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AI時代に必要な子育て・自己成長の方法が詰まった一冊|ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」|読書感想・読書記録

AIに出来ないことは、子供を産み育てることくらいになるのでないか。ぼんやりと朧気に筆者はそう思っている。もっとも子供を産むことについては、AIに限らず人間の男にもできない。その意味で、男という存在のほとんどがAIに取って代わられるのでないか、そんな考えに囚われそうになる。

何せ既に女性の話を聴く相手としての男は、チャッピー(ChatGPT)に取って代わられている。チャッピーと張り合えているのは、ホストクラブに巣食う商人かパートナーに捨てられないようにと日々邁進している旦那くらいでなかろうか。存在証明を鳴らさないとならない男は大変である。

ところで、AIを巧みに使いこなすには、何や彼や言って知識が必要である。ここで言う知識とはAIの活用方法に関する知識ではない。いわゆる高度専門的な知識を指している。つまり、税務についてAIを活用するならば税務の知識が必要であり、システム開発についてAIを活用するならばシステム開発の知識が必要である。そんな話だ。

そして、その前提を超えた先で更にAIを巧みに使いこなすには、創造力が必要になる。高度専門的な知識を得るには、勉強すれば良い。それほど難しい話ではない。一方で、創造力を得るにはどうしたら良いだろうか。創造力は学ぶというよりも育むものだ。

今後、社会的にAIを利用するのが当たり前になってくると考えられる中で、とくに未来を生きる子供たちを育てている親世代にとっては、自分たちの子供の創造力をどう育んでいけば良いかが悩みの種になるのではないかと思われる。

何せ、机に嚙り付けばどうにかなる勉強と違い、創造力は机に嚙り付かせたところでどうにもならない。ともすれば先天的な能力と思い込みやすい創造力を育むには、それに適した教育・子育てが必要になる。

というわけで今回のnoteは、子供たちの創造力を育む方法に示唆を与えてくれる、ブルーノ・ムナーリによる「ファンタジア」について書こうと思う。前回の読書記録に続いてブルーノ・ムナーリの著作だが、内容は大きく異なるので、ぜひ読んで欲しい。


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AI時代だからこそ知るべき創造力の育て方|ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」|読書記録・読書感想

ブルーノ・ムナーリが著した「ファンタジア」は、タイトルの通りファンタジアについて書かれた一冊である。ファンタジアとは何か。本書によれば、ファンタジアとは『これまでに存在しないものすべて。実現不可能でもいい』とされる。

つまり本書では、『これまでに存在しないものすべて。実現不可能でもいい』ーーファンタジアを生み出す方法や考え方、そうした能力を身につけるのに必要になる教育・子育ての仕方について書かれている。

ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」

読んでいて特に胸に刺さるのは、120ページから語られる創造力を刺激する方法についての話である。ここでは特に子供たちの創造力を刺激する方法について語られており、その内容それ自体が刺激的である。

創造力から生まれ出るあらゆる行動の可能性を消し去るやり方で、もっとも広まっているものに、この年代の子供に対し、例えば全員が同じテーマ、全員が同じ道具、サインペンかエンペラ絵具で絵を描かせるというのがある。

ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」

保育園や幼稚園で発生しがちなシーンに対する指摘であるが、『創造力は刺激されねばならない』とするブルーノ・ムナーリの考えは、画一的な授業を自然に受け入れ、当然のものだと思い続けていた筆者にとって、それこそがファンタジアだった。

『遊びを発明する必要がある』の一言は、言われてみれば納得感があるにもかかわらず、言われるまでは想像だにしなかった。これこそが創造力の欠如なのだろう。ある種読んでいて自身の欠落を痛感させられる厳しい言葉に感じられる。

創造力のある人間とは、絶え間なく進化しつづけるのであり、その創造力の可能性は、あらゆる分野において、絶えず新しい知識を取り入れ、そして知識を広げ続けることから生まれる。

創造力を欠いた人とは不完全な人であり、そういった人の考え方では、目の前に立ちはだかるさまざまな問題に立ち向かえず、おそらくいつも創造力のある誰かに助けを求めなければならないだろう。

ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」

昨今、AIによって仕事が奪われる、人間の役割が奪われるといった話が社会的に喧伝されている。冒頭でもそうした話を書いた。しかしながら、そうした言説は、ブルーノ・ムナーリによる「ファンタジア」の一節に触れるといかに浅はかな話なのか思い知らされる。

とどのつまりそうした話をしてしまうのは、自身が不完全な人間であり、だからこそ目の前に立ちはだかる問題に立ち向かえていないためなのだろう。絶え間なく進化し続ける創造力のある人間ならば、AIに奪われるなどとは言わないわけだ。

あらゆる分野から新しい知識を取り入れ、AIさえ飲み込み、ファンタジアを生み出す。それができないのは、創造力のある人間に縋るしかない不完全な人間だからだ。ブルーノ・ムナーリによる「ファンタジア」の一節は、そうした真理に気付かせてくれる。

また、自身がそんな不完全な人間のままで在り続けないように、未来を生きる子供たちが創造力のある人間として世を謳歌できるように、そのための示唆を本書は絶えず教えてくれる。

1907年に生まれ、1998年まで生きたブルーノ・ムナーリの考え、言葉の一つ一つが、現代においても生き生きし、一層その輝きを増すのは、彼が本質や真理を追求していたからなのだろう。だからこそ、本書の内容は現代でも色褪せない。むしろ書かれている内容のすべてが色鮮やかだ。

AIという新たな玩具が誕生し、世界を席巻する現代。改めて人々は創造力という人間本来の力を取り戻すべきだ。そして未来を生きる子供たちの創造力の翼を育むべきだろう。ブルーノ・ムナーリの「ファンタジア」は、そのための方法を教えてくれる。


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