「失敗するからやめなさい」と言ってしまうお母さんへ
「失敗するかもしれないからやめておこう」
「みんなに笑われたら嫌だからやめておこう」
「怒られるくらいなら最初からやめておこう」
ちょっと驚かれるかもしれませんが、私は子供にはたくさん失敗してほしいと思っています。
なぜなら—―
失敗は自分がどんな人間なのか教えてくれるから。
以前、保育園でボランティアをしていた時、保育士さんからこんな話を伺いました。
「子供の主体性は、失敗を繰り返す中で育っていくんです。」
最初は驚きました。
でも、園の児童の様子を見て納得しました。
子供は挑戦することで、
「これは好き。」
「これは苦手。」
「もう一回やってみたい。」
そんなふうに、自分自身を知っていきます。
失敗は自分という人間を知るための経験なんです。
その話を聞いてから自分が働く学校で中高生を見ていると、多くの子供が失敗を恐れているということが見えてきました。
中学生や高校生になって何か新しいことを始めようとすると、
「そんなことしても意味ないよ。」
「恥ずかしいからやめさない。」
「失敗するからやめておきなさい。」
家でそんな言葉をかけられる生徒がいます。
でも、その声掛けは本当に子供の可能性を守っているのでしょうか。
むしろ私は、失敗しない方が怖いと思っています。
成功した人は、ある程度似た道を歩きます。
勉強なら高得点を取る方法。
スポーツなら勝つための方法。
どれも「正しいやり方」に近づいていきます。
そして、そうなってきた方が親御さんも安心できる。
でも、失敗は違います。
人前で緊張して失敗する子
準備不足で失敗する子
頑張りすぎて失敗する子
人を信じすぎて失敗する子
保護者としては失敗するのを眺めているのは辛いですが、失敗の仕方には、その子らしさが表れます。
つまり—―
失敗からこそ個性が生まれるんです。
子供は失敗を繰り返しながら、
「私は何度も反復しないと理解できないんだ。」
「僕は誰かと協力しないと発表できないんだ。」
「俺は計画を実行するのが苦手なんだ。」
そんなふうに、自分という人間の個性を見出していきます。
成功すると「正解」が分かりますが、失敗すると「自分」が分かります。
学生時代は、人生の中でも失敗が許される数少ない時期です。
だから子供には安全が確保される範囲で、どんどん挑戦して、どんどん失敗してほしいと思っています。
保護者の方も、学校の先生も、子供が転ばないように支えることは大切です。
でも、転ばせないことだけが教育ではありません。
転んだ時に、もう一度立ち上がれるよう支えることが大人にできる教育だと思っています。
だから、
「失敗するからやめなさい」
ではなく、
「失敗しても大丈夫。そうなったら一緒に考えよう。」
——そう伝えてあげたい。
子供の挑戦は大人から見ると意味が分からないこともあります。
「そんなことやってどうするの?」
そう思うこともあるでしょう。
でも、その挑戦が失敗で終わったとしても、子供は必ず自分について何かを学んでいます。
だからご家庭は失敗を止めるのではなく、失敗から帰ってこられる場所になってあげてください。
失敗せずに“効率的に生きていこう”とするのは子供も同じ。無難に上手くこなそうと必死になっている子供もいます。
そのことに関して書いた記事もございますので併せてご覧ください。
