【Kindle絵本制作記⑤】「同じ顔にならない!」の絶望。
キャラクターの一貫性の話
こんにちは。
45歳、絵心ゼロ男です。
今回の話は、第2話とセットで
読んでもらえると嬉しいです。
なぜなら、今回の主役である「ヨハク」が
どうやって生まれたのかを書いているからです。
そしてこの制作記はシリーズで続いています。
最初からまとめて読みたい方は、
こちらのマガジンからどうぞ。
あの時、私は本気で思っていました。
「これで絵本が作れるかもしれない」と。
45年間、まともに絵なんて
描いたことがない人間が、
自分だけのキャラクターを手に入れたんです。
しかもAIで。
かなり浮かれていました。
でも、その後すぐに現実を知ることになります。
絵本って、
1枚の絵じゃ作れないんですよね。
(当たり前🥸💦)
主人公が1回だけ出てくる絵本なんてありません。
10ページあれば10回、
20ページあれば20回、
同じキャラクターが登場しなければいけない。
でも私は、この時まだ気づいていませんでした。
AI絵本制作で一番難しいのは、
「絵を作ること」ではなく、
「同じキャラクターを維持すること」
だということに。
奇跡的に生まれたヨハク
ヨハクが生まれたのは、Midjourneyの
「Style Creator」という機能でした。
いろんな絵柄を試していた時に、
偶然出てきた1枚です。

正直に言うと、
最初は失敗作だと思いました。
帽子のバランスは変。
ヒゲも微妙。
顔の作りもどこか不自然。
でも、なぜか気になったんです。
何度も見返しているうちに気づきました。
「あれ?」
「この目の色・・・」
私がThreadsで使っているアイコンと同じ
ターコイズブルーだったんです。
その瞬間でした。
急に愛着が湧いたんです。
この子を主人公にしたい。
この子で物語を作りたい。
理由なんて、それだけでした。
でも今思えば、その感情がなかったら
絵本は完成していなかったと思います。
AIなんだから簡単だと思っていた
当時の私は、
AIをかなり誤解していました。
画像生成AIって、
画像を見せれば同じキャラクターを
描いてくれると思っていたんです。
だから何の疑いもなく、
ヨハクの画像をChatGPTに
渡してお願いしました。
「このキャラクターが森の中を歩いているシーンを描いてください」
数秒後。
画像が完成しました。

・・・
誰?
こども?
ヒゲはなぜか立派になっている。
髪の毛は濃い青、
丸メガネは消滅、
ヨハクの遠い親戚みたいな人が出てきました。
私は慌てて修正します。
「違う違う💦」
「髪は水色で」
「丸メガネをかけていて」
「ヒゲがあって」
「優しい雰囲気でお願いします」
今度こそ。
そう思いました。
数秒後。

おじいーーーー😂
また誰?
今度はリアルなおじいちゃんになっていました。
さっきより遠ざかってる。
テイストも違うし。
なぜ??
特徴を追加したのに。
なぜ遠ざかる。
AI初心者の私は完全に混乱していました。
さらに指示を追加します。
「ターコイズブルーの瞳」
「長いマフラー」
「絵本風」
「水彩っぽい優しいタッチ」
すると、

惜しい。
めちゃくちゃ惜しい。
でも違う。
ヒゲ白っ。
マフラー短っ。
親戚から従兄弟くらいには近づいたかな。
でも思ってるヨハクと違う。
この辺から少し焦り始めました。
なぜなら、
絵本は1枚で終わらないからです。
もし20ページ作ったら、
20人のヨハクが生まれることになる。
それはもう主人公じゃありません。
ただのオヤジの集団です。
画像だけでは伝わらない
ここで私は初めて気づきました。
AIは画像を見ているようで、
人間ほど正確には認識していない。
つまり、
画像を見せるだけでは足りない。
「ヨハクとは何者か」
を言葉にしなければいけなかったんです。
私はヨハクの特徴を書き出しました。
まるで指名手配書みたいに。
まず固定したのは外見です。
・水色の髪
・青いとんがり帽子
・ターコイズブルーの瞳
・丸メガネ
・青いヒゲ
・長いマフラー

