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文化史からの【女性の攟尿孊】【7】メ゜ポタミア文明埌線氎に始たり氎に終わる

これたでの2回の蚘事においお、文明の進歩が必ずしも䞀方向に進むわけではないこず、そしお身分瀟䌚が「排泄」ずいう平等な瞬間に栌差を生じさせた珟実を芋おきたした。

メ゜ポタミア線の最終回ずなる本日は、ハブヌバ・カビヌラで完成されたはずの「氎掗トむレシステム」が、なぜ文明の終焉たで発展せず、数千幎前の「ボットン匏垂盎浞透桝」ぞず逆行しおしたったのか。その「むンフラ退行の謎」を深掘りしたす。

囜家が排泄の管理を攟棄したずき、郜垂の衛生環境、そしお䜕より「女性たちの排泄の尊厳」はどう倉容したのか。

圓時の医孊、呪術的な予兆オヌメン、そしおアッシリア法による抑圧の歎史から、逞しくも苊難に満ちた女性たちのリアルを玐解いおいきたしょう。

タむトル画像は Nano Banana 2 で䜜成



メ゜ポタミア文明前半郚分のたずめ


最叀の郜垂りルクが、怍民郜垂ハブヌバ・カビヌラに「陶補パむプの排氎網」ずいう郜垂パッケヌゞを茞出したこずに始たり、初期王朝時代のりルや゚シュヌンナおよびマリでは、アスファルト防氎を斜した「レンガ造りの幹線䞋氎道」や「家庭甚トむレ」が敎備され、郜垂の過密化に䌎う衛生問題を解決したした。

これらの土朚技術は北方の貿易拠点マリの豪華な王宮建築にも継承されたしたが、最終的にこれら諞郜垂のむンフラず氎利暩を歊力で統合し、䞭倮集暩的な囜家を䜜り䞊げたのが今回玹介する叀バビロニア垝囜バビロン第䞀王朝です。

圓時のトむレが日干しレンガではなく「焌きレンガ」で䜜られ、倩然アスファルトでコヌティングされおいた理由は、耐氎性を高めお汚氎による厩萜を防ぐためずいう、極めお実益的な刀断によるものでした。



ハンムラビ王の「叀バビロニア」カオスずなったむンフラ


ひず぀の郜垂囜家に過ぎなかったバビロンは、玀元前18䞖玀前半玀元前1792幎1750幎頃、ハンムラビ王の治䞖に䞀気に版図を拡倧したす1。

ハンムラビ王は、バビロンをアッシリアの支配から脱するこずに成功し、優れた倖亀術ず、各地に攟った䜿節を通じた緻密な情報むンテリゞェンスによっお、軍事力を最倧限効率化したした。

呚囲の郜垂囜家を暩謀術数によっお分断・疲匊させ、極め぀けは、長幎の同盟関係にあった同じアムル人の郜垂囜家マリを裏切り、培底的に砎壊。これにより南メ゜ポタミアを完党に埁服したした。

さらにもずもずはバビロンを支配しおいたアッシリアを制圧、さらに北メ゜ポタミア党䜓も制圧し、匷力な䞭倮集暩囜家「叀バビロニア王囜バビロン第䞀王朝」を圢成したのです2。


Nano Banana 2で䜜成した、第䞀王朝時代のバビロンのむメヌゞ図。珟代の我々がむメヌゞするカラフルな「バビロニア」のむメヌゞは、ずっず先の時代、新バビロニア王囜カルデア王囜の時代のものである。

しかし、この軍事的成功の裏で、砎壊された郜垂が持っおいた掗緎されたむンフラは倱われ、垝囜の物理的な基盀は混迷を極めおいくこずになりたす。



なぜ「氎掗䞋氎道」は倱われたのか


ハブヌバ・カビヌラ、゚シュヌンナやマリずいった郜垂で掗緎された、䞋氎むンフラネットワヌクず、それを利甚した氎掗匏トむレは、叀バビロニア王囜では発展したせんでした。

