目から読み解く姿勢と動きー③成功する選手は重心に合った動きをしている
私の若い頃は、
運動神経の良い子といえば、骨盤前傾の前重心。
足が速く、瞬発力があり、動きが俊敏。
「キリッとした顔立ちの人気者」が多かった記憶。
有名な選手で言うと、
野球の王貞治さん、長嶋茂雄さん、相撲の大鵬さん、千代の富士さん
柔道の古賀稔彦さん、谷亮子さん、ボクシングの具志堅用高さん、
長谷川穂積さん、テニスの松岡修造さん、バレーボール大林素子さん、
サッカー三浦知良さん、水泳の鈴木大地さんなど。
そのジャンルを代表する選手の多くは、前重心の「寄り目さん」
ここ最近、種目に求められることの変化、体型・体格の進化、
個々の才能を伸ばす指導法の変化などにより、
近年は、「離れ目さん」の台頭が著しいです。
オリンピックや、プロでの活躍を見るに、
成功している選手は、自分の重心のタイプにあった
パフォーマンスをされているように思います。
1 「離れ目さん」角田夏実選手の巴投げ
柔道や相撲の国技的格闘技は、前重心の「寄り目さん」が圧倒的に多い。
太めの人は顔が横に広がるから、「離れ目さん」が多いと思いきや、
意外に 顔のパーツが中心に寄った「寄り目さん」が多い!
関取は、押し相撲、四つ相撲に関わらず、前重心のお相撲さんばかり。
相撲においては、テレビで見ていたり、相撲部屋の練習を見ても、
師匠は「前に出ろ、引くな、下がるな!」と口酸っぱく言われている。
引き技やはたき込みをすると叱られるのだそう。
なるほど、十両以上の関取には前重心の「寄り目さん」が多いはずだ!
離れ目のお相撲さんは、上に上がるまでに、
潰れていく人が多いのかもしれませんね。
柔道の技の多くは、まず押し込んで、相手が出てくるところを
前に崩して背負い投げや内股を仕掛けるというもの。
体勢を低くして背負いを掛けるなどは、前重心の得意な動き。
往年の柔道のカリスマといえば、山下泰裕さん、故古賀稔彦さん、
野村忠宏さん、谷亮子さん、松本薫さんなど、
すべて、背負い投げや内股などを得意とする前重心タイプ。
そんな中、後ろ重心の「離れ目さん」角田夏実選手の巴投げ。
まさに、後ろ重心の動きがぴったりの技。
2024年パリオリンピックにて、
「巴投げ」で相手を放り投げる角田夏実選手の姿に
感動と爽快感を覚えたのは私だけではないはず。
「巴投げ」というのは、柔道の捨て身技の一つ。
基本形は相手を前に崩し、真後ろに身を捨てつつ、
釣り手側の足裏を相手の下腹部または、
腿の付け根に当てて、押し上げるように蹴り上げて
頭越しに真後ろに投げる技。

