北海道の旅#63|北海道まで20時間。フェリー「すいせん」で仕事して、風呂に入り、映画を見る
2025年4月1日。
敦賀を深夜に出港して、北海道へ向かうフェリー「すいせん」の上で朝を迎えた。

長男が岡山で乗っていた車は、いま船の下の階。
その車を北海道・帯広まで運び、この春から大学2年になる次男へ引き継ぐ。
今回の旅の大きな目的はそれだ。
とはいえ、北海道まではまだ20時間ほどの船旅がある。
急ぎたくても急げない。
今日は、海の上で過ごす一日になった。
前回の話はこちらです。
このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践している記録です。
北海道の旅日記2025
朝7時、目の前には海しかない
5時半ごろに一度目が覚めた。
まだ眠かったので、そのまま船の揺れに任せてもう一度寝る。
次に起きたのは7時。
デッキへ出ると、朝の海に光が広がっていた。


昨日まで車で京都や滋賀を走っていたのに、今日はどこを見ても海。
この切り替わりがフェリー旅の面白いところやと思う。
少し身体を動かしてから、昨日買っておいた唐揚げ弁当とバナナで朝ごはん。

冷めた弁当なのに、海を見ながら食べると妙にうまい。
景色は、かなり優秀な調味料らしい。

海を見ながら露天風呂
8時、大浴場へ。

サウナで身体を温めてから、露天風呂に入る。
目の前は水平線。
船は進んでいるのに、湯船に浸かっていると時間だけ止まったように感じる。
車中泊の旅をしていると、風呂に入れるだけでもありがたい。
それが今日は露天風呂で、しかも海の上。
昨日まで車で寝ることを考えていた人間には、少々ぜいたくすぎる。


北海道へ向かう移動日のはずなのに、朝からかなり完成してしまった。
船の上でも、やっぱり仕事する
風呂を上がって船内をぶらぶらしていると、売店で『御朱印で巡る船旅』という本を見つけた。


御朱印とフェリー。
この組み合わせは考えたことがなかった。
面白そうなので、そのまま購入。
さらに北海道土産の売り場では、商品や販売会社をつい見てしまう。


旅先でも、
「これ、何か仕事につながらんかな」
と、ついパッケージの裏側を見て会社名を確認する。
旅先でも、仕事のアンテナだけは完全には止まらない。
9時55分。
パソコンスペースに座って仕事を始めた。


北海道へ向かうフェリーの中で、普通にパソコンを開く。
海を見ながら仕事。
いかにもワーケーションらしい景色ではある。
ただし、電波は安定しない。こういうことを見越して、必要なデータはあらかじめローカルにダウンロードしておいた。
このあたりは、かなり現実的だ。
海の上ですれ違うフェリー
仕事をしていると、窓の向こうから大きな船が近づいてきた。
敦賀へ向かう新日本海フェリーだった。
こちらが敦賀を出てから約10時間。
向こうも北海道側から出てきたのだとしたら、ちょうど航路の中間あたりですれ違うことになる。
広い海の上なのに、予定どおりこの時間、この場所ですれ違う。
当たり前に運航されていることなんやろうけど、実際に見るとちょっと感動する。
こちらは北海道へ。
向こうは敦賀へ。
ほんの数分だけ、二つの旅が海の上で交差した。
ピアノを聴いて、昼ごはん
10時半から船内ホールでピアノコンサート。
移動中の船で生演奏を聴く。

これもフェリーならではやと思う。
旅というと、つい目的地のことばかり考える。
でも船旅では、目的地までの時間そのものを過ごさなければならない。
その時間を風呂や音楽や食事で埋めていく。
急げないからこそ、ちゃんと休めるのかもしれない。
昼は昨日買っておいたチキン弁当とカップ麺。

船の上では、こういう組み合わせでも十分うまい。
むしろ、これくらいが落ち着く。
秋田沖で、突然スマホが生き返る
昼を過ぎて秋田沖へ。

ここで、さっきまで圏外だったスマートフォンに突然通知が入り始めた。
メールが届く。
メッセージも入る。
「あ、陸が近いんやな」
景色を見るより先に、スマートフォンで陸地を感じる。
少し変な時代になったもんやと思う。
14時半ごろ、青森沖でも電波を拾った。
つながったと思ったら、また切れる。
普段なら少しイラッとするところやけど、今日は不思議と気にならない。
どうせ船の上。
逃げ場はない。
諦めるのも早い。
海の上で映画を見る
午後3時から船内シアターへ。

上映されていたのは『バンブルビー』。
正直、それほど期待していなかった。
ところが、思った以上によかった。
ちょっと泣きそうになった。
北海道へ車を届ける旅の途中、海の上のフェリーでロボット映画を見て泣きそうになっている。
文字にすると、なかなか何をしている一日なのか分からない。
そのあと、もう一度ピアノの演奏も聴いた。
仕事をして、風呂に入って、音楽を聴いて、映画を見る。
その間にも船はずっと北海道へ進んでいる。
移動日なのに、何もしなかった感じがしない
フェリーに乗る前は、
「20時間もあるんか」
と思っていた。
でも実際に過ごしてみると、意外と退屈しない。
むしろ、車を運転していると絶対にできないことばかりしている。
海を眺める。
風呂に入る。
パソコンを開く。
音楽を聴く。
映画を見る。
少し寝る。
そしてまた海を見る。
移動しているのに、自分はほとんど動いていない。
それでも確実に北海道へ近づいている。
こういう移動も悪くない。
夕方になり、青森の陸地がかすかに見えてきた。

北海道までもう少し。
長男から次男へ車を届ける旅は、明るい海の上から、そろそろ夜の北海道へ入っていく。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回の話はこちらです。
書いている人はこちらです。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践しています。
