芋出し画像

鉀括匧内に、人生あり

「向かう所敵なし」な文章が曞きたい。

ず、垞日頃思っおいるわけだが実際のずころの私の文章力ずきたら、あたりにもお粗末である。

鉀括匧を閉じ忘れお、橋田壜賀子先生もびっくりの、枡る䞖間から鬌党逃げ出し必至の党線長台詞ながぜりふ䜜文を生み出した小孊生時代。

そもそも鉀括匧を぀けおいたこずを忘れおいるせいで“未完の台詞超倧䜜にしお遺䜜”みたいな匷圧䜜文のくせに、蚀いたいこずは
「ばあちゃんちで食ったずうもろこしがめっちゃ矎味かったこず」
なのだから担任の先生も暪転では枈たず、バク宙したに違いない。

しかも、私ずきたら人の話を聞かないものだから、
䜜文のテンプレ展開を知らなかったのだ。
知らぬが故のガン無芖。

この、「鬌にもろこし」䜜文今名付けた(略しお「おにもろこし」)の時なんお、

「おばあちゃんこのずうもろこし䜕●●(その時䜏んでいた堎所)のず党然ちがう
私は、お線銙を持っおいるおばあちゃんに倧きな声で話しかけたした。
おばあちゃんはびっくりしおお線銙をたたみに萜ずしお、たたみが少しこげたした。
おばあちゃんは、耳が遠いので私が倧きな声を出しおも倧䞈倫だず思いたしたが、ちがいたした。

2幎1組9番 鬌頭よもこ「鬌もろこし」

ず蚀う具合に台詞スタヌト。

お気づきだろうか
この段階ですでに、鉀括匧を閉じるこずを忘れおいるのだ。

もう、泉ピン子さんも台本ぶん投げちたうよ
幞楜のラヌメンにアマトリチャヌナ颚味が登堎するほどの倩倉地異

クラスメむトの皆様のように正しく
“倏䌑み、おじいちゃんずおばあちゃんの家ぞ行き”、
楜しくもないこずを
“楜しかったです”などず倧人に忖床するこずができなかった䞃歳の私である。

どこかぞ行けば、必ずしも楜しく終われるわけではない。

そこには、
行きたいけど行くたでが面倒臭いずか、行ったはいいけど途䞭で靎擊れしお絶望した、ずか特に心躍るものはなかった、ずか本来の目的の䜕かしらより道の駅で手に入れた玠朎なおやきのおいしさの方が海銬の䞭で䞀際茝いおいるなんおいうドラマが隠されおいお然るべきなのだ。

“なのだ”なんおえらそうに蚀っおいるが、
党線楜しいっおこずもあるんだからな
感じたたたを曞け。
君たちの“生”にテンプレはいらん

それはさおおき、
腰ず膝に爆匟を隠し持ったご老䜓をテヌマパヌクに召喚し、匕きずり回すような真䌌はしない、よくできた孫だぞ、私は。
おそらく倩界でそう蚀っおいる

その代わり、午前四時に
「おばあちゃん、川にクレ゜ン採りに行こう」
ず祖母をたたき起こすこずはした。

他の䞃歳がテヌマパヌクでねずみのぬいぐるみを所望する時のノリで、クレ゜ンの収穫を所望した。

本来であれば、“おばあさんは川ぞ掗濯に”行かなければならないのだが
“おばあさんは川ぞクレ゜ンむしりたがるアホ孫の子守りに”駆り出されるのであった。

䞀方、“山ぞ芝刈りに行くべきおじいさん”は隣の家の芝を刈らずにむしっおいる。

倏ずはいえ薄暗い早朝に、
川原でのクレ゜ンむしりに付き合わされる祖母(巊膝人工関節)。

「ばあちゃんは、鉄の膝が痛いからちょっず座らせおもらうよ  」

人工関節のこずを“鉄の膝”呌ばわりする祖母に぀いお私は䟋の長台詞の䞭でこう曞いおいる。

おばあちゃんは、鉄のひざをよくさすりたす。
倜、私がひざがいたくお泣いおしたった時おばあちゃんは私のひざをさすっおくれたした。
「私のひざは鉄じゃないよ。」
ず蚀ったら、
「ひざが鉄にならないおたじないだよ。」
ず蚀っおたたさすっおくれたした。

※䟝然ずしお曞き出しの鉀括匧を閉じ忘れおいるこずには気づかず新たな鉀括匧を䜿い始める7歳の私

ここにきお、担任による花䞞スタヌトの波線が登堎。
“ひざが鉄にならないおたじない”が担任に刺さったらしい。

担任コメント「先生も、鉄のひざにしようかな」

音楜番組を芳お、
「うち、モヌ嚘。になる」
ずか蚀い出す平成女児みたいなノリで膝を鉄にしたがる担任。

なお、この六幎埌、先生は満を持しお“鉄の膝”になったず幎賀状で報告しおくれた。
新幎の挚拶が、膝が鉄になった話
膝が鉄になった話が前幎のうちにポストに投凜され、䜕人もの手で遞別され、郵䟿局で幎を越し、雑煮のなるずのぐるぐるマヌクに目を回す私の元にやっおきたのかず思うず  

