いい歳こいたおっさんが久しぶりにプラモデルを作る話 その48 ノースロップF-5B編
祝!50機達成!
いきなりですが、当「いい歳こいたおっさんが久しぶりにプラモデルを作る話」は、今回で50機目です!祝50機!ドンドンパフパフ~!
なお、奥さんからは呆れられています……
ノースロップF-5B フリーダムファイター
以前、F-5EタイガーIIを製作したことがありますが、今回取り上げるF-5A/Bの設計(1950年代)から20年後に仕様を近代化した改設計機がF-5E/Fとなります。
第二次世界大戦が終結し、朝鮮戦争が今まさに始まろうとしていた1950年頃のお話です。米海軍にとって艦載機のジェット化は急務でしたが、機体がレシプロ機に比べて大型化したため、WW2で大量に生産された軽空母ではとても運用出来ない状況でした。海軍の選択肢は二つ。大量に配備した軽空母を捨てて空母の大型化に進むか、軽空母でも運用できる小型ジェット艦載機を開発するかです。そこでノースロップは軽空母でも運用できるような小型ジェット戦闘機を作れば海軍に売れるんじゃね?と考え、自費でN156という社内開発コードの軽量ジェット戦闘機を企画しました(それまでのジェット艦載機はFH初代ファントムやF3Dスカイナイトといった、巨大で鈍重で(以下悪口ばかりになるので自粛)……なものばかりで、近代的な大型空母でないと運用できない状況でした)。
ところが米海軍はフォレスタル級以降、軽空母を次々退役させ空母の大型化という方針を選択したため、N156は売り込み先を失ってしまいました(F-5の艦載機型、見てみたかったですね。今度架空枠で作ってみようかな?)。
一方、米国議会は西側同盟諸国支援のために供与する戦闘機の選定に困っていました。東側諸国がソ連から供与される戦闘機は、朝鮮戦争の悪夢MiG-15を始め、MiG-17、MiG-19とどんどん進化していくのです。
それに対して米国は、最初こそMiG-15と対等に渡り合えるF-86セイバーを同盟諸国に供与したものの、それ以降の米空軍保有機種はセンチュリーシリーズという、大型で鈍重で格闘戦より爆弾搭載能力と超音速性能を重視した、同盟諸国に供与するには相応しくない高価で整備性も悪いハイスペック機ばかりという状況になっていました。つまり、同盟諸国に供与するのに都合の良い、「そこそこの性能で、安価で整備性が良くて維持しやすい、使い勝手の良い」機種が存在しなくなってしまったのです。
一部の同盟国(例えば日本や西ドイツやイタリア……って、全部旧枢軸国じゃないか(苦笑))は高価・高性能なセンチュリーシリーズのうちF-104を導入しましたが、それ以外の同盟国や、第三世界の親アメリカの国はそうもいきません。
そこでノースロップが自主開発したN156に白羽の矢が立ちます。国防総省はN156にF-5の用途任務記号を与えて制式採用し、ソ連に対抗するため、「フリーダムファイター(自由の戦士)」という名称で同盟諸国に供与を開始しました。
F-5A/Bはレーダーを省略したため、スパローのようなレーダーホーミングミサイルの運用能力はありません。赤外線ミサイルのサイドワインダーは運用できますが、レーダー連動ではなくミサイルの赤外線シーカーがキャッチする目標の赤外線反応のトーンを耳で聞いて発射します。
コクピットにあるHUDのようなものもHUDではなく前時代的な照準器です。こうして仕様を抑制した結果、F-4ファントムIIの三分の一にまでコストを圧縮できたと言われています。まさに「軽」戦闘機の雄ですね。
F-5Aは単座で、機首に固定武装の機銃を2丁装備しています。F-5BはF-5Aに前席を追加して複座にしたため機銃を設置するスペースがなくなり、固定武装はありません。ただし爆弾やミサイルの運用能力は残しているので戦闘は可能です。
こうして、同盟諸国に生き渡ったF-5A/Bフリーダムファイターですが、ライバルのミグがMiG-21、-23、-25とさらに進化していくのに対抗し、F-5シリーズも近代化改修を施したF-5E/FタイガーIIへと進化していくことになります。
そのあたりは過去の記事(F-5EタイガーII編)や、さらにその後の顛末を扱った記事(F-20タイガーシャーク編)をご参照ください。
製作