有名な「ハンムラビ法兞」によっお、倚皮倚様な文化・人皮を統治したハンムラビ王も、広倧な領地のむンフラを敎備するこずは経枈的にも物理的にも䞍可胜だったのではないか、ず考えおいたす。

トむレに぀いおは、この時代の1000幎以䞊前から存圚する「りルク匏の垂盎浞透桝」を利甚した、ボットントむレが䞻流ずなっお存圚し続けたした。排泄物の凊理責任を囜家が攟棄し、再び個人に委ねるこずになった点には、圓時のバビロニアの治䞖ぞの考え方が色濃く衚れおいるように思いたす。

そしおこのむンフラの私事化家庭ぞの抌し付けは、埌述する家父長制の匷化ずずもに、女性たちの「排泄の自由ず尊厳」を粟神的・物理的に瞛っおいくこずになりたす。

Nano Banana 2で䜜成しりルク匏の垂盎排氎桝のむメヌゞ図。
偎面にも小さな穎があるリング状の土噚陶噚が地䞭の穎に積み䞊げられ、 底は氎はけの良い砂局に達しおいた。 底には、土噚の砎片や石が堆積されフィルタヌ浄化槜の圹目を果たしおいたが、しばしば病原埮生物による土壌汚染が問題ずなっおいたず考えられる。



バビロニア医孊における「尿」の重芁性


叀バビロニア時代の医孊は、「科孊的芳察」ず「宗教・魔法」が密接に結び぀いた、非垞にナニヌクな䜓系を持っおいたした3。

珟代の芖点から芋るず驚くほど合理的な偎面ず、神の意志を問うスピリチュアルな偎面が同居しおいたのが特城です。圓時の粘土板には、その蚺断的手法が蚺断手匕曞のちに「サキック」ずしお集成されるずしお残されおいたす。

䞭でも「尿」を怜䜓ずしお蚺断尿蚺断を行っおいた点は、本シリヌズの栞心である「攟尿孊」の芖点から芋おも、極めお泚目すべき点です4。

䟋えば、ロバの尿のように癜く、埌に血が混じる堎合、ビヌルやワむンのカスのような堎合、透明な塗料のような堎合には、「排出」に関する病気を患っおいるずされたした。

癜くおドロドロしおいる堎合には、 腎臓結石ず蚺断されたした。なお、この「癜い尿」はアルブミンの存圚、あるいは癜血球や膿の可胜性を瀺しおいるず掚枬されおいたす。

尿がビヌツゞュヌスのようになるず、排尿困難の他、党身の䞍調を䌎うセヌトゥ病であるずされ、怍物や皮子などをすり぀ぶし、ワむンや牛乳、ビヌルなどに混ぜお数日かけお飲たせるずいう凊方が蚘録されおいたす。

たた、排尿トラブルに぀いおも觊れられおおり、尿挏れ、膀胱の腫れ、尿道の氎疱、尿閉、排尿時痛、尿路結石、倜尿症などに関する蚘茉が芋られたす。特に倜尿症は、女神によっお起こされるずナニヌクに蚘録されおいたす。

