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Webマーケティングが本業の私が、個人開発の集客を全部書きます

1本目、2本目とたくさんの反響をいただき、嬉しい限りです。
モチベが高いので、3本目も書いてみました。

昨今、AIエージェントの精度が上がるにつれて、コンテンツの製作は明確に容易になりました。

もちろん、使う人によって仕上がりに差は出ます。
プロンプトの精度、設計の解像度、粘り強さ。そこに差はあります。

でも、ある程度のものを作る、という一点だけ見れば、もう簡単です。
これは事実だと思います。

前回の記事では、その前段にある「何を作るか」について書きました。一次情報だけはAIが持っていないので、そこは自分で掘るしかないという話です。

そして「何を作るか」が決まり、実際にコンテンツを製作し、アイデアが形に変わったあと。

次に必ずやってくる壁があります。


誰にも使われない

これです。

作り終えた日のことを覚えています。動くものができて、決済も通って、ドメインも繋がって、あとは人が来るのを待つだけ。

3日待ちました。

結果、アクセス数は、私自身の確認アクセスを除くと、ほぼゼロでした。

作っている間はずっと手応えがあったので、これは想像していたよりきつい体験でした。作ったものが悪いのかどうかすら判定できないからです。誰も来ていないので、評価される機会が発生していない。

この状態を業界の言葉に翻訳すると「集客ができていない」になります。

そして厄介なのは、集客に「正解」がないことです。

前回の「何を作るか」には、少なくとも共通の考え方がありました。
一次情報を掘る、という一本道です。

でも集客は違います。あなたが作ったものが何なのか、誰に向けたものか、単価がいくらか、シーズンがあるか。それによって最適な手段が変わります。私にとっての正解が、あなたにとっての正解である保証はどこにもありません。

だから今回は、私の答えを押し付ける形にはしません。

判断の材料を全部出して、あなたのコンテンツに最適な集客方法を、一緒に考えていければと思います。


個人開発で使える集客は、3本しかない

集客の手段は世の中にいくらでもあるように見えますが、整理すると基本は3本です。

  1. 自然検索(SEO)

  2. SNS

  3. 広告

そして個人開発者が現実的に回せるのも、この3本です。
テレビCMも展示会も代理店も営業チームもないので、ここに集約されます。

問題は、この3本が全く性質の違うものだということです。かかる時間、必要なお金、必要なスキル、そして効き始めるタイミングが違います。

ここを理解せずに「とりあえずXで告知する」から始めると、多くの場合そのまま止まります。

私は本業でWebマーケティングをやっています。だから今回は、この3本を「個人開発者が何から手をつけるべきか」という順番で整理していきます。


3本の性質を先に把握する

まず、それぞれの正体を正確に押さえてください。

①自然検索(SEO)

強み:一度上がれば、寝ている間も人が来る。獲得コストが限界的にゼロになる。
弱み:時間がかかる。早くて3ヶ月、普通は半年から1年。

ここを誤解している人が非常に多い。SEOは「安い集客」ではなく「時間で払う集客」に近いものです。お金の代わりに時間を支払っている。

そして個人開発の最大の問題は、効果が出る前に心が折れることです。
半年後に効くものは、今日のモチベーションを支えてくれません。

②SNS

強み:無料。今日始められる。当たれば(バズれば)一気に伸びる。
弱み:再現性に欠ける。そして自分のフォロワー数に依存しやすい。

ここが一番の罠です。「SNSで集客」と言うとき、フォロワーが100人の人と1万人の人では、同じ行動が全く違う結果になります。

そして厳しいことを言うと、フォロワーがほぼいない状態からのSNS集客は、サービスの集客ではなく、アカウントを育てる作業から始まります。これは別のプロジェクトなってしまいます。

③広告

強み:速い。今日出せば今日データが返ってくる。金額で規模を調整できる。
弱み:お金がかかる。そして、無知だと一瞬で溶けやすい。

私の本業なので正直に書きますが、広告の本質は集客ではありません。
検証です。


順番の話:私はこうしました

3本の性質が分かったところで、順番の話をします。
ただし、これは近道ではなく、あくまで参考程度にしていただけたらと思います。

そして私が実際にやった順番は、こうです。

① 最初に広告を打った

いきなりお金を使いました。理由は、時間が一番惜しかったからです。

前回書いたとおり、私のサービスには締切のあるユーザーがいます。つまりシーズンがある。半年かけてSEOで育てている間に、そのシーズンが終わってしまいます。

そしてもう一つ、より重要な理由があります。

作ったものが売れるかどうかを、最速で知りたかった。

これが広告の本当の使い方です。広告は「客を買う」ためのものではなく、「自分の仮説が間違っているかどうかを、お金で早送りして確かめる」ためのものです。

無料の集客手段は、結果が出るまで遅い。遅いということは、間違いに気づくのも遅いということです。3ヶ月かけてSEOで人を集めて、それでも誰も課金しなかったら、失った3ヶ月は戻ってきません。広告なら、数日と数千円で同じ結論に到達できます。

② データが返ってきたら、そこで初めて判断する

広告を回すと、こういう数字が出ます。

  • 何人がクリックしたか

  • そのうち何人が登録したか

  • そのうち何人が課金したか

そしてここで見るべきは、1人の課金者を得るのにいくらかかったか、です。

これが月額料金より安ければ、続けます。高ければ、止めるか作り直します。

この数字が出た瞬間に、それまでの全ての議論が終わります。
「もっと機能を足すべきか」「デザイン(クリエイティブ)を直すべきか」といった悩みは、この数字の前では全部後回しです。