今回使用するのは、イタレリのF-5Bです。中身はかつて同じイタリアのメーカー、エッシーから発売されていたもので、イタレリ純正のF-5Eとはまったく金型設計に互換性がありません(と言ってもイタレリのF-5Eを作ったことが無いので違いが良く判りませんが、イタレリのF-5Eは90年代にタミヤのウォーバードコレクションシリーズとして国内販売されていたので、ご存じの方は多いと思います)。

(2026年4月現在)
イタレリ製品がタミヤのパッケージで
国内販売されていました。
当時の価格は税込み990円!
いま、イタレリの同一商品を買おうとすると、
3~4000円(物によっては5000円)はします。

ランナーはこれで全部です。実にシンプルで良いですねぇ。
全体に控えめながらくっきりとした、繊細かつ上品な凹モールドが施されています。
いつものイタレリ製品のおおらかなモールドと全然違います。流石エッシー金型。
……と書いたら、この頃のエッシーは日本に金型を発注していたという情報を頂きました。さすが日本の金型屋さんは良い仕事をしますね。

デカールとインスト。デカールはモデラーみんなが喜ぶカルトグラフ社製です。確かに印刷(発色)が奇麗なんですよね。ニスの余白もほぼ無いし。
そういえば、現在イタレリはカルトグラフ傘下なんでしたっけ?エアフィックスはハンブロール傘下だというし。欧州のプラモデルメーカーは印刷屋さんや塗料屋さんに組み込まれているのか……

定石通り、コクピット内装から塗り始めます。いつものC73エアクラフトグレーを使います。
座席の座面はC320濃松葉色です。

コクピット内装色が乾くまで、インストの順番を無視して先のステップの組み立てを行います。
主翼下面と胴体下面の、脚納庫ハッチを閉じます。

エアインテークも組み立てます。この分割(インテーク外側とスプリッター板に分割する)が20世紀のエアモデルの常識だったのですが、前回取り上げたアカデミー社のT-50がスライド金型を用いてエアインテークを一体成型したのには驚かされました。おかげで1工程減ったのです。常識はいつか覆されるものなのですね。

ノーズギアのハッチも閉じます。ノーズギアのハッチには四角い穴が空いているんですね。ユーロファイターの時と同じです。

コクピット内装色が乾いたので、計器パネルにデカールを貼っていきます。
印刷がシャープで発色も良いのですが、糊が弱いのでマークセッターが必須となります。
座席の中央にパーティングラインが走っていますが、フィギュアを乗せれば見えなくなるため、作業はそのまま進めます。

コクピットを左右の機首パーツで挟んで……

流し込み接着剤で機首を閉じます。
座席は乗せているだけで、まだ接着はしていません(グレアシールドの塗装の邪魔になるため)。

機首を反対側から撮影。繊細な凹モールドが判りますでしょうか?

各パーツの準備が出来ました。

おっと、前縁フラップの取り付けを忘れていました。
なぜだか別パーツなんですよ。
このキットに付属のインストは、前縁フラップの取り付け指示が左右逆なので要注意です。
韓国のウルフパックブランドの製品も同じ金型の商品をデカール替えで発売していますが、某サイトでウルフパックのインストを見ていてイタレリのインストと指示が逆なので気づきました。具体的に言うと部品番号⑦と⑧が逆です。

士の字になりました。ただし、主翼、尾翼は差し込んだだけでまだ接着していません。機首、エアインテーク、胴体の3パーツが接合する接着ラインの継ぎ目消し(ペーパー掛け)の邪魔になるためです。

