【日本一周 九州編40】 高千穂の狛犬親子と真名井の滝の怪魚
・メンバー
明石、尾道
・高千穂神社の珍しい狛犬と真名井の滝に潜む怪魚 明石
青島神社をひとしきり楽しんだ僕らは、宮崎県の海岸線をひたすら北上した。目指すは高千穂である。
古くは古事記の舞台としても名高いかの地に思いをはせながら、道の駅北方よっちみろ屋の御食事処八七八にて地鶏丼を食べつつ、コンビニでよく見るトラディショナルな牛乳瓶型のプラスチック容器に入った高くて美味しいコーヒー牛乳は、たしか高千穂のだったよな、とぼんやり考えつつ、2時間半のドライブを終えた。

高千穂神社でも雨は降りつづいていた。鳥居をくぐると、狛犬が迎えてくれた。高千穂神社の狛犬は、お腹の下から小さな狛犬が二匹こちらを覗いている珍しい様式をしていた。

今日の天気だと、親が子どもをお腹の下で雨宿りさせているようで愛らしかった。
参道沿いには樹齢100年を優に超えるだろう杉木立がならんでいた。雨雲と巨木の影になり、境内はほんのり薄暗い。
一人だったら不気味だったろうな、と尾道の存在をありがたがりつつ、ひとさじの不安は畏怖に通じていて、高千穂神社の荘厳さがいっそう際立って感じられた。

社務所にて、高千穂神社と、このあと訪れる櫛触神社の御朱印をもらった(御朱印は参拝したあとにもらうのがマナーだと旅から帰ってから知って焦ったが、寛大な神様なら許していただけるだろうと願うばかりである。)。
そのあと、高千穂の観光ポスターに必ずと言っていいほど登場する真名井の滝へ訪れた。
雨はなお降り注いでいたが、滝の流れこむ五ヶ瀬川には観光ボートが2、3艘浮かんでいた。

ちょっとやそっとの雨には観光心をそがれない先人たちに橋の上から敬意を表しつつ、便宜的に尾道に「ボート乗りたい?」と尋ね、断られて安堵した。
滝の上には遊歩道がめぐっていて、散策がてら歩いていると貯水池が現れた。
水面近くではニシキゴイが口をぱくぱくさせており、魚には目がない僕が愛でていると、奥からひときわ大きい魚影が近づいてきた。
はじめはこの池のコイの主かなと待っていると、ぬーっとやってきた体表にうろこがない。え?と二度見すると、悠々と巨大チョウザメが泳いでいた。

キャビアで有名なチョウザメが、こんな温度管理もままならないような池にいるなんて。
コイとチョウザメが並んで泳ぐ異様さをなんとか伝えたくて、駆り立てられるようにシャッターをたくさん切った。

さあ、撮るものも撮ったし帰ろうと最後に池を見渡すと、貯水池の端が数十センチほどさけていることに気がついた。
思えばあの辺りから真名井の滝が注いでいたね、まさかこの人工池が水源なんじゃないかと尾道と冗談を言いながら近づくと、ほんとうにこのチョウザメの池が水源だった。

調べると、以前は湧水群を水源とする自然の滝だったが、観光等の目的から水量を調整できるようにするために貯水池を作ったのだという。
あんな天然由来100%みたいな真名井の滝のポスターの裏にこんな舞台装置が隠されていたとは。
尾道と二人してネタバレをくらったような気分になりつつ車にもどり、これでいよいよ思い残すことはないね、と真名井の滝をあとにした。
