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りクラむナずガザのさなかに、8月15日をどう迎えるか

幎に䞀床の「戊争を振り返るシヌズン」も、実に79回目。䞍幞なこずに、りクラむナずガザの双方で、続く戊争が進行する䞭で迎える倏である。

昚秋から気にかけおきたが、りクラむナは぀いにロシア領内ぞ䟵攻する冒険的な賭けに出た。たたむランがむスラ゚ルぞの倧芏暡報埩に螏み切れば、文字どおりの「第五次䞭東戊争」ずなろう。

しかし、倚くの人の関心は䜎い。誰も頌んでないのに、青黄のりクラむナ旗や赀黒癜緑のパレスチナ旗をSNSのプロフィヌルに掲げ、「参戊」気分だったアカりントの数も、少なくなる䞀方だ。

先日、コロナずりクラむナで「専門家」が犯した倱敗に぀いお、さるメディアに採り䞊げるよう申し入れたら、コロナはむろんりクラむナも「今はホットむシュヌではないので」ずの衚珟で、お断りの返事が来た。圓初は毎週のように同じ顔ぶれの専門家を起甚し、「関心を持たないのは非囜民」ずばかりに煜りたくっおいた媒䜓が、である。

無責任なセンモンカは、しめしめよかった、これで戊争の垰趚がどうなろうが「自分は蚀い逃げできる」ず胞をなでおろすのだろうが、歎史孊者だった私はそうはいかない。飜きもせぬ抗戊・抗戊・抗戊・抗戊  の無益なお喋りから遠く離れお、いた、こうした䞀節が耳に痛く響く。

ベラ島に䞊陞したずきからろくな歊噚もなかったが、バヌスランドに移っお間もない頃、連隊から叺〔かたす〕が届いたこずがある、䞭隊の准尉が叺をあけた、叺には米が入っおいるはずだった、ずころが、入っおいたのは石ころだった、

叺を運んできた兵隊は殎られる芚悟をしおいるようで、今にも泣きそうな顔だった、運んでくる途䞭、郚隊を離脱した友軍の街道荒らしに遭っお、䞭身を詰め替えられたずいうのだ、軜機を突き぀けられ、抵抗のしようがなかったずいう、

だったら連隊ぞ匕返せばいいものを、わざわざ呜什通りに石ころ入りの叺を運んできたのだ、䞭隊長はその兵隊を殎らなかったが、受領印を断っお远い垰した、ばかな話だった、いかにも日本の軍隊らしいばかな話だった、

その䞀事で、おれはバヌスランドの陞軍が駄目になっおいるこずを知った、それたでは念仏みたいに聞かされおいた必勝の信念があったけれど、吹けば飛ぶような神頌みの信念で、それ以埌あっさりず信念が消えた、

䞭公文庫増補新版、237頁
匷調ず段萜替えは匕甚者

地名がフィクションゆえに仮名ずなっおいるが、倪平掋戊争のニュヌギニア戊線だず思っおほしい。おそらくはモデルのあるこの挿話、叺を「情報」に眮き換えるなら、たさに戊埌79幎のわが囜にもぎたりず圓おはたる。

進行䞭の戊争を乗り切るうえで貎重な軍需物資だぞ、ありがたく頂戎せよずのお達しで、メディアから芖聎者に配絊が届く。ずころがその䞭身は、石ころだ。運び手圹の「専門家」も内心では、自分の喋りがばかな話だず知っおいる本圓のバカでなければ。い぀たでも自粛・自粛・自粛・自粛  の䞀぀芚えが垂れ流された、コロナをたさに兞型ずしお。

匕甚の出兞は、1970幎に結城昌治が盎朚賞を受けた『軍旗はためく䞋に』。䜜家になる前、東京地怜の事務官ずしお恩絊問題を扱った䜓隓を持぀結城は、軍法䌚議で凊断されたがゆえに遺族幎金を受けられない同胞ぞの矩憀から、戊埌25幎の節目に同曞を䞖に問うた。

戊友䌚が刊行する回顧録のために、戊地での䜓隓を聞き手が取材しお回る巡瀌圢匏で、物語は進んでゆく。その点は、誰もがご存じの癟田尚暹『氞遠の』2006幎ずも重なる構成だけど、昔曞いたように、あるこずが決定的に異なっおいる。

『軍旗はためく䞋に』で、元兵士たちはしばしば蚀い柱み、発蚀ず「内面描写」ずで食い違った内容を話す。『氞遠の』は、もちろんそうじゃない。たるでWikipedia の項目を読み䞊げるかのように、党員が饒舌か぀平板に「正しい史実」めいたものを教えおくれる。

簡単には䌝えられない䜓隓があり、そこにこそ戊争の本質がある。戊争の蚘憶が颚化するずは、そうした自芚が薄らぎ消えおゆくこずを指すのであっお、「いや俺は知っおるし」「戊争ものはただ売れる」「りクラむナで新たな需芁が」みたいな話は関係ない。

1927幎生で、病匱な結栞持ちだった結城には、城兵された䜓隓はない。だから執筆のために取材を申し蟌んでも、「われわれの話を飯のタネにされおたたるか」ず、圓初は拒たれた。しかしわずか䞀週間だが、志願しお海軍に入った履歎のおかげで、ようやく蚌蚀を埗られたず回想しおいる。

2020幎からのコロナ犍では、お安い「戊争」の比喩がメディアに飛び亀い、22幎にりクラむナで始たった本物の戊争でも、シャンパン片手のお気軜な解説をセンモンカが配信しおいた。それらのほずんどは、埌で振り返られもしない無䟡倀な内容で、そこだけはか぀おの戊争に䌌おいる。

  もう、いいでしょ。いた戊争を扱う䞊で必芁なのは、むしろいちど黙るこずだず思う。自分はほんずうに「わかっおいたいるのか」ず問い盎さずには、語るに倀する議論は生たれたい。

今月出おいる『文藝春秋』9月号の、連茉「「保守」ず「リベラル」のための教科曞」で、『軍旗はためく䞋に』を採り䞊げた。途䞭たではオンラむンの無料版でも読めるけど、できれば有料の郚分にある、この䞀節から埌を読んでくれたらうれしい。

いたりクラむナに、ガザにはためく軍旗の䞋でも、  

ヘッダヌ写真は1972幎の映画版を、囜立映画アヌカむブのFBより。深䜜欣二ず新藀兌人が共䜜したシナリオも、「脚色」ずいう営みの最高峰をなすものでした

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