コクピット内のグレアシールドを、黒で筆塗りします。写真に撮り忘れましたが、この塗装の前に#400から#1200までサンドペーパーを掛け、胴体の継ぎ目を消しています。

前々回の記事(KF-21ボラメの回)で触れた、パイロットフィギュアのコピーを座席に座らせます。フィギュアはエポパテで複製しているので、プラ用接着剤では接着できません。ここでは木工ボンドの粘着力に頼ります。

グレアシールドの黒が乾いたので、透明パーツを木工ボンドで接着します。
HUDのように見える部品は、照準器です(HUDを始めて搭載した米軍機はA-7コルセアII)。

パイロット接着済みの座席をコクピット内にセットします。

いつもはキャノピーは単体で筆塗りしてから塗装済みの胴体にくっつけているのですが、前々回のKF-21から手順を変え、先に胴体に接着してから胴体と一緒に塗装するようにしています。
この変更には特に意味はありません(気分の問題)。
キャノピーの隙間からスプレーが室内に吹き込んでもらっては困るので、多めに木工ボンドを盛りつけて隙間を埋めます。

既に胴体やエアインテークの継ぎ目は消しているので、気兼ねなく翼類の接着ができます。

翼の接着、完了です。翼端はひょうたん型の増槽とサイドワインダーの選択式になっています。ここはフリーダムファイターの特徴であるひょうたん型の増槽を取り付けます。

ジェットノズルを塗り忘れていたので、このタイミングでC61焼鉄色で筆塗りします。

そうこうするうちにキャノピーの木工ボンドが乾燥したので、はみ出ている部分を塗れティッシュで拭き取ります。あまりゴシゴシやると、キャノピーの接着そのものが外れてしまうので要注意です。

マスキングテープで窓枠を養生します。

窓枠の下地として黒を塗り、ついでにノーズのアンチグレアも塗りました。しかし、これは不要な作業だったのです……

黒を筆塗りし、まる1日乾燥させ、銀を塗装しようと思ったところで、「あ、銀の下地に黒を塗らなきゃ」と気づきました。

全体に半艶の黒をスプレーします。さきほどの筆塗りは意味がありませんでした(泣)。
おかげで無意味に1日を失いました。

またしてもまる1日をかけて黒を乾燥させたあと、割り箸の持ち手をマスキングテープでくっつけます。

メインの塗装はまずは下面から。タミヤのAS-12シルバーメタルを吹きます。銀も他の色と同じで薄く何度も「砂吹き」を繰り返します。

上面も砂吹きを繰り返し、徐々に塗膜を形成していきます。最後に一度だけたっぷり吹いて、24時間放置して乾燥させます。
24時間後、乾燥したことを確認してアンチグレア塗装のためにマスキングします。

今度こそアンチグレアの黒を筆塗りします。この黒はシンナーでシャバシャバに薄めており、流動性は抜群(水のように流れる)ですが、色が薄く、何度も重ね塗りする必要があります。
とりあえず筆にたっぷりと塗料を取り、ワークに塗ります。写真を観ても、かなりたっぷりと塗料がのっているのが判ると思います。たっぷり塗ることで、乾燥までに塗膜表面が平滑になり、筆ムラが残らなくなります。
ただし も の す ご く 薄めているので、こんなにたっぷり塗っても乾燥すると下地が透けて見えます。
乾いていない状態で重ね塗りすると下の塗膜を溶かしてそぎ落としてしまい、塗膜表面がデコボコになってしまうので、透けて見えてもすぐには繰り返して塗らず、乾くまで我慢するしかありません。

完全乾燥する前にマスキングテープを剥がします。アンチグレアの表面に筆ムラはありませんね。成功です。
黒の塗料の流動性が高かったので、銀の窓枠にまで浸入しています。そのような部分は、面相筆で銀をレタッチします。