得意な技
ほかの柔道女子には失礼かもしれないが、
彼女は柔道女子らしくない美人で話題になった。
何か親しみを覚える愛くるしい顔だなぁと思っていたが、
その目を見ると、目と目の間が離れている「離れ目さん」。
後に、バラエティ番組にて、角田夏実選手が語ったのは、
柔道経験者で整骨院を営んでいた父親が、
巴投げが彼女の体に適していることに気づき、
高校生の時に巴投げを勧めたとか。
それまで背負い投げなどで戦っても、
今一つ殻を破れなかったのだそう。
それ以後、巴投げと連絡技である腕ひしぎ十字固めという
寝技の関節技に特化した練習が実を結んだのだとか。
本人はもちろん、彼女の得意な動きを生かせる巴投げに特化した
練習を続けさせた父親が凄い。さすが、整骨院でたくさんの方の
骨盤を見ておられただけのことはありますね。
2 「離れ目さん」矢田みくに選手ー安藤選手にあこがれ才能開花
2026年大阪国際女子マラソン
最後までテレビの前に釘付けになりました。
初マラソンの矢田みくに選手が、初マラソンにもかかわらず
世界のそうそうたるメンバーと最後まで競り合い
2時間20分を切る初マラソンとしては
安藤友香選手のタイムを塗り替えて
歴代1位となる好タイムでゴールしました。
ところで、この安藤友香選手は、
矢田みくに選手があこがれる存在なのだそう。
安藤選手からも、走り方のアドバイスをもらっていると
解説の方が言っておられましたね。
岐阜県海津市出身のランナー安藤友香選手は、
長い間芽が出なかったのが、所属の変更に伴いコーチが変わり、
以前の腕を大きく振り脚を上げる走法から、忍者走りといわれる
腕を下げて脚を上げずにスタスタ走る走法に変え、
一躍世界を争う選手に大躍進した選手。
これは「離れ目さん」の彼女、骨盤後傾、後ろ重心に合う走り方。
何と、矢田みくに選手も、目と目の間隔が離れた
愛くるしい顔の「離れ目さん」
彼女も、骨盤後傾、後ろ重心に合う走り方を貫くことで、
今回の快挙に繋がったようです。
この大会で、日本人3位でゴールしたのは、川内理恵選手。
準招待選手ながら、大幅にタイムを縮めて
「やった~、やった~」といいながら
ガッツポーズでのゴールが印象的!
MGCの切符を手にした彼女も、笑顔が素敵な「離れ目さん」
動画で走り方を見ると、
安藤友香選手のように、手をだらりと下げて走る
骨盤後傾、後ろ重心タイプに合った走り方。
このように、目と目の間隔とパフォーマンスは、
密接な関係があるのです。
そのため、憧れる選手や目標とする選手は、
目を見て、自分と同じような人を選ぶのが
成功のカギかも知れませんね。
3 りくりゅうペアは「離れ目さん」と「寄り目さん」のペア
2026ミラノ・コルティナダンベッツオオリンピックにて、
りくりゅうペアが感動の大逆転優勝して以来、この二人注目は大きく、
現役引退を表明しても、その勢いはとどまることは知れません。
テレビに出演する機会が増えた二人を見ていて、
整体師の観点から、2人の強さの秘密に気づきました。
それは、
木原選手と三浦選手の重心のタイプが、真逆ということです。
フィギュアスケートのペアは2人の選手が、
それぞれの仕事を分業します。
その仕事が、真逆の重心を使うことが解りました。
それだけではなく、話を聞くと、
性格や日常生活の役割も真逆のようです。
三浦選手は目と目の間隔が広い「離れ目さん」
このタイプは、骨盤後傾の後ろ重心になります。
木原選手は、目と目の間隔が狭い「寄り目さん」
このタイプは、骨盤前傾の前重心になります。
頭蓋骨は骨盤と連動しているので、
頭蓋骨が広がって離れ目さんになれば、骨盤〔仙骨〕が後傾し、
頭蓋骨が閉じて寄り目さんになれば、骨盤〔仙骨〕が
前傾するのです。
そして、なんと、りくりゅうの後の期待を担う
ゆなすみペアも同じ組み合わせなのです。
長岡柚奈選手は「離れ目さん」、森口澄士選手は「寄り目さん」
そして、歴代名を馳せた中国ペアの写真を見ても、
男性は「寄り目さん」で、女性は「離れ目さん」がほとんどです。
フィギュアスケートペアでは、この組み合わせが
テッパンなのかも知れませんね。

動画を見ていても、
男性はリフトやスローの時に、
骨盤前傾させてやや前方で安定させています。
女性は、リフトされた時や空中で
骨盤後傾させて安定を図っています。

女子は後ろ重心(骨盤後傾)
が適している
木原選手と三浦選手が、最初に滑った時に、
今まで組んだペアにない しっくりくる感じを得られたのも、
このような理由があるのかもしれません。
4 「離れ目さん」大谷翔平と「寄り目さん」イチロー
先日、ドジャースの大谷選手が、連続試合出塁において
イチローさんと同じ日本最長の43試合に伸ばしたという記事が、
目に留まった。
その間の二人の成績の比較表を見ると、その内容の差は歴然!
安打は、イチローさんの71に対して 大谷選手は46
本塁打は、イチローさんの3に対して 大谷選手は14
打点は、イチローさんの11に対して 大谷選手は 27
四死球は、イチローさんの14に対して 大谷選手は35
三振は、イチローさんの16に対して 大谷選手は49
打率は、イチローさんの .374に対して 大谷選手は.280
安打、打率、本塁打、三振の数の差は、
正確な打撃の「寄り目さん」イチローさんと
パワーヒッティングの「離れ目さん」大谷選手
の特徴をよく表している。

イチローさんは、自分のタイプに合ったバッティングを心掛け、
コンパクトに前方で合わせるその正確なバッティングや
守備、走塁はもちろん、動きに無理がなく
怪我をしないことが一番凄いといわれる所以。
動きを見ると、前に重心が掛かっているのが
よく解りますね。