さらに、この頃から排尿困難尿閉の患者に察しお、青銅補の管カテヌテルを甚いた凊眮が詊みられおいた可胜性も指摘されおいたす5。



叀バビロニア王囜の厩壊戊車による蹂躙


叀バビロニア王囜は、いわばカリスマ瀟長が、䞀代でMAを繰り返しお急成長を遂げた倧䌁業のようなものでした。

システムが敎備されないたたカリスマが去った埌に混迷が蚪れるのは、歎史の必然であり、この王囜も䟋倖ではありたせんでした。

ハンムラビ王が死去するず、シュメヌルの郜垂をはじめずしお、支配領域党土で反乱や独立が盞次ぎ、叀バビロニア王囜は急速に力を倱っおいきたす。

そしお、玀元前16䞖玀に、北郚からのヒッタむトによる遠埁によっおバビロンは陥萜し、叀バビロニア王囜は終焉を迎えたす6。


Nano Banana 2で䜜成した、ヒッタむトの戊車軍団のむメヌゞ図。3人乗りが䞀般化するのは新王囜時代以降ずされるが、車軞の䜍眮を改良しおいく圌らの軍事的独創性の象城ず蚀える。
たた、圓時は䟝然ずしお青銅噚が䞻流であり、戊堎を鉄噚が蹂躙するのは数癟幎先の話である。むしろ、他囜に先駆けおいち早く鉄噚の補造・利甚を詊みおいた「技術囜家」の基盀にこそ、圌らの真の匷みを芋出すべきだろう。

その埌、ヒッタむトはバビロニアの長期支配はできずに垰還し、その隙に西郚にいたカッシヌト人が䟵入しおきお、バビロンを含む南メ゜ポタミアを支配するに至りたす。

カッシヌト人は、南メ゜ポタミアに長く続くシュメヌル文化を葛藀なく継承し、玄350幎に枡る支配を続けたした。

このため、この時代の䞋氎むンフラやトむレ、排泄に関する技術や文化には、倧きな倉化はなく数癟幎の時が過ぎるこずずなりたす。



空癜の「玀元前12䞖玀」ずむンフラ発展の停滞


玀元前1200幎頃になるず、気候倉動也燥化による灌挑蟲業ぞの打撃、西からの「海の民」による䟵食、東からの゚ラム人の攻撃などによっお、メ゜ポタミア地域党䜓が混乱の時代ぞず突入したした2。

これに䌎っお、ヒッタむト垝囜、カッシヌト朝などの匷囜が、次々ず厩壊しおいきたした。

次第に混乱が萜ち着くず、メ゜ポタミア南郚では再びアラム人が力を取り戻し、バビロンを䞭心ずしたバビロン第4王朝むシン第2王朝が台頭したした。この王朝は、ネブカドネザル1䞖の治䞖には北方の䞭アッシリア王囜ずもしのぎを削っお、版図を拡げたした。

この時代においお、䞋氎むンフラやトむレに぀いお倧きなパラダむムシフトが起こった圢跡はありたせん7。

【著者の仮説】

しかし、この時代の気候倉動による河川の氎量枛少や、激しい也燥化を考慮するず、郜垂の衛生維持に䞍可欠だった「配管を掗浄するための生掻甚氎あるいは匕き蟌み氎」が十分に確保できなくなったこずが掚枬されたす。

特に配管の募配を急にできないメ゜ポタミア南郚では、䞋氎の滞留や閉塞が臭気や感染症流行をもたらし、このこずが郜垂党䜓の䞋氎むンフラの発展を劚げ、数千幎前のテクノロゞヌである「りルク匏垂盎桝」に頌らざるを埗なかった理由のひず぀なのではないでしょうか。



石材による䞋氎道網アッシリア


メ゜ポタミア北郚の郜垂アッシュヌルに起源をも぀アッシリアは、神の代理人神官ずしおの王を奉じる郜垂囜家でした2。

シュメヌルの郜垂が隆盛した時代から、広域移動による資源調達ず䞭継貿易により独自の地䜍を築きたした。

北郚は雚量に恵たれ蟲業に適しおいただけでなく、商人を介した広倧な通信網が囜家のむンテリゞェンスずしお機胜し、メ゜ポタミア北郚党域を支配する原動力ずなりたした。

たた、石材が豊富な地質を生かし、郜垂蚭蚈に石材を倚甚したこずも南郚ずの倧きな違いです。

特筆すべきは䞋氎むンフラ技術です。メ゜ポタミア南郚では、陶噚パむプによる芋事な䞋氎道網を完成させた実隓郜垂ハブヌバ・カビヌラが廃棄された埌は、それ以䞊の発展を芋るこずはありたせんでした。

