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癜雪矎銙は圌氏ができない_第話

あらすじ

犏岡垂圚䜏のナキミこず癜雪矎銙しらゆきみかは、雪芋だいふくを擬人化したような色癜のもちもちずした25歳女性。むケメン奜き。食べるこずが倧奜きで、ダむ゚ットが苊手。劄想癖があり、元気いっぱいな独身女性である。

ナキミは圌氏が欲しいず考えおいるが、ぜっちゃりずした䜓型のせいで圌氏ができないず悩んでいた。
そんな䞭、ナキミはマッサヌゞ垫の足利琥倪郎あしかがこたろうに䞀目惚れをし、ダむ゚ットを決意する。

果たしおナキミのダむ゚ットは成功するのか。
そしお、琥倪郎ず付き合うこずはできるのか。

飯テロ  #恋愛小説 note



プロロヌグ

「はぁ、はぁ、はぁっ」

癜雪矎銙しらゆきみかは、ぜっちゃりずした癜く柔らかな肉䜓を揺らしながら、犏岡垂のセントラルパヌクず蚀われる倧濠公園を走っおいる。

月䞭旬の犏岡は倏日になるこずもあり、今日の気枩は25床を超えおいた。気枩が䞊がるこずは癜雪矎銙もわかっおいたが、ここたで暑くなるずは予想だにしおいなかった。もう倏じゃないか、ず癜雪矎銙の荒い呌吞の䞭にため息が混じる。今曎ながら厚手の服を着おきおしたったこずを埌悔しおいた。でも、どうしおも、このぜっちゃり䜓型を人前に晒したくはなかった。

そう思っお着おきたビックサむズの黒いパヌカヌに、高校生の頃の玺色のゞャヌゞの長ズボン。

暑い、暑すぎる。

汗っかきの癜雪矎銙の額には薄らず汗が滲み、パヌカヌの䞋に着おいたアむドルグルヌプのコンサヌトで買ったTシャツは、すでにぐっしょりず汗が染みおいた。

倧濠公園は䞀呚km。

ぐるりず池を取り囲むように、ゞョギングコヌスがkm続いおいる。倧きな池にはスワンボヌトが浮かび、池の呚りではカップルたちが䌚話を楜しんだり、老幎の倫婊が可愛らしい犬を散歩したり、思い思いにゞョギングコヌスを楜しんでいる。

ゞョギングコヌスのさらに倖偎には公園があり、芪子連れが賑やかな声を䞊げながら、䌑日の土曜日を楜しんでいる。

癜雪矎銙はその䞭で唯䞀、ただただ苊しそうな衚情を浮かべおいた。

「ねぇ、ナキミ。こないだ芋぀けたnoteの蚘事がさ」

軜快なリズムを刻みながら癜雪矎銙の隣を走る真䞭千代子たなかちよこは、癜雪矎銙に声をかけた。

シラナキミカの真ん䞭䞉文字をずっお『ナキミ』。それが癜雪矎銙の小孊生の頃からの愛称だ。
真䞭千代子、愛称チョコは厚着のナキミずは察照的にサラッずした玠材の癜地のTシャツに、涌しげな玠材の短パンを履いおいる。短パンの䞋にはこちらも涌しげなツルツルずした玠材のスパッツ。ゞョギング甚のスニヌカヌの䞊の足銖はキュッず締たっおいお、アキレス腱の筋が矎しい。

ぜっちゃり䜓型のナキミずは察照的にストむックなチョコは、小孊生の頃からスリムな䜓型を維持しおいる。

「の なっ、な、に、そ  」
ナキミは息も絶え絶えに、蚀葉を発した。息切れしおいたずころに急に話しかけられたせいで、呌吞のタむミングを倱ったナキミは苊痛に顔を歪める。

やばい。苊しすぎる。なんでわざわざ䌑日にこんなこずしおるんだろう。いや、別に誰も走りたいっお蚀っおないのに。くそ、チョコに䜓重の話するんじゃなかった。もう無理、死ぬ。やばい。死ぬ。のど也いた。苊しい。

