シャドーイングは0.8倍速でも効果ある?やっていいケースと注意点を解説
シャドーイングの速度を下げてもいいのか。
これはかなりよくいただく質問です。
特に多いのが、
「1倍速だとついていけない」
「でも、0.8倍速にするのは逃げですか」
「遅くしたら効果が落ちませんか」
という悩みです。
たとえば、筋トレでも、最初から重すぎる重量でフォームを崩しながらやるより、少し軽くして正しく動ける重さで続けた方が結果的に伸びやすいですよね。
シャドーイングも少し似ています。
先に結論です。
シャドーイングは、0.8倍速で行っても問題ありません。
効果もあります。
実際、現場でも、0.8倍速で練習したことでうまく進んだ方はたくさんいます。
ただし、どんな場合でも遅くすればいい、という話ではありません。
この記事では、
・シャドーイングは0.8倍速でも効果があるのか
・どんなときに0.8倍速が向いているのか
・どこまで遅くしていいのか
・0.8倍速で練習するときの進め方
このあたりを、0.8倍速に絞って整理します。
なお、何倍速で進めるべきかという全体の考え方は、
「シャドーイングは何倍速がいい?基本の考え方と速度調整の目安を解説」
で広くまとめています。
今回は、その中でも特に質問の多い「0.8倍速」に絞って書きます。
結論|シャドーイングは0.8倍速でしても問題ない
結論、0.8倍速で練習しても問題ありません。
効果もあります。
シャドーイングは、1倍速でできなければ意味がない、という学習ではありません。
もちろん、基本は1倍速です。
ただ、1倍速でついていけないからといって、無理にそのまま押し切ると、音も意味も崩れたまま回数だけ重ねることになりやすいです。
それなら、少し速度を下げて、音をきちんと追える状態を作った方がいいです。
ここは、完璧主義で考えすぎない方がうまくいきます。
シャドーイングを0.8倍速にしたいと感じる人が多い理由
そもそも、なぜ0.8倍速にしたくなるのか。
理由はシンプルで、シャドーイングそのものの負荷が高いからです。
プロソディーシャドーイングでは、音だけに集中しながら一単語遅れでついていきます。
コンテンツシャドーイングでは、そこに意味理解まで入ってきます。
つまり、ただ聞いているだけではありません。
音を聞く
少し遅れて追いかける
意味も頭の中で処理する
これを同時にやるので、かなり負荷が高いです。
だから、1倍速だと難しいと感じるのはむしろ自然です。
0.8倍速にしたいと思うこと自体は、特別なことではありません。
シャドーイングはなぜ0.8倍速でも効果があるのか
音声についていけることが大切だから
シャドーイングでは、何よりもまず音声についていけることが大切です。
音が速すぎてまったく追えない状態だと、
「できるかどうか試して終わる」
に近くなってしまいます。
一方で、0.8倍速にすると、少しだけ処理の余裕が生まれます。
その余裕があることで、
・どこで音がつながっているか
・どこが弱くなっているか
・自分の口がどこで遅れているか
が見えやすくなります。
つまり、練習として成立しやすくなります。
音声変化の練習は0.8倍速でもできるから
0.8倍速でも、音声変化の練習は十分できます。
ここを心配される方は多いです。
でも、0.8倍速くらいであれば、英語らしい音のつながりや弱化はまだかなり保たれます。
だからこそ、
「速すぎて何も分からない」
を避けながら、音声変化も学びやすくなります。
例えるなら、速い球を打つ練習をするときも、最初から本番と全く同じ速さだけでやるのではなく、少し見える速度でフォームを整えることがありますよね。
シャドーイングの0.8倍速も、少しそれに近いです。
本番より少し見やすい速さで、まず正しく追えるようにする。
この考え方で大丈夫です。
1倍速でできない時に、0.8倍速を使うのはよい選択
負荷が高いトレーニングなので、速度を落とすのは自然
シャドーイングは、そもそも難しい学習です。
だから、1倍速でできないときに0.8倍速へ落とすのは、かなり自然な調整です。
無理に1倍速にこだわるより、0.8倍速で練習の質を保った方がいいことは多いです。
特に、
・あと少しでついていけそう
・音は聞こえているが口が追いつかない
・意味を意識すると崩れる
このあたりなら、0.8倍速はかなり使いやすいです。
教材を変えるより、まず0.8倍速で続けた方がよいこともある
もちろん、教材のレベルが合っていない可能性はあります。
ただ、毎回すぐに教材を変えた方がよいわけではありません。
たとえば、
TOEICのためにTOEIC教材でやりたい
ビジネス英語が目標なので、ビジネス教材でやりたい
興味のある内容だから、その教材で続けたい
こういう場合はよくあります。
このとき、少し難しいからといって、毎回まったく別の易しい教材に変えてしまうと、目的から遠くなることがあります。
その場合は、まず0.8倍速で続ける方がよいこともあります。
TOEIC向けの教材で練習したい方は、
「シャドーイングはTOEIC対策になる?効果とおすすめ教材を解説」
もあわせて読むとつながりやすいと思います。
どんな時に0.8倍速が向いている?