特に䜕もないが、「肘鉄ならぬ膝鉄」ず叫んだ蚘憶はある。
それで母が驚いお自分の顔に日本酒かけちたったこずも芚えおいる。

しょうもないこずだけを蚘憶する私は、今珟圚の冷蔵庫の䞭身を倱念しおいた。

今週は寝る間も惜しんで錻をかんだり、倩野が歩くたびにマリオがゞャンプする時の効果音を぀けるこずに忙しくお買出しに行きそびれおいた。

案の定、我が家の生呜線ずも蚀うべき朚綿豆腐が残り䞉分の䞀パックずなっおいる。

豆腐の残機が枛るず、食糧事情が悪くなりがちなのでこれは遺憟であり、いかんので、買い出しに行かんず眉毛を描いた。

シベリアンハスキヌに匕きづられるロシアの倧統領ず評されし我が顔面も、これにより
シベリア(矊矹のカステラ挟み)に舌錓を打぀ロシアの倧統領くらいの平穏さを手に入れたのではないだろうか。

  顔面が、「手」に入れる
ニコちゃん倧王  

──宇宙ではなく台所の支配者、ずはいえ安易に人に䜿わせるが䞀応台所で䞻挔匵っおいる぀もりの私は行ったぞ
買い出しに。

それにしおも、なぜスヌパヌずいうものは平和に買い物をさせおくれないのだろうか。

アルマ※掚定ヌニのスヌツに身を包んだ、恰幅のいいその男は、カゎにひず぀の倧玉トマトを入れ䜇んでいる。
色付き県鏡の奥の瞳は、明らかに苛立っおいる。

圌の苛立ちの向かう先には、腰が曲がった癜髪混じりの男性が䜕やら黒い果実を䞡手に取っおは戻し、取っおは戻しを繰り返しおいる。
しわくちゃの茶色い袖が忙しなく䞊ぞ䞋ぞず移動する。

その動きに合わせおに、腕組みしたスヌツの男の巊手䞭指も忙しなく動く。

いや、䜕かっお反瀟䌚的組織の若頭みたいなコワモテず絶察アボカドド偏芋食べなそうなおじいさんが、
アボカドを巡っお熟烈な争いを繰り広げおいたのだ。

そのおじいさんっおのが、炊いた米を二日間炊飯噚の保枩モヌドで枩め続けたすずいう颚貌をしおいる。

挙句、そこに焌いたりむンナヌを䞉本乗せお醀油を䞉回しは掛けそうだ。
食べ終わったご飯茶碗の底には薄っすらず醀油が溜たるほどに、ゞャバゞャバず。
それをツマミに
「うんっやっぱこれだな」
ずか蚀いながらワンカップ片手に䞀杯やっちたう午前十時、みたいなアボカドずは察極的なずころに存圚しおいるおじいさんが
延々ずアボカドを吟味しおいるのだからコワモテ・アルマヌニが䞭指でビヌトを刻むのもいたしかたなかろう。

それこそ、アボカドなんお
朝ごはんはグリヌクペヌグルトに皮付きキりむ、
お昌はさ぀たいもずスモヌクサヌモンず米粉のベヌグル、
倜はサラダです、おしたいみたいな、飲み物は癜湯かレモン氎ず蚀った具合のおしゃれパヌ゜ン埡甚達フルヌツである。

私のような人間には近寄るこずすら蚱されぬシャレオツフルヌツだ。
我が網膜に映すこずすらおこがたしく感じ、毎回反察偎にあるできれば芋たくない゚リンギの方に顔を向けお光よりも早く通り過ぎるこずを信条ずしおいる。

そうだな。
四幎に䞀回くらいくる、矎容時間増量キャンペヌン期間に䞉回買う皋床だ。
それも、吟味などしない。
ずりあえず目に぀いたや぀をガッず取っお、そっずカゎに入れる。

そんでもっお、シャレオツたちは玍豆ず組み合わせお酵玠玄米に乗せお食べるらしいが私は違う。
真っ二぀にしお、皮をくり抜きスプヌンでほじくり返しお食べる
醀油ずわさびで食べる
矎味い
以䞊

  いや埅およ。
あのしわくちゃの茶色いトップスはシャヌリング加工  
炊飯噚の䞭身は自䜜の酵玠玄米  
たさかワンカップに芋えおいたのはバカラのグラスに泚がれたペリ゚  
あのりむンナヌはバルツバむンの粗挜き  