ナキミは、はっはっはっず短く息を吐きながら、チョコの匷匕さに負けお倧濠公園たで走りに来たこずを埌悔しおいた。ただ走り出しお、分も経っおいないけれども  。

「チョコ、無理だっお。今のナキミに返事ができるわけないやん。ナキミが走りながらおしゃべりするずか、完党に無理ゲヌ」

ナキミずチョコの隣を自転車で䞊走しおいる䞀期慶喜いちごよしのぶは二人に声をかけた。䞀人、普段着で自転車に乗っお、ケラケラず笑っおいる。

愛称ケむキ。䞭肉䞭背。ダむ゚ットも筋トレにも興味がない、ゞェンダヌレス男子。汗をかくずメむクが萜ちるから、ず走るこずはせず、自転車でナキミの様子を芋にきおいた。

「の、の  のど  」

肩を䞊䞋に激しく揺らしながら、ナキミは右手で喉を抑え、その堎で立ち尜くすず、倩を仰ぎ芋た。空は突き抜けるような青空。ぷかぷかず綿风みたいな雲が浮かんでいる。

ああ、ビヌル飲みたい。この際、ノンアルコヌルでもいい。クリヌム゜ヌダでもいいや。なんでもいい。のど也いた

声にならない声を、ナキミは空に向かっお無蚀で吐いた。

「おい、ナキミ、倧䞈倫か」
攟心しおいるように芋えるナキミに、ケむキは声をかけた。

倩を仰ぎ芋おいたナキミはガクッず頭を萜ずし、項垂れる。だらしなく垂らしおいた䞡腕をなんずか動かしお、䞡手の手のひらを膝に眮いた。荒かったナキミの呌吞は次第に安定。最埌に䞀呌吞おくず、ナキミは顔を䞊げた。ナキミを心配そうに芋぀めおいる二人をじっず芋぀める。

「ねえ、スタバ行こ。喉也いた」
ナキミは満面の笑みを浮かべた。ナキミの頬がむにっず膚らむ。

真っ癜で滑らかな肌にもっちりずした頬。たんたるずした顔立ち。クリっずした二重瞌。癜い肌に生える赀い唇。

たるで雪芋だいふくを擬人化したような女。
それが癜雪矎銙である。




 癜雪矎銙は圌氏が欲しい


ナキミこず癜雪矎銙、チョコこず真䞭千代子、ケむキこず䞀期慶喜は、䞉人仲良く倧濠公園内のスタヌバックスのテラス垭に腰をかけおいた。

身長153cm、䜓重57kg、䜓脂肪率26%の色癜でややぜっちゃり型のナキミが手に持っおいるのは、月に発売されたばかりのスタヌバックスストロベリヌフラペチヌノ。
身長167cm、䜓重48kg、䜓脂肪率17の色黒で痩せ型、筋肉質なチョコが手に持っおいるのは、カフェむンレスのアむスコヌヒヌグランデサむズ。
身長172cm、䜓重56kg、䜓脂肪率20の䞭肉䞭背、ゞェンダヌレス男子のケむキが手に持っおいるのは、オヌツミルクのラテのベンティサむズ。

䞉人は小孊校の同玚生で、所謂いわゆる、幌なじみ。瀟䌚人䞉幎目ずなった25歳になっおも、週末になるずいただによく遊ぶ友人だ。䜓重から䜓脂肪、これたでの恋愛遍歎、奜きな食事から嫌いな教科たで、お互いのこずをほずんど知っおいるので、間違いなく芪友ず蚀っおいい。

今日は、ナキミの䜓重がケむキの䜓重を超えたずいうこずで、ピラティスむンストラクタヌのチョコ䞻導の元、ダむ゚ット䌁画が行われおいる。誰しもが䞀床は通っおきたであろうスタンダヌドなダむ゚ット。それがゞョギングだった。

ナキミはチョコに「ダむ゚ットするよ」ず蚀われおからずいうもの、「絶察に無理。私が走れるわけないやん」ず䜕床もチョコの誘いを断った。ケむキの䜓重がダむ゚ットのスタヌト合図になるずは埮塵にも思っおいなかったし、笑いが取れるかなず思っお自分の䜓重を軜率に喋ったこずをナキミは埌悔しおいた。

「別に私はぜっちゃりでもいいから」ずナキミは䜕床もダむ゚ットのお誘いを断った。しかし、チョコは匷情で有名であり、䞀床決めたこずを達成するたで諊めない䞍屈の粟神の持ち䞻である。

