【酒のやらかし録♯1】「10万円で済んでよかった」と思った。クレカの通知で酔いが覚めた朝
社会人1年目のある金曜日。
僕は会社の同期4人くらいと、都内で飲んでいた。
いわゆる華金だった。
次の日は休み。仕事からも解放された。同期と飲むのも楽しい。
当時の僕にとって、金曜日に飲みに行かない理由はほとんどなかった。
最初は、普通の飲み会だったと思う。
少なくとも途中までは。
翌朝、手元に残っていた領収書と、スマホに届いていたクレジットカードの利用通知を見るまでは。
その夜、僕は約10万円を使っていた。
酒を覚えてから、お金の感覚も変わっていった
初めて酒を飲んだのは、20歳くらいの頃だった。
大学のサークル仲間と飲むようになり、酒を飲む楽しさを覚えた。
人と一緒にいるのが好きだったし、飲み会に参加すれば何か面白いことが起きる気がしていた。
社会人になってからも、その感覚は変わらなかった。
むしろ、自分で自由に使えるお金とクレジットカードを持ったことで、飲み方は派手になっていった。
その日の夜も、酒が進むにつれて判断力がなくなった。
酔って気が大きくなり、最後は女の子のいる店へ行った。
そこで3時間ほど過ごした。
金額をきちんと確認してから遊んだわけではない。
「まあ、なんとかなるだろう」
そんな感覚で、クレジットカードを出した。
現金なら、財布の中身が減っていく。
でもクレジットカードは、その場では何も減っていないように見える。
カードを渡して、サインをすれば支払いが終わる。
実際には未来の自分がお金を払うだけなのに、酔っていた僕には、その重さが見えていなかった。
翌朝、領収書と通知が残っていた
次の日の朝、目を覚ますと領収書が手元にあった。
スマホを見ると、クレジットカードの利用履歴も通知されていた。
合計は約10万円。
一晩で使った金額としては、明らかに大きい。
ところが当時の僕が最初に感じたのは、強い後悔ではなかった。
「10万円で済んでよかった」
本気で、そう思った。
今考えると、感覚が完全に壊れていた。
なぜ、10万円を安いと思えたのか
僕は普段から、動画やテレビ、SNSをよく見ていた。
そこには、一晩で何十万円も使う人がいた。
高級な店で遊ぶ人もいれば、海外旅行を楽しんでいる人もいた。
そんな人たちと比べて、
「自分はそこまで使っていない」
「10万円なら、まだ大丈夫」
と考えた。
比べる相手を間違えていた。
本来比べるべきだったのは、画面の向こう側にいる人ではない。
自分の収入と、自分の口座残高と、来月支払える金額だった。
でも当時の僕は、自分よりお金を使っている人を探して、安心するための材料にしていた。
10万円が安かったのではない。
10万円を使った自分を正当化したかっただけだった。
クレジットカードは、酔った自分にも使えてしまう
クレジットカードは便利だ。
現金を持っていなくても支払えるし、翌月にまとめて精算できる。
問題は、冷静な自分だけが使うとは限らないことだった。
酔って判断力を失った自分でも、カードは問題なく使えてしまう。
「今日はこれ以上使わない」と決めていても、利用可能額が残っていれば支払える。
僕にとって利用可能額は、いつしか使っていいお金のようになっていた。
もちろん、本当は違う。
それは自分のお金ではなく、あとで必ず請求されるお金だ。
一晩の楽しさは翌朝にはほとんど残っていなかった。
でも10万円の請求だけは、その後もしっかり残った。
あの10万円を、今の僕はどう見るか
現在の僕は、約150万円の借金を返している。
今になって10万円の重さが分かる。
家で過ごせば、1日の出費を500円程度に抑えられる日もある。
その基準で考えれば、10万円は200日分だ。
毎月必死に返済している今なら、10万円を「これくらい」とは絶対に思えない。
あの夜に使わなければ、借金残高を10万円減らせていたかもしれない。
完済に少し早く近づけていたかもしれない。
当時の僕には、その想像力がなかった。
目の前の楽しさと、クレジットカードが使えるという事実だけを見ていた。
飲み方は、ようやく変わり始めた
今は、以前ほど飲みに行かなくなった。
飲むときも量を抑え、できるだけ家の近所で飲むようにしている。
完全に酒をやめたわけではない。
もう二度と失敗しないと言い切れるほど、立派にもなっていない。
ただ、翌朝の通知を見て自分を正当化するような飲み方は、もうしたくない。
10万円より多く使う人がいるからといって、僕の10万円が軽くなるわけではない。
他人と比べて安心するのではなく、今の自分が本当に払える金額なのかを考える。
当たり前のことだけれど、借金150万円になって、ようやく分かった。
当時の僕が言った、
「10万円で済んでよかった」
本当によかったのは、10万円で済んだことではない。
今になって、その感覚がおかしかったと気づけたことだと思う。
飲み会を減らすために、僕が実際に決めたルールは以下の記事にまとめています。
▶︎ #5「予定が空いているから行く」を繰り返して、借金150万円になった
これからも、借金返済の記録だけでなく、酒とお金でやらかした話を「酒のやらかし録」として正直に残していきます。
大学時代には、記憶を失い、朝5時に大学の最寄り駅で同期に起こされたこともありました。
財布とバッグまでなくしたのに、僕が変えたのは飲み方ではなく「持ち歩く現金の額」だけでした。
