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䌊月䞀空の心霊奇話 ヌそのいわく付きの品、浄化したすヌ 第45話

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第3章 呪い人圢

9 䞀空にたずわり぀く黒い圱

 突然、聞こえおきたその声に、はっずなっお玗玀は肩にかけおいたバッグから䟋の垂束人圢を取り出した。
「この人圢」
 玗玀は少女たちの前に人圢を差し出す。するず、矎優ず柚垌は目を茝かせた。
「探しおいた人圢はお姉ちゃんが持っおいたの」
「うん、ちゃんず芋぀かったんだね」
 頷いお柚垌はポロポロず涙を流す。
「この人圢の持ち䞻は、柚垌ちゃんず矎優ちゃんだったんだね」
 玗玀は人圢を柚垌ちゃんに手枡した。

「ありがずうお姉ちゃん。ずっず探しおいたの。これで矎優ちゃんにお人圢を返せる」
「私も柚垌ちゃんがお家に垰っおこられおよかった」
 矎優は仰ぎ芋るように玗玀を芋䞊げた。
「柚垌ちゃんを連れ垰っおくれおありがずう」
「うん  」
 ず、答えたがどうしようもなく胞がざわ぀いた。
 悲しくお気を緩めた瞬間、涙がこがれそうだった。

 だっお、この姉効は――。

「柚垌ちゃん、行こう」
「そうだね。長い間矎優ちゃんを埅たせおごめんね」
 二人の少女が手を繋ぐず、その姿がすうっず薄くなり、やがお消えおいっおしたった。
 ──お姉ちゃんありがずう。
 そこで、玗玀は我に返る。
「あれ」
 薄闇の䞭、玗玀は䞀人ぜ぀んず庭に立っおいた。

 ここはどこ
 どうしお私、こんなずころにいるの。

 立ち尜くす玗玀の偎に、䞀人の女性が近寄っおきた。
「倱瀌いたしたすお客様、たもなく閉通のお時間ですが」
「閉通」
「こちらは五時で閉めさせおいただきたす」
「あの  」
「お垰りはあちらの門になりたす」

 女性の手が瀺した先には、立掟な長屋門があった。
 係員が片方の門を閉め、埌片付けを始めおいる。
「はい、すみたせん」
 玗玀は蚀われるたた、早足で門に向かっお歩いおいく。
 案内をしおくれた女性がにこりず笑いながら䞁寧にお蟞儀をし、門を閉めた。

 自分の眮かれた状況がいただ理解できず、玗玀は門の暪にかかげられた、看板のようなものを芋お呟く。
「豪蟲の通 旧守谷邞博物通  」
 さらに、衚札の暪に江戞時代末期築造の囜指定重芁文化財ず曞かれおいた。
 玗玀は手のひらを開く。
 い぀の間に買ったのかも芚えおいない、入通刞が握りしめられおいた。

 ただ呆然ずしたたた、玗玀はその堎に立ち尜くし、巊右を芋る。
「ここどこ。私どうやっお垰ればいいの」
 バス通りたで出れば䜕ずかなりそうだが、その通りに出るたでの道が分からない。
 呚りを芋枡しおも誰もいない。
 道を尋ねたくおも人がいないのだ。
 通の係員に尋ねようずしたが、わざわざ門を叩いお聞くのも気が匕けるような気がした。

 自分がいる堎所を調べ、誰かに連絡をしようずスマホを取り出すが、こんな時に限っお充電切れずなっおいた。
 寂しくお心现くお、どうしおいいのか分からず泣きたくなった。いや、泣いた。さらに、䞀緒に来おくれるず蚀った䞀空を恚む。
「どうしお偎にいおくれないの。䞀緒に来おくれるっお蚀ったじゃない」
 䞍安を声に出した途端、涙が萜ちおしたった。
「䞀空のばか」
 この際だから、悪態も぀く。

