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フレンチトーストとシュークリームとカルピスEXPRESS

先月、初めて足利市に行きました。「あしかがフラワーパークプラザ」で開催されたお話会に参加するためです。2年前に同じ場所で開催されたときはオンライン参加でしたが、今回は現地でお話を聞くことにしました。

「あしかがフラワーパークプラザ」の謎

開催場所が「あしかがフラワーパークプラザ」と書かれていたので、ずっと「あしかがフラワーパーク」の近くにあると思いこんでいました。開催日が近づいてきたのでちゃんと調べてみると、最寄り駅は東武伊勢崎線「足利市駅」。「あしかがフラワーパーク」とは最寄り駅も違っていて、けっこう離れています。なぜ離れているのにこの名前なのか気になったので調べてみると、2022年4月に「株式会社足利フラワーリゾート」が「足利市民プラザ」のネーミングライツパートナー企業になったそうです。年額150万円で5年間、この愛称が使われることになっています。

愛称の謎も解け、どのルートで行くか考えていたら、北千住駅から特急「りょうもう」に乗れることがわかりました。足利市駅までは1時間ほどですが、普通車で行くよりテンションが上がります。しかも、200円プラスするだけで「リバティりょうもう」という、さらに素敵な特急に乗れるのです。到着時間もちょうどよかったので、行きは「リバティりょうもう」に乗ることにしました。写真を撮る余裕がなかったのですが、「りょうもう」よりキレイで座り心地もよかったです。

帰りは「りょうもう」でしたが、カルピスカラーにラッピングされた車両に乗れました。車内は普通の「りょうもう」ですが、行きに反対側のホームに到着した車両を見て「帰りはこれだといいな~」と思っていたので、かなりテンションが上がりました。2024年3月31日から約3年間、1日のうち何便か走っているようです。

イチゴたっぷりのフレンチトースト

せっかく栃木県に行くのだから「イチゴが食べたい!」と思って、ランチは会場近くのカフェで食べることにしました。「花にかこまれて Garden Cafe 南の麦」という店名のとおり、花にかこまれたお庭でランチやスイーツが楽しめます。

ストロベリーフレンチトースト(ドリンクとセットで1260円)

天気もよくて、とてもゆったりとした気持ちでランチを楽しむことができました。店員さんの年齢層は高めな感じで、都心のカフェとは違った雰囲気です。一度、他のテーブルの注文を間違えて運んできてしまったのですが、そんなときもイヤな気持ちにならない、「心」が感じられる接客でした。

持ち帰り用のパンも販売されていて、お会計を済ませた後、お手洗いを借りようと思ったら「すごく狭いので、パンはここでお預かりしておきます。本当に狭いんです!」と力説。ドアを開けたら、本当に狭い(笑)。何も知らなかったら「狭っ!」とビックリしたかもしれませんが、事前に聞いていたのでなぜか笑いがこみ上げてきました。あの力説で気持ちが伝わってきたから、不便さより面白さが勝ったのだと思います。

のぼり旗に引き寄せられて

お話会が終わって駅まで歩いていたら、行きに気になったのぼり旗がまた目に入りました。のぼり旗には、「シュークリームとフラン 2つ3つ」と書かれています。お店は建物の2階にあったので、初めてだとちょっと勇気がいりましたが、謎めいた文言が行きも帰りも目に入ったら無視できません。

2つ3つ」というのが店名で、フランというのは筒状のパイにムースを詰めたフランス菓子でした。甘い系としょっぱい系がありましたが、食べたかったのが売り切れだったのでシュークリームを購入。シュークリームなら、「りょうもう」の車内でも食べやすいかなと思ったのです。

ところが、中にクリームが入った状態でショーケースに並んでいたわけではなく、注文してからパカッと割って中にクリームを入れてくれるスタイルで、いい意味で予想外に本格的なシュークリームでした。

「保冷剤を入れましたが、お早めに冷蔵庫かお腹に入れてくださいね!」と言われて、思わず「はい、お腹に入れます!」と答えましたが、家でゆっくり美味しい紅茶と一緒に食べたい感じの仕上がりです。

ほうじ茶大納言(400円)

幸い、帰りの「りょうもう」は空いていたので隣は空席。発車と同時にテーブルを出して箱を開け、お早めにお腹に入れてしまいました(笑)。生地はサクサクで、クリームは甘すぎず、品のよいシュークリームです。「2つも3つも食べたくなる」が店名の由来とのことですが、どっちにするか迷ったピスタチオキャラメルも食べたかった! 家が近かったら、絶対両方買っていました。


また行きたくなるお店

今回は、観光するほどの時間はなかったので、2軒のお店しか行けませんでしたが、どちらも近かったらまた行きたくなるお店でした。

美味しい料理が食べられるお店はたくさんあるけれど、私にとって大切なのは会話に「心」が感じられることなんだなと、「りょうもう」の中であれこれ思いをめぐらせました。どんなにおしゃれな内観で、ミスのない接客だったとしても、また行きたいと思わなかったお店もたくさんあります。

「心」が感じられるとは直感的なことなので、はっきりとした説明はできません。ただ、目の前にいる人のことをちゃんと見て話をしていることが共通しているように思います。それは、目で見ていればいいということではありません。

例えば、お気に入りのお店だったのに、だんだん「心」が感じられなくなって行かなくなったお店がありました。ランチとスイーツを提供している小さなカフェで、店主さんがワンオペでまわしています。調理が最優先なので、注文や会計はその合間にという感じです。お一人ですべてこなしているのは知っているので、待つのは覚悟の上で行っていました。けれども、お客様が増えるにつれて、「心」が感じられなくなってきたのです。私への接客中に電話が鳴ったら、もう「心」はそちらに行っていることがわかります。電話をかけてきた相手もお客様だと思いますが、目の前にいる私も客なのに…と、居心地の悪さを感じるようになり、とても残念でした。

「忙しい」という字は「心を亡くす」と書きますが、その人との会話から「心」が感じられなくなるような忙しさは、好ましい状況ではないと思います。私は、ブラック企業で働いていたことがあります。社員の数に対して明らかに仕事量が多すぎて、厳しいタイムリミットもあったのでいつも時間に追われて、心の中に時限爆弾を抱えているような状態でした。もしかしたら、そのカフェの店主さんも、同じような状態なのかなと思ったりもしますが、人件費などの問題もあるのでしょう。そう考えると、ちゃんと経営が成り立つ数の集客ができていて、それでも心をなくさずに居心地のよさを維持できているお店は、とても貴重なのかもしれません。

北千住駅に着くまでに、我慢できずに夕食用に買ったパンの中からクランベリー&くるみのリュスティックを取り出して、お腹に入れてしまいました(笑)。そんな、美味しいものとの出会いもあったので、お話会にはオンライン参加ではなく現地で参加してよかったです。便利さを選ぶということは、目的以外で得られる経験をしないという選択をすることになるのだと思いました。往復約6時間かかりましたが、ものすごく狭いトイレを体験したり、謎めいたのぼり旗に引き寄せられてみるのも楽しかったです!

(写真:すべて筆者撮影)