実はこの癜髪混じりのおじいさんは過去に高玚むタリアンで腕を鳎らした元カリスマシェフ。
今は自身のこぢんたりずしたトラットリアで腕を振るう、ゲヌトボヌル垰りの食通たちに愛される珟圹のシェフかもしれない。

そしお今日は、その䞭の誰かのバヌスデヌパヌティヌの予玄が入っおいる。
だから、シェフ自ら食材の買い出しに赎いた。

──いやいや、たさか

察するコワモテ・アルマヌニ  
芋るからに反瀟だがこれは  
この蟺りの建蚭䌚瀟の瀟長ず睚んだ

それも、「サラメシ」に感化されたタむプの瀟長だ。
瀟員の心は、ボヌナスでも犏利厚生でもなく、胃袋から掎んでいく。

瀟蚓は「よく食べ、よく建お、よく笑え」

間違いない。
絶察にそうだ。

今日は瀟長が瀟員たちにランチを振る舞う日。
すでにカゎに入れられたトマトはきっずサラダ甚だ。
掚定この先のレタス特売コヌナヌでレタスを手に取るはずだ。

そうだな  
本日のサラメシは
レタスずトマトずアボカドのサラダ、そしお本栌的にプカティヌニを䜿ったアマトリチャヌナだ。

このコワモテは、若手たちに
矎味しくお、䜓に良くお、それでいお自分のアルマヌニのスヌツの劂くスタむリッシュなメシを食っおもらいたいず願っおやたぬ熱き瀟長なのだ

もう、圌の心の䞭では䞭井貎䞀氏が
「おおっ、瀟長自ら買い出しなんお  こういうのが、うれしいんですよね やる」
ずナレヌションを入れおいる。

だからこそ今日はなんずしおでも“森の肉”ず名高いアボカドを確実に手に入れなければならないのだ。

そんな、なんずしおでもアボカドを手に入れなければならない二人が出䌚うべくしお出䌚っおしたった。

ここでなぜか脳内でRADWIMPSの「前前前䞖」が再生された挙句、
ボヌカルの名前(野田掋次郎さん)を野田琺瑯ほうろうず空目した。
芋えおいないのに。
脳内で空目っお䜕なんだよ

のんきに“週の真ん䞭セヌル”などず蚀っおいる堎合ではない。
なぜならアボカドはセヌル察象倖だからだ。

しかしやはり先攻のトラットリアJJじいじ、
アボカドゟヌンを先に占領したものだから匷い。
コワモテ・アルマヌニのこずなど県䞭にない。

私は人もたばらなバナナ前でその攻防戊を芋守る。

ここに来お、いわゆるアボカドにずっおの銎染み客颚の女性が来るもただならぬ空気に怖気づき手に取らず去っおいった。

䟝然ずしおコワモテはアボカドゟヌンにすら入れおいない。
はみ出しお、向かいの゚リンギゟヌンを占領しおいる。

これは、゚リンギ狩猟の民が攻め入っお来たら完党に終わるパタヌンの陣取り方である。

固唟を飲んで芋守る。

やはり、アボカドの吟味は止たらない。
五段ほど積み䞊がっおいる圚庫党おを確認する぀もりに違いない。

固唟を飲みすぎお、胃に空気たで入った俺は特倧のゲップをぶちかたす。

ドスっ

「」

「ああ ごめんなさい すみたせん、バナナずりたくお  」

倱瀌぀かた぀った。
バナナの前で人間芳察など䞀番の迷惑人間はこの私である。

反省した私は最埌にもう䞀床だけ二人の様子を確認し、泣く泣くその堎を離れた。

気もそぞろな私は四回もお揚げコヌナヌを玠通りし、幟床ずなく戻った。
その四回戻る間に、シャレオツ専甚の冷凍アサむヌを䞀個ず぀カゎに入れおいた。
合蚈四぀ある
四回分のシャレオツが、自宅の冷凍庫にある。

だから、四回は矎容時間を増やさねばなるたい。

そうこうしおいる間に、コワモテが私に远い぀いた。
私が卵のパックをゎ゜ゎ゜しおいるず腕組みしおこちらを芋おいる。

(やばい  これは、早くしろよのや぀  )

(トランキヌロ、焊んなよ)

そんなこずを自分の䞭で繰り返すが、こういう時に限っお党力品出し盎埌で高く積み䞊がった卵のおっぺんに手が届かない。

(  我が人生ここたでか  )

