「青」を描きたかった。AIで6つの夏を作ったら、全部違う青になった
「青い絵を作りたい」
最初は、それくらいの気持ちでした。
青空。
白い雲。
夏の日差し。
あかりとコバンを、その中に置いてみる。
ただ、それだけ。
でも、何枚か作っているうちに気づきました。
同じ青なのに、ぜんぜん同じに見えない。
空を落ちる青。
自転車で駆け抜ける青。
水の中から見上げる青。
電車の窓から一瞬だけ見える青。
そして、夏が終わりそうな夕暮れの青。
今回は、「青」をテーマに6つの場面を作ってみました。
青空に落ちる

最初に作ったのは、空から落ちる二人。
……というより、
空そのものに吸い込まれていくような絵
にしたかった。
だから、普通に横から見るのではなく、カメラは二人のはるか下。
ほぼ真上を向いています。
あかりの足や手は、カメラに近いぶん大きく。
コバンは、もっと高いところ。
そのさらに向こうに、青。
この絵では、青は「背景」というより、
自由そのもの
に見えました。
どこまで落ちても青。
ちょっと怖いはずなのに、不思議と楽しそうです。
青の中を走る

次は海。
ただ海辺を歩いているだけでは、あまり面白くありません。
カメラを水面すれすれまで下げました。
そして、あかりの足がカメラのすぐ横へ飛び込んでくる。
水しぶきが画面いっぱいに上がる。
奥からコバンも走ってくる。
ここでは、青は静かではありません。
飛んでくる青です。
水も青。
空も青。
でも、止まっていない。
さっきの空の青とは、まったく別の色に感じます。
「夏休み」みたいな青

この一枚は、かなり好きです。
田舎道。
入道雲。
自転車。
そして、前カゴのコバン。
カメラは自転車の前輪すれすれ。
普通なら、こんな位置にカメラは置きません。
前輪が巨大に見えて、道路がものすごい勢いで後ろへ流れていく。
画像なのに、なんとなく風まで感じます。
この青を見ていると、
なぜか実際には体験していないはずの夏休みまで思い出しそうになります。
不思議です。
懐かしい記憶は、本当に自分が経験したものだけとは限らないのかもしれません。
水の中の青は、少し静かだった

同じ水でも、今度は水の中。
カメラはプールの底です。
上からあかりが飛び込んでくる。
コバンもいる。
泡が上へ上がり、その向こうに夏空が見える。
この場面だけ、時間が少し遅くなったように感じました。
走っているわけでもない。
自転車もない。
でも、体は水の中で浮いている。
外では強烈だった夏の日差しも、水を一枚通すと柔らかくなる。
ここでの青は、静かな青でした。
一瞬しか見えない青

この一枚は、少し違う作り方をしました。
主人公は、あかりでもコバンでもありません。
電車の中にいる「見る側」
です。
窓の外を見ると、二人が走っている。
でも、電柱が通り過ぎる。
踏切も通り過ぎる。
景色も流れていく。
きっと数秒後には、二人はもう見えません。
この場面を作っていて思いました。
楽しい夏の場面なのに、
「もうすぐ見えなくなる」
と思った瞬間、少し寂しくなる。
青って、明るい色なのに。
どうして夏の青は、ときどき寂しく見えるのでしょう。
青が終わる時間

最後は、走るのをやめました。
屋上に座るあかりとコバン。
カメラは建物の下。
二人よりも、空の方が圧倒的に大きい。
そして、それまで鮮やかだった青に、少しずつオレンジが混ざっています。
この一枚だけ、「これから何かが始まる」というより、
「今日はもう終わる」
という感じがします。
昼間の青は、ずっと続きそうに見えました。
でも、夕方になると分かる。
当然ですが、夏の一日にも終わりがあります。
だから綺麗なのかもしれません。
「青」を描いたつもりだった
6枚作り終えて並べてみました。
使っている色は、どれもかなり青い。
でも、私にはそれぞれ違って見えます。
空へ落ちる青は、自由。
海を走る青は、勢い。
自転車の青は、懐かしさ。
水の中の青は、静けさ。
電車から見る青は、一瞬。
夕暮れの青は、終わり。
最初は、「青い夏の絵を作ろう」と思っていただけでした。
でも結果的には、
青という一つの色を使って、6つの感情を描いていました。
AIで絵を作るとき、
「人物をどうするか」
「服をどうするか」
「背景をどうするか」
ばかり考えていました。
でも今回は、それよりも
カメラをどこに置くか
で、絵の感情が大きく変わりました。
空の下。
自転車のタイヤの横。
プールの底。
電車の中。
建物の下。
人間なら普通は立たない場所にカメラを置く。
それだけで、同じ二人、同じ夏、同じ青でも、
まったく違う一瞬になりました。
次に何かを描くときも、「何を描こう?」だけではなく、
「私は、どこからこの瞬間を見る?」
と考えてみようと思います。
そしてたぶん。来年また夏が来たら、
私はまた青を描きたくなる気がします。
おまけ

青空に落ちる空気感がとても好きだったのでおまけとして。
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