見出し画像

57歳サラリーマン「内示」と「早期退職」のハザマの心の揺れ

私は現在、ベトナムに単身赴任している日本企業のサラリーマンです。
定年退職予定は2028年3月、残すところ2年3か月となりました。
今回は、異動の内示早期退職に対して揺れ動く私の心境について書きました。
似たような経験が思い当たる方はいらっしゃるでしょうか?


■サラリーマン最後の仕事

サラリーマンとして毎日ストレスを感じながらも、一社で叩き上げとして37年(2025年時点)、さまざまな業務や勤務地を経験してきました。そんなサラリーマン生活も最終コーナーに差しかかった2022年の辞令でベトナム勤務を命じられました。
それ以降、単身赴任もあっという間に4年が経過しました。通常、海外勤務は3~5年が目安ですので、いつ帰国を命じられてもおかしくない時期です。私は上司に常々こう伝えていました。
「帰任の時が会社を辞める時。ベトナムでの仕事を最後にしたい。帰任の命は準備もあるので事前に知らせて頂きたい。」


2026年のカレンダー

毎年の辞令は12月1日発令、翌年1月1日付の異動です。海外駐在は大きな移動を伴うため、通常は数か月前に内示があります。
今年11月半ばまで何も連絡がなかったため、「来年もベトナム勤務だろう」と考え、最近購入した2026年のカレンダーに会社でやることやプライベートの予定を書き込み始めていました。気持ちの舵はすっかりベトナム勤務継続に切っていたのです。


突然の帰任内示

ところが先週末、突然上司がベトナム出張に来ることになりました。訪問先もなく、しかも1泊だけ。出発前に電話があり「要件を先に伝える」と言われ、私はすぐに異動の内示だと察しました。
電話で上司は端的に「1月1日付で帰国が決まった」と言いました。私は思わず「帰国後は多分会社を辞める」と返してしまいました。
そして今週、ベトナムにやってきた上司を早朝のオフィスで迎え、正式に内示を受けました。上司は「役員会の決定事項で、自分も事前に知らされていなかった」とすまなそうに話し、さらに「急いで辞める結論を出さなくてもいいのでは」と諭してくれました。帰任後に期待する仕事の内容も真摯に語ってくれました。
海外異動は国内異動以上に準備が必要です。突然の決定には思うところもありますが、社員である以上会社の命令には従わなければなりません。私は急な帰任を認識し、上司にはわざわざベトナムまで来て直接説明してくれたことに感謝しつつ、「今後の進退はよく考えたい」と返答しました。


会社からのセカンドライフ補助

そんな心境の中、会社から「セカンドライフサポート」と称した早期退職制度の募集が発表されました。選択すれば退職金に上乗せがあり、58歳まではその率も高いのです。
さらに付けている日記をめくると、奇遇にも昨年の同じ日に、この早期退職制度を利用して転職された先輩と当地で会食をしていました。話題は早期退職に至った経緯。この過去の日記を見た途端、心が大きく揺さぶられ、急激に早期退職に引き寄せられた一日でした。


 早期退職か否か

早期退職を考える理由は以下の通りです。
• 会社にはすでに私なりに恩返しをした感がある。
• 定年まで残り2年の新天地で何をモチベーションにすればよいのか。
• 1日でも早く会社のストレスから解放されたい。
• 若いメンバーの中で老害になる可能性がある。

一方で、答えを出せていない点もあります。
• 日本で一緒に働いた仲間に十分な挨拶もせず辞めて後悔しないか。
• 退職翌日から暇なくセカンドライフを送る準備ができているか。
• 上乗せ金があったとしても、その後の生活資金は十分か。
• 副業で定期収入の道筋をつけてから辞めても良いのではないか。


「ネガティブ・ケイパビリティー」

そんな時、ふと先日学んだ「ネガティブ・ケイパビリティー」という言葉が頭をよぎりました。これは「不確実さや曖昧さ、未解決の状態に耐える力」を意味します。

日ごろの仕事や人の考え方には、唯一の「正解」があるわけではありません。そんな時は、早急に結論をだすことは敢えてせず、分からないままに留まることにより、自ら考える余白を作る。そしてその不確実な状況を「決められない」とは捉えず、むしろ、「まだ決めない」と捉える。
その曖昧さに耐え、思い悩む間に、より深い思考や創造性が生まれ、自分の内面と向き合う時間を持つことで、最終的には自分が本当に望む生き方や価値観に気づけるのではないか?と言われています。

サラリーマンの管理職であれば、会社や部下からは「わかりやすさ」を求められます。明快な説明や迅速な意思決定は、組織やビジネスにおいて信頼を得るために有効です。私もその癖を現代社会で教育されてきました。しかし、サラリーマンとして最終コーナーを回った老兵にいまさらながら会社もそこまで求めないでしょう。


早期退職決断の保留

以上を踏まえ、この一週間で考えた結論は「早期退職のタイミングは保留」です。早期退職をしないと決めたわけではありません。
早期退職をにらみながら、それは今後の2年の間に起きる事柄を持って判断すればよい。退職翌日からやることが明確に準備できていない以上、まずは帰任後もサラリーマン生活を続け、早期退職のタイミングはまだ決めないこととします。


■皆それぞれの心の揺れ

世界中の会社で異動は日常的に行われています。関係のない人にとっては何事もない日常でしょう。しかし、当事者には大きな心の揺れが生じます。
今後、会社で公開される異動人事を見るときには、その名前の裏にある悲喜こもごもを想像したいと思います。


👉最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも「心豊かなセカンドライフ」に向けた日々の記録を綴っていきます。
よろしければスキやフォローで応援していただけると嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!