「ぜっちゃりじゃなくお、それはデブだから。諊めろナキミ」ず容赊ない蚀葉を吐かれ、匷制的に倧濠公園たで連れおこられるこずずなった。

ケむキはナキミのダむ゚ットの匕き金が自分の䜓重にあるず知り、倧濠公園たで駆け぀けおいた。ケむキは実家の花屋を手䌝っおいるが、新しいこずができないかず花屋を改装。空きスペヌスをレンタルスペヌスずしお掻甚し、それがなかなか奜評で倚忙を極めおいた。

二人ずも忙しい䞭、ナキミのために時間を割いたわけだが、そもそもナキミがちゃんず走るわけがなかったず二人ずも思い盎した。せっかくの䌑日に人集たっおいるのだしず、ナキミのリク゚ストどおりスタバに入るこずにした。チョコは䞀芋するず、口も悪くナキミに厳しく芋えるが、基本的にナキミには甘い。

「そもそもnoteの蚘事っお䜕 ニュヌスかなんか」
ケむキがチョコに尋ねた。

「ああ、そっからか」ずチョコは自分のスマヌトフォンを取り出しお、癜地に『n』ず曞かれたシンプルなアむコンをタップした。

noteは、クリ゚むタヌが文章や画像、音声、動画を投皿しお、ナヌザヌがそのコンテンツを楜しんで応揎できるメディアプラットフォヌムです。だれもが創䜜を楜しんで続けられるよう、安心できる雰囲気や、倚様性を倧切にしおいたす。

note公匏

チョコは自分もアカりントを持っおいお、ピラティスだずかフィットネスに぀いおの文章を公開したり、youtubeのアカりントず連携させたりしお、発信しおいるずのこずだった。有料蚘事で収入を埗たり、党囜のフィットネス仲間ず亀流したりず、色々楜しいSNSなんだよず教えおくれた。

ナキミはピンず来おいない様子だったが、ケむキは興味があるのか、真剣にチョコの話を聞いおいる。

チョコのアむコンはチョコモナカゞャンボよろしくの綺麗に筋の入った腹筋の写真だった。ナキミずケむキはさすがチョコずゲラゲラ笑う。
「じゃあ私やったら雪芋だいふくで、ケむキやったらむチゎケヌキにせないかんね」
ナキミがそう蚀っおケラケラ笑うず、チョコはアカりント䜜ったら教えおよず蚀った。

「あ、話はそれたけど、芋せたかったのはこれこれ」
チョコは慣れた手぀きで、スマヌトフォンを操䜜するず、画面を䞊にしおテヌブルの䞊にトンっず眮いた。

青ひげペロヌの婚掻日蚘_癜雪姫ずデヌトのお玄束線

癜い背景に青い文字で『青ひげペロヌの婚掻日蚘』ず曞かれ、呚りは小さな青いドットがあしらわれたサムネの䞋に、黒字の明朝䜓のタむトルが画面䞊に珟れた。

「で、これがどうしたず」
ナキミがチョコのスマヌトフォンを芗き蟌んだ。
「なんかさぁ、キモおもしろいずっお。ちょっず二人にも芋せたいず思っお」
チョコはいたずらっぜく笑うず、肩をすくめた。

「なんでいちいち、キモいのをわざわざ芋せるずよ。そんなん芋たくないし」
ナキミが顔を巊右に振っお眉間に皺を寄せるず、チョコはごめんごめんず笑った。口では謝っおいるが、心なしかニダ぀いおいるように芋える。

「キモいはキモいんやけど、なんか面癜いんよね。ちょっず読んでみたらわかるっお」
チョコは自分のスマヌトフォンで可愛らしいサクランボのアむコンの暪に『青ひげペロヌ』ず曞かれたアカりントの䞋たでスクロヌルする。

チョコが蚘事を読んでもらおうず、青ひげペロヌのプロフィヌルにに぀いお説明を始めた。

ペロヌは、35歳男性。犏岡圚䜏。
青ひげにコンプレックスを抱いおいる。しかしコンプレックスではあり぀぀も、青ひげに誇りを持っおいるらしい。この時点でよく分からないな、ずナキミは思う。蚘事は定期的に曎新され、䞻な内容は婚掻の進捗具合に぀いおの報告。結婚願望は匷いようだが、どこをどう読んでも童貞臭がするずチョコは蚀う。青ひげがフラれる原因だず断定し、青ひげを受け入れない女性に察しお恚み぀らみを述べおいるずいうもの。バズっおいるわけでもないが、モテない系男子から共感を埗おいるこずず、ハッキリした物蚀いが䞀郚の界隈でじわじわキおいるずいうこずだった。

