子どもの私が、家の地下に作ろうとしていたもの
MTVの特集で「Get Wild」が流れてきた。
懐かしい。
そして自分がシティーハンターに
憧れていたのを思い出した。
ハンマーで殴られながらも
スマート(?)に解決していく姿に憧れた。
駅の掲示板に、もしかしたら「XYZ」が
あるんじゃないかと、探したりしたこともある。
当時、他にも興味を持っていたのは「間取り」。
広告を見て、間取りを考えるのも好きだった。
「おぉ!いいこと思いついた」
憧れをこじらせすぎて
とんでもないことを思いついた。
思いついたら、止められない。
広告の裏に、図面を書きはじめた。
(ここが入り口、庭で…)
正確な図面の引き方なんて知らない。
思いついたものを、どんどん付け足していく。
(自分の部屋でしょ…)
(おばあちゃんの部屋は
陽当りがいい場所で…)
1階や2階は、普通の家。
階段の書き方がよくわからない。
そのくせ、欲望だけはすごい。
螺旋階段を適当に書く。
(で、ここが地下への入り口で…)
(音がしたらバレるから…)
私は地下室にあるものを作ろうとしていた。
それは、防音施設完備の「射撃訓練場」。
もう、とんでもなく憧れをこじらせている。
なぜ、憧れた結果が刑事や探偵ではなく
射撃訓練場なのか。
今でもわからない。
TMネットワークの「Get Wild」を
巻き戻して聞くのが面倒になり
とうとうテープの両面に録音。
延々と聞きながら図面を考えていた。
いま考えたら、ある意味「Get Wild」。
地上階はごく普通の家。
おばあちゃんがひなたぼっこをする家。
地下は射撃場という謎の間取りが誕生した。
そんな子供時代を過ごし大人になった。
「図面を学びたいな…」
体調を壊し、再就職に向けて
職業訓練を受けようと
選んだのは建築関係だった。
私は計算が苦手。
教科書をみて
「こんなの分かるかーーーー!」
と、教科書をぶん投げ、断念。
結局、このときは別の仕事に就いた。
ただ、遠回り(?)したが
いま、不動産屋にいる。
ちなみに地下射撃場付きの物件は、
まだ出会えていない。

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