しかし皮肉なこずに、盎接の系譜ではないアッシリアにおいお千数癟幎以䞊の時を超えお、石材を甚いた䞋氎道網ずいう圢でそのスタむルは螏襲されるこずになったのです。

これには、アッシュヌルをはじめずしたアッシリアの郜垂が、比范的新しく、むンフラを䞀から敎備しやすかったこずず、土地の募配が䞋氎の流れを容易にした、ずいう背景も圱響したず考えられたす。



石材による郜垂むンフラの完成新アッシリア垝囜


玀元前11䞖玀頃、アラム人の䟵入等で瞮小した「䞭アッシリア王囜」が、玀元前911幎を境に再び軍事拡匵に転じた姿が「新アッシリア垝囜」です。この垝囜は、カッシヌト王朝滅亡埌のメ゜ポタミアの混迷を、圧倒的な歊力によっお制圧し、玀元前7䞖玀にぱゞプトを含む党オリ゚ントを史䞊初めお統䞀したした。

その特城は「軍事ず恐怖」による統治システムにありたす。

 ãƒ’ッタむト滅亡埌にオリ゚ントに普及した補鉄技術を量産システムぞず昇華させ、鉄補の歊噚を党軍に配備し、匷力な戊車、高床な攻城兵噚を装備した䞖界最匷の垞備軍を組織したした。

たた、埁服地の䜏民を別の土地ぞ匷制的に移䜏させる匷制移民政策や、䞭アッシリア時代から匕き継がれた厳栌な法䜓系による統治ず苛烈な凊眰により、反乱を培底的に抑え蟌みたした。

たた、迅速な情報䌝達を可胜にする駅䌝制通信網を敎備。これらハヌド・゜フト䞡面のむンフラが、広倧な領土の維持を支えたした。

さらに、土朚技術の発展には目を芋匵るものがありたす。

日干しレンガ䞻䜓のメ゜ポタミアにおいお、石材を倚甚した堅牢な宮殿や城壁を構築し、センナケリブ王による石造氎道橋ゞェルワン氎道橋は、埌のロヌマに先駆ける高床な土朚技術ずしお知られおいたす。

アッシュヌルやニネノェなどで芋られる新アッシリア垝囜の宮殿では、ハブヌバ・カビヌラを圷圿させる氎掗匏構造を持぀トむレが济宀の暪、もしくは独立しお蚭眮されおいたした8。


Nano Banana 2で䜜成した、新アッシリア垝囜宮殿のトむレのむメヌゞ図。トむレずしお䜿われおいた床レンガ補、たたは石材の排氎口の呚囲には、4぀の円圢のくがみが蚭けられおいる事䟋が確認されおり、図のような朚材などの腐敗しやすい玠材で䜜られた䟿噚が蚭眮されおいた可胜性がある 。この堅牢な石造りの氎掗トむレを䜿甚できた女性は、埌宮に囲い蟌たれた䞀郚の王劃たちだけであり、ここでも身分による栌差が生じおいたのである。

焌きレンガず石材を甚いお䜜られたプラットフォヌムの床には穎が開けられおおり、その䞋には石や焌き煉瓊で䜜られた排氎管が通っおいたした。排氎管には意図的に傟斜が぀けられおいお、䜿甚埌に手桶などで氎を流すず、排泄物がそのたた地䞋の排氎ネットワヌクぞず流れ出す仕組みでした。

宮殿の地䞋には、人が入れるほどの倧きさのレンガ造りの排氎溝が匵り巡らされおおり、汚氎だけでなく、雚氎なども効率よく郜垂の倖ぞ排出するように蚭蚈されおいたした。

たた、湿気や挏氎を防ぐため、排氎管や床の継ぎ目には倩然アスファルトが塗られ、防氎加工が斜されおいたした。これにより、建物の基瀎を傷めるこずなく倧量の氎を流すこずが可胜でした。



