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「泥の檻・改 シーン05・神か悪魔か」

今回は表紙絵に、さらっと描いた落書きを使ってみました。超高速で描きなぐった絵なのでパースが相当くるってますね、すみません(笑

今回少し、私の精神が不安定なのでうまく書けるか不安でしたが、まあ普通に書けた気がします。よかったです。

前話はこちら。

「泥の檻・改 シーン05・神か悪魔か」

時間を停止させてしばらく考えていたしのぶは、こうつぶやいた。

「そうだ。こいつを私の仲間にしよう」

瞬間、しのぶの耳元の空気がざわざわとざわつきはじめ、その空間にオリウスの口が出現し、言った。

「しのぶよ、それはあまりに危険すぎるのではないか?」

「大丈夫よ、最悪、この町ごと消してしまえばいいのだから」

「まあ、そうだな。だが慎重にやってくれ」

「わかったわ」

口だけのオリウスが、黒い霧となって消えた。しのぶは腕組みをし、右手のこぶしを唇にあて、少し考えたのちに、「時よ動け」と心の中で念じた。しのぶの目はしっかりと、目の前でスマホを持って立っている式マコトの表情の変化を見ていた。

マコトはスマホから視線を上げて、桜維優科(さくらいゆうか)の机に座り、自分を見ているしのぶをみてぎょっとし、口をぱくぱくさせたあと、言った。

「お、お前誰だ。いつからそこにいた!」

「そんなことはどうでもいいの。それより一つ、いいことを教えてあげる。桜維優科と、そのほかの4人の女の子が行方不明になったのは、あなたのせいではないわ。全部あたしがやったの」

「な……、お前何を……」

「だから、その5人の女の子をさらったのはあたし。あなたが疫病神だったわけではないし、あなたが何らかの能力を持っているわけでもないの。よかったわね」

しのぶは腕を組みなおし、にっこりと笑った。

式マコトの顔は青ざめ、汗が噴き出ていた。ごくりと息を飲んで、マコトが言った。

「お前は……、何者だ……、神なのか、悪魔なのか……、俺にどうしろと」

と、その時、教室の扉から二人の男子が入ってきた。彼らはしのぶとマコトを見て驚いている。しのぶは机から降り、マコトを見上げながら言った。

「あたしは2年A組の折目しのぶ。全部教えてあげるからお昼休みに図書室のベランダに来なさい。いい?」

「え? わ、わかった……」

「じゃあ、よろしく」

しのぶはスタスタと扉に向かい、男子二人の横をぬけて廊下に出た。

「おいおい! あれ折目ちゃんじゃねえか! なんでお前が折目ちゃんと!」

「し、知らねえよ! 誰だよそれ!」

ちっ、としのぶは舌打ちをし、A組に戻るために廊下を歩いた。あたしが生贄に使った5人の美少女の美しさを見抜いておきながら、この町で一番美しいあたしのことに気付いていないとは、なんと愚かな!

A組の教室に戻ると、数人の男子たちがしのぶを見て騒ぎ始めた。そうか、しまった、としのぶは思った。A組の教室にいた時にオリウスが時を止め、C組で時間を動かしたため、この教室にいた折目しのぶが消えたように見えたのだろう。オリウスとしのぶの時間操作の能力は、時をとめたり、その流れの速さを変えるだけで、過去へと時間を戻すことは、できないのだ。

ま、いいか。そんな失敗よくあるし、ごまかせなければ学校ごと消せばいい。

着席したしのぶに、一人の男子が恐る恐る近づいてきて、言った。

「お、折目……、さっきなんか、お前が消えたように見えたんだけど……」

「そうなの? ずっとあたし、トイレに行ってたから気のせいじゃないの?」

「ト、トイレ? そうなのか。そうだな、はは、ははは」

男子はなんとかしのぶの言う事を信じようとしているようだが、まだ納得していないらしく、しのぶの席から離れようとしない。そう、しのぶは知っていた。この男子はいつもずっと、あたしのことを見ている。きっとあたしのことが好きなんだろう。これからは、気をつけなければ、こいつの前では。

「な、なあ、折目……」

「んー?」

「最近この学校で、かわいい娘(こ)が次々、行方不明になってるだろ? だから俺、お前のことが心配で……」

「は?」

しのぶは顔を男子に向けて、まじまじと眺めた。男子の顔は真っ赤になり、おろおろとうろたえながら言った。

「い、いや、ごめんな変なこと言って。じゃあ、またな」

男子は両手で顔を隠しながら、耳を真っ赤にして男子グループに戻っていった。

そうだ、これが正しい男の反応だ。超絶的美少女であるしのぶを前にしたら、男というのは顔を真っ赤にするか、力ずくでしのぶを自分のものにしようとするか、どちらかしかないのだ。少なくともこれまでの250年のしのぶの経験では。

それなのに、式マコトときたら!

予鈴がなった。SHR開始5分前の合図だ。今日もしのぶにとって、死ぬほど退屈な授業が始まる。でもしょうがない。そうやってアリバイ作りをしないと、しのぶが不老の化け物であることがバレてしまうから。まあ、今日は昼休みに式マコトというイケメン男子とのデートの約束もあるし、少しは楽しめる一日になるだろう。

(続く)

続きはこちら:

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