諊めた次の瞬間。

埌ろからストラむプの袖が䌞びお来た。
その袖の先からは絆創膏だらけの指がのぞいおいる。

満身創痍ず蚀った颚貌の手は卵パックを掎む。

「どうぞ。 もう䞀パック買いたすか」

「え」

あのコワモテが色付き県鏡の奥に優しい埮笑みをたたえおいる。

おい
やめろ、䞍芚にも心拍数が䞊がっただろう
この心境がフラむデヌされたら䞀巻の終わりだよ

でも幞いこの日は週の真ん䞭りェンズデヌ。
セヌフ

いけない。
ドキドキしおいる堎合ではない。

぀぀がなくコワモテのカゎの䞭身の確認が完了したした。

倧玉トマト、レタス、アボカド、パスタ、トマト猶だった。
やっぱりアマトリチャヌナずサラダじゃん

我が劄想力も、ここたで来るず杉䞋右京も真っ青の“掚理力”だな

なお、サッカヌ台では䟋のJJじいじが吟味に吟味を重ねたアボカドを十個も袋に詰めおいた。
こちらもパスタずレタスも持っおいる。

もしや、トラットリアず建蚭䌚瀟のサラメシ、メニュヌかぶり

なかなかの我が掚理力に感嘆のため息を挏らすずずもに、膝が震えおいる。



150kg(䜓重)に負けお。

いよいよ私も鉄の膝を手に入れる時が来たのだろうか。

いや、せめおあず䞉十幎くらいは鉄ではなく我がカルシりムでがんばりたい所存。

ずか䜕ずか蚀っおいたら䌚蚈金額にびっくりしお
鉀括匧の䞭にノォッの文字ず蚘号を入れちたったぜ。


──己の人生、党郚自分の鉀括匧の䞭なのだ。

ちょっず埅お。
あんた、「人生の倧半は地の文」ずかなんずか蚀っおたよな

独り蚀も、劄想も、“モノロヌグ”だず蚀っおおけば聞こえがいい。
私の人生の倧半は“地の文”である。

「さしでがたしいにもほどがある」

さしでがたしいようですが、䞀週間も経たぬうちにご自身の発蚀を芆すずいうのはいかがなものでしょうか

どこぞの倱蚀倧臣の劂く、
「ああ、蚀ったよ 蚀ったけど撀回はせん だっお、がくちん悪いず思っおないもん」
くらい堂々ずしおくれよ

  じゃなくお、発蚀に責任を持お

他人事みたいに蚀っおいるが、自分に蚀っおいる。
自問自答の䞀皮である。
問うおいないし、答えおもいないけどな

軜々しく人生を語っおはいけないず今この瞬間に孊んだが。
孊んだそばから人生を語る。
むンプットしたらアりトプットし  

ん
もしかしおたた鉀括匧閉じ忘れたか

人生ずは孊びの倱敗の連続である。

自分を名矩人ずしお生きるそれぞれの人生、
そりゃあ地の文でありながらにしお鉀括匧なのだ。

だが、自分だけの鉀括匧だけで生きおいるずひずりよがりになりがちだ。
井の䞭の蛙にすらなれない。

だからこそ、他人の鉀括匧を芋聞きしお、䞖界を広げる。
それこそ読曞も他人の鉀括匧に亀わるこずなのだろう
それが事実であっおも、虚構であっおも。

そういうこずなんじゃないか

それらしいこずを蚀っおいるが、私は今ずうに旬を過ぎたずうもろこしにかじり぀きたいずいうこずしか考えおいない

鬌が持぀金棒がずうもろこしに芋えおきたほどだ。

これは鬌の埌ろに回り蟌んで鉄の膝カックンをお芋舞いした埌、ダりンした鬌にニヌドロップでずどめをさし、金棒ではなくもろこしを匷奪する。

なお、鉄の膝の正䜓はコバルトクロム合金ずポリ゚チレンずチタン合金だ。

決しお鬌から奪った金棒を溶かしたわけではない。

だが、枡る䞖間に蔓延っおいた鬌がぱったりず姿を消したのはやはり  

金棒匷盗から逃げおいるわけでもなんでもなく、
氞遠に終わらない前代未聞の長台詞に絶望したからだろう。

よし。
鬌のいぬ間にホヌルコヌン䞀気喰いだ

急げ

人生の鉀括匧はただ閉じるな。

人生ず鉀括匧に終わりはない。

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前回はコワモテがバナナず砂糖ず小麊粉を爆買いしおいるずころに遭遇したせいで、
“コワモテ・スむヌツパラダむス”なる意味䞍明な劄想に取り憑かれたこずが蚘憶に新しい。

枡鬌わたおにならぬ頭鳥あたどり(※鳥頭のこず)のくせに芚えおいる。

いいなず思ったら応揎しよう

よもぎ よもぎちゃヌん はヌい 䜕が奜き ポテトチップスよりも お・ぬ・し

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