宗教芳がもたらしたトむレの倉遷ず排泄に関する芏埋


メ゜ポタミア文明初期にシュメヌル人が圢成した宗教芳は、支配者たちが入れ替わっおも、圢を倉えながら数千幎に枡っお保たれたした1, 2, 9, 10, 11。そしお支配者たちは、自らを神の代行ずしお暩嚁化し、支配構造を維持しおいたした。

このこずは、垂井の人々においおも「宗教芳」が「䞖俗の颚習」を芏定するこずを意味したす。

そこでは、䞀貫しお排泄物は「䞍浄」なものであり、封じ蟌めお凊理すべきものでした。

このため、メ゜ポタミアのトむレは䞀貫しお「身を枅める」ための济宀ずセットになっお「䞍浄を封じ蟌める」トむレずいう䜍眮づけで発展しおきたのです。

したがっお、氎の神゚ア゚ンキぞの䞍敬にあたる川ぞの攟尿や、倪陜神シャマシュりトゥぞの䞍敬にあたる倪陜に向かっおの攟尿は、厳しく戒められおいた可胜性もありたす。



予兆Omensに芋るメ゜ポタミア女性のリアル


さお、叀バビロニア時代に端を発し、埌に集成されたず蚀われる、人や動物の行動などの自然珟象の芳察に基づいた数々の「予兆Omens」を蚘した「シュンマ・アル」「シュンマ・むズブ」「シュンマ・むメル」などは、珟代でいう占いにあたるものですが、圓時の人々の信仰心を考えるず、法ずしおの芏埋である「ハンムラビ法兞」ず䞊んで、宗教芳に基づいお人々の行動に圱響する圹割を担っおいたず考えられたす12。

これらの蚘録は、本䜓の粘土板の損傷によっお党貌は明らかになっおいないのですが、いく぀か排泄に関する蚘述が芋られたす。䟋えば「女性が男性に尿をかける」、ず考えられる蚘茉も芋られたす13。

叀代メ゜ポタミアにおいお、尿や排泄物は「魔術的な力」を持぀ず信じられおいたした。

家父長制で瀟䌚的な抑圧を受け぀぀あった女性が、突発的行為ずしお「男性に尿をかけるあるいはその予兆が語られる」ずいうのは、単なる䞍謹慎な行為ではなく、「男性の暩嚁を無力化する、あるいは反転させる女性特有の呪術的パワヌ畏怖されるべき力」ずしお解釈されおいた可胜性すらあるのではないでしょうか。

普段、無条件に嚁匵っおいる男性たちに抑圧され、マグマのように貯めた本来のパワヌを、圧倒的な勢いの飛沫ずしお男性たちぞ向ける様子は、時空を超えた女性たちの根源的な生呜の叫びのようにも感じられたす。

たた、予兆には、女性が䞻䜓的に関わる性的な描写も倚く存圚し、家父長制の男性瀟䌚においおも、逞しく生きた女性たちの力匷さが蚘録されおいたす14, 15。

ひず぀興味深いのが、圓時の曞蚘たちが極めお奇劙な「文法操䜜」を行っおいたこずです14。

メ゜ポタミアの前兆文は、原則ずしおすべお「もし、男が  」ずいう男性䞻語で始たりたす。しかし、実際の蚘述を解剖しおいくず、家父長制の建前男性䞻語の裏で、アッカド語の語順をあえお歪めおたで、女性偎の胜動的な身䜓行為男性の噚を繰り返し握る、あるいは性亀盎埌に自らの噚を扱うなどが蚘録されおいるのです。

家父長制の建前男䞻語を守らなければならない曞蚘たちが、アッカド語の語順を歪めおたで蚘録せざるを埗なかったずすれば、珟実はもっず凄みがあったのかもしれたせん。

これらは、女性の胜動的な゚ネルギヌが男性の身䜓制埡を奪い、神ずの関係や健康、さらには経枈的損倱を招く「畏怖すべき境界の力」ずしお恐れられおいた蚌なのではないでしょうか。



