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何がどう違う?説明と描写について考えてみる

このところ、Xでたまに目にするのが、説明と描写の違いについて。

説明は、事実を述べることでしょ。描写は……感情?なんだ?

わたしの中でも明確に説明ができないので、ここで一度整理してみたいと思います。


その前にまず辞書的な意味から。

説明:
ある事柄が、よくわかるように述べること。

デジタル大辞泉「説明」より

描写:
物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉・絵画・音楽などによって写しあらわすこと。

デジタル大辞泉「描写」より

これだけ読んでも、ちょっとまだわかりにくいですね。説明は事実、そこに感情が入ると描写になる?じゃあ心理描写じゃなくて情景描写は?説明って、描写って、なんだ?


そもそも明確に線を引けるのか

言葉の定義としてはわかったんですが、じゃあ手元に何かしらの文章を用意したとして。これは説明、こっちは描写、と明確に色分けできるかと言われたら結構難しい気がします。

わたしも自作読んでて分けてって言われてもできない。説明してるって言われたらそうだし、描写になってるって言われたらそんな気もする。

そもそも、説明も描写も何かを表現しようとしているというのは同じなんですよね。となると何が違うのか。


日記とエッセイの関係性に似てるかも

考えていくと、表現したいものが事実や状態なのか気持ちなのか、ということなのかもと思いました。

そこにある事実、もしくは状態を直接表したいなら説明をする。
事実や状態を直接表現せずに、どんな気持ちが乗ってるのかを表したいなら描写をする。

ちょっと無理がありますけど、簡単に言うとこんな感じ?

だとすると、説明は日記的、描写はエッセイ的と言えるかもしれません。

日記とエッセイの違いも曖昧なものだけど、おっきく言うと、何を伝えたいか、何を表現したいかの違いですよね。

その日にあったことやそのときの気持ちを書き記しておきたいのが日記
ある出来事に対して考えたこと、思ったことを言葉という技法で表現したいのがエッセイ

そう思うと、説明は日記的、描写はエッセイ的という仮説も成り立つんじゃないでしょうか。

もちろん、日記の中にも描写が入るし、エッセイには説明も必要です。だからどちらかが100%の文章ってそんなに多くないと思いますが、目指す方向性としては合致してる気がします。


どっちがいい悪いの話じゃない

冒頭の話題に戻ると、そもそも小説は描写をしないといけない、説明はいらないという論もあったんですけど。わたしはそうでもないんじゃないかと思っています。

だってさ。

目を覚ましたら、もう夕方だった。子どもの迎えに行かないといけない時間だ。わたしは慌てて身支度を調え、保育園に向かった。

これは説明ましまし。

ゆっくりと瞼をあげると、窓の外はもう夕焼けの赤でいっぱいだった。「ママ、ママ、はやくきて」待っている子どもの声が聞こえる気がする。ドレッサーの前に立って、ブラシで髪をとかした。靴を履いて、玄関のドアを開けるのももどかしい。歩いたらたった5分の子どもまでの距離が、今はとても遠く感じる。

これが描写もりもり(説明も含まれる気もします)。

どっちもちゃんと、おはなしとしては成立します。ただ、受ける印象は大きく違うかな。同じこと書いてるんですけどね。

小説だから、と描写をたくさん入れ込むと、勢いは失われます。だから今の例だと、説明の方がより急いでる感じは出る。描写の方は読んでてちょっともったりしちゃうから、このお母さんが急いで保育園に向かってる感じは薄れますね。わたしやりがち。気をつけよう。


もういっこ。

今日は快晴だ。お母さんは洗濯物を干してる。ぼくは友達と約束したから、公園に行った。

これが説明。

今日はとってもいい天気だ。お母さんが干してる洗濯物も、青空の下で風に揺れて喜んでるみたい。見てたら僕も嬉しくなって、公園まで走っていくことにした。昨日約束したゆうちゃんは、もう来てるかな。

これが描写寄り。

この場合は多分、読んでて面白いのは描写の方じゃないですかね。うまくいってなかったらごめんだけど。

説明は淡々と、天気がいいこと、お母さんが洗濯物を干していること、“ぼく”は約束があること、公園へ行くことだけを書いているので事実だけしか書かれてません。

描写だと、天気がよくて、お友達との約束が嬉しくて、思わず走り出しちゃう、みたいな“ぼく”の気持ちが込められますね。


説明はわかりやすい、描写は膨らませやすい

ここまで考えて気がついたのが、説明はわかりやすいということです。何が起きたのか、どう考えたのか、ひねりなくストレートにどんと置いてあるのが説明。なので、基本的にどの人が読んでも理解しやすい

あとは、淡々と事実を書いていく表現技法としての使い方もありますね。さっきのお迎えの例がそう。

対して描写は、イメージを膨らませてもらうために書くものなので、ぱっと見はわかりづらい。ただ、情景や心理を言葉を用いて表現してるので、読み手が頭の中で空想できる余白がある

こういう気持ちわかる、って共感させる面白さとか、表現自体の美しさみたいなものは描写の得意なところですね。


ということで、描写と説明の違いについてちょっと考えてみました。書くときは別に、今どっちを書いてる、って明確に意識しなくてもいいと思います。偏りなくどっちも入ってるのが、特に現代小説では読みやすいかな。

あとは表現したいものとか、好みの問題。頭の片隅にだけ置いておいて、あなたの書きたいように書いてみてくださいね。


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