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3月の異動内示で絶望した公務員が、4月までにやるべき3つのこと

内示が出た瞬間、頭が真っ白になった。

この時期、全国の公務員がソワソワし始める。廊下ですれ違う同僚の目が泳いでいる。給湯室の雑談がやたらヒソヒソしている。

そう、人事異動の季節ですね。

上司に呼ばれて部屋に入る。「来年度の異動だけど──」。その続きの言葉で、人生の色が変わる。

希望の部署に決まった人は、ガッツポーズを隠しながら席に戻る。
そうでなかった人は、天井を見つめながら静かに席に座り、午後休で帰る人も。

私も県庁時代、異動できると確信して内示を待っていたら、「今年の異動内示は以上です」と言われた瞬間、膝から崩れ落ちた記憶があります。あの時のショックは、センター試験でマークシートが1行ズレていたことに気づいた時に匹敵する。

でも、異動は決まってしまった。覆ることはほぼない。組合に異議を申し立てられるらしいけど、あれで異動をまぬがれる人なんているのでしょうか。

4月1日は、誰にでも平等にやってくる。

じゃあ、残りの数週間で何ができるのか。

今回は、県庁で10年間、4回の異動を経験した私が「望まない異動が決まった直後にやっておいてよかったこと」を3つお話しします。

まず、「絶望していい」と自分に許可を出す

最初にやるべきことを話す前に、一つだけ。

今、落ち込んでいるなら、落ち込みきってください。

周りの人はきっとこう言います。

「どの部署でも経験になるよ」
「前向きに捉えようよ」
「異動先にもいい人いるかもしれないじゃん」

全部正論です。いや、正論なんですけど、内示直後に聞きたい言葉じゃない。

骨折した直後に「骨が強くなるチャンスだね!」と言われても、「いや、今は痛いんよ」としか思えない。それと同じです。

私は望まぬ内示後の3日間、正直何も手につきませんでした。仕事はしていたけど、心はここにあらず状態。家に帰っても妻に「大丈夫?」と言われるくらい顔が死んでいたらしい。

でも、その3日間があったから、4日目から「じゃあどうするか」と切り替えられたと思っています。

感情に蓋をすると、あとでもっとしんどくなる。
「悔しい」「嫌だ」「なんで自分が」って全部、感じていい。

まずはそこからです。

4月までにやるべき3つのこと

落ち込みきったら、ここからは実践編です。
4月1日までの残り数週間でやるべきことを3つ、優先度順に紹介します。

① 異動先の「人間」を調べる

異動先で一番大事なのは、仕事内容よりも人間関係です。

断言します。どんなに忙しい部署でも人間関係がよければ乗り越えられるし、どんなに楽な部署でも人間関係が崩壊していれば地獄です。

なので、異動が決まったらまず調べるべきは「業務内容」じゃなくて「誰がいるか」。

具体的にやることはシンプルです。

▶ 前任者に連絡を取る
異動先の「今いる人」のことを一番知っているのはあなたに引き継ぎをしてくれる前任者です。飲みに誘うなり、ランチに誘うなりして、ざっくばらんに聞いてみてください。「課長ってどんな人?」「係の雰囲気ってどう?」──この2つだけでも、かなり心の準備ができます。

▶ 庁内の知り合いネットワークを使う
公務員の組織って、意外と「あそこの部署、今ヤバいらしいよ」みたいな噂は回っている。普段仲のいい他部署の人に「〇〇課ってどう?」と聞いてみるだけでも、温度感が分かります。

私の場合、異動前に前任者から「課長補佐がかなりクセ強い人だけど、課長はいい人だから大丈夫」と聞いていたことがありました。実際その通りで、課長補佐とのやりとりに苦労はしたけど、事前に覚悟ができていたので精神的なダメージは最小限で済みました。

情報ゼロで突入するのと、事前に1つでも知っているのとでは、初日の心拍数が全然違います。

② 引き継ぎを「恩」に変える

異動が決まると、正直やる気が急降下します。

「もうこの仕事やらないし」「残りの数週間を適当にやり過ごそう」──気持ちはめちゃくちゃ分かる。

でも、ここで丁寧な引き継ぎをしておくと、異動先でのスタートが驚くほどラクになります。

理由は単純。公務員の世界は口コミが異常に早い。

「〇〇さんの引き継ぎ資料、マジで神だった」
「あの人、最後まできっちりやって異動していったよ」

こういう評判は、異動先にも伝わります。知らない部署に行っても「あ、〇〇課にいた人でしょ?あの人はシゴデキだから、引き継ぎ資料もバッチリだよ」と言われたことが実際にあります。