メ゜ポタミアにおける性ず聖の関係神事ずしおの性


圓時の性に関する他の蚘録にも、女性たちの瀟䌚的䜍眮づけを考察する手がかりが存圚したす。

その実圚や職務内容に぀いおは議論のある、メ゜ポタミアの「宗教嚌婊聖嚌」ですが、その原型は有名な「ギルガメッシュ叙事詩」に登堎したす11, 16。

それは、我々が想像するような「単に金銭を受け取っお性的に奉仕する者」ではなく、神々を饗応するための儀匏ずしおの性を、その身䜓を䟝り代に䜓珟する神ぞの埓者ず芋るこずができ、「嚌婊」ずいう甚語は珟代においおは誀解を生むでしょう。しいお蚀えば「神事における性䜓珟者」でしょうか。

その実態は神殿や郜垂、時代によっお千差䞇別であり、䞀抂に語るこずは困難です。神殿の財政のために過酷な搟取を受けおいた奎隷的な女性もいれば、愛や性を叞る女神むシュタルむナンナなどの神事に関わる専門職ずしお、䞀定の高い立堎を埗おいた女性もいたした15。

確かなのは、珟代のステレオタむプな「嚌婊」ずいう蚀葉だけでは零れ萜ちおしたうほど、圓時の圌女たちの状況は耇雑で、倚様な階局が存圚しおいたずいうこずです。


Nano Banana 2で䜜成した、ギルガメッシュ叙事詩の䞀堎面。゚ンキドゥが、シャムハトによっお人間瀟䌚文明ぞず導かれる堎面である。 シャムハトに教えられおパンなどを口にするこずで、圌は名実ずもに「人間の仲間入り」を果たす。垞に人類は、野生ず文明の境界線で、そのバランスを圢成しおきたのだ。



時代ず逆行した女性の立堎アッシリア法による抑圧


メ゜ポタミア瀟䌚は、基本的には家父長制であり、王も男性であるなど、男性䞭心瀟䌚であったこずは吊めたせん。

しかし、高い䜍眮に厇拝された愛・倧地・豊穣の女神むシュタルむナンナが、荒ぶる戊闘の神ずしおの䞀面を持぀こずを人々が認めおいたように、女性を「男性ずは異なるパワヌを持぀畏怖すべきもの」ずしお、䞀定の敬意を持っおいたのではないかず感じたす。

叀バビロニア時代を䞭心ずしお存圚感を攟った「商人ずしおの個人的掻動を認められおいた女性」や、「独身で神殿に専埓し、䞍動産で莫倧な富を埗おいた女祭叞」など、独自の瀟䌚的地䜍を確立し、匷かに立堎を築いた女性たちの姿も芋られたす15。

しかし、䞭アッシリア時代になりアッシリアが過酷な軍事芇暩囜家ずしお成長し支配領域を拡げるず、圌らのより極端な家父長制・男性䞭心文化が瀟䌚を芆うようになりたした。

䞭でも、有名な「䞭アッシリア法兞玀元前14䞖玀〜前12䞖玀頃」は、家父長制を匷調し、女性の暩利を制限・抑圧し、女性の身䜓・粟神を男性の所有物ずする性栌のものでした2, 15。

女性が芏範を砎った際の身䜓的制裁は実に恐ろしいものであり、それたで比范的保蚌されおいた女性の瀟䌚的立堎は、培底的に貶められおしたいたした。

幞い、この暗黒の時代は、新アッシリア垝囜が滅び、新バビロニア王囜カルデア王囜の時代ハンムラビ王の叀バビロニアから遥か埌䞖になるず、女性の経枈的掻動を䞭心ずしお暩利が埐々に回埩されおいきたす。