「い぀も暇そうにしおいるくせに、今日に限っお仕事なんお」
 けれど、泣いおも文句を蚀っおもどうにもならないず思った玗玀は、ずにかく歩こう、ず足を螏み出し目を芋開く。

 数歩先にスヌツ姿の䞀空が立っおいた。
 骚董店ではい぀もラフな栌奜だけれど、スヌツ姿も䌌合っおいおカッコいい。
 苊しいくらい胞がきゅっず締め付けられた。
「連絡がないから心配した」
 玗玀は泣いおいるこずを悟られたいず、慌おお手の甲で涙を拭う。

「もしかしお、迎えに来おくれたんですか」
「仕事が終わっお駆け぀けた。どうしおこんな所にいる」
「バスの行き先、間違えたんです。反察方向に乗っちゃったみたいで」
「ドゞだな」
 䜙蚈なお䞖話だず蚀い返したかったが、そんな気力もなかった。

「おたけに、こんなずころに連れおこられお」
「いい幎しお、知らない人に぀いお行ったのか」
「小さな子どもだったの。家たで連れおいっお欲しいず蚀われお。でも、垰り方が分からなくお。連絡をしようず思ったのにスマホが電池切れになっおた。ちゃんず家出る時に充電したのに」
 玗玀は電源の切れたスマホに芖線を萜ずす。

「すたない。蚀い忘れたこずがあった。こういう仕事をしおいるず、よくあるこずなんだ」
 心霊的なこずにかかわるず、電気補品がすぐだめになるず聞いたこずがあるが、それず同じこずなのか。
 近寄っおきた䞀空の手が䌞び、頭にぜんず眮かれ撫でられる。
 その手が心地よい。

「頑匵ったな」
 玗玀は銖を振る。
「頑匵ったっおいうほど、私は䜕もしおいないです」
「そうでもない。僕が手を貞すたでもなく、二人の姉効はきれいに浄化あがった。玗玀があげた」
「やっぱり、人圢の持ち䞻がさっきの姉効だったんですね」
 背埌にかたえる邞宅を、玗玀はもう䞀床芋る。

 いただに、䜕がどうなっおいるのか敎理が぀かない。そもそも、自分は䞀空のようにお経をあげたり、特に䜕かをしたわけでもない。
「すぐそこに車を止めおある。垰るぞ」
「はい」
 歩き出す䞀空の背を玗玀は芋぀めおいた。

 心配しお迎えに来おくれたのだず思うず嬉しかった。
 䞀空の存圚が玗玀の胞の䞭で膚らんでいく。
 倕陜の眩しさに目をすがめたその時、黒い垯状のもや●●が䞀空の身䜓にたずわり぀いおいるのが芋えた。

 䜕あれ

 あの黒い圱はよくないもの、䞀空にずっお䞍吉なものだず盎感した。
「䞀空さん」
 玗玀の呌びかけに、先を歩く䞀空は足を止め振り返る。
「どうした。はやく来い」

 気づいおいないの
 自分の身䜓におかしなものがたずわり぀いおいるのを。
 䞀空さんは芖えおいないの

 玗玀は息を飲む。
 そうだった。
 䞀空は芖えないのだ。

 ──呪いを解かなければ䞀空は死ぬ。

 もしかしたらこれが、チャラ匁が蚀っおいた呪いなのか。
「あの」
「どうした」
「䞀空さんにかけられた呪いっお䜕ですか 長く生きられないっお、本圓ですか」

 こんなこず聞く぀もりはなかった。
 プラむベヌトなこずに螏み蟌んだ質問だ。
 最初に出䌚った頃よりも、少しは打ち解けられたずはいえ、芪しい間柄ずいうわけではない。

 䞀空はただのバむト先の店䞻であり、霊胜者ずしお指導しおくれるだけの人。
 けれど、聞かずにはいられなかった。
 思わず口から出た蚀葉に埌悔したがもう遅い。
 䞀床口にしたものを、なかったこずにするこずは出来ない。

ヌ 第46話に続く ヌ 

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