見出し画像

会社員、最後の60日。辞めると決めた私が、山へ向かった理由。【山へ逃げる|第一部③】

※この記事単体でも読めます。前回までの内容は、冒頭の「あらすじ」で簡単に紹介しています。


前回までのあらすじ

20年以上勤めた出版社で、私は情報誌の編集者として走り続けてきました。

好きな仕事に巡り合い、業務委託から社員へ。
編集長代理も経験し、自分が手がけた本は完売。
編集者としてだけでなく、趣味が高じてハンバーガーの本まで出版し、「この会社で定年まで働く」と信じていました。

しかし、東京への異動、コロナ禍、そして度重なる部署異動によって、編集者としての仕事から離れることになります。

新しい仕事には最後まで馴染めず、やりがいを失い、毎日ただ定時になるのを待つだけの日々。

そんなある日、会社から届いた一通のメール。
「早期退職者募集のお知らせ」

迷いながら妻に相談すると、返ってきたのは意外な一言でした。
「決めるのが遅すぎるぐらいだわ!」

さらに妻は、退職後の暮らしを何パターンもシミュレーションしたスプレッドシートまで作成。
「退職、アリよりのアリだと思います(^^)」
その言葉に背中を押され、私は会社員人生で一番大きな決断をしました。

早期退職の申請ボタンを、クリック。
これで、ようやく終わる。
そう思っていました。

でも、本当の苦しさは、その日から始まったのです。

第一部 26年越しの決断

第5章 会社員、最後の60日。

6月1日。
早期退職の申請ボタンを押してから数日後、人事から一通のメールが届きました。

「受理しました」

退職日は、7月31日。
ついに、26年間続いた会社員生活の終わりが決まりました。
「考えが変わったら撤回できます」
そんな一文も添えられていましたが、もう後ろを振り返る気はありませんでした。

妻は、娘たちにはまだ何も話していませんでした。
「余計な心配をかけたくない」
そんな親心だったのだと思います。

でも私は、この先の人生に関わることだからこそ、家族にはきちんと話しておきたいと考えました。

ここから先は

4,971字
この記事のみ ¥ 300
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

40代で早期退職を決めた男が、会社を辞めるまでの物語。 第一部・全5話を収録しています。 まとめ読みするなら、こちらが便利です。

【第1話〜第5話をまとめて読める「第一部」全5話収録】 26年間の会社員生活を終え、40代で早期退職を決めました。 「これから、どう生きる…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?