大谷翔平選手は、腰の回転と連動した「背中を使う」打法や、
踵を支点にした突っ込みの少ない安定したフォームにて、
ボールを引きつけてから勢いよく振り切る
パワーバッティング。
動画で見ると、後ろに重心を掛ける
スイングであることがよく解ります。

もう一つ、
大谷選手に特筆されるのは 選んだ四死球の多さ。
選球眼の良さは、視野が広い「離れ目さん」
の長所が生かされているのでは。
5 井上兄弟ー兄は「離れ目さん」弟は「寄り目さん」
世界王者に君臨する井上兄弟。
父親である真吾コーチに指導を受けながら、
その両選手のパフォーマンスは真逆。
骨盤の後傾タイプで 後ろ重心のボクシングである兄 尚哉選手。
骨盤の前傾タイプで 前重心のボクシングである弟 拓真選手
とでは、ボクシングスタイルも顔つきも、かなり違っていますね。
兄、尚哉選手は「離れ目さん」
後ろ重心のパワフルなボクシング。
後ろ足に重心を置いた安定感のある構えが特徴で、
これは彼の後ろ重心からの爆発的な踏み込みや
タイミングの良い強烈なカウンターパンチを出せる
安定感のあるパフォーマンスが特徴。
KO率も非常に高い。
同じく「離れ目さん」の中谷潤人選手
との対戦は、どんな試合になるかとワクワクしました。
中谷選手は、後ろに重心を掛ける独特の構えで、
相手が入ってくるときに力強いパンチを合わせるスタイル。
片や、井上尚弥選手は、「じりじりと行くボクシング」
自分の距離をキープしながら、相手のパンチを冷静に見切って、
自分の持ち味を少しずつ出していくスタイル。
尚哉選手にあのようなボクシングをされると、
付け入るスキがなくなりますね。
最強の挑戦者といわれたアフマダリエフ選手、
中谷選手ともにパッと見ただけでわかる「離れ目さん」
その点、離れ目度合いが穏やかな井上尚弥選手は、
これらの選手と戦うには、スピード、テクニックで
戦うと負けないことが解りましたね。
終わってみれば、尚哉選手の右アッパーの威力を、
中谷選手にはダウンではなく、
眼窩底骨折という形で示すことになりました。
一方、弟の井上拓真選手は「寄り目さん」。
前に出て手数と 足を使っての素早い動きで勝負する
前重心のスピードボクシング。
注目された那須川天心戦も、同じタイプの前重心のボクシング。
どちらも、KO率は高くありません。
前重心のボクシングを貫いた、拓真選手が判定で勝利しました。
続く防衛戦、世界4階級制覇の井岡一翔選手から2度のダウンを
奪っての判定勝ち。「寄り目さん」同士の一戦に勝利しました。
パワーと言うより、パンチのキレが冴えて
レジェンドを寄せ付けませんでした。
井上兄弟の、尚哉選手と拓真選手!
この二人が真反対のボクシングを行っているのは、
生まれ持った重心のタイプを活かした指導がされている証拠。
もし拓真選手が、兄のようなパワーボクシングを目指していたら、
世界王者になれなかったかも知れません。
6 フィギュアスケート「離れ目さん」時代
2026ミラノ・コルティナダンベッツオオリンピックの
女子フィギュアスケートに、日本代表で選ばれた3人、
坂本花織選手、中井亜美選手、千葉百音選手。
何と皆さん 離れ目さん!
それに加えて、
男子の鍵山優真選手と佐藤駿選手も「離れ目さん」
しかも、全員好成績を修められました。
「離れ目さん」独特の、滑りやジャンプが
好結果に結び付いたようですね。

最近のフィギュアスケートの傾向としては、
ジャンプの精度、特に回転不足が厳しくとられる
ジャンプの高さ、距離のほか、演技の大きさと力強さ
を求められる傾向があります。
そういった中、「離れ目さん」の演技の特徴は、
力強さと演技の大きさ、そして大崩れしない安定感。


一世代前に一世風靡をした
浅田真央さん、鈴木明子さん、宮原知子さんなど
「寄り目さん」の滑りやジャンプとは
変わってきていますね。

このように、種目はもちろん、時代によって
「寄り目さん」「離れ目さん」それぞれに適した、
種目や技、パフォーマンスがあるようです!
