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103日目:宇宙で花開く日本の工芞折り玙・織物・組玐・朚組みは䜕を解決したのか

折り玙、織物、組玐、朚組み。

こう䞊べるず、博物通や叀い町䞊みの話に芋えたす。
ずころが、その先にあるのは人工衛星の巚倧アンテナやロケットの燃焌噚、果おは朚造人工衛星です。

日本で育たれおきた「折る」「線む」「組む」ずいう知恵は、なぜ宇宙開発で必芁ずされたのでしょうか。

今回は、実際に軌道䞊で䜿われたもの、地䞊詊隓たで進んだもの、残念ながら宇宙で完党には展開できなかったものを分けながら、昔ながらの技術が宇宙のどんな問題を解こうずしおいるのかを芋おいきたす。

【前提】宇宙開発は「倧きく䜿い、小さく運ぶ」ずころから始たる

宇宙ぞ物を運ぶには、ロケットの限られた空間ぞ収めなければなりたせん。

䞀方、宇宙ぞ着いた埌は、倧きな倪陜電池やアンテナが欲しくなりたす。電気を倚く䜜るにも、遠くず通信するにも、広い面積が圹立぀からです。

぀たり宇宙開発では、地䞊で小さく畳み、宇宙で倧きく広げる必芁がありたす。
しかも、珟地ぞ修理に行くのは簡単ではありたせん。

軜いこず。
小さく収玍できるこず。
狙った圢に䞀床で広がるこず。
極端な枩床差や振動にも耐えるこず。

なかなか無茶な泚文です。

ずころが、よく考えるず䌌た課題に人間は昔から向き合っおきたした。

䞀枚の玙を折っお圢を倉える。现い糞を線んで倧きな面を䜜る。耇数の繊維を組んで切れにくくする。釘を䜿わず朚材同士を぀なぐ。

材料も甚途も違いたすが、問題の圢はどこか䌌おいたす。

【折る】ミりラ折りずIKAROS―折り玙は巚倧な膜を宇宙ぞ運んだ

宇宙ず日本の技術を結ぶ代衚䟋が、折り玙です。

ただし、ここは少し敎理が必芁です。

【ミりラ折り】は叀くから䌝わる折り方の名前ではなく、宇宙構造物の研究から䞉浊公亮氏が考案した珟代の工孊技術だそうです。

平行四蟺圢が連なるように山折りず谷折りを配眮し、䞀方向ぞ匕くず党䜓が連動しお開きたす。

1995幎に打ち䞊げられた宇宙実隓・芳枬フリヌフラむダヌ「SFU」では、このミりラ折りを䜿った二次元展開アレむの展開・収玍実隓が軌道䞊で行われ、完党展開ず収玍が確認されたそうです。

そしお2010幎には、小型゜ヌラヌ電力セむル実蚌機「IKAROS」が、䞀蟺14メヌトルの正方圢の膜を宇宙で展開するこずに成功しおいるようです。

IKAROSたで䜕でも「ミりラ折り」ず説明されるこずがありたすが、JAXAの資料で玹介されおいる候補は、扇子折り、回転二重折り、らせん折りなどです。正確には、ミりラ折りの実蚌ずIKAROSの膜面展開は、同じ【折り玙工孊】の流れにある別の技術ず考えた方がよさそうです。

鶎を折っお、そのたた宇宙ぞ飛ばしたわけではありたせん。

玙を折っお圢を䜜る文化が、「平面をどの折り線で畳めば、狙った動きで開くのか」ずいう幟䜕孊ず力孊ぞ育ったのです。

【線む】織物の職人技が「きく8号」の巚倧アンテナを花開かせた

2006幎に打ち䞊げられた技術詊隓衛星「きく8号」には、最倧玄19メヌトル×17メヌトルの倧型展開アンテナが2面搭茉されたそうです。

打ち䞊げ時には、1面あたり盎埄玄1メヌトル、長さ玄4メヌトルに収玍され、軌道䞊では折り畳み傘のように広がりたす。たさに、宇宙で花が開くような構造です。

アンテナの反射面に䜿われたのは、ずおも现い金属糞を線んだメッシュでだったそうです。

金属の糞は電波を反射できたすが、现くなるほど線む途䞭で切れやすくなりたす。そこでJAXAのプロゞェクトチヌムが協力を求めたのが、織物を専門ずするメヌカヌでした。

着物をそのたた衛星ぞ貌ったわけではありたせん。
现い材料ぞ掛かる力を読み、均䞀な面ぞ線み䞊げる職人技が、宇宙甚の金属メッシュぞ眮き換えられたそうです。

この流れは珟圚も続いおいたす。2021幎にはJAXAず䌁業4瀟が、ゞルコニりム銅の现線をトリコット線みにした、軜く柔軟な衛星アンテナ甚メッシュを共同開発したず発衚しおいるようです。

䌝統ずは、完成品の圢を守るこずだけではありたせん。手の䞭に蓄積された「玠材の扱い方」を、別の材料ぞ移すこずでもあるのでしょうか。

【結ばない】持網の技術は宇宙ごみ陀去甚テザヌになった

線む技術の行き先は、アンテナだけではありたせん。

持網メヌカヌの日東補網は、網目の亀点ぞ結び目を䜜らない【無結節網】の技術を、JAXAず開発する導電性テザヌぞ応甚したした。
アルミニりムやステンレスなどの现い線を網状にし、長くおも切れにくく、電気を流せるひもを䜜る技術だそうです。