ペロヌは公務員で、収入も安定しおおり、本人曰く性栌も䜓型も普通。さらには顔も䞭の䞭。䜓臭もひどく臭いわけではない。特に䜕か決定的な問題はないはずなのに、女性が振り向いおくれない。食事を奢っおも、次の玄束が反故される。メッセヌゞのやり取りでは盛り䞊がるのだが、察面になるずずんずダメ。
フラれるず原因の党おは青ひげのせいだず断定しおいるずのこずだった。

女性が読むず胞糞悪い点もあるが、男性の䞀郚からはよく蚀っおくれたず共感のコメントが䞊がっおいる。女性ず思われる人からも同様のコメントが来おいるので、䞀刀䞡断する物蚀いは、䞀郚の人からは賞賛に倀するものなのかもしれない。

ナキミは青ひげペロヌの蚘事を斜めに読んでみたが、正盎、いい気持ちはしなかった。なぜ、わざわざチョコが私にこの蚘事を芋せおきたのかもよくわからない。はっきりした物蚀いのチョコのこずだから、面癜いず本気で思っおいるのだろうけど、ナキミは自分のコンプレックスが刺激されるような気がした。ナキミも正盎なずこず、このぜっちゃり䜓型のせいで圌氏ができないず思っおいる。䞀瞬、チョコが人の振り芋お我が振り盎せずでも蚀いたいのかず思っお、むラッずした。ナキミの錻息が荒くなる。

「ねえ、チョコさん。わざわざ、私にこれを芋せるっおこずは、チョコはもしかしお、私に圌氏ができない蚀い蚳を䜓型のせいにする前に、ちゃんずダむ゚ットしろっお蚀いたいんですか」
ぷくぅずほっぺたを膚らたしお、たるでフグのようになったナキミの錻の穎から錻息が噎射された。

チョコは少しだけハッず驚いたような顔をしお、顔の前で手をヒラヒラず振る。
「ごめんごめん ぜんっぜん、そういう぀もりはなかった こんなんネタやろうし、たたたた芋぀けお、このズバズバ蚀う感じがキモ癜っお思っお。ナキミ、ノンスタ井䞊ずか斉藀さんずか奜きやしりケるかなっお思っただけ」

キモ癜っおなんだよずは思ったが、ナキミにはチョコが珍しく焊っおいるのが可愛らしく芋えた。䞀瞬、勝手に青ひげず自分ず重ねおしたったけど、ネタだず思っお読み返せば面癜いかもしれない。女性を䞋に芋たような蚀い方は癪に觊るが、自分だっおフラれた時は、海底二䞇マむルたで萜ちた自己肯定感を浮䞊させるために、盞手の悪いずころをチョコずケむキにぶちたけたりもする。

ペロヌはそれをテキスト化しお゚ンタメにしおいるだけで、自分ず䜕ら倉わらないのかもしれないずナキミは勝手に玍埗した。
ふっず䞀息぀いお自分の気持ちの萜ずし所を芋぀けるず、ナキミは目の前にあったストロベリヌフラペチヌノをずずっず啜る。

「うんた。これ限定にせんで、ずっず売っお欲しい。めちゃくちゃうたいんやけど。運動した䜓に染み枡るわ」
「おいナキミ、私の話、聞いずった しかも、そんな甘いや぀飲んだら、せっかくダむ゚ットのために走ったのに意味ないやん。たあ、分も走っずらんけん、走ったうちには入らんけどな」
チョコが仕方ないなぁずいう、半分諊めのような衚情をナキミに向けた。

「聞いずった聞いずった。ペロリヌナかなんかの話やろ 青ひげの。そういえば昔読んだ童話で『ペロヌの青ひげ』っおあった気がするけど、あれは気持ち悪すぎお読んだ日の倜、青ひげが倢に出おきたもん。だけど、これは確かに面癜いかもしれん。ペロペロキャンディず友達になれそうな気がするもん」
ナキミは肩をすくめお、むにりず笑う。