お~お~、まぁまぁ
悪くない。
次に画風です。
最初は単純に
「北欧絵本風」
とだけ指定していました。
でもこれだと毎回絵柄が変わる。
そこで少しずつ要素を増やしていきました。
「北欧絵本風」
↓
「北欧絵本風、アクリル絵の具の質感」
↓
「北欧絵本風、アクリル絵の具の質感、ラフな筆跡」
↓
「北欧絵本風、アクリル絵の具の質感、ラフな筆跡、やわらかい色使い、手描き感」
という感じです。

すると少しずつ、
北欧の絵本にありそう!
と思える絵が増えてきました。
でも。
まだ問題が残っていました。
正面はヨハク。
横顔は別人。
後ろ姿から振り向くと別人。
斜め向きになると別人。
もはや百面相です。
Threadsで教わった「三面図」
そんな時でした。
Threadsで制作過程を投稿していたら、
ある方からアドバイスをいただいたんです。
「三面図を作った方がいいですよ」
三面図?
最初は意味が分かりませんでした。
調べてみると、
アニメやゲームのキャラクター設定で使われる、
正面・側面・背面をまとめた資料のことでした。
なるほど。
AIにとっても設定資料が必要なのか。
そう思って作ってみました。
ついでに細かい部分も修正しながら
かなりヨハクというキャラクターが
形になってきました。

そして生成するたびに、
この三面図と特徴一覧をセットで渡すようにしたんです。
すると、
明らかに変わりました。
今まで暴走していたヨハクが、
かなり高い確率でヨハクのまま登場するようになったんです。
もちろん100%ではありません。
でも成功率は一気に上がりました。
何十回も失敗して、
ようやくたどり着いた結論があります。
それは、
キャラクターを再現したいなら、毎回資料を渡せ。
ということ。
AIは魔法ではありません。
むしろ優秀な新人スタッフに近い。
丁寧な資料を渡せば再現してくれる。
でも資料がなければ普通に迷子になる。
今回の経験でそれを痛感しました。
そして最終的に私が辿り着いたルールはシンプルです。
ヨハクを再現するためのルール
① 三面図を毎回添付する
② 特徴一覧を毎回添付する
③ 画風の指定を毎回固定する
④ 良かったプロンプトは必ず保存する
この4つです。
もしこれからAIで絵本や漫画を作ろうとしている人がいたら、
まず最初に三面図を作ることをおすすめします。
私はかなり遠回りしました。
でも、その遠回りのおかげで、
ようやく絵本らしい絵が揃い始めたんです。
ちなみに、
ここまでやっても解決しない問題がありました。
ヨハクの瞳の色です。
なぜか毎回微妙に違う。
青だったり。
緑だったり。
グレーだったり。
「ターコイズブルーって言ってるだろ!」
と何度パソコンに向かって叫んだか分かりません。
そして私はついに、
押し入れの奥からペンタブを引っ張り出すことになります。
AIで楽をするはずだったのに。
なぜ手作業が増えているのか。
そんな話はまた別の機会に。
次回予告
背景を透明にして、
オシャレな文字を乗せれば絵本っぽくなる。
そう思っていた時期が私にもありました。
ところが完成したデータをKindleで確認した瞬間、
血の気が引きます。
透明だったはずの部分が、
真っ黒に塗りつぶされていたんです。
次回、
「透過PNGに潜む罠。背景を消したはずが、Kindle画面で真っ黒に潰れる恐怖」
知らないと普通に出版事故になります。
そして私は、その事故を実際に体験しました。
最後に
この制作記では、
AIで絵本を作るまでの失敗も成功も、そのまま書いています。
そして、その試行錯誤の末に完成したのが、
『ヨハク、みちをきく』です。
45歳、絵心ゼロ。
AIと何度もケンカしながら完成した、小さな絵本です。
▼Kindle版・ペーパーバックはこちら
もし本棚の片隅にヨハクを迎えていただけたら、とても嬉しいです。
それでは、また次回。

☆Amazonのアソシエイトとして、よはくは適格販売により収入を得ています。
