【未来予測とはを考える②】日本のメガバンクは、2030年の企業をどう評価するのか 金融庁・日銀が始めた「未来シナリオ分析」への指南とは・・・?
さて今日は、銀行が、未来予測をより本格的に進めるようになってきたというお話。
これまで、銀行が融資先を評価するとき、何を見てきただろうか。
売上高、利益、キャッシュフロー、自己資本、借入金、担保、過去の返済実績。
これらはもちろん重要である。
しかし、過去の財務諸表が健全であっても、産業構造が変われば、企業の信用力は急速に悪化することがある。
炭素価格が上昇したら。
環境規制が強化されたら。
電気自動車への移行が加速したら。
エネルギー価格が高騰したら。
増加したコストを販売価格に転嫁できなかったら。
その企業は、2030年にも利益を出し、借入金を返済できるのか。
日本の金融庁と日本銀行は今、3メガバンクとともに、この問いを具体的に検証し始めている。
この動きについて、今日は見てみようと思います。
こちらの記事は先日お出しした世界の銀行の動きに続き、では日本では?という流れにつながるものです。
◆参考:こちらの太郎丸二郎さんの記事も未来予測という点で、楽しく拝読させていただきました。
3メガバンクと行った第2回シナリオ分析
2025年6月20日、金融庁と日本銀行は、
「気候関連リスクに係る第2回シナリオ分析【銀行セクター】」
の結果を公表した。
対象となったのは、
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三井住友フィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループ
の3メガバンクである。
金融庁と日本銀行は3メガバンクと連携し、気候変動に伴う移行リスクが、貸出先の信用力や銀行の信用コストにどのような影響を与えるかを分析した。
この取り組みは、銀行の合否を判定する試験ではない。
現時点では、気候リスクによる損失額を精密に算定することよりも、
どのような分析手法が必要か
どのデータが不足しているか
どの仮定が結果を大きく左右するか
銀行のリスク管理にどう活用できるか
を確認することが主な目的とされている。
つまり、完成されたテストというより、
金融機関が未来を分析するための方法を、監督当局と一緒につくっている段階
と考えたほうがよい。
2050年ではなく「2030年まで」を見る
気候関連のシナリオ分析では、2050年といった長期の未来が扱われることが多い。
しかし、今回の第2回分析で注目したいのは、2024年度から2030年度までの7年間という、比較的短い時間軸を設定したことである。
2050年の話であれば、企業も銀行も、
「将来のことなので、まだ不確実性が高い」
と言うことができる。
しかし2030年は、現在の中期経営計画や設備投資計画の延長線上にある。
すでに意思決定が始まっている未来だ。
今回の分析では、国際的な気候シナリオをそのまま用いるだけでなく、そこへ独自のストレスを加え、短期間で移行リスクが顕在化する状況を検証している。
三つの異なる未来
第2回シナリオ分析では、大きく三つの世界が設定された。
シナリオ1:現在の政策が続く世界
ここから先は
¥ 250
引き続き応援よろしくお願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!