「それに、ペロりんちょには共感できる気もするなぁ。私も圌氏できんのは、この䜓型のせいやず思う時がほずんどやし。だっおほら、顔だっお䞭の䞭やし、ぜっちゃりずは蚀っおも、おっぱいも倧きいやん トヌクだっお、軜快やし。ちょっず倩然も混じっずるやろ。かわいいやろ 私。なんでモテんのかなっお思うんよね。ほら、倧抵の女友達はナキミかわいいっお蚀っおくれるのにさ、恋愛察象に芋られんのは、やっぱりこの䜓型のせいやず思うんよね。男の人はぜっちゃりが奜きずは蚀っおも、ガチのぜっちゃりは奜かんのよ」

冗談ずも本気ずも぀かないようなこずを、ナキミはニダニダしながら呟いた。そしお、先皋たで着おいたビックサむズの黒いパヌカヌを豪快に脱ぐず、あらわになった癜いむちむちずした右手を、巊の二の腕に持っおいく。真っ癜なアむドルのラむブTシャツの袖から芗く二の腕を右手でぶにっず぀たんだ。觊りごごちの良さそうな、ぷにぷにずした逅のような二の腕がぷるんず震える。
「これはデブではなくお、もっちゃり」

チョコずケむキが思わずぷはっず吹き出すように笑う。
「もっちゃりっおなんやねん」
ずチョコがツッコミ、ケむキがナキミの頭をポンポンず二回軜く叩いおから撫でた。

「ほんず、ナキミはかわいいのにねぇ。なんでモテんのやろうね。倧濠公園のスタバにアむドルのラむブTシャツず玺色の高校ゞャヌゞっおいうのは、そもそも恋愛察象にはなりにくいかもしれんけど。でも、僕の友達でもナキミのこずかわいいっお蚀う子はおるんやけどなぁ。たあ、みんな圌氏、圌女持ちばっかりやけん、玹介する人はおらんけど」
ケむキは軜く笑う。

ナキミはストロベリヌフラペチヌノを手に持ったたた、すっくずその堎で立った。

「私、絶察痩せる 痩せお、むケメンの圌氏をゲットする」



 癜雪矎銙は䞀目惚れの達人


薄明かりの宀内で、ナキミはむケメンず察峙しおいる。
宀内の灯りは暖色系で、足元を照らすようにがんやりず䞋から郚屋を照らしおいた。カヌテンが締め切られた閉鎖された空間は、枩床も湿床も高く、肌がしっずりず熱を垯びるような感芚があった。宀内で炊かれたアロマの銙りが錻をくすぐる。ほんのりず甘いその匂いにナキミの意識は飛びそうになったが、その瞬間、足に衝撃が走る。

「痛い 痛い やばい、やばい もう無理」

ナキミは顔を歪めお悶えた。
歪んだ衚情をナキミの足元から眺めおいる爜やかむケメンの足利琥倪郎あしかがこたろうは、満足そうな衚情浮かべおいる。スノヌマンの目黒蓮のような奜青幎むケメンだ。
ナキミは自分の足越しに、ちらりず薄目で足利琥倪郎の顔を芋た。にこやかに笑っおいる顔が思っおいる以䞊にカッコよくお、足が痛いのも忘れお心臓がドキリず跳ねる。

「癜雪さん、ここですか ここが痛いんですか」
そう蚀うず琥倪郎は、笑いながら、それも楜しそうにナキミの足の裏を芪指でゎリっず抌した。Sっ気のある笑い方。右の口角だけを少し釣り䞊げお笑う琥倪郎の衚情に、ナキミのハヌトは掎たれた。私っおMなのだろうか。ナキミは初めお自分の性癖に぀いお考えようずしたが、冷静になっおみるず性癖どころではないほどに足の裏が痛い。

「いった めちゃくちゃ痛いです。そこ」
半べそをかきながら、ナキミは琥倪郎に蚎えた。
「ここですか ここは胃腞のツボですね。ちょっず胃腞が疲れおるのかな 甘いものずか冷たいものずか結構お奜きですか」
「奜きです」

ナキミは眉間にグッず皺を寄せお応える。その答えを聞くや吊や、琥倪郎はにっこり笑った。
「ちょっず控えたほうがいいかもしれないですね」
優しく、諭すような口ぶりで琥倪郎は頷く。

「無理です」
ナキミが癜い歯を芋せながら満面の笑みでそう答えるず、琥倪郎はチラリずナキミに䞀瞥をくれおから、ググッずツボを抌した。

「あいたたたたたっ」
「ほら、癜雪さん、控えたほうがいいですっお。最初のヒアリングで、痩せたいから足ツボマッサヌゞしたいっお蚀っおたじゃないですか。足ツボだけじゃ、痩せるの難しいですよ」

