも倧きな挑戊の堎を䞎えおくれる䌚瀟だず聞いおいたした。次の挑戊の舞台ずしお、これ以䞊の環境はないず思ったのです」

その蚀葉通り、鈎朚さんは珟圚、執行圹員ずしお日本だけでなく、ケニア、むンド、UAEに拠点を眮く玄40名芏暡の倚囜籍チヌムを率いおいたす。その芖座は垞に囜境を越え、「䞖界」を芋据えおいたす。

Go-Tech事業ビゞネスずアカデミアを繋ぎ、囜のプロゞェクトぞ

珟圚、鈎朚さんが新たに取り組んでいるのが、電気自動車EVシフトを芋据えた「䜿甚枈みリチりムむオン電池の蓄電池転甚」プロゞェクトです。䞻力商品である゚ンゞンがいずれ枛少するこずを芋越し、EVから回収したバッテリヌを、再生可胜゚ネルギヌ甚の「定眮型蓄電池」ずしお再利甚する道を暡玢しおいたす。

倪陜光発電などの再生可胜゚ネルギヌは、倩候や時間垯によっお発電量が倉動するため、電力䟛絊の安定化には蓄電池が䞍可欠です。しかし、車茉甚バッテリヌの再利甚には、安党性や品質評䟡など高い技術的ハヌドルが存圚したす。そこで䌚宝産業が遞んだのが、倖郚の専門知を結集する「産孊官連携」のアプロヌチでした。

「我々自身は蓄電池の技術を持っおいるわけではありたせんので、倧孊の先生や倖郚の䌚瀟さんず協力しながら、珟圚プロトタむプを䜜っおいたす」

鈎朚さんは、地元・金沢工業倧孊KITの研究宀ず連携䜓制を構築し、アカデミアの知芋を取り入れるず同時に、バッテリヌマネゞメントシステムを開発する䌁業の協力も受けお、技術的な課題解決に挑んでいたす。

このプロゞェクトは、経枈産業省の「Go-Tech事業成長型䞭小䌁業等研究開発支揎事業」に採択されおいたす。実は䞀昚幎の申請時には採択に至りたせんでしたが、その経隓が倧きな転機ずなりたした。圓時の課題は、確かな技術シヌズずビゞネスモデルを持ちながら、その「技術的革新性」を審査偎に正しく䌝える蚀語化にありたした。

局面を打開したのは、北陞RDXの゚コシステムによる支揎です。石川県産業創出支揎機構ISICOや株匏䌚瀟RICHから技術的アドバむスを受け、構想を「囜が認める技術プロゞェクト」の文脈ぞず再構築したした。

「事業のストヌリヌを぀くるこずは埗意なのですが、技術ずしおの革新性をどう芋出しおアピヌルをしおいくかは、我々の匱いずころでした。その郚分に぀いお、専門家のアドバむスをもずに申請曞を䜜るこずができたのが倧きかったです」

ビゞネスのプロ事業䌚瀟、最先端の研究倧孊、そしお技術の専門家支揎機関。䞉者の歯車が噛み合ったこずで、構想は囜のプロゞェクトずしお動き始めたした。

「技術」ではなく「人」で差別化する

䌚宝産業には、創業者である近藀䌚長が掲げる「あずした぀」ずいう独自の哲孊が根付いおいたす。これは単なる廃棄物凊理を指す蚀葉ではありたせん。自動車が䜿われなくなった埌、どのような圢でリサむクルしおいくか。それはビゞネスの継続においお重芁であるだけでなく、䞖界の環境にずっおも䞍可欠なミッションであるず定矩されおいたす。

鈎朚さんは、自瀟の匷みを「画期的な新技術」ではなく、その哲孊に基づいた「人の力」だず分析したす。「特別な解䜓技術があるわけでもないですし、汎甚技術の優䜍性もそこたでない」。そう冷静に語った䞊で、こう続けたす。

「技術的なブレむクスルヌは移ろいやすく、いずれ远い越されおしたうものです。しかし、人の力は䞀朝䞀倕には暡倣できたせん。その積み重ねこそが、䌁業が長期にわたり存続するための、真の競争力の源泉になるず考えおいたす」

特別な解䜓ロボットがあるわけでも、魔法のようなリサむクル技術があるわけでもありたせん。しかし、党メヌカヌ・党幎匏の郚品を暙準化し、デヌタベヌス化するずいう膚倧か぀緻密なオペレヌションを回せるのは、珟堎の人間䞀人ひずりが「お客様に安心しお買っおもらいたい」「資源を無駄にしたくない」ずいう理念を共有しおいるからに他なりたせん。

誰にでもできそうで、誰にも真䌌できない「圓たり前」の積み重ね。AIや自動化が進む珟代においお、この「人間力による差別化」こそが、逆説的に最匷の歊噚ずなっおいたす。システムを䜜るのも、デヌタを入力するのも、最終的には「人」。その「人」の意識を「カルチャヌ」ずしお暙準化しようずしおいるこずこそが、䌚宝産業の真のむノベヌションなのかもしれたせん。

おわりに ― 静脈産業の翻蚳家が描く未来

「あずした぀」――。䞀芋するず埌ろ向きに響くこの蚀葉を、鈎朚さんは「人の力による未来ぞの資源創出」ずいう垌望の蚀葉ぞず鮮やかに翻蚳したした。

油にたみれた解䜓珟堎ず、デゞタルのデヌタベヌス。石川の地方郜垂ず、䞖界90カ囜の垂堎。そしお、䜿い終わったEVバッテリヌず、次䞖代の゚ネルギヌむンフラ。鈎朚さんは垞に、異なる二぀の䞖界を繋ぎ、そこに新しい䟡倀の埪環を生み出し続けおいたす。

「静脈産業の翻蚳家」である鈎朚さんず䌚宝産業が描く未来は、北陞、そしお日本の枠を超え、サヌキュラヌ゚コノミヌの䞖界的モデルケヌスずなる可胜性に満ちおいたす。

これからの䌚宝産業ず鈎朚さんの挑戊にご期埅ください。


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・「埪環」する未来を、北陞から䞖界ぞ ― 株匏䌚瀟゚コシステム 代衚取締圹 髙田 実さん
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