このテザヌを宇宙ごみぞ取り付けお電流を流すず、地球の磁堎ずの盞互䜜甚で力が生たれ、燃料を倧量に䜿わず軌道を䞋げられる可胜性がありたす。

2016幎に打ち䞊げられた「こうのずり」6号機では、KITEずいう軌道䞊実隓が行われたした。蚈画では玄700メヌトルのテザヌを䌞ばす予定でしたが、先端の装眮を攟出する機構に䞍具合が起き、テザヌの展開には至らなかったそうですが、䞀方、電子を安定しお攟出する技術は、ほが実蚌されおいるようです。

ここは、成功物語だけにしない方が面癜いずころです。

どれほど優れた網を䜜っおも、収玍し、攟出し、蚈枬し、制埡する仕組み党䜓が動かなければ目的は達成できたせん。

技術は単䜓の性胜だけでなく、システムの䞭で䜿えお初めお成果になる。なんずもSEには銎染み深い話です。

【組む】組玐の構造が高枩のロケット燃焌噚ぞ姿を倉えた

现いものを束ねお匷くする知恵ずしお、日本には組玐がありたす。

JAXA宇宙科孊研究所が2014幎に玹介したロケット燃焌噚の研究では、盎埄11マむクロメヌトルの炭化ケむ玠繊維を3方向ぞ亀差させた【3軞組みひも】が䜿われおいたした。

この組み方は、日本叀来の組玐に源流を持぀ず説明されおいたす。

普通の垃は、瞊糞ず暪糞ずいう2方向で䜜られたす。そこぞ斜め方向の぀ながりも加えるこずで、狙った立䜓圢状に繊維を組み䞊げられたす。その組玐を土台に、炭化ケむ玠の耇合材料でロケット゚ンゞンの燃焌噚を䜜ったわけです。

詊䜜品は、内壁枩床が玄1600床に達する条件を想定した開発の䞭で、30秒間の燃焌詊隓を通過したした。

ただし、これは実際の宇宙飛行で䜿われた完成品ではなく、地䞊で行われた研究開発段階の詊隓です。

垯締めの組玐ずロケットの燃焌噚。完成した姿はたったく違いたす。

それでも「现い繊維を、どの方向ぞ、どんな順序で亀差させれば、目的の圢ず匷さを䜜れるか」ずいう問いは同じなのです。

【継ぐ】釘も接着剀も䜿わない朚組みが朚造人工衛星ぞ

さらに宇宙ぞ向かったのが、日本の朚組みです。

京郜倧孊ず䜏友林業が開発した朚造人工衛星「LignoSat」は、䞀蟺玄10センチメヌトルの小さな立方䜓です。
倖偎にはホオノキの板が䜿われ、板同士は【留圢隠し蟻組接ぎ】ずいう䌝統的な朚組みで぀ながれたそうです。

釘も接着剀も䜿いたせん。

宇宙では、日なたず日陰を行き来するたびに倧きな枩床差が生たれたす。
朚ず金属では熱による䌞び瞮みの倧きさが違うため、金属補の留め具は割れの原因になり埗たす。
そこで、朚だけを粟密にかみ合わせる叀い接合方法に圹割が生たれたした。

開発前には、ホオノキ、ダマザクラ、ダケカンバを囜際宇宙ステヌションの船倖で玄10か月間さらす実隓も行われおいたす。
目立った劣化の差は確認されず、加工性や寞法安定性、匷床なども螏たえおホオノキが遞ばれたした。

LignoSatは2024幎12月、囜際宇宙ステヌションから軌道ぞ攟出されたした。地䞊ずの通信には成功しなかったものの、朚補構䜓が宇宙空間で圢を保ち、玄4か月のミッションを終えおいたす。

千幎以䞊残る朚造建築を芋おきた土地で、朚を宇宙ぞ持っおいく研究が始たる。

叀いものを懐かしむだけでは生たれない、ずいぶん倧胆な枩故知新です。

【結び】技術の䟡倀は「叀いか新しいか」より「䜕を解くか」

今回芋おきた技術には、共通点がありたす。

折り玙は、倧きな面を小さく運ぶ問題を解きたした。

織物は、軜くお広いアンテナを䜜る問題を解きたした。

持網は、長くお切れにくい導電性のひもを䜜ろうずしたした。

組玐は、现い繊維から高枩に耐える立䜓を䜜りたした。

朚組みは、性質の違う留め具を䜿わず、朚の箱を組み立おたした。

私は、枩故知新ずは、昔の答えをそのたた䜿うこずではないず思いたす。

昔の人が䜕に困り、材料のどんな性質を芋぀け、どう工倫したのか。その【考え方】を取り出し、今の問題ぞ぀なぎ盎すこずではないでしょうか。

もちろん、䌝統技術なら䜕でも宇宙で通甚するわけではありたせん。数倀で確かめ、詊隓し、倱敗すればシステム党䜓を芋盎す必芁がありたす。䌝統ぞの敬意ず、怜蚌せず信じない姿勢は、䞡立したす。

どんな技術を知っおいるかも倧切です。

ですが、それ以䞊に「いた䜕を解決したいのか」ず問い盎すこず。

䜿い道を倱っお叀く芋える技術も、問いが倉われば、ただ芋たこずのない堎所で花開くのかもしれたせん。


今回も最埌たでご芧いただきありがずうございたした٩( 'ω' )و

「小難しいこずをわかりやすく面癜く」をモットヌに、色々な蚘事をマガゞンに分けお投皿しおいたす。

面癜そうな蚘事があれば、フォロヌしお次の蚘事をお埅ちください('ω')
※画像はむメヌゞです

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優れた技術も、䜿われ方や垂堎ずの関係で䟡倀が倉わる。今回の結びにも぀ながる話です。

いいなず思ったら応揎しよう