さて、全ての部品の銀塗装が完了しました。最終組み立ての前にデカールを貼ります。
なお、写真に写っている爆弾は、他のキットからの流用です。このキットにはパイロンのみ付属しており、このパイロンに懸架する武器は付いていません。本当はブルパップ対地ミサイルでも搭載しようかと思っていましたが、別売りのウェポンセットが手に入りませんでした。

デカールを貼ります。このキットに付属しているデカールはかなりしっかりした材質ですが、弾力性に乏しく、また糊が弱いため、曲面に馴染みません。

そこで、マークセッターが必須となります。マークセッターでびしょびしょに濡らしながらデカールを貼っていきます。

デカールを貼り終えました。実際には、まだ「NO STEP」のような小さなコーションレターが残っているのですが、機体全体がマークセッターまみれになっているのでこれ以上触ることが出来ません。
もし乾燥前に触れると、溶けてぶよぶよになったデカールが変形したり破れたりするという大事故になってしまいます。
胴体や垂直尾翼に貼った黄色いデカールがマークセッターで軟化し、浮いてシワになっているのが良く判ると思います。
まる一日放置して、マークセッターの乾燥を待ちます。

マークセッター乾燥後です。垂直尾翼や胴体の黄色いデカールのシワが減り、キットに密着していることが判ります。

デカールを貼り終えたので、アクセサリーを取り付けます。

アクセサリー類を取り付けて、完成です。
ここからはおまけの工作です。

30年以上前に購入したものです。
スミ入れ専用として使っていましたが
消費しきれず今日に至ります。
過去作品のF-5EとX-29には、パイロットフィギュアを乗せないまま製作しました。
後で複製フィギュアを乗せようとしたのですが、キャノピーを普通のプラモデル用接着剤で接着したので、取り外せませんでした。
この接着部分を剥がすのにエナメルシンナーが良いという記事を見つけたので、試してみます。
面相筆にエナメルシンナーを含ませ、キャノピーと胴体の間に流し込みます。

すぐには外れませんでしたが、デザインナイフの先端を隙間に入れて何度か刃先を滑らせ再度エナメルシンナーを染み込ませると、簡単に外れました。

複製フィギュアを木工ボンドで座席に取り付けます。

再度キャノピーを接着して、作業完了です。

F-5系列、そろい踏みです。
製作日数は、途中の無意味だった黒塗装を含めて6日間でした。
あれが無ければ5日で完成していたのですが……
段取りを考えずにぼーっとしながら惰性で作業していると、こういうことになります。
作業自体は1日あたり1時間ぐらいです。
完成写真









近代化改修で性能向上したF-5Eはシルエットが
直線的になり、また各部も大型化しているので、
ゴツい印象があります。
私は流麗なF-5A/Bの方が好みです。


・F-5B(イタレリ)
・F-5E(ホビーボス)
・F-20(ハセガワ)
・F-29(ハセガワX-29改造)
です。


F-1BはクレオスのC8銀ですが、
F-5BはタミヤのAS-12シルバーメタルです。
C8のほうが銀らしい白さです。
(私は銀のフルートを持っていますが、
銀は意外と明るくて白っぽいです)
AS-12はC8より暗く深みのある金属色で、
飛行機の外板らしい色合いですね。

展示も一捻り

もう壁に展示スペースが無いので、一工夫することにします。
もともとタイガーIIは1機で1枚のパネルに展示していましたが、フリーダムファイターと2機を並べて1枚のパネルに固定するよう改めます。

解説文は、なんとフリーダムファイター込みで書いていました。
タイガーIIだけでなく、いつかフリーダムファイターも展示することを見越して仕込んでいたネタが、2年越しに実現しました。

展示、完了です。
1枚のパネルに2機展示というのは、小型機のF-5だから出来る芸当ですね。

F-1からF-35まで並んでいます。
パネルの枚数を増やすことなく、展示できました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回予告

子供たちを遊びに連れて行った先で、暇つぶしに中古ショップの棚を見ていたらMiG-15を発見。しかも新品の定価と変わらない値段なので確保してきました。
次回はMiG-15を取り上げます。