TOEICなど、目的に合った教材で練習したい時
これはかなり分かりやすいケースです。
TOEICで点数を上げたいなら、できればTOEICに近い音声で練習した方がいいです。
そのときに、1倍速では少し難しい。
でも、内容としてはその教材を使いたい。
そんなときは、0.8倍速にするのはよい選択です。
ビジネス英語など、内容を変えたくない時
仕事で英語を使いたい方は、ビジネス寄りの教材でやりたいことが多いです。
その内容が少し難しいとしても、最終的に聞こえるようになりたいのは、その英語ですよね。
そういう場合も、教材を大きく変えるより、まず0.8倍速で進める方が現実的なことがあります。
興味のある教材で続けたい時
興味のある教材は、やはり続きやすいです。
少し難しくても、内容に興味があれば回数を重ねやすいです。
この「続けやすさ」はかなり大きいです。
速度だけを整えて、教材はそのままにする。
この調整でうまくいくことは少なくありません。
0.8倍速で練習する時の進め方
まずは0.8倍速で完成を目指してもよい
ここは気にしすぎなくて大丈夫です。
最終的に0.8倍速で完成、でも問題ありません。
「まずはこの音声を0.8倍速でちゃんと追えるようにする」
この目標でも十分です。
実際、そこまで丁寧にできるようになるだけでも、得られるものはかなりあります。
慣れてきたら0.9倍速、1.0倍速に上げてもよい
もちろん、余裕が出てきたら、0.9倍速、1.0倍速と上げていくのもよいです。
この進め方も自然です。
0.8倍速で形を作る
↓
0.9倍速で少し負荷を上げる
↓
1.0倍速に近づける
この流れで考えるとやりやすいです。
ただし、絶対に1倍速まで戻さないといけない、とまでは考えなくて大丈夫です。
まずは0.8倍速で練習が成立することの方が大切です。
ただし、0.6倍速より遅くするのはおすすめしない
遅すぎると本来の音声変化が起きにくい
ここは線引きをしておいた方がいいです。
私は、0.6倍速より遅くするのはあまりおすすめしません。
理由は、遅すぎると、本来そのスピードでは起きない音声変化まで練習対象になってしまうからです。
音声変化は、ある程度の速さで話すときに起こるものです。
だから、あまりに遅い音声で慣れてしまうと、少し混乱しやすくなります。
たとえば、日本語でも「ありがとうございます」を自然な速さで言うと、少し音が変わりますよね。
でも、ものすごくゆっくり言う場面で、同じ崩れ方はしません。
英語の音声変化も少し似ています。
それなら教材のレベルを見直した方がよい
もし0.6倍速より遅くしないとまったく追えないなら、その場合は速度より教材のレベルを見直した方がよいです。
そこまで遅くしないと難しいなら、今の教材はまだ少し重いかもしれません。
まずは、0.7倍速から0.8倍速くらいで練習が成立する教材を選ぶ。
この考え方の方が進めやすいです。
教材選びから整理したい方は、
「シャドーイングにおすすめの教材6選|録音音声と生音声の違い・選び方を解説」
も参考になると思います。
シャドーイングは速度よりも、続けられることの方が大切
ここはかなり大事です。
シャドーイングは、1倍速でやることだけが正解ではありません。
もちろん、1倍速は基本です。
でも、学習は続かなければ意味がありません。
少し難しい教材でも、0.8倍速なら進められる。
しかも、その教材は自分の目的や興味に合っている。
そうであれば、そちらの方が長く続くこともあります。
結局、速度だけを守って止まってしまうより、少し調整しながら続けられる方が、学習全体では前に進みやすいです。
まとめ|迷ったら、まずは0.8倍速で始めて大丈夫
シャドーイングは、0.8倍速で行っても問題ありません。
効果もあります。
特に、1倍速だと少し難しいけれど、教材の内容は変えたくない。
そんなときに、0.8倍速はかなり使いやすいです。
大切なのは、速度を落とすことそのものではなく、
音声についていける状態を作ること
です。
そのために0.8倍速を使うのは、十分によい選択です。
一方で、0.6倍速より遅くするのはあまりおすすめしません。
そこまで遅くしないと難しいなら、教材のレベルを見直した方がよいことが多いです。
迷ったら、まずは0.8倍速で始めて大丈夫です。
そのうえで、必要なら0.9倍速、1倍速へ上げていく。
この進め方で十分です。