逆に、引き継ぎが雑だと「あー。あの人の後任なんだ。あの人、最後テキトーだったらしいよ」が回る。公務員のネットワーク、Xのインプレッションより拡散力ある説あります。

私が実際にやっていた引き継ぎ資料の作り方はこんな感じでした。

▶ 業務ごとに「年間スケジュール+手順+注意点」を1枚にまとめる
▶ 「ここで詰まりやすいポイント」を赤字で書いておく
▶ 関係者の連絡先リスト(庁内外)をまとめておく
▶ 口頭での引き継ぎは最低2回やる(1回目で概要、2回目で質疑応答)

ここまでやると正直めんどくさいです。退職する訳でもないのに。
でも、この「最後の仕事」が、次の部署での自分を助けてくれる。

未来の自分へのギフトだと思ってやるのをおすすめします。

③「この異動は自分のキャリアにどう使えるか」を1つだけ考える

最後に、ちょっとだけ前向きな話。

とはいえ、「ポジティブに考えよう!」みたいな話をするつもりはありません。
望んでいない異動を全力で肯定するのは無理がある。

でも、1つだけ。たった1つだけでいいので、「この異動で得られるかもしれないもの」を言語化してみてほしいのです。

たとえば、

「福祉の現場って見たことないから、住民対応のスキルは身につくかも」
「財政課は厳しいらしいけど、予算が読めるようになれば他の部署でも戦える」
「人数が少ない部署だから、自分の裁量が増えるかもしれない」

こんな程度でいい。100点の前向きは要らない。30点くらいの「まあ、これは得られるかも」で十分です。

実は私自身、一番行きたくなかった部署で身につけた調整力が、転職活動で「それは素晴らしい強みですね」と評価されたことがあります。あの時は「マジか」と思いました。自分では価値がないと思っていた経験を、外の世界の人が評価してくれた。

異動ガチャはコントロールできない。これはもう仕方ない。
でも、引いたカードの使い方は自分で決められる。

ポケモンで言えば、手持ちのポケモンが入れ替わっただけ。
タイプ相性が悪そうに見えても、技構成と戦略次第で勝てる試合はある。

4月1日に新しい席に座った時、ポケットに「1つだけ」前向きな種を持っていると、最初の1週間の気分がだいぶ違います。

それでも「もう限界」だと思ったら

ここまで「異動先でうまくやるための準備」を書いてきましたが、正直に言います。

異動をきっかけに「もう公務員を続けるのは限界かもしれない」と思うのは、全然おかしなことじゃありません。

むしろ、異動は自分のキャリアを見つめ直す絶好のタイミングです。

異動で環境がリセットされる瞬間は、「自分は本当にこの先も公務員でいたいのか」を問い直す数少ないチャンスでもある。

私自身、最終的に転職を決めた理由の一つは、異動のたびにスキルがリセットされることへの虚しさでした。

ただ、一つだけ注意してほしいのは、「異動が嫌だ」という感情だけで飛び出すと、転職後に後悔しやすいということ。

マイナビの調査(2024年)でも、転職を早期決断した人ほど後悔率が高いというデータが出ています。

だから、もし転職が頭をよぎったなら、今すぐ辞表を出すのではなく、まずは情報収集から始めてほしい。

転職サイトに登録して、自分の市場価値を確かめてみる。
エージェントに話を聞いてみる。

それだけで「自分には公務員以外の選択肢もあるんだ」と気づけるだけで、新しい部署でのメンタルがちょっとだけラクになります。

選択肢があると思えるだけで、人は強くなれる。

まとめ

3月の異動内示で絶望した人に伝えたいことをまとめます。

まずは落ち込みきっていい。感情に蓋をしない
① 異動先の「人間」を事前にリサーチする
② 引き継ぎを丁寧にやって「評判」を味方につける
③ 1つだけ「この異動で得られるもの」を見つけておく
それでも限界なら、転職の情報収集だけでも始めてみる

4月1日は、必ず来ます。
でも、準備した4月と、何もしなかった4月は全然違う。

今この記事を読んでいるあなたが、少しでも心穏やかに新年度を迎えられることを祈っています。

一緒に乗り越えましょう。


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