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「わたしの最愛世界文学10選」出版!

長文ばかりをNoteに投稿しているわたしが書いた記事で最もたくさんのスキを集めた記事が「わたしの最愛世界文学10選」という記事です。

長いですが、誰が読んでも何らかの感銘を受けることが出来る厳選された十冊の本を紹介した本ですので、「人生の読書」を探しておられる方は絶対に読んで損はない記事。

この記事をキンドル出版しようと構想を温め続けていましたが、ようやく出版の運びとなりました。

キンドル三冊目の出版です。

本書の後半には、やはり世界文学の切実な話題である「世界文学の消滅について」も併読しました。これもたくさん読まれてたくさんのスキを押していただいています。

新しいキンドル出版は全面改訂して、大幅な書き直しと書き足しで、以前よりもずっと充実した内容になったと自負しております。

今回は記事二本を推敲しなおして一冊にまとめたもので、たったの72ページと読みやすく、前作の「ピアノのバッハ」のような専門書ではありませんので、すべての人に楽しんでいただけるのでは。

本書の内容

目次は次のようなものです。

わたしの最愛世界文学10選
(1)聖書 (古代イスラエル)
(2)ミヒャエル・エンデ「鏡の中の鏡」(ドイツ)
(3)カズオ・イシグロ「クララとお日様」(イギリス)
(4)ヴォルフガング・フォン・ ゲーテ「ファウスト」(ドイツ)
(5)ウィリアム・シェイクスピア「ヘンリー四世」(イギリス)
(6)フョードル・ドストエフスキー「白痴」(ロシア)
(7)アントン・チェーホフ「かもめ」(ロシア)
(8)イヴォ・アンドリッチ「ドリナの橋」(旧ユーゴスラビア)
(9) ヴィクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」(フランス)
(10)ルーシー・モード・モンゴメリ「赤毛のアン」(カナダ)
まとめ:欧州文学への偏愛
世界文学の消滅について
文学を通じての外国への憧れの喪失
古典とは
源氏物語の翻訳
英語を学ぶのに文学は必要なし!?
新たな道

そして改新した一章をここで特別に公開したいと思います。

ノーベル賞作家カズオ・イシグロの「クララと太陽」の章です。

以下は本書からの引用です。


(3)カズオ・イシグロ「クララとお日様」(イギリス)

ノーベル賞作家カズオ・イシグロによる人工知能の物語。

イシグロは日本の長崎生まれですが、5歳の頃に英国に移住してそのまま英国人となりました。日本的な感性をもって英語で素晴らしい小説を書いている日本人の大作家です。

「クララと太陽」は2021年の出版。日本語に訳されたのは2023年。
イシグロの書く物語は語り手の視点から語られる世界がユニーク。

世界とは観る人が変わればこれほどに世界が変わるということを思い知らされます。

物語は高度な人工知能を与えられた、太陽光の力で動くアンドロイドの視点から始まります。

あまりに不思議な視点から語り始められるので、最初は何のことだかわからないのですが、やがて店頭に並べられていたアンドロイド=Artificial Friend (AF=人工友達)の「クララ」の視点であると分かります。

そののち、クララが所有者を得ることで急激に物語は進展してゆきます。
人間の心を理解しようとするアンドロイドが存在している近未来ディストピアですが、このような時代はまもなく現実になるのかもしれません。

アンドロイドが実用化されても、利用できるのは富裕層だけで、アンドロイドは高価な特別な存在。より高度の機種が開発されると古い型は取り換えられてしまう。

人工友達は現代のわれわれのスマホみたいな存在。

だけれども、クララには限りなく人間に近い心が備わっている。

アイフォンのSiriに実体が与えられて、限りなく高スペックな人工知能を備えていて、子供の心の成長に沿う、本当の友達になるように作られたクララ。
そんな人工友達のクララから見た世界。

けれども、どうしてもクララが理解しようとしてどうしても理解できないものが「愛」。

愛は与えるものという聖書の言葉は正しいけれども、愛され返されない愛もまた空しく、アンドロイドでありながら、クララは彼女の愛は人間の愛には遠く及ばないことを知っている。

使用者である少女ジョシ―を心から愛するように設定されたクララ。
クララの役目はジョシ―の孤独を埋めること。

でもクララの無償の愛では、ティーンの女の子の心の溝はどうしても埋まることはないのです。

人とはどうあるべきかを問うた黙示録的な物語かもしれません。
最後には古いアイフォンのようにゴミ捨て場に棄てられたクララが見る世界の情景が忘れられません。

文学のもう一つの愉しみは二次創作化です。

作品は映画化されることが発表されていて、2024年から行われた撮影を指揮したのは、ニュージーランドの映画監督タイカ・ワイティティ監督(代表作は「ジョジョ・ラビット」(2019)」です。

2025年後期に公開予定。

2024年4月の時点で「ポストプロダクション」と発表されています。撮影は終わり、映像の編集段階にあるということです。

どのように映画の中でニュージーランドの近未来的で荒涼とした風景が「クララ」の世界を表現するために生かされるのかが楽しみです。


「クララと太陽」の映画ですが、クララ役を演じるのは、往年の人気映画「アダムスファミリー」リメイクであるネットフリックスシリーズ「Wednesday」で、主人公ウェンズデー・アダムスを演じて、大変に注目されているジェナ・オルテガ。

Jenna Ortega (2002-)

ホラー系の映画で類まれなる演技を見せるジェナはどのようなクララを演じてくれるのか。

人間のようでいて、人間ではないアンドロイドのクララは、非人間的な役側を得意とするジェナにはふさわしい役柄なのでとても楽しみです。

イシグロ作品の映画化としては、

  • 日の名残り Remains of the day

  • 私を離さないで Never Let Me Go

に次ぐ三作目です。


さて本書の元となった記事は、Noteでは有料記事二つを300円x2で販売していますが、

改訂されてアップグレードしたキンドル版は315円としました。

つまり、アマゾン版の方がお得です。

キンドルアンリミテッドに加入されている方は無料で読むことが出来ます。

出来るだけ多くの方に手に取っていただけたらなと願っています。

紹介したイシグロや、あまり知られていないイヴォ・アンドリッチの名作「ドリナの橋」など、あなたに素晴らしい読書体験をもたらしてくれる世紀の名著ばかりです

「ドリナの橋」はアマゾンでも絶版状態ですので、図書館でお探しください。

本書の執筆動機は、わたしが愛してやまない素晴らしい名著をあなたにも伝えたいというものです。

本書を読まなくても、本書目次からどんな本が語られているのか分かりますので、それらの本をあなたの次の読書に加えていただけると嬉しいです。

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