「日常の私」と「書く私」の汗だくの九時間|エッセイ!!
「日常の私」は、夕方から小学校の役員業務で外を駆けずり回っていた。
日が沈むまでは容赦なく熱く、私は目だけが見えるように完全防備の日よけ対策を施して臨んだ。
はたから見ればどう見ても不審人物である。(苦笑)
参加した子どもたちは相変わらず元気一杯で、その若さが本気でうらやましい。
ちなみに我が子にも声をかけたのだが、インドア派の我が子は華麗に参加を拒否し、家で涼しく過ごしていたらしい。
さて、そんなお祭り騒ぎの裏で、私の現実には明日の朝に待ち受ける「本日の片づけ」というイベントが控えている。
あまり遅くまで起きていると朝の自分が地獄を見るため、ほどほどにしなければならないのだが……。「日常の私」であるPTA副会長の夜は、なかなか一筋縄ではいかない。
そんなヘロヘロの状態でパソコンに向かい、「日常の私」から「書く私」に変わる。
明日が締め切り日である「お題から考える」企画に直面している。
今回のテーマは――「人魚裁判所」?
なんだそれは。お魚さん?
頭の中には映画やアニメの映像がふんわりと浮かんでくる。
だけど、自分が書く物語の材料として人魚を扱ったことは一度もない。
どう転がしても苦労する未来しか見えない。
しかも、言葉のお尻に「裁判所」とついている。
裁判の経験なんて人生で一度もないぞ!
これを一体どう料理しろと……。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
頭を抱える。
ふと思ったが、人魚のメイクって水の中でもとれないものなのだろうか?
ん?
人魚のメイク……からの裁判……。
もしかして、語尾につくあの「ハラ」系のアレなのだろうか。
うーん、あまりハラ系をテーマにするのは気が進まないなぁ。
ぷぅ~。 (口から生気を吐き出す)
◇
――とまあ、こんな具合に、お題が明日の締め切りという絶望的なスケジュールの中、大慌てで思考を巡らせているのが現在のありさまである。
そもそも、本文を書いている場合なのだろうか。
まず、ご飯を食べなければならない。
お風呂はどうする?
体は汗と熱気でベトベトだ。
シャワーだけでも浴びなければ気持ちが悪い。
いや、その前に、ご飯を食べるのが先か。
待て!スマホに目をやると、フォロワーさんから「スキ」が入っている。
ありがたい、本当にありがたいけれど、早くお返しをしないとソワソワしてしまう。
うーん、うーん。 洗濯は?
もう夜遅いし、明日に回そう。
今日は小学校の催しで夕方から潰れ、明日は朝から片づけの早起きが待っている。
ぬぬぬ……。
ね、眠い。猛烈な睡魔が襲ってきた。
子どもはもう寝ている。
だが、眠っちゃ駄目だ! 眠っちゃ駄目だ……!!
果たして、この混沌とした頭のままで「人魚裁判所」の原稿は書き上がるのか。
私は、最速の異名を……ない!ないぞ!
ふぉおおおおおおおおおお!
私は今、キーボードを叩いている。
それでは、最速で出来上がった作品をどうぞ~。