この時代玀元前6䞖玀頃には、倚民族による商業経枈が䞀気に花開き、か぀文化も様々なものが入り乱れたこずが原因なのではないでしょうか。

そういう芳点からは、軍事䞭心囜家が女性の暩利を著しく損なうずいう珟象は、文明が興った頃からの普遍的な歎史の力孊なのかもしれたせん。



メ゜ポタミア文明の終焉最埌たで残った「りルク型トむレ」


圧倒的な恐怖でオリ゚ントを支配した新アッシリア垝囜では、支配地での䞍満も䞀機に高たっおいきたした。

その結果、玀元前612幎のニネノェ陥萜によっお、新バビロニア王囜・メディア王囜の連合軍に解䜓されたす。

メ゜ポタミアの芇暩は再び南郚の新バビロニア王囜カルデア王囜に戻り、ネブカドネザル2䞖の時代、「むシュタル門」や巚倧なゞッグラトを擁する、叀代䞖界最倧玚のメガロポリスずしお最埌の頂点を極めたした。

しかし、この繁栄は長くは続きたせんでした。神官団ず王暩の内郚察立により䜓制は腐敗し、わずか数十幎で囜家ずしおの寿呜を䜿い果たし、玀元前539幎、東方の新興囜アケメネス朝ペルシャのキュロス2䞖がバビロンに無血入城したす。

メ゜ポタミアにおける「珟地人による独立囜家」の歎史は、ここで完党に終幕を閉じるのです。

その埌、行政蚀語は耇雑な楔圢文字アッカド語から、アルファベットで曞きやすい「アラム語」ぞず急速に眮き換わっおいきたした。

アレクサンドロス倧王によるペルシャ埁服玀元前331幎以降、支配者はギリシャ系セレりコス朝、そしおむラン系パルティアぞず次々に倉わりたす。

そしお、叀来のシステムは埐々に忘れ去られ、さらに数癟幎が経過した玀元埌1䞖玀玀元75幎頃に曞かれた倩文孊の粘土板を最埌に、楔圢文字の蚘録は地球䞊から氞遠に途絶えたした。メ゜ポタミア文明の終焉です。

しかし、メ゜ポタミア文明の歎史を通しお䜿われ続けた、りルク匏の垂盎桝ボットン匏トむレは、最埌たで重芁なむンフラずしお存圚したした。

逞しく時代を生き抜いた女性たちがしゃがみ蟌んだ、暗い恐怖を倧地に封じ蟌めるわすか10 cmのスリットは、数千幎の歎史を芋぀めながら人々の生掻を支え、圢を倉えながら珟代瀟䌚たで継承されるこずずなったのです。



たずめ


  • 䞍浄を閉じ蟌めるためのトむレ ãƒ¡ã‚œãƒã‚¿ãƒŸã‚¢ã§ã¯ã€äž€è²«ã—お排泄物は「䞍浄」ずみなされ、それを払い、閉じ蟌めるためのむンフラずしお、「掗浄宀」ず「トむレ」が兌甚であるスタむルが䞻流だった。

  • やはり䟿利な「りルク匏」トむレ ã‚Šãƒ«ã‚¯ã§æ™®åŠã—た、防氎床にスリットを開けお、その䞋に竪穎匏排氎桝浄化槜を配眮したトむレが、文明終焉たで䜿い続けられた。

  • 郜垂郚での「氎掗匏トむレ」の詊み éƒœåž‚郚では䞋氎むンフラが敎えられ、排泄物を氎で流す「氎掗匏」のトむレが登堎したが、広く発展はしなかった。

  • 身分ず䟿噚の関係 宮殿や身分の高い人々の䜏居では、倩然アスファルトで防氎コヌティングが斜された、ベンチ匏のトむレが䜿甚されおいた。最も富める者は安楜に座り、垂民はしゃがみ、それより身分の䜎いものは、陶噚を甚いるか、野倖で甚を足すほかなかった。身分が排泄姿勢を芏定したのである。

  • 逞しく生きた女性たち ãƒ¡ã‚œãƒã‚¿ãƒŸã‚¢æ–‡æ˜Žã«ãŠã„おは、時代に逆行しお女性の暩利が制限される時期があった。それでも逞しく、それぞれの時代を生きた女性たちの様子が歎史から透けお芋える。



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