顔の広いケむキの玹介でナキミが蚪れたマッサヌゞ店は、雑居ビルの䞭の䞀宀にあった。カヌテンで仕切られた個宀には甘い銙りのアロマが焚かれおいる。宀内は党䜓的に南囜チックで女子が奜きそうな空間。枅朔な茶色の萜ち着いたシヌツに、茶色いカヌテンず茶色のタオル。暖色系のラむトがベッドの䞋から郚屋を照らしおいる。芳葉怍物に、ずうでできた籠。籠の䞭には、いろいろな皮類のオむルが入っおおり、客は奜きなオむルを遞ぶこずができた。

ナキミは耇数あるオむルの䞭から、柑橘系のオむルを遞んだ。
「矎味しそうな匂いがする」
すんず匂いを嗅いだ瞬間にナキミがほわっず顔を緩めお蚀うず、琥倪郎は優しく笑った。

「癜雪さん、食いしん坊なんですね。かわいいなぁ」
ナキミが恋に萜ちた瞬間だった。

かわいいなんお簡単に蚀わないでほしい。私みたいに恋愛に耐性がない女の子は、むケメンに埮笑たれただけでも心臓を鷲掎みにされるのに、かわいいなんお蚀われたら簡単に萜ちちゃうんだ。心臓だけでなく、是非ずも胞を鷲掎みにしおほしい、なんおこずをナキミは思ったが、流石のナキミもそれは口には出さない。

それより、むケメンマッサヌゞ垫がいるマッサヌゞ店を玹介しおくれたケむキにお瀌をしないずいけないな、ずナキミは思った。むケメンに癒されながら、䜓の疲れも取れる。こんな䞀石二鳥な堎所をナキミは他に知らなかった。

実家の花屋で働いおいるケむキの顔は広い。いろんなずころに顔を出しおは、そこで友人を䜜っおいく。琥倪郎が勀めるマッサヌゞ店にもケむキは出入りしおいるらしく、「運動が苊手なナキミだったら、マッサヌゞ系のほうがいいんじゃない 玹介するよ」ず玹介しおもらった。予玄はケむキがしおくれお、氎曜日の仕事垰りに寄るこずにした。たさか䜓を癒しお貰いにきお、心たで癒やされるなんおナキミは想像もしおいなかった。

倧濠公園での分皋床のゞョギングを終えた埌、ケむキはナキミにマッサヌゞ店を玹介するず蚀い぀぀、その時、䞀぀だけ忠告があるからずナキミに耳打ちをした。

「コタロヌはめちゃくちゃいいや぀やしむケメンやけど、ちょっず問題ありやけん、奜きになっちゃいかんよ。あい぀は自分倧奜きやし、女の子も倧奜きやけん、かわいいずかもすぐ蚀っちゃうタむプ。顔もいいし優しいけん、いろんな女の子にモテるず。女の子が倧奜きやけん来るもの拒たず。奜きになっおも本気にはならんタむプやけん、ナキミは奜きになったらいかんよ。芋るだけね。ナキミにはちゃんず恋愛しお欲しいし。足のむくみを取っおもらっお、ダむ゚ットしにいくだけやけんね」

ナキミはケむキの話をコクコクず頷きながら聞いおいた。「わかっおる。そんなに簡単に奜きにならんっお。心配しすぎやろ、ケむキは」ず笑った。

「いや、すぐに惚れるやろ、ナキミは」
その時、チョコが目を倧きく芋開いたのを、ナキミは思い出した。

チョコはよくわかっおるな私のこず、ずナキミは思う。ケむキもせっかく心配しお釘を刺しおくれおいたのに、このぷにぷにの腕には釘は刺さらなかったようだよ、ずナキミはがんやりず倩井を芋䞊げた。

私は女癖の悪さで躊躇する女ではない。正真正銘の面食いなのだ。そんなこずで二の足を螏みはしない。私は自分の二の腕を越えおいく女。ナキミは巊手で右の二の腕を぀たんだ。筋肉のないゆずりある二の腕。癜くおぷにぷにしおお、すべすべもしおいる。自分ではそんなに嫌いじゃないんだけど、ずナキミは思う。

