残堀川の水源を追え! 見えてきた意外な共通点【都道府県シリーズ第2周:東京都no.2-2 瑞穂町編02】
都道府県ごとに地形・地質を見ていく「都道府県シリーズ」の2周目。
前回から新たに東京都瑞穂町編がスタート!
瑞穂町の地形的特徴として「川が少ない」が挙げられます。
特に北を流れる不老川の最上流部は平坦地の途中に「突然」現れるかのような位置であり、水源の1つである狭山丘陵の流域面積も狭く、その水源には大きな謎が残ります。
その謎を追うべく、今回は残堀川の方を詳しく見ていきましょう。
※前回記事はコチラ👇
残堀川の上流部を探る
不老川の場合、その水源を狭山丘陵だけと考えるにはあまりにも流域が狭いのが問題でした。
ではもう1つの河川である残堀川はどうでしょうか?
改めて狭山丘陵周辺の地形図を確認しましょう。

残堀川に流れるであろう範囲を黒太線で囲みました(概ねで図示しているので正確ではありません)。
やや東は他の川(橙色)へ流れる範囲になってしまうため、残堀川の源流と言えるのは、この南西部の一部のようです。

残堀川の上流部を拡大しました。
青丸で囲った範囲は狭山丘陵からの水の流れが図示されており、水源が明らかです。
西の方は地形図上の図示はありませんが、水路を通って残堀川へ水が流れていると思われます(青点線矢印)。
問題はそのさらに上流です。
ここ、池があるんですよね。
ネットで調べてみると、どうやら池の水源が残堀川ではなく、残堀川の水源がこの池のようです。

これは狭山池(さやまいけ)であり、現在は公園になっています。
東京都建設局の資料等でも狭山池が残堀川の水源と言われていますが、地形図を詳しく見ると、さらにその北西にも水の流れが続いています。
水の流れは2本あり、1つは最上流部に丸池(上図赤丸)があり、これも水源地のようです。
もう一方の水の流れの先端部(青丸)に池はないようですが、ここで行き止まりです。
標高を確認したところ、狭山池で概ね137.5m、丸池で138.1m、青丸先端部で138.5mであるため、上図のように北西から南東への水の流れが想定できます。
では最も標高の高い地点だけが水源かと言うと、そう言うことではなく、おそらく各地点に湧水があると考えられます。
特に狭山池はいくつもの湧水点があり、それで比較的大きな池になっているのでしょう。
つまり広い視野で見ると、狭山池から丸池と青丸地点を含めた北西-南東方向のライン上に湧水群があり、それが残堀川の水源(の1つ)だと考えることができます。
残堀川・不老川の水源比較
残堀川の水源は狭山丘陵の他に、狭山池等の湧水であることが分かりました。と言うことは、不老川の水源にも湧水はありそうです。

残堀川上流の丸池周辺の拡大図です。
丸池(上図赤丸)は確かに池のようなかたちに見えますね。
一方、青丸地点は単に水路が途切れているような図示であるため、図示されないほどの小規模な水路とつながっているのか、湧水があってここから水路が始まっているのかは分かりません。
ただ近傍に丸池や狭山池などの湧水群が実際にあるため、ここも湧水の1つと考えても良さそうです。

一方の不老川上流部を拡大して見ると、池のようなかたちは無く、単に水路が途切れているように見えます。
しかし丸池や狭山池のような事例があるため、もしかしたらこれらも湧水なのかも知れません。

両河川の最上流域周辺の地形図です(残堀川が赤、不老川が青)。
両者の間には少なくとも地形図レベルで図示されるような水の流れは無く、空白地帯になっています。
とは言っても両者の距離は1km程度と、そこまで離れているわけではありません。
上流部の標高は137.5~138.5m、不老川では133.5mなので同程度です。
もしかしたら地質的な共通点があるかも知れませんよね。
残堀川・不老川上流域の地質
と言うことで、地質図を確認してみましょう。

瑞穂町の大半は緑色で示される「段丘堆積物」です。
過去の河川の堆積物で、砂や礫、泥などでできた地層です。
礫、砂は水が浸透し、泥や粘土は遮水効果があります。
そのため例えば上部が砂礫層でその下に泥・粘土層があれば、砂礫層に水が溜まり、どこかで湧出する可能性があります。
つまり瑞穂町の大部分は水が浸透しやすく、どこかで湧き出す可能性が高そうだと言えます。
またもう1つの要素として、断層(黒線)が挙げられます。
これは立川断層と呼ばれる活断層です。

そして断層の分布を地形図に投影してみると、残堀川と3つの水源(湧水群)とが、綺麗に重なることが分かります。
一方、不老川の方は断層と離れていて一見関係なさそうには見えます。
果たしてどうなのでしょうか?
次回へ続きます。
お読みいただき、ありがとうございました。
