【中学校:息子|ep23】泣くと思っていた卒業式
卒業式が近づくにつれ、
息子が幼稚園に入った頃から、
今日までのことを思い出していました。
人見知りで、
引っ込み思案だった幼稚園時代。
座っている時は、
いつも足をぶらぶらさせていました。
「ママと離れたくない」
そう泣き叫び、
幼稚園から脱走したこともありました。
小学生のころ
先生の理解を得られず、
つらい思いをしたこと。
友達とのトラブル。
不安や睡眠障害に悩み
発達障害と診断されたこと。
行事のたびに、
不安そうに体を丸めて歩いていた姿。
中学生になると、
行き渋りやキャプテンとしての苦悩、
そして受験という大きな壁もありました。
ずっと、ずっと一緒に乗り越えてきました。
だから私は、
小学校の卒業式のように、
きっと泣いてしまうだろう。
そう思いながら、
ハンカチを握りしめて式に向かいました。
式が始まり、
まっすぐ前を見て、
しっかりとした足取りで入場してくる息子。
背筋を伸ばして座る姿
はっきりと返事をする声
不安そうに体を丸めて歩いていた
あの子が、
背筋を伸ばし
堂々と卒業証書を受け取っている。
そんな息子がとても誇らしかった。
そして、
卒業証書を受け取ったあと
自分の席へ戻る途中で、
息子がふっと笑いました。
「ふふふ」
そんな小さな笑顔でした。
私は思わず、
「もう、何笑ってるの」
心の中でそう言いながら、
つられて笑ってしまいました。
気づけば、
泣くと思っていた卒業式で、
私は一度も涙を流しませんでした。
目の前にいる息子を、
穏やかな気持ちで見つめていました。
息子と一緒に歩いてきた道
そのどれもが簡単な道ではなかった。
何度も心が折れそうになりました。
発達障害と診断された日
「この子はこれからどうなるんだろう」
そんな不安ばかり抱えていました。
でも、
あの日見せてくれたのは、
「頑張れ」
と応援しなければ歩けなかった息子ではなく、
まっすぐ前を向き、
自分の足で歩く息子でした。
ゆっくりでもいい
遠回りでもいい
自分のペースで歩いてきた道は、
ちゃんと今日につながっていた。
そう思えたから、
私は泣かなかったのかもしれません。
「よくここまで来たね」
そう思いながら見つめた
息子の背中は、
もう、
私が支えて歩く背中ではありませんでした。
いいなと思ったら応援しよう!
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしこの記事が少しでもお役に立てたり、心に響くものがあったりしたら、チップで応援いただけると嬉しいです。
いただいたご支援は、クリエイターとしての活動費に使わせていただきます