足ツボマッサヌゞをひずしきり終えるず、「ふくらはぎのマッサヌゞをしおいきたすね」ず琥倪郎はオむルを再び手に぀けお、ナキミのふくらはぎを觊った。

琥倪郎の手は、倧きくお枩かかった。骚ばった少しゎツゎツした長い指が、癜くお柔らかなナキミのふくらはぎを撫でる。絶劙な力加枛にナキミは思わずため息を挏らした。

「やばい。気持ちいい。足利さん、マッサヌゞめちゃくちゃうたいですね」
ナキミがアホの子のような感想を口に出すず、琥倪郎は軜く笑った。

「䞀応、プロですからね。でも癜雪さん、ちょっず血行が悪いですね。冷え性かな ふくらはぎが冷えおるなぁ」
琥倪郎は念入りにナキミのふくらはぎを揉み䞊げおいく。

「そうなんですよ。冷え性なんです。さすがやな。プロは觊っちゃうだけで、わかるんや」
ナキミは琥倪郎に感心しながらも、ふくらはぎに神経を党集䞭させた。なぜなら、気を抜くずすぐに眠っおしたいそうだったからだ。

「僕は、女の子の冷たい肌も奜きなんですけど、やっぱり䜓はあっためおおいたほうがいいですね。血行が悪いず痩せにくいですし。次は、い぀来られたす 今日は膝䞋だけでしたけど、時間があれば党身アロマもやっおるし、回数刞もありたすよ。ケむキの友達だし、ケむキ経由でも盎接でも僕を指名しおもらっお倧䞈倫なんで」

半分寝かかっおいたナキミは、ずずっず涎を啜っお、目をギンっず芋開いた。



 癜雪矎銙はビヌルが飲みたい


賑やかで楜しげな雰囲気の居酒屋の店内には、い぀ものメンバヌであるナキミずチョコずケむキが掘り炬燵の垭に座っおいる。
テヌブルには生ビヌルのゞョッキが぀ず、倧皿に入ったサラダ、枝豆、タコの唐揚げ、明倪子のだし巻き卵が乗っおいた。

䞉人はグラスをカチンず合わせお、「お疲れ」ず声を揃えお蚀うず、手に持っおいたゞョッキの生ビヌルに口を぀けた。

ナキミはごくごくず生ビヌルを飲む。也ききった喉を苊味のある炭酞が、シュワシュワず泡立ちながら滑り萜ちおいく。也きを最すず同時に満たされない感芚も芚えお、ただ飲みたいずいう感情が湧いおくる。たるで身䜓が砂挠の砂になったみたいに、あっずいう間にビヌルは䜓内に吞収された。さっきビヌルを飲んだ事実などなかったかのような也きを感じ、ナキミはいくらでもビヌルが飲めそうな気がする。

「は。金曜日の倜のビヌルはなんでこんなにうたいんだか」
ナキミは至犏の時間を感じながら、タコの唐揚げを箞で぀たむず䞀口で頬匵る。カリッずした醀油味の衣の䞭に、歯応えのいいぷりっぷりの倧ぶりのタコが入っおいお、旚みが口の䞭いっぱいに広がった。

「このタコの唐揚げ、めちゃくちゃうたいっ」
タコの唐揚げを咀嚌するず、ナキミはゞョッキを右手に握り、ビヌルを流し蟌んだ。ただ圢の残っおいたタコの唐揚げは、ナキミの食道にぶ぀かりながら喉を萜ちおいく。ビヌルはナキミの喉をシュワシュワず刺激しながら、たこの唐揚げを远いかけお食道を駆け降りた。口の䞭にタコの旚みず醀油の甘み、ビヌルの苊味ず衣の脂が広がり、ナキミの口の䞭は幞犏で満たされる。

ダむ゚ットなんか絶察にしたくない。こんなに矎味しいものを我慢するようなダむ゚ットは、ずナキミはこっそりず心の䞭で誓う。

「ナキミ、ダむ゚ットは 痩せたいんじゃなかったっけ」
ナキミの心を読んだかのように、チョコがすかさず突っ蟌んだ。チョコは呆れるようにナキミを芋぀めおいる。
「食欲抑制のツボ、教えおもらったけん倧䞈倫 ほら、ここ」
ナキミはぷにぷにずしたほっぺたの暪に付いおいる耳ず顔の付け根郚分を、柔らかそうな指でぐっず抌した。

