【中学校:息子|エピローグ】人との出会いは、人生を変える
前回のお話
卒業式の日。
私は二通の手紙を用意していました。
一通は、
三年間お世話になった通級のY先生へ。
そしてもう一通は、
娘のいじめの時から、
息子の行き渋りまで、
親子に寄り添い続けてくださった
校長先生へ。
娘がお世話になった頃、
先生は教頭先生でした。
その後、
若くして校長先生になられ、
忙しくなってからも、
部活動の試合には必ず顔を出しているような先生でした。
手紙には、
娘のいじめの時、
先生が一緒に悔しがってくれたこと
息子の行き渋りで、
私自身が心が折れそうになっていた時、
駐車場まで追いかけてきて
「お母さん、大丈夫ですか。」
そう声をかけてくれたこと。
あの一言で、
どれだけ救われたか。
そして今、
娘も息子も笑顔で前を向いて歩いていること。
その全ての感謝を綴りました。
卒業式が終わり、
足早に職員室へ戻ろうとしていた
校長先生を見つけました。
「校長先生!」
そう声をかけると、
先生は足を止め、
笑顔で振り返りました。
「softlyさん。
ご卒業、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。
先生には、
何とお礼を申し上げていいか…。
娘も息子も、
本当にお世話になりました。
おかげさまで、
娘も毎日楽しそうに学校へ通っています。
先生が支えてくださったから、
今日という日を迎えることができました。」
すると先生は、
「いえいえ。
本当に、お母さんの努力の賜物です。
私はずっと、
お母さんがお子さんに寄り添いながら
頑張っておられる姿を見てきました。」
その言葉を聞いて、
胸がいっぱいになりました。
その様子を、
少し離れたところで笑顔で見守っていたのが、Y先生でした。
先生にも手紙をお渡しし、
最後のご挨拶をしました。
すると先生は、
少し照れくさそうに笑いながら、
「もう僕ね…。
卒業式の息子くんを見ていたら、
泣けてきちゃったんですよ。」
そう話し始めました。
「あぁ、
本当によくここまで成長したなって。
教師が個人的な感情を持ってはいけないのかもしれませんが、
彼は僕にとっても、
たくさんのことを教えてくれた生徒でした。
彼の成長を見られて、
教師を続けてきて良かったと思いました。」
先生の視線の先には、
友達と笑いながら写真を撮っている
息子がいました。
私も先生も、
何も言わず、
ただその姿を見つめていました。
穏やかな時間でした。
階段の上で、
「学校へ行きたくない。」
そう叫んでいた息子。
引きずるように学校へ連れて行った
あの日。
あの頃の私には、
友達と笑いながら写真を撮る
息子の姿なんて、
想像もできませんでした。
子どもは、
たくさんの人に育てられる。
親だけでは、
ここまで来ることはできませんでした。
先生方は、
子どもたちを支えてくださっただけではありません。
私自身にも、
人を信じること。
子どもを信じ続けること。
そして、
誰かを信じることは、
決して無駄ではない
ということを、
教えてくださいました。
人との出会いは、
人生を変える。
卒業式の日。
私はあらためて、
そのことを実感しました。
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