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【日本一周 九州編39】 あかとみどりの青島神社


・メンバー

明石、尾道

・椰子と朱色のコントラスト  明石

 朝市からホテルに戻ると、清潔な冷気を放つシーツに吸いこまれたい気持ちをぐっとこらえ、すぐにチェックアウトしてレンタカーに乗り込み、海岸線を南下した。


 あいにくの雨ではあったが、国道220号線の中央分離帯には背の高い椰子の木が連なっており、南国的な車窓にいくらか心も上向いた。


椰子の木博覧会


 やがて青島神社へついた。

 名前のとおり、青い海に浮かぶ島そのものが神社になっていた。いまはコンクリート製の弥生橋で結ばれているためいつでも参拝できるが、それがなかったころは干潮のときだけたどりつける場所であり、いっそう荘厳な神域として機能していたのだろうと妄想した。


弥生橋と遠景の青島神社


 青島のまわりには、鬼の洗濯板の呼称で知られる凸凹の海岸線が広がっている。この地形は、柔らかい地層と硬い地層とが交互に連なる大地に波がうちよせ、柔らかい地層の方がたくさん侵食されたことで生まれたものだ。


鬼の洗濯板


 ひょっとしたらこのくぼみが砂をとらえて波から守ったことで青島が生まれたのでは?などと脳内でエセブラタモリをくりひろげながら弥生橋を渡った。


 青島へ上陸すると、砂浜がやけにオレンジ色なのが気になった。ふりかえって目に入る九州本土の砂浜は雨に濡れてくすんだ鈍色をしているが、青島の砂は濡れるほどに輝きをましている。

 気になってかがむと、青島の砂は全て貝殻のかけらでできており、錦のきらめきを放っていた。

貝殻の砂浜


 すっかり虜になった僕らは、上陸早々しゃがみこんで割れていない貝殻さがしをはじめた。傘を片手にのそのそ物色するさまは巨大な二匹ヤドカリが蠢いているようだった。


 そんな僕らを尻目に、ざくざくと砂を踏みしめる参拝客の足音にふと我にかえった。

 いけない。

 いたずらに時間を浪費していてはいくら経っても旅は終わらない。僕らは目くばせすると、ネバーランドを去るかのごとく意を決して立ち上がり、いい加減に神社へと向かった。


 青島神社はすばらしかった。境内には椰子の木が乱立し、朱色の社殿とのコントラストが鮮やかだった。


 南国の植物と色漆の建造物のとりあわせの魅力は仙巌園で気づかされたが、青島神社の木々には野生の魂が宿っており、人の手によって整えられた日本庭園とは異なる魅力があった。


仙巌園を訪れたときの記事はこちら!


 境内の道を塞ぐようにのびた木はその最たるもので、それを残す神主さんも含めてすてきだと思った。


 木をくぐり抜けて進むと、美しい貝殻がうずたかく盛られた岩が鎮座していた。


 説明を読むと、青島神社には「濱の真砂」と呼ばれる風習があり、島の海岸から貝殻を拾ってきて境内の岩にお供えすると願いが叶うとのことである。


 これを読んだ僕らは、ついさっきまで砂浜で貝殻さがしに興じていたものの、持ってこなかったことを後悔し、されどなにも知らずして風習にのっとった行動をしていた興奮を分かちあった。

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