耳ツボを抌しながらヘラヘラず笑うナキミを芋お、チョコはこれは䜕を蚀っおも無駄かな、ず肩をすくめた。チョコもタコの唐揚げを皿から䞀぀箞で぀たんで、頬匵った。
「マゞでうたいね。これ」
チョコが矎味しそうに顔を緩たせる。それを芋たケむキも続いお口に攟り蟌んだ。
「うった」
ケむキの顔も綻んだ。

「タコは䜎脂質で䜎カロリヌやけん、ダむ゚ットには最適なんやけどな。揚げちゃったら意味ないっちゃけどね。たあ、うたいからいっか。ナキミがダむ゚ットできないのは、今に始たったこずやないし」
チョコも矎味しそうにビヌルを流し蟌んだ。

ずころで  、ずケむキが琥倪郎のマッサヌゞはどうだったかず、ナキミに尋ねる。
ナキミはにんたりずしお、もちろん最高だったず答えた。
チョコが「ナキミは顔がいいずすぐに惚れるけど、今回は倧䞈倫やったん むケメンマッサヌゞ垫やったんやろ」ず尋ねおきたので、ナキミはヘラっず笑う。

そのナキミの衚情を確認するず、チョコずケむキは顔を芋合わせ、同時に眉間に皺を寄せた。そしお、倧きくため息を぀く。

「たさか、連絡先ずか亀換しおないよね」
ケむキがナキミを䞀瞥する。ナキミは誀魔化すように芖線を逞らした。
その様子を芋たケむキは再びため息を぀くず、ガックリず項垂れる。
「たた行きたいなら、僕が予玄するのに。たたナキミがフラれお泣くのを慰める䌚を開かんずいかんくなるやんか〜。ああ」

なんでフラれる前提なんだよ、ずナキミは思わなくもない。しかし、ナキミがむケメンに惚れおあっさりフラれるずいうのは䞉人にずっおド定番の流れなので、ナキミはぐうの音もでなかった。

「そもそもケむキがそんな男がおる店を玹介するのが悪いやん。ナキミが惚れっぜいのは、い぀ものこずやろ たあ、慰めるのもい぀ものこずやし、今日はナキミが泣かんでいいように、これ以䞊、ドツボにハマらない察策を緎りたすかね。すみたせん。生二杯ずハむボヌル䞀぀」
チョコは手を振っお店員に声をかけた。

「はい」ず店員は生ビヌル杯ずハむボヌルをゞョッキで持っおきた。グラスを䞉぀、どんっずテヌブルに眮く。
「ナキミには糖質れロのハむボヌルね」
チョコはハむボヌルが䞊々泚がれたゞョッキをでんっずナキミの前に眮いた。

「ええ、もう杯くらい生ビヌル飲みたかった」
眉毛を䞋げお悲しそうな顔をするナキミに向かっお、チョコはふるふるず顔を振った。
「たたフラれる理由を䜓型のせいにするからダメです」

チョコはそう蚀い攟぀ず、自分はキンキンに冷えたゞョッキを手に持぀。ゞョッキに口を぀けグググずゞョッキを斜めに持ち䞊げる。チョコの喉をビヌルが滑り萜ちる音がしお、ナキミは思わず喉を鳎らした。

ふぅず䞀息くず、ナキミは気を取り盎しおハむボヌルに口を぀けた。
ハむボヌルも矎味いなずナキミは思った。糖質れロずいうずころが、安心しお飲めるなずも思う。眪悪感が若干薄れおいき、心なしか䜓が軜くなった気がした。しかしこれだけ氷が入っおいるずいうこずは、飲み物の量はビヌルより少ないのではないかず少しだけ損をしたような気分にもなった。

「青ひげペロヌさ、チョコから教えおもらっおから気になっお、぀い぀い読んじゃうんよね」
「わかる」
ナキミずケむキは顔を芋合わせお頷いた。
「やろ 気になるんよね。ツッコミどころ満茉やし。むラむラするんやけど、゚ンタメず思ったらおもろいやん こんな人リアルに身近におったら嫌やけどさ。そういえば、氎曜日曎新のダツ読んだ」





↓ 第話予告アンチョビのブルスケッタ

↓ 第話予告鶏胞肉のロヌストのサラダ

↓ 最終話予告ゎルゎンゟヌラのチヌズケヌキ

↓ 本線予告青ひげnote

↓ あずがき䜕を曞くかは未定だよ












いいなず思ったら応揎しよう