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海から上がったら、焼き芋。サーファーのお客さんに教えてもらったこと

石垣島で壺焼き芋屋をやっていると、たまに「え、こんな人が買いに来るんだ」という発見があります。今日はその中でも印象に残っている、あるサーファーのお客さんの話です。

「運動した後に焼き芋を食べる」という習慣、実はボディビルダーやジム通いの方からはよく聞いていました。
でも海から上がった人にも同じ需要があると知ったとき、正直「なるほど、そうか」と少し意外に思ったんです。
せっかくなので、なぜ焼き芋が「運動の後」に選ばれるのか、僕なりに調べてみました。結果、僕が思っていた理由とは、ちょっと違うことが分かりました。

冬はあたたかく、夏は冷たく——海から上がったお客さんの注文

そのお客さんはサーフィンをされる方で、冬は「あたたかい焼き芋」を、夏は「冷やし焼き芋」を買っているそうです。
冬の海から上がった直後は体が冷えているので、湯気の立つ焼き芋がちょうどいいのでしょう。逆に夏は火照った体に、冷たい焼き芋がすっと入っていく。
同じ「海上がり」でも、季節によって求められるものが違うというのが面白いところです。

僕自身、ジム帰りの方が「トレーニングの後は焼き芋がいいらしいよ」と買っていかれるのは以前から知っていました。
でもサーフィンやダイビングのようなマリンスポーツの後にも同じ需要があると気づいたのは、このお客さんのおかげでした。「運動して疲れた体」という共通点で、焼き芋が選ばれているんだな、と。

血糖値に優しいから、と思っていたけど

「運動の後に焼き芋がいい」と聞いて、僕は最初「血糖値がゆっくり上がるからだろう」と考えていました。さつまいもは食物繊維が多く、消化がゆっくりなので血糖値が急に上がりにくい、という話をどこかで聞いたことがあったからです。

ところが調べてみると、これは半分正解で半分違いました。確かに蒸したり茹でたりしたさつまいもは血糖値が上がりにくい「低GI食品」とされています。一方でオーブンなどでカラッと焼いた焼き芋は、糖の吸収スピードがむしろ少し上がる、という研究データもありました。

うちの壺焼きは、壺に蓋をして炭火でじっくり2時間ほど熱を通す製法で、実は「焼く」というより「蒸し焼き」に近いものです。
芋から出た水分が壺の中にこもったまま低温でゆっくり火が入るので、一般的な「焼く」の研究がこの製法まで含んでいるのかは分かりませんでした。

なので「うちの壺焼きだから血糖値に優しいはず」と言い切るのは、今回は控えておきます。
少なくとも「血糖値が上がりにくいから運動後にいい」と単純に言うには、僕の理屈はちょっと言い過ぎだったということです。

じゃあ、なぜ運動の後に焼き芋なのか

では、なぜ運動の後に焼き芋が選ばれるのか。スポーツ栄養の考え方を調べてみると、実は運動直後の体は「むしろ糖質を素早く補給したい」状態にあるそうです。おにぎりやバナナ、ゼリー飲料がよく勧められるのも、そのためだとか。

だとすると焼き芋の強みは、血糖値の上がり方そのものより、別のところにあるのだと思います。ひとつは腹持ちの良さ。
ひとつはビタミンCやカリウム、食物繊維がバランスよく含まれていること(さつまいもはビタミンCがりんごの約7倍、カリウムはトマトの約2倍とも言われます)。

そしてもうひとつ、忘れがちですが、海から上がった濡れた手でも、包み紙ごと持てば食べやすいという「携行性」も大きいはずです。
おにぎりだと手が気になりますが、焼き芋なら砂や海水がついた手でも気兼ねなく食べられます。

プール帰りの子どもにも、実はちょうどいいかもしれない

ここまで調べてみて、ふと思ったのが「これ、大人のスポーツだけの話じゃないな」ということです。
夏休み、プールに行った帰りの子どもにも、冷やし焼き芋はちょうどいいおやつになるのではないでしょうか。

甘いお菓子よりは罪悪感が少なく、自然な甘さで満足感もある。うちの店でも、これからは「運動の後のおやつ」として焼き芋を提案してみようかと考えています。

まとめ

最初に思っていた理屈は少し違っていましたが、調べてみたおかげで「焼き芋が運動の後に選ばれる本当の理由」に近づけた気がします。
海から上がったサーファーさんも、ジム帰りの方も、プール帰りの子どもも。
運動で疲れた体がふと求めるものの中に、焼き芋という選択肢があるというのは、焼き芋屋としてちょっと嬉しい発見でした。

#日記 #コラム #石垣島 #壺焼き芋 #サーフィン


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