石垣島の焼き芋屋は、開業した日から冷凍を作っていた。
夏が近づいてきました。
石垣島は5月の終わり、梅雨の湿気が体にまとわりつくような毎日で、「焼き芋の季節」という感じは正直あまりしません。
それでも僕は、今この時期から「冷凍焼き芋」の仕込みをコツコツ続けています。
なぜかというと——開業した頃からずっと、そうしてきたからです。
焼きたてじゃなくて、冷凍から始めた話
ひらまこ商店を始めたとき、僕には「焼き芋=熱々で食べるもの」という固定観念が、正直あまりありませんでした。
石垣島で商売をするということは、観光客だけじゃなく、島の人たちに日常的に食べてもらう必要があります。「食べたいときに食べられる」「家に買い置きできる」という便利さを考えると、最初から冷凍という選択肢は自然な流れでした。
真空パックにして、冷凍庫へ。それを商品として売り始めたのが、開業当初からのことです。
県外の焼き芋屋さんに話を聞くと、「冷凍は副産物」「基本は熱々で売る」という方が多い印象です。でも僕のところはほとんど逆で、冷凍がメインと言っても過言ではないくらい、ずっと作り続けてきました。
試しに4月の販売記録を集計して、30日で割ってみました。1日あたり約3個という数字が出てきました。
多い数字ではないかもしれません。でも、島のどこかで毎日3本の冷凍焼き芋が誰かの冷凍庫に入っていると思うと、それほど悪くない景色だなと感じています。
「知ってるけど食べたことない」人が、実はたくさんいる
市場のデータを調べていると、面白い数字に出会いました。
冷凍焼き芋の認知度は、すでに8割近くあるそうです。「聞いたことある」「見たことある」という人は、もうほとんどいるんですよね。
でも、実際に食べたことがある人は3割に届かない。
さらに興味深いのが、「食べたことない人の7割が食べてみたい」という数字です。知ってはいるけど、まだ体験していない。そういう人が、日本中にたくさんいるということです。
この数字を見て、「あ、そういうことか」と思いました。
石垣島でも、似たような感覚があります。「壺焼き芋は知ってる、でもまだ食べたことない」という人は意外と多い。とくに冷凍の壺焼き芋となると、さらに珍しく思われることもあります。
体験の入り口さえ作れれば、需要はあるんじゃないかと思っています。
夏に冷凍焼き芋を仕込む理由
冷凍焼き芋の面白さは、夏に向けてより大きくなると感じています。
「冷やし焼き芋」という食べ方が、ここ数年じわじわ定着してきました。半解凍にして、スイーツのように食べる。甘みがぎゅっと凝縮されて、アイスとはまた違うとろっとした食感になります。
砂糖も添加物も使っていないのに、ちゃんと甘い。そういうおやつって、実は意外と少ないと思うんです。
健康が気になり始めた世代には、とくに響くんじゃないかと思っています。石垣島の30代・40代・50代の女性に食べてもらいたいと思いながら、今年の夏も仕込みを始めています。
冷凍することで、賞味期限も長く保てます。届いてすぐ食べなくていい、食べたいときに一本だけ解凍できる——そういう「気軽さ」は、日常のおやつとして使ってもらうのにちょうどいいと思っています。
石垣島内で買える場所
島内では現在、2か所の冷凍庫で販売しています。
ショップ672(石垣市役所売店)
石垣市役所の1階にある売店です。市役所に用事のついでに、ぜひのぞいてみてください。
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ハッピーマートほんな
地元に根ざしたスーパーです。日常のお買い物のタイミングで手に取ってもらえたら嬉しいです。
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どちらも冷凍庫に入っています。見かけたときは、ぜひ手に取ってみてください。
まとめ
開業から今まで、冷凍焼き芋を作り続けてきました。
最初は「石垣島で売れるかな」という半信半疑な気持ちもあったかもしれません。でも今は、夏に向けて仕込みを進めながら、この選択は間違っていなかったと思っています。
まだ食べたことがない方がいれば、ぜひ一度試してみてください。焼きたてとはまた違う、冷やして食べる焼き芋の楽しみ方が、あなたにも合うかもしれません。
今週も読んでくれてありがとうございます。
平田睦(ひらまこ商店)
石垣島で壺焼き芋を焼いています。