③ 広告で成立を確認してから、SEOに時間を投資した

順番の理由はここです。

まだ売れるかどうか分からないものに、半年かけてはいけません。

広告で「1人の課金者にいくらかかるか」が分かり、それが割に合うと確認できた。その時点で初めて、「これは時間を投資する価値がある」と判断できます。

そこからSEOを始めれば、半年後に効き始めたときには、すでに売れると分かっているものにトラフィックが乗ります。

④ SNSは、一番最後

これは異論があるところだと思います。

でも私は、フォロワーがいない状態でのSNS集客は、集客手段としてカウントしていません。それは集客ではなく、資産形成です。

だから今、この連載を書いています。

正直に言えば、この記事もその一部です。個人開発の過程を書くことでフォロワーを増やし、それを次のサービスの集客に使う。そういう構造になっています。隠す話ではないので書いておきます。


あなたの場合はどれから始めるべきか

ここまでが私のケースです。何度も書いているとおり、これがそのままあなたの正解になるとは思っていません。

なので、判断の分かれ目になる質問を4つ置きます。順番に答えてみてください。

質問1:あなたのサービスに「シーズン」はありますか

試験、確定申告、入学、引っ越し、年末年始。特定の時期にしか需要が立たないなら、広告が先です。

理由は単純で、SEOの半年を待っていたらシーズンが終わるからです。私がこれでした。

年中いつでも需要があるなら、SEOに時間を投資する余裕があります。急がなくていい。

質問2:あなたのサービスは、検索されますか

これは意外と見落とされます。

ユーザーが困ったときに、検索窓に打ち込む言葉があるかどうかという話です。「確定申告 やり方」「英語 学習アプリ」なら検索されます。でも、ユーザー自身がその不便を言語化できていない領域だと、検索されません。

検索されないものにSEOをやっても、上位に立った先に誰もいません。この場合、SEOは選択肢から消えます。残るのは広告とSNSの2本です。

質問3:SNSのフォロワーは何人いますか

1,000人未満なら、SNSは今日の集客手段になりません。告知しても届く人がいないので、投稿しても何も起きず、心が折れるだけです。これは能力の問題ではなく、単純な母数の問題です。

数千人以上いるなら話は別で、SNSが最速の手段になります。この場合、広告より先にSNSでいい。自分の資産を先に使うべきです。

質問4:自己資金を、コンテンツの成長に使えますか

目安は¥2000〜¥3000/日 を5日以上です。

広告を検証として使う場合、最低ラインの目安です。これ以下だとデータが溜まる前に終わってしまい、何も分からないままお金だけ消えます。

使えるなら、広告が最短ルートです。

使えないなら、広告は選択肢から外してください。中途半端な金額で回すのは一番もったいない使い方です。その場合はSNSとSEOの2本で、時間で払う戦略に切り替えます。時間はかかりますが、それは劣った戦略ではありません。払う通貨が金ではなく時間になるだけです。

4つの答えを組み合わせると

  • シーズンがある × 金が出せる → 広告から。迷う余地なし

  • シーズンがない × 検索される × 金が出せない → SEOから。半年計画で腰を据える

  • 検索されない × フォロワーがいない × 金が出せない → 一番厳しい組み合わせです。まずフォロワーを作るか、お金を作るかの二択になります

  • フォロワーが数千人以上 → SNSから。手持ちの資産を先に使う

自分がどこに当てはまったか、把握できたでしょうか。

ここから先は、その手段を選んだあとに全員がやりがちな失敗の話をします。


逆にやってはいけない順番

よく見る失敗の順番はこれです。

SNSで告知 → 反応がない → SEO記事を書き始める → 3ヶ月続かない → 広告を試す金がもうない

なぜこうなるか。無料の手段から順番に試しているからです。

気持ちは分かります。私も最初はそうでした。でもこの順番の問題は、一番遅い手段から始めているという点です。

もう一度整理します。

  • 広告:数日でデータが返る。お金がかかる。

  • SNS:数ヶ月かけて土台が必要。無料。

  • SEO:半年で効き始める。無料。

最初に必要なのは使ってくれるお客さんではなく、答え(数値)です。
「これは売れるのか」という答え。それを一番速く出せるのは広告です。

1万円程度でその答えがクリアになるのなら、それは集客費ではなく調査費だと考えてください。


最低限やっておくべきこと

順番の話とは別に、3本のどれをやるにしても土台になるものがあります。ここが崩れていると、どれだけ人を連れてきても意味がありません。

1. 何人来て、何人が登録して、何人が課金したかを、数えられる状態にする

これが最優先です。計測されていない集客は、やっていないのと同じです。何が効いたか分からないので、次の判断ができません。

2. 着地したページで、10秒以内に「これは何か」が分かるようにする

集客の失敗の半分は、集客ではなくページの問題です。人は来ているのに、何のサービスか分からずに帰っている。

3. 課金までの手順を、可能な限り削る

登録項目、確認画面、メール認証。増えるたびに人は減ります。


まとめ

  • 集客手段は自然検索・SNS・広告の3本。個人開発で使えるのもこの3本

  • 速い順は、広告 → SNS → SEO

  • 最初に買うべきは客ではなく「売れるのか」という答え。だから広告が先

  • 広告で成立を確認してから、SEOに時間を投資する

  • フォロワーがいない状態のSNSは、集客ではなく資産形成。並行して長期でやる

  • 計測できていない集客は、やっていないのと同じ

  • ただし、あなたの正解は4つの質問の答え次第。シーズン、検索需要、フォロワー数、出せる金額で変わる

作る力はAIで手に入りました。何を作るかは自分で掘るしかない。そして作ったあとに人を連れてくる部分は、今のところ誰も自動化してくれません。

ここが、これから一番差がつく場所だと思っています。

Natsu | SaaS個人開発er

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