META(メタ)#5
人間は、この地球上でもっとも進化した生き物、
ではない。

人間よりもはるかに進化した、上位の存在がいる。
圧倒的な知能を誇り、知性と本能を分離して思考する存在。
そして四次元に生き、時空を超え、姿かたちを変える存在。
彼ら進化人類は、自らを「上位者」と称する。
我々人間は、その存在を知る由もない。
次元が、違い過ぎるのだ。

それどころか我々人間は、現生人類は、ホモサピエンスただ一種、
ではなかった。

現生人類、即ち「在来種」から分離して、独自の進化を始めた者たちがいたのだ。
「変異種」だ。

彼ら変異種たちは、個々に進化の度合いが異なっていた。
また獲得する「異能」にも、それぞれ個々に違いがあった。
そのバラバラさ加減は、まさにそれが人類の進化の途上、トライアンドエラーの発露だからなのかもしれない。
だが、彼ら「変異種」には、ひとつだけ、共通する能力があった。

6195が、見えるのだ。
多くの普通の人々、つまり在来種にとっての「共感誘発・促進剤」ともいえる、6195が。
在来種は、6195は見えないどころか、その存在さえ知ることもない。
何故ならそれは上位者が生み出した、「異次元のモノ」なのだから。
洋平は言う。
「6195からは、メタルクローム色のガスが噴き出す」
「このガスを吸うと、『共感力』が信じられないほど、はね上がる。
目にしたものをみさかいなく信じ、のめり込むようになるんだ」
「それこそ人が変わったように『共感』一色になって熱狂し、
他が何も見えなくなる、ってわけさ」

変異種たちは、その中には上位者とのコンタクトに成功する者もいた。
さらには上位者との意思疎通を経たのち6195を支給され、その使用を任される者まで現れた。
・・・何のために?

上位者アンドレイナは言う。
「在来種の共感の『想念』には、ある成分が分泌されています」

「変異種の皆さんには支給した6195を在来種へ散布、或いは投与してもらい、共感の想念の生産にご協力いただいています」
「『バズり』を報酬に、ね」
「私たち上位者は、その『想念』を採取、回収しているのです」

・・・。
・・・でも、何のために?
(以下次号)
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