META(メタ)#4
「けどもお前、洋平。それにしても、じゃ」

「ん? 何だ、ケドモ」
「けどもお前、変わり過ぎじゃろ。
いくらなんでも、狂い過ぎじゃろ。
一体どうしたんや、この世界は」

「何もかもが、『水角』一色。
誰もかれもが、『水角バンザイ』の大合唱。
生活なんか、仕事なんか、そっちのけじゃ。
ほんでこともあろうに、同調しない者は公然とリンチ、袋叩きかいな」

「見てみい、あのクローンみたいな、死んだ目の薄笑いを。
あの水角の、あの意味不明な言葉の、どこにそんなに共感しとるんや。
これじゃあ、まるで──」
「『北の共産独裁国家』と一緒じゃないか」

「けどもお前、洋平。
ちょっとわしが見とらん間に、一体何があったんや。説明せえや」
「ケドモ、お前、知っててここへ来たんだろ。今さら何言ってんだ」
「ハァ・・・、相変わらず察しが悪いやっちゃ。
読者さんへのご説明も兼ねて、
わしに改めて説明するフリをせえ、っちゅうことよ」


「・・・すべては、水角堅一と、奴が手にした『6195』のせいだ」

「けどもお前、前作で嫌というほど苦しめられた、あの『6195』か」
「ああ。
『6195』と呼んでいるが、実は違うがね。
正しくは『biαs』だ。つまりバイアスと書いてある」
「思い込みや偏見なんかで、
『都合の良い解釈にこり固まる』っちゅう、あのバイアスやな」
「そう。
そしてこいつからは、メタルクローム色のガスが噴き出す」

「うおおお。気味の悪いガスじゃ」
「こいつを吸い込むと、今の狂った世界が出来上がる」
「けどもお前、洋平。煙に巻くなや。
もうちいと親切に、分かりやすうに、説明せえや」

「・・・こいつを、メタルクローム色のガスを吸うと、
『共感力』が信じられないほど、はね上がる。
目にしたものをみさかいなく信じ、のめり込むようになるんだ。
それこそ人が変わったように『共感』一色になって熱狂し、
他が何も見えなくなる、ってわけさ」
「けどもお前、それはつまり・・・」
「6195は、『共感誘発・促進剤』だ」
「けどもお前、一体、誰が、何のために?」
「黒幕は、あいつだよ。進化人類、四次元の存在。上位